*2017年01月16日:「ヘンタイ美術館」「ペンと箸」
*2017年01月17日:幻想美術選「聖アントニウスの誘惑」グリューネヴァルト
*2017年01月18日:老いを感じるとき
*2017年01月19日:「ゆうれい日和」発注
*2017年01月20日:驚いた [;^.^]
*2017年01月21日:トライポッドと3本目のレンズ
*2017年01月22日:夢フィルタ
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*2017年01月16日:「ヘンタイ美術館」「ペンと箸」


 先週末の上京時に買ってきた本のことを書くのを忘れてた。(別に、浜松でも買える本なんだけどね。[;^J^])全部書くのも面倒だから、2冊だけ。

 ヘンタイ美術館」(山田五郎、こやま淳子、ダイヤモンド社)−タイトルはアレだが [;^J^]、内容は実に面白く(トーク・イベントの書き起こしらしく)リーダビリティが高い。たちまち読めるにも関わらず内容が濃く、勉強(知識の整理)にもなる。西洋美術の素人にもマニアにも、楽しめる。

 レオナルド・ダ・ヴィンチは一発屋だとか、ドラクロワは中二病で島耕作だとか、ドガこそ近代的な意味での(どこに出しても恥ずかしくない)「変態」だとか、いちいち説得力があり、また、興味本位に面白おかしく語っているわけではない。ずばり本質を突いている。さすがは山田五郎である。お薦め。

 田中圭一の ペンと箸 〜漫画家の好物〜−帰路の新幹線車中での無聊を慰めるために、「ルポ漫画らしいから気楽に読めるな」、と、買ってきたのだが..驚いた。田中圭一の最高傑作クラスではあるまいか。(彼の全作品を読んでいるわけではないが。)いやしくもマンガファンを標榜していながら本書を読まないやつには、石をぶつけてやるレベル。必読。

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*2017年01月17日:幻想美術選「聖アントニウスの誘惑」グリューネヴァルト


 「幻想美術選」も第47回。節目の第50回に向けて、「聖アントニウスの誘惑」三連発と行こう。まずは、西洋美術史上でも最も重要な作品のひとつである「イーゼンハイム祭壇画」の一部をなす、この作品。幻想美術史上でも、屈指の名作である。(左上が欠けているように見えるのは、スキャン時のミスではない。こういう形状の作品なのである。)

Picture

「聖アントニウスの誘惑」(グリューネヴァルト、1511〜15年頃)

 まず、この画題(「聖アントニウスの誘惑」)については、「第15回「聖アントニウスの誘惑」ヒエロニムス・ボス」を参照のこと。その回でも述べたように、「暴力で責められる拷問パターン」と「色仕掛けで責められるパターン」があるのだが、このグリューネヴァルトの作品は、ご覧のとおり、前者である。一見して、同時代のボス作品と似ていると思われるかも知れないが、こちらの方が、より「近代的」かつ、どこか「明るく、親しみやすい」。それは、神の救いが、既に上空から降りてきており、手前の悪魔が、その光に耐えきれずに倒れているのも、大きな理由のひとつであろう。さらに、これは私見なのだが(といっても、既に指摘されている(斯界では常識である)かも知れないのだが)、日本の「百鬼夜行図」を、思わせるところがあるのである。悪魔たちが回り中から襲いかかってくるというよりは、全体として「右から左へと行進している」ところもそうだし、「最後に(夜明けの)陽光が現れて、退散していく」ところも、そうである。

 しかし、この作品を、数多(あまた)ある「聖アントニウスの誘惑」図の中で、真に独自の位置を占めさせているのは、まさに、この前景で倒れている悪魔の「病変」である。この悪魔は、「聖アントニウスの火」という病に罹っているのである。

 まず、「イーゼンハイム祭壇画」の画像検索結果を観ていただこう。どうです、実に複雑な構造をしているでしょう。パネルが2回開く仕組みになっており、普段は、全て閉じられていて、正面にキリストの磔刑図(恐らく、西洋美術史上でも屈指の(あるいは最も)恐ろしい磔刑図..なにしろ、キリストが腐り始めている..)、その左右に聖人たち。日曜日と小祝祭日には、このパネルが1回開けられ、中央に聖母子と奏楽の天使たち。左翼には受胎告知、右翼にはキリスト復活、という、一変して明るい世界。そして大祝祭日には、さらにもう1回開けられて、中央には木彫りの聖人たち、左翼には対話する聖人たち。そして右翼に、この「誘惑図」が描かれているのである。(「イーゼンハイム祭壇画」については、Wikipedia のグリューネヴァルトの項の、「イーゼンハイム祭壇画」の節に、簡潔に記述されている。)

