2021年06月28日:幻想美術選「聖アントニウスの誘惑」マックス・エルンスト 2021年06月29日:ミクロコスモスのアイコンについて 2021年06月30日:「諸星大二郎 トリビュート」 2021年07月01日:「夏への扉」/出田りあ マリンバリサイタル 2021年07月02日:気になる映画 2021年07月03日:「ゴジラvsコング」 2021年07月04日:睡眠不足?目次へ戻る 先週へ 次週へ
「幻想美術選」、第254回。「聖アントニウスの誘惑」7番勝負の、第6回。20世紀を代表する「2大「聖アントニウスの誘惑」」の、一方の雄である。
この画家の作品のご紹介は、「天使の声」「沈黙の目」「近づく青春発動期、またはプレイアデス」「素朴な人々の世界」「都市の全景」「雨後のヨーロッパ U」「慈善週間 または七大元素(小説)」に続いて、8回目となる。
モーパッサンの小説「ベラミ」の映画化に際して、作品中に登場する絵画作品「聖アントニウスの誘惑」が公募されたのが、1946年。このコンクールに参加した画家は12人。マックス・エルンスト、サルヴァドール・ダリ、レオノーラ・キャリントン、ポール・デルヴォー、スタンレー・スペンサー、ドロテア・タニングら、錚々たる顔ぶれで、11作品が完成した。アルバート・リューイン(Albert Lewin)が監督した映画「ベラミの私生活」(1947)自体は、興行的には完全な失敗に終わり、忘れ去られてしまったのだが、このコンクールに参加した作品のうちいくつかは、美術史にその名を留めることとなった。第一席となった、エルンストのこの作品も、そのひとつである。(コンクールの開催年と作品の制作年の前後関係が逆転していることに気づかれたかもしれない。予め制作されていた作品をコンクールに出品したのか、コンクールの公募自体がもっと早く始まっていたのか、あるいはその他の理由によるのかは、詳(つまび)らかにしない。)
この画題の「暴力型」「色仕掛け型」の2タイプのうち、本作品は、もちろん前者に属している。それも、完全な先祖返りというか、「グリューネヴァルト」の作例と非常に良く似ている。実際、グリューネヴァルトはエルンストのフェイヴァリット画家なのだ。両者に共通するのは、「ドイツの森」の画家として、史上最高峰クラスだということである。
もうひとつ指摘しておかなければならないことがある。それは、ここに描かれている「怪物」たちが、「天使の声」「沈黙の目」「雨後のヨーロッパ U」などに描き込まれている「怪物」たちよりも遥かに具象的で、いっそ「漫画的」とすら呼べそうなことである。この作品の基本的なトーンは、間違いなく「恐怖」なのであるが、明らかに「諧謔」も読みとれよう。第二次世界大戦中、何度か囚われながらもヨーロッパから合衆国に脱出し、そこで制作された作品である。その経緯とこの作風をリンクさせていいものかどうか、今は私は、解答(仮説)を持ち合わせていない。
コンクールのカタログに寄せられた、エルンスト自身の言葉を引用しておこう。
「彼の暗い病める心のよどんだ水を横切って、光と助けを叫び求める聖アントワーヌは、答えとして彼自身の恐れの叫びのエコーを聞いた。それは彼自身のヴィジョンによってつくりだされた怪物たちの笑い声であった。」
自然の(森の)暴力性が描き出されているこの作品において、聖者を拷問にかけているのは、彼が自ら作りだした怪物たちなのであった。
目次へ戻るこの話、廃墟通信に書いたことあったよな..と、調べてみたら、なんと25年前であった。当然、誰も憶えていないはずなので、しれっと再利用する。[^.^](その後の新情報もありますしね。)
「倉田わたるのミクロコスモス」のトップに貼られている右の写真のモデルは、私である。何をかぶっているのかというと、(セサミストリートの)ビッグバードのマスクである。何故、黄色ではなく白なのかって? デジカメ自体の性能か撮影方法かその後の画像処理か、いずれか(あるいはそれらのすべて)に問題があり、白く飛んで、ローファイな仕上がりになってしまったのである。おかげで、色とともに「ビッグバード」という属性も飛んで、何やら抽象的な普遍性を帯びたことを興じて、このホームページのアイコンとして25年間も使い続けているという次第なのであった。(ちなみに、1994年のホームページの開設時には、このアイコンは置いていなかった。ホームページに貼り付けたのは(正確な日付はわからないが)1996年の春である。)
よろしいか。「25年間」である。「民生用デジカメ」の事実上の初号機である「カシオ QV−10(Wikipedia)」が発売されたのが、1995年。私の周囲には新しもの好きの友人が少なくなく、そのひとりである旧ニフティサーブのFCLAのM氏が、その年の年末のオフラインパーティで、QV−10で私を撮影。そのデータをあとで送ってもらい、ツールで「透過GIF」化して、貼り付けたものなのである。
前記 Wikipedia によると、QV−10は「未来技術遺産」として登録されているとのこと。つまり私のホームページのこの写真もまた、未来技術遺産の生き証人として、永久保存版というわけさ! [^.^]
帰途、都田のカインズに寄って、保冷バッグと保冷材を買う。とある事情で、部署で「鰻」を共同購入したので、自分の分を会社から自宅に運搬するためである。アウトドア活動をまったくしない私なので、これまで持っていなかったのだ。次に使うのが何年後になるのか見当もつかず、使い道のない大きな(ハードケースタイプの)保冷バッグを置いておくスペースなど今のアパートにはないので、ソフトタイプ(折りたためるやつ)を購入した。これはこれで中途半端なサイズであり、今後、使いにくいかもしれないのだが..[;_ _]
こんな新刊情報が!
