*2024年11月25日:積読の徳
*2024年11月26日:星名美怜、契約終了
*2024年11月27日:上洛日程決定
*2024年11月28日:幻想美術選「1900年万国博覧会のためのエッフェル塔改修計画:シャン・ド・マルス、会場入口」フランソワ=グザヴィエ・シェルコフ、ウジェーヌ・ブートロン
*2024年11月29日:郡山市立美術館/インターメディアテク
*2024年11月30日:墓参り忘年会
*2024年12月01日:エモい眺め [^.^]
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*2024年11月25日:積読の徳


 快晴。寒い。9:56のバスで発ち、11:26、神保町。近いね [^J^]。共栄堂でポークカレー。今日のところは数店回った程度で勘弁しといてやって [^.^]、13:30に離脱。

 13:55、永田町の国会図書館。調べ物を5〜6件片付けて、15:35に退出。乗り換え無しで一気に鶴ヶ峰に戻れるはずが、ダイヤが乱れていて湘南台行きに乗れず、なんだかんだで、17:50に帰宅。[;^J^]

 一昨日、この記事を読んだのであった。→「京極夏彦「本は、買うだけでいい。読もうが読むまいが、いいと思った本を手元に置いておくだけで人生は豊かになる」」..まったく、我が意を得たりである![^.^]

読まない本を持つのは時間や空間のムダだという論がありますが、とんでもない話です。本は、買うだけでいい。読もうが読むまいが、いいと思った本を手元に置いておくだけで人生は豊かになります。題名を読んで中身を想像すれば感情は動く。「いつか読もう」と思えば、目も頭も大切にして、長生きしようと努力するかもしれないじゃないですか。

 さすがに、プロの文筆家は違う。私も以前から、「積読とは可能性の読書である」とか「物理的に手元に置いておくことの幸福なプレッシャー」などと言語化してきたのであるが、書架に並んでいる未読の書籍の背表紙を見ているだけでほんわかと感じる幸福感を、「感情は動く」という5文字で、見事に簡潔に的確に表現してくれた。

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*2024年11月26日:星名美怜、契約終了


 快晴から明るい曇天へ。午前中、ららぽーと横浜、シャトレーゼ、ドラッグストア、とハシゴする。

 星名美怜が、突如、私立恵比寿中学との契約を終了。「卒業」ではないのか。何があったのだろう。通常とは異なる脱退の仕方をするだけの事情があるのだろうが、詮索する必要はない。誰の得にもならない。

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*2024年11月27日:上洛日程決定


 朝、夜間の雨はあがっていた。明るい曇天から快晴へ。暖かい。

 先日来悩んでいた上洛日程の件。来週前半か後半か(どちらが紅葉の打率が高いのか)悩みに悩んでいたのだが(ほかに悩むことはないのかよ [;^J^])、後半に決めた。

 4日(水)の深夜、横浜駅東口のYCATを22:45に発つ高速バスで、5日(木)の朝5:10に、京都駅八条口着。5日(木)と6日(金)京都で遊び呆け [^.^]、(5日夜と6日夜は、いつもの祇園そばのゲストハウスを予約して、)7日(土)に横浜に帰る。心残りの撮影ポイントが多数残っている場合は、夕方まで粘ってのぞみで帰るし、そうでもない場合は、早めに切り上げて(交通費節約のため)在来線かバスで帰る。

 19:00から40分ほど、町内の防犯パトロールに参加。効果のほどはなんとも言えないところであるが [;^J^]、地域の活動にできるだけ参加して顔つなぎしてしておくことは、とても大切。

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*2024年11月28日:幻想美術選「1900年万国博覧会のためのエッフェル塔改修計画:シャン・ド・マルス、会場入口」フランソワ=グザヴィエ・シェルコフ、ウジェーヌ・ブートロン


 「幻想美術選」、第312回。今回は、いささか珍しい「作品」をご紹介する。これは厳密に言えば「美術作品」ではないし、「幻想」を狙ったものでもない。しかしもうなんちゅうかこれは..[;^.^]