 中世ヨーロッパの「三大疾病」と呼ばれるほどの猛威をふるったのが、「ペスト」「ハンセン病」「聖アントニウス病(麦角中毒)」であり、この祭壇画は、イーゼンハイム地方にあった「アントニウス会」の修道院(と施療院)のために、制作されたものなのである。そう、「聖アントニウス病(麦角中毒)」の患者たちを救済するために..奇跡を起こすために..

 信心深い方々には「不信心者の戯れ言よ」、と、嗤われることを覚悟の上で書くが、「奇跡など、起こるわけがない」、のである。

 ただし、この施療院への長旅の過程で、麦角菌に汚染されたライ麦パンから自然に遠ざけられることにより、症状が軽快した者は、いたかも知れない..というより、いたであろう。すると、到着してから懸命に祈り続けるうちに、あるいは本当に全快したかも知れない。「奇跡」である。そしてひとりでも(もっと多かっただろうが)こういう例があれば、奇跡が起こる証拠としては、十分だ。

 そして、仮にこのような幸運に恵まれず、治らなかった人々にとっても..キリストの磔刑図は、「救い」になったであろう。なぜなら、自分たちと同じ病で苦しみ、死んだからである。その先には、救済が待っているのだが..ここから先は、キリスト教信者ではない私には、「頭で理解している」だけの話なので、馬脚を現す前に、やめておこう。

 とはいえ、もう一言だけ。大祝祭日にだけ開帳される「聖アントニウスの誘惑」図は、磔刑図とは別の意味で、患者たちに希望を与えたかも知れない。なぜなら、同じ病に罹っている悪魔が、神の光で打ち倒されているからである。悪魔が患者の象徴であるわけがなく、この病気自体の象徴であると考えると、われわれ、非キリスト者にも、理解しやすいのではあるまいか。

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*2017年01月18日:老いを感じるとき


 ..それは、道を歩いていて、「他人に追い越される」ときである。[;_ _]

 かつて私は、走れば鈍足であるが、歩けば誰よりも(というと言い過ぎだが、少なくとも街中の歩行者の99%よりは)速かったのである。ほとんど歩く暴走族。人混みの中をどんどんすり抜け追い越していくものだから、さぞや周囲に迷惑を振りまいていたことであろう。[_ _]

 そんな栄光(?)も、今は昔。今は周囲の歩行者に普通に追い越されていく。女子高生や女子大生やOLに追い越されるのは、屈辱以外のなにものでもない [;_ _]。もちろん、年齢というよりは、運動不足のせいなのだが..

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*2017年01月19日:「ゆうれい日和」発注


 「吾妻ひでお ベストワークス 2 ゆうれい日和」を、予約特典欲しさに出版社に予約した。内容は素晴らしい。発売日が楽しみだ。

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*2017年01月20日:驚いた [;^.^]


 昼間、雨が多少降ったが、夜にはむしろ暖かくなった。

 先日買ってきた、アサヒカメラ特別編集のD750のムックを読んでいるのだが、これまでD750本として読んでいた、日本カメラ社のムックとは視点(角度)が違っていて、面白い。(こんなの、どれも一緒だと思っていたんだけどね。)日本カメラ社のムックに比べて、交換レンズ(特に、クラシック・ニッコールと呼ばれている、昔のレンズ)に多めにページを割いているのが特徴。

 そもそも、ニコンの一眼レフを選んだのは、交換レンズが豊富だと聞いていたからであるし、これまで「現役の」レンズカタログを眺めては、「多いなぁ..」と、にやにやしていたのだが..このムックで、実は、1959年以来、ニコンのレンズマウントは不変だということを、今さらながら知った次第。[;_ _](1958年生まれの私と、ほとんど同い年ではないか。[;^.^])つまり、マウント可能なレンズが、ニコン純正だけでも、400以上ある。これには驚いた。[;^.^](当初の予想よりも、完全に、桁が違った。)

 もちろん、古いレンズの「性能」は、最新鋭レンズに及ばないのは当然。(マウントできるにしても、制約も注意事項もある。)でも、ハイレゾ/ハイコントラストの写真だけが、尊いわけではない。ゴーストやハレーション。中古レンズを買ったら、歪みがあるかもしれない。でも、それが唯一無二の個性ともなりうるわけだ..