「諸星大二郎 デビュー50周年記念 トリビュート」(河出書房新社)
祝・デビュー50周年記念企画。
全ページ描き下ろしの新作。
18名の作家による諸星作品への超豪華トリビュート祭。
【豪華参加作家】
萩尾望都 山岸凉子 星野之宣 高橋留美子
江口寿史 浦沢直樹 高橋葉介 藤田和日郎
山田章博 伊藤潤二 寺田克也 古屋兎丸
近藤ようこ とり・みき 唐沢なをき
平野耕太 ヒグチユウコ
【特別参加】
吾妻ひでお
【特別掲載】
諸星大二郎 描き下ろしマンガ
(このページには現時点では発売予定日が記載されていないが、8月7日または11日(サイトによる)。)
..あり得ない。ほぼ、あり得ない顔ぶれである [;*.*][;*.*][;*.*]。われながらこういう表現はどうかと思うが、見る人が見れば 発狂もの [;*.*][;*.*][;*.*]。こういう無茶をする編集者は..案の定、Aさんのようである [;^J^]。故人が含まれてるぞ、とか、江口寿史の原稿は間に合うのか(8月上旬発売なのだから、まだネームにも着手してないに決まってる)とか、突っ込みどころも [;^.^]。無論、即、予約である。現時点の情報では Amazon の方が数日早いようだが、そこまで急ぐ必要はないので、もちろん、honto で。
そのAさんから、「にぎやかな悪夢」の単色ページの色校が、届いた。〆切は明日なのだが夜のうちにチェックをすませて、0時過ぎに返信する。この企画については、これで本当に最後かな。[;^J^]
目次へ戻る午後半休を取って数か所移動するのだが、あいにくの本降りの雨。車移動だから、いいか。
まず、サンストリート浜北へ。フードコートの博多屋台ラーメンで味玉ラーメンを食べてから、3Fのトーホーシネマへ。14:45からの回で、「夏への扉 ―キミのいる未来へ―」である。
..オッケー、合格 [;^J^]。これなら、いいでしょう [;^J^]。本当に心配で心配で [/_;]、やや大袈裟に言えば、これをはずしてしまったら、日本では名作を原作とするSF映画は当分作れなくなるのではないかと、気をもんでいたのだが..ちゃんと、「夏への扉」になっている。大ヒットするとは思わないけれど、構わない。あぁ、良かった..[/_;][/_;][/_;]
なんというか、非常に「繊細に」作られているのである。ハインラインの原作小説は1956年の作品だが、舞台となるのは(その時点からは「近未来」である)1970年と、2000年の「アメリカ」である。もちろんこのままでは、日本映画として成立しない。まず、場所は日本に移した。そして時代を「(現実とは異なる、レトロフューチャーな)1995年」と、「(現代日本からは少しだけ進んでいる)2025年」に設定したのである。これが非常に効果的。
特に、「あまりにもさりげない」未来(2025年)の描写が、優れている。これといった未来都市ではないし、「ヒューマノイドたち」を除けば、テクノロジー的にもほとんど変化していないのである。
そしてもちろん「ヒューマノイド」たちの存在が、テクノロジカルなジャンプを示しているのであるが、彼らの描き方が、素晴らしい。なんと、「CGもSFXも、ほとんど使われていない!」のである [;^J^]。人間の俳優が、「ロボットっぽく演技しているだけ!」[;^.^]。この「アナログ感」が実にナチュラルで、逆に未来的。費用が潤沢なアメリカ映画なら、ついうっかり(無意識のうちに、何も考えずに)CG製のヒューマノイドを登場させてしまったはずだが、そんなもんより、「人間が演技しているヒューマノイド」の方が、遥かに素晴らしいと思う。