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「1900年万国博覧会のためのエッフェル塔改修計画:シャン・ド・マルス、会場入口」(フランソワ=グザヴィエ・シェルコフ、ウジェーヌ・ブートロン、1895年頃)

 「東京スカイツリー完成記念特別展 ザ・タワー 〜都市と塔のものがたり〜」(2012、東京都江戸東京博物館)から引用する。

1889年のパリ万博の閉幕を、エッフェル塔は大成功のうちに見届けた。1887年に国とセーヌ県とエッフェルの間で結ばれた協定によって、エッフェル社による塔の営業権は1910年まで保障されていたのだが、1900年に再びパリ万博を開催する計画が持ち上がってきたところで、エッフェル塔の存続を脅かす事態が生まれてきた。1894年、万博の準備委員会が、1900年パリ万博の会場の設計コンクールを開く際に、エッフェル塔については、塔を改築する、取り壊す、あるいは保存する、の3つの選択肢を提案の条件に付したのである。これにより、多くのユニークなエッフェル塔改造案が提案された。議論の末、1897年に至り、1900年の万博においては、エッフェル塔はもともとの姿のまま、会場の一部として存続することになった。(後略)

 つまり、エッフェル塔はこのような姿になってしまうところだったのである [;^.^]。実現しなかったのは、まことに残念。パリは、怪奇幻想都市として20世紀を迎えたであろうに。[^.^]

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 他の設計案も、いくつかご紹介しておこう。左から、「電力・土木館への改修計画案」「“政治・芸術・産業の世紀”の宮殿」「サンソン山への改修計画図」。最後のものは、エッフェル塔を「鉄骨」としてのみ利用し、あらたな「山」を作ろうという発想である。このようなものが、パリの中心に出現しかねなかったのである。[;^J^]



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*2024年11月29日:郡山市立美術館/インターメディアテク


 晴天。5:30に徒歩で発つ。直近のバス停からの最初の便はまだなので、駅まで歩くつもりだったのだが、下の通りに出てすぐのバス停からの5:37の始発を偶然つかまえられたので、これで行く。早くも混んでいるな。もう通勤時間帯なのか。すまんなぁ、私は遊びに行くんだよ。[;^.^]

 駅前の松屋で朝食。6:20に鶴ヶ峰を発ち、東上。8:05に、大宮からやまびこ125号。8:56、郡山着。

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 9:20のバスで、9:30に郡山市立美術館。ここに来るのは初めてである。「奇想の版画 1500ー1650 帝都プラハを交差するヨーロッパ版画 」(前期:〜12月1日(日)まで、後期:12月3日(火)〜12月27日(金)まで)である。(写真は、郡山駅前の紅葉と、美術館の前庭。)



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 「1.“メディア皇帝”マクシミリアン1世の時代の北方版画の巨匠たち」の章からは、デューラーの超名作をご紹介。左から、「ネメシス」「騎士と死と悪魔」。(以降も、図録に十分なサイズで収録されていないために、スキャン結果の解像度が多少甘い点については、乞うご容赦。m[_ _]m)他、「幻想美術選」でご紹介済みの作品からは、黙示録の四騎士メレンコリアI



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 「2.クラインマイスターと極小版画の世界」の章は飛ばしまして [_ _]、「3.イタリア・マニエリスムの版画―技巧と奇想の精華」の章からは、ジュリオ・ロマーノ原画の「バッカスの凱旋」。「幻想美術選」でご紹介済みのジョルジョ・ギージの人生の寓意(ラファエロの夢)



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 「4.奇想の版元 ヒエロニムス・コック」の章は、ピーテル・ブリューゲル(父)メインなのだが..もういいでしょ [;_ _]、何度も何度もご紹介しているので、スキャンも画像検索もしんどいわ [;_ _]。もう雑に、「ブリューゲル 版画」で画像検索だけしとくので、これで勘弁してくれ [;_ _]..とまぁ、これだけではなんなんで [;^.^]、ティツィアーノ・ヴェチェリオ原画の「荒野で読書する聖ヒエロニムス」も添付しておく。