 ..底なし沼。[;^.^][;^.^][;^.^]

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*2017年01月21日:トライポッドと3本目のレンズ


 ..ま、SF者が「トライポッド」といえば、論ずるまでもなく「宇宙戦争」(ウェルズ)なんだけどね [;^J^]。ここは世間に妥協して、カメラの三脚のことだとしておこうよ。[^.^]

 快晴。9:30前に自宅を出て、9:45に湯風景しおり。館内の散髪屋「髪工芸」には10:00に予約していたのだが、空いていたようで、9:50から散髪してもらえた。15:35に退出。

 浜松駅前のビックカメラへ。つい最近買ったばかりのような気がするが、さらにもうひとつの交換レンズ(いわゆる10倍ズームレンズ)と、「トライポッド」を買う [^.^]。合計、ざっくり、18万。17:00前に帰宅。

 野暮用をいろいろ片づけているうちに夜になってしまったので、早速、アパートの前にトライポッド(以降は、三脚と書く [;^.^])を立てて星空を15秒ほど露光して撮影してみたら..真っ白 [;^.^]。光が入りすぎ。まだ(あるいはここは)明るすぎるからかな。そもそも長時間露光の星空撮影などは、撮影場所を選ぶはず。また、設定がおかしかった可能性も、おおいにある。(ぱっと見、(ISO感度も含めて)間違えてはいないように思えるのだが..)勉強と経験が必要だ。[;^J^]

 とにかく、これでレンズ3本体制になった。1.ひととおりのことはこなせる、普段使いの軽い汎用レンズ「AF-S NIKKOR 24-85mm f/3.5-4.5G ED VR」。2.単焦点の「AF-S NIKKOR 50mm f/1.4G」。3.10倍ズームの「AF-S NIKKOR 28-300mm f/3.5-5.6G ED VR」。これに加えて、一応まともな三脚。小物はこのあともいろいろ買い足すだろうが、大型投資はしばらく控えて、これらを使いこなすことに専念しよう。(旅には10倍ズームかな。)

 トランプ、大統領就任。気に病むことはない。4年なんか、あっというまだ。

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*2017年01月22日:夢フィルタ


 曇天。10:25に出て、10:35から13:20まで、湯風景しおり。13:50、帰宅。

 以前も書いたと思うが、最近は寝付きが非常に悪いので、(何度も見ている)バラエティ番組の録画を(小音量で)再生しっぱなしにして、就眠の助けにしている。それで気が付いたのだが..これらの番組が、夢に干渉するのである。

 そこで思いついた応用遊戯。別にバラエティ番組にこだわることはなく、「2001年」や「ブレードランナー」のような映画でもよいし、なんならオペラでも構わないのだが、眠るときに再生しっぱなしにしておく..と、うまくすると、脳内で変換され、夢と混ざって(あるいは夢と化して)、非常に面白い物語を「体験」できる(場合によっては「参加」出来る)ことがある。昨夜もそうだった..もちろん、ものが「夢」だけに、「面白かった!」、という記憶だけが残り、内容はなぁんにも憶えちゃいないのだが [;^J^]、この儚さこそが、「夢」の身上。

 ..お暇なら、お試し下さい。[^J^]

 2日ほど前、ニコンの交換レンズの多さに驚いた、と、MixiやFBに書いたところ、自分が使っている(奇しくも私と同じ)D750では、昔のレンズを認識しない (/_;) ..という情報が、とある読者から寄せられた [;^J^]。レンズの型番や状況を聞いたわけではないので、そもそも(仕様的に)相性の悪いレンズなのか、個体の問題なのかはわからないが、そういう事例もあるということを、心に留めておこう。[_ _]

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*解説


MASK 倉田わたるのミクロコスモスへの扉
Last Updated: Jan 26 2017
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