ヒロインの年齢の変更を問題視しますか? あなたはやはり?[;^.^] 原作小説では「11歳」。この映画では「17歳」。いまの時代、さすがに相手が11歳では「やばい」と考えたのだろうが、その判断は支持しよう [;^.^]。女性の観客が違和感を感じるだろうしね。17歳にしたことで、普通の恋愛映画としても成立したわけだが、最後の、「11歳 → 21歳」という「ジャンプ/タイムトラベル」の「ワンダー」が、「17歳 → 27歳」ではいささか薄まってしまった。これはまったくやむを得ないトレードオフである。
お薦めする。[^J^]
けっこうな雨の中、車でアクトシティへ直行。18:30から、「四季のコンサート:出田りあ マリンバリサイタル」である。
ピアノ伴奏:松岡優明
2021年7月1日(木) 開場17:45 開演18:30
会場:アクトシティ浜松中ホール
※ 曲目については、上記リンク先を参照のこと
聴く前には、マリンバだけでは、いささか単調なコンサートになるかもな..という予断があったのだが、どうして、どうして! 多彩な音色と奏法を楽しめた。特にどの曲が、とは、挙げづらいのだが、強いて挙げれば、「ラヴェル(編曲:出田りあ)/「マ・メール・ロワ」より」、「ファリャ(編曲:出田りあ)/バレエ音楽「恋の魔術師」より火祭りの踊り」、「ガーシュウィン(編曲:水野久興・出田りあ)/組曲「ポギーとベス」」などだろうか。
ピアニストの「譜面」は、タブレットだった。ここ数年、コンサートに足を運ぶ機会が減っていたので気がついていなかったが、最近では珍しくもないのだろうか。ただし、2点だけ、突っ込ませていただく。
1.サイズが小さい。もっと大画面のタブレットを用意してあげなさい。
2.譜めくりストは、居るのである。譜面をめくるかわりに、パネルにタッチしているのである..なんかマヌケに見えてしまったのは私が悪いのかもしれません、すみません [;_ _][;^.^]。奏者自ら「(ブルートゥースでリンクした)フットペダルで画面を進める」のが、あるべき姿だとは思うのだが、考えてみれば、ピアニストは両手両足ふさがっているんだよな。現時点では譜めくりストを置くのが現実的だとは思うが、しかし、画面タッチ以外の操作子を用意すべきではないだろうか。電子楽器メーカーは、何をやっておるのだ! [;_ _][;^.^]
目次へ戻る朝、大雨。保冷バッグと保冷材を車に載せて出社し、鰻を持ち帰る。(もちろん、仕事もしましたよ。[;^.^])帰途も、ときおりの豪雨。朝まで、断続的に強い雨。
現時点で観る予定のある映画を、備忘として(公開の早い順に)書き記しておく。
クワイエット・プレイス 破られた沈黙 公開中 ゴジラvsコング 公開中 唐人街探偵 東京MISSION 7月9日 竜とそばかすの姫 7月16日 妖怪大戦争 8月13日 オールド 8月27日 マスカレード・ナイト 9月17日 ルパンの娘 10月15日 シン・ウルトラマン 空想特撮映画 未定
「ゴジラvsコング」は、明日観る予定。「クワイエット・プレイス 破られた沈黙」は、ぐずぐずしていると終わっちゃうかなぁ..
「マスカレード・ナイト」はシリーズなの? 前作を観てないんだけど、まぁ、大丈夫だろう。私は(追っかけているわけではないのだが)長澤まさみが、お気に入りなのである。かつて(すぐに消える、もう終わった、などと)ディスられていた時代があって、そうかなぁ [?_ _] ..と、その風潮に反発を感じて以来の、まぁ判官びいきですね。現在のポジションについては、よく知らない。(別に追っかけているわけではありませんから。)
その伝でいくと、もうひとりの主役のキムタクにも(追っかけてはいないが)肩入れしてしまう。彼が現在ディスられている理由(事情)については、なんとなく見当はつくのだが [;^J^]、そこはそれ、これもまた判官びいきというやつで。[^.^]
目次へ戻る曇天。11:00に出て、高丘へ。アマノ書店の前を通り過ぎたとき、店舗全体がシートで覆われていて、書籍を詰めていると思しき大量の段ボール箱が見えた。まさか閉店!?