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 「5.奇想の皇帝ルドルフ2世と版画制作」の章からは、バルトロメウス・スプランゲル原画の「叡智の勝利」。ヘンドリック・ホルツィウスの「永遠の洞窟(魔術師)」「オケアヌス」「テテュス」



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 「もうひとつの奇想」から、まずは、クロード・メランの「聖顔」。これは、驚くべき作品なのであるが、図録からのスキャン画像では真価が伝わりにくいだろう..(通例300dpiのところを600dpiでスキャンしたとはいえ、図録への印刷の段階で、既に細部が滲んでしまっているのでいかんともしがたく..)

 これは、「一筆書き」なのである! 鼻の頭からスタートする渦巻き状の! 線が一度も交錯していないのである! では、髪や髭や瞳や肌に精密に施された印影はどのように表現されているのか? 「線の肥痩」のみによってなのである! 残念ながら添付画像では、薄く塗られた上に線が描かれているように見えてしまうが、これは図録の印刷時に、そこまでの解像度を確保できなかったからである。参考までに、目元の拡大図を、ネットから拾ってきた(→ 聖顔の瞳部分)。ほとんど正気の沙汰ではない..[;*.*]

 この作品の技法を模倣しようとした版画家は、全員が失敗に終わったという。また、メラン自身も、再び同じ技法で作品を作ることは難しいと考えていたようである。

 右図は、アダム・エルスハイマー原画の「娘を探すケレス」



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 最終章、「6.現実と奇想のはざま ジャック・カロ」からは、いずれも有名な3作品をご紹介する。「2人のパンタローネ」「戦争の惨禍(大)」、そして、「幻想美術選」でご紹介済みの聖アントニウスの誘惑(第2ヴァージョン)である。



 館内のカフェでランチを食べてから、常設展も観ていくことにする。「常設」といっても、特集展示であるが。

 「展示室1」は「ウィリアム・ブレイク特集」で、ブレイクとロマン派の画家たちの作品が展示されている。ブレイク作品は、「『ヨブ記』挿絵」画像検索結果)、「ダンテの『神曲』のための連作」画像検索結果)など。いずれも赫々たる名作であるが、これはブレイクの責任ではないとはいえ、「ヨブ記」はほんとに酷い話だよな [;-_-]凸。こんなのを有難がってる宗教(← 読まなかったことにしてください [;_ _][;^.^])。ジョン・マーティンの「フレッシュウォーター・ベイ」画像検索結果)は、彼にしては珍しい画題かな。おなじく「ノアの大洪水」画像検索結果)など。

 「展示室2」は「福島ゆかりの日本画」。黒沢吉蔵の「晩秋の山河」など。(画像検索はできませんでした。[_ _])

 「展示室3」は「フロンティア精神のひとびと」。石川欽一郎の「牛荘(ニューチョワン)」、諫山麗吉の「甲州猿橋」画像検索結果)など。

 「展示室4−1」は「浜田庄司とエリック・ギル」。エリック・ギルの木版画(画像検索結果)は、これまでマークしていなかったのだが、不覚の至り。画集を入手しなくては!

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 どれも素晴らしいのだが、驚いたのは、「エヴァ」! 左図は、ネットから拾ってきた展覧会図録の表紙であり、してみると、どうやら彼の代表作らしいのだが..