すぐ近所のプラスエヌというつけ麺の店の駐車場で、開店を待ちつつ、慌てて検索。7月から改装工事が始まっていたのであった。あぁよかった..[;_ _][;^J^]
プラスエヌでなかなか美味いつけ麺を食べてから、サンストリート浜北へ。12:50からの回で、「ゴジラvsコング」。
そりゃもちろん面白いが [;^J^]、それにしても、「夏への扉 ―キミのいる未来へ―」の、まさに対極 [;^.^]。両方観て、振れ幅を体感するのが、吉。どちらも傑作だしね。
いまどき、都市や戦艦の大破壊とかクリーチャーとかのSFXは、どんなに見事で豪華であっても、それはコモディティ。そこで差別化は、できない。すると結局、脚本のよしあしで決まるということになる。
今回、一番感心したのは、猪木と馬場、もとい、ゴジラとキングコングのどちらが強いのか、という、「どちらが勝っても不都合な」難問を、まさにプロレス的に、きれいに解決しているところであった。[^.^]
もちろん、突っ込みはじめるとキリがない [;^J^]。「地球空洞説」はいいとして、キングコング(と彼を追った一行)が辿り着いた「空洞世界」の描写たるや、「ペルシダー」以下であるとか [;_ _]、空洞世界の広さがわからん(たかだか直径数十キロか、おまけしても数百キロ程度にみえる)とか、地表との距離感がわからん、とかとか、まぁ、いいでしょう [;^J^]。こういう突っ込みも、楽しみのうちだからね。[^J^]
「過去の怪獣映画へのリスペクト/文化の継承」が、しっかりとなされているのも、いい。どこかでみたような話だが..と、パンフレットを読んでようやく気がついたのだが、マッドサイエンティストがコングを操って極地に新エネルギーを奪取に行く(そしてもちろんマッドサイエンティストは破滅する)というのは、東宝の「キングコングの逆襲」そのものではないか。(「キングコングの逆襲」に登場するのは「メカニコング」だったが、本作では「メカゴジラ」。)
熱海で土石流。映像を見て、さすがに言葉を失う。事前に警告は出せなかったのだろうか..
関連して..廃墟通信では書くタイミングを失っていたが、フロリダのマンション(コンドミニアム)崩壊にも、言葉を失った。映像をみたが、僅か数秒で..深夜1:30なのである。逃げ出せる可能性があるわけもなく..(崩落の約10分前に、異音に気づいて部屋を出た人が、1階のプールデッキや駐車場の一部が地下に崩れるのを目撃していたという情報もある。)
原因究明はこれからだが、現時点までの情報では少なくとも直接のトリガーとなったのは、どうやらメンテナンスの「遅れ」。作業は行っていたようなので、「不作為」とは言えない。ただ、アクションを取るのが、遅すぎた。
..ひとごとでは、ない。ひとごとでは、まったくないのだ。「まだ間に合うし」と先送りにしている案件を、いくつも抱えている私なのだから..[;_ _][;_ _][;_ _]
目次へ戻る曇天。今にも降りそうな空模様である。
昼食は、近場にこんな店があるとは知らなかった、蜆塚の「食彩和楽かとう」へ。知人のフェイスブックで知ったのである。(私は、基本的に「食べログ」などを見ない人なので..)車で5分、歩いて20分ぐらいの距離。普段ならば歩くところだが(昼酒も飲めるしね [^.^])、この天気なので、車で。ごくオーソドックスに、さしみ天ぷら定食。美味いね。
志都呂イオンへ。3Fのユニクロでシャツを2枚。いまどきはユニクロも、セルフレジなんですね。いちいちスキャンしなくても、ボックスの中に買ったものを全部放り込むだけでタグを読み取ってくれるのは、便利だ。
ただしうっかり、マイバッグを持たずに手ぶらで来てしまったので、紙バッグを買う羽目になってしまった [/_;]。血涙をふり絞りながら、10円を支払う [/_;]。言うまでもないことだが、10円に不自由しているわけではない。真に必要な支出であれば、私は100万円でも平然と支払うのだが、今回の10円は、本来まったく不要な支出だったので、ダメージが甚大なのである..[/_;][/_;][/_;]
あとは、例によって直帰せずに、無目的な適当ドライブ。運転中、ちょっと眠気を感じたので、安全のため早めに切り上げて帰宅。午後はどろどろと昼寝。
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