 ..やばいだろ、これ [;^J^]。こんなにエロいエヴァも珍しい。胸を反らせて豊満な肉体を誇示しているエヴァの背後から、両脚のあいだをくぐって蛇が頭をもたげ、股間を狙っている..性的なメタファーは言うもおろか、アダムには見向きもせずに蛇との愛欲生活に溺れる未来しか見えない..[;_ _][;^.^]

 (附記:帰宅してから、早速前記の図録をネットで発注し、この日記を書き上げてアップする少し前に届いたのだが、その中に気になる記述があったので、改めて調べてみたところ..なるほど..そうなると、この「エヴァ」の意味も変わってくるというか、「無邪気に面白がってはいられない」よなぁ..(気になる人は、ぐぐりなさい。)この展覧会のキャプションでは、触れられていなかったことである。)



 「展示室4−2」は「クリストファー・ドレッサーの芸術」。陶器類もいいが、シンプルで機能的な金属とガラスの食器類が、今の目で見ても新鮮で洒落ている。

 美術館前のバス停から、12:38のバスで郡山駅へ。(美術館でもらったバス停への地図が不適切で、いささか無駄に歩いたが。[;^.^]凸)13:06のやまびこ54号で、14:24、東京着。丸の内仲通りのイチョウの黄葉は、まだまだである。

 15:00、東京駅丸の内南口の目の前の、JPタワー/KITTE内の「インターメディアテク」へ。前から気にはなっていたものの、実はここに来るのは初めてである。名称の印象から「teamLab★」みたいなものかと思っていたのだが、全然違いました。[;^.^](公式サイト

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 中写真は、高橋勝蔵描く「田口和美像」(1894)。(旧)医学部解剖教室の初代教授で、東京大学内に現存する最古の肖像画とのことだが、申し訳ないが、モデルにも画家にも興味はない [;^J^]。お察しのとおり、絵ではなく額縁を撮ったのである [^.^]。私も死後(できれば写真ではなく)肖像画を、せめてこの程度の額装をして、倉田わたる記念館に展示していただきたいものである。[^.^]

 右写真は、「マチカネワニ」(新生代中期更新世)の化石のレプリカ。



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 常設展示『ギメ・ルーム ― 驚異の小部屋』と、『Made in UMUT ― 東京大学コレクション』。こういう空間が東京駅の目の前にあるというのは、非常に「良いこと」である。[^J^]



 退出時刻は、失念。鶴ヶ峰で筑前屋に寄り、20:30に帰宅。

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*2024年11月30日:墓参り忘年会


 快晴。12:10に、鶴ヶ峰駅まで徒歩で向かう。さほど寒くはない。横浜から日ノ出町へ。野暮用1件。横浜駅に戻り、これまでほとんど足を踏み入れていなかった北西口界隈を散策する。なるほどこんな感じの街なのか。

 ビブレのブックオフに立ち寄ってから、東神奈川へ。待ち合わせ時刻の30分以上前に着いたのは、改札直近の駅ビル?のコーヒーショップで読書して時間をつぶす予定だったからであるが、ちょうど改装中 [;^.^]凸。上のフロアにベンチがあったので、そこで読書。

 15時少し前に集合。中学時代の吹奏楽部の同期生と顧問の先生との年に一度の集まりである。まずは墓参り。その後、徒歩組とバス組にわかれて、「Cafe&Deli Rodiac Arkestra」へ。予約は16時からだが、少し早めに着いたので、15:50頃から会食スタート。

 お定まりの健康の話、病気の話 [;^J^] のほか、音楽の話(レッスンの話)その他もろもろの四方山話。

 18:20頃に散会。白楽から横浜駅へ。ここでまたブックオフで [;^J^] 時間調整してから某所に寄るなどして、帰宅したのは21:50。

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*2024年12月01日:エモい眺め [^.^]


 快晴である。

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 左写真は、書斎の西の窓からの眺め。なんの変哲もない住宅街の風景であるが、気に入っている。写真ではわかりにくいが、センターに富士山が見えている。私に闇の力があれば、電線を全部地中化してしまうのだが、それはさておき。[;^J^]

 そして右写真は、書斎の反対側(東側)。大型ディスプレイの電源を切っているときに映る、西側の風景。この、青暗いホワイトバランスの映像が、エモいのだ。どうかすると、西側の窓から直接眺めずに、椅子に坐って、この東側の「鏡」を、ぼーっと眺めている時間の方が長かったりするのである。[^.^]



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*解説


MASK 倉田わたるのミクロコスモスへの扉
Last Updated: Dec 4 2024
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