2021年06月14日:「華氏451度」の続き 2021年06月15日:6〜7月以降のできれば観たい展覧会 2021年06月16日:眼鏡更新/期日前投票 2021年06月17日:幻想美術選「聖アントニウスの誘惑(第2作)」ジャック・カロ 2021年06月18日:「クラシックTV」 2021年06月19日:休日出勤/色校チェック 2021年06月20日:色校チェックの続き/ソナスアンサンブル演奏会目次へ戻る 先週へ 次週へ
「100分de名著」、今夜は「華氏451度」(レイ・ブラッドベリ)の(全4回中)第3回。ますます面白くなる一方である。訳書から抜き書きしたいのはやまやまなのだが、横浜の家に置きっぱなので [;_ _]、この番組での玉置玲央の朗読からご紹介する。今回は、この「近未来のデストピア」において、文化が衰退してきた「原因」について、語られる。
「20世紀にはいると、フィルムの速度が速くなる。本は短くなる。圧縮される。古典は15分のラジオプロに縮められ、つぎにはカットされて2分間の紹介コラムにおさまり、最後は10行かそこらの梗概となって辞書にのる。」
「要約、概要、短縮、抄録、省略だ。」
時間がない中でもてはやされるのは、すぐに楽しめる娯楽。スポーツが人気を博し、雑誌は活字を減らして漫画やグラビア写真のページが増加。
さらに市場が大きくなると、メディアは抗議の声を恐れ、どんな立場の人も不快に思わないよう配慮、どれも当たり障りのない同じ様な内容になっていく。
「見てのとおりさ、モンターグ。これはお上のお仕着せじゃない。声明の発表もない、宣言もない、検閲もない、最初からなにもないんだ。引金をひいたのはテクノロジーと大衆搾取と少数派からのプレッシャーだ。」
かくして、テレビも本も同時進行的に劣化してゆく。抗議の声を恐れて表現者が自ら表現を手放していく。人々が自ら考えなくなっていく。(隣の家が隠し持っていた)本を燃やすことは、人々の劣等意識を守る、カタルシスを与えるエンターテインメントになった。
「黒人は『ちびくろサンボ』を好まない、燃やしてしまえ。白人は『アンクル・トムの小屋』をよく思わない。燃やしてしまえ。なにもかも燃やしてしまえ。火は明るい。火は清潔だ。」
「国民には記憶力コンテストでもあてがっておけばいい。ポップスの歌詞だの州都の名前だの、アイオワの去年のトウモロコシの収穫量だのをどれだけ憶えているか、競わせておけばいいんだ。」
「もう満腹だと感じるまで“事実”をぎっしり詰め込んでやれ。ただし国民が、自分はなんと輝かしい情報収集能力を持っていることか、と感じるような事実を詰め込むんだ。そうしておけば、みんな、しあわせになれる。」
..本当に70年前の(1953年の)小説なのかよ、という..本質的に重要なのは、権力からの押し付けなどではなく、「人々が自発的に本を読むことをやめたに過ぎない」ことなのである。
この番組を本当に見せたいのは、「本を読まない」連中。ただしそういう連中は、そもそもこんな番組を見ていない/知らない(こんな番組など存在しない世界に住んでいる)というのが、お約束のパラドックスだ。[;^J^]
目次へ戻るトライアローグを忘れてた!
愛知県美術館
「トライアローグ:横浜美術館・愛知県美術館・富山県美術館 20世紀西洋美術コレクション」
〜6月27日(日)まで
諸橋近代美術館
「Shock of Dali ショック・オブ・ダリ 〜サルバドール・ダリと日本の前衛〜」
〜6月27日(日)まで
サントリー美術館
「ミネアポリス美術館 日本絵画の名品」
〜6月27日(日)まで
福田美術館
「美人のすべてリターンズ」
後期:〜7月4日(日)まで
Bunkamura Gallery
「妖−AYAKASHI」
〜7月6日(火)まで
MOA美術館
「没後80年 竹内栖鳳 −躍動する生命−」
〜7月27日(火)まで
リベストギャラリー創
「高橋葉介 原画展」
7月16日(金)〜7月27日(火)まで
佐野美術館
「渡辺省亭 ―欧米を魅了した花鳥画―」
前期:7月17日(土)〜8月4日(水)まで
静岡市美術館
「没後70年 吉田博展」
〜8月29日(日)まで
三鷹市美術ギャラリー
「デビュー50周年記念 諸星大二郎展 異界への扉」
前期:8月7日(土)〜9月5日(日)まで
後期:9月7日(火)〜10月10日(日)まで
Bunkamuraザ・ミュージアム
「マン・レイと女性たち」
7月13日(火)〜9月6日(月)まで
岡田美術館
「東西の日本画 ― 大観・春草・松園など―」
〜9月26日(日)まで
福田美術館
「京(みやこ)のファンタジスタ 〜若冲と同時代の画家たち」
7月17日(土)〜10月10日(日)まで
とにかく6月26日(土)か27日(日)には、名古屋のトライアローグに駆けつける。ぎりぎり間に合ったか..そのかわり、会期が27日までの他の展覧会は、諦めだな..7月4日までの福田美術館(京都)、7月6日までの Bunkamura Gallery(渋谷)も、無理っぽいな..何しろ、7月16日(金)〜27日(火)の「高橋葉介 原画展」(@吉祥寺)に行かなければならないのである。(呼び出しをくらってるも同然でしてね..[;_ _][;^.^])MOA美術館と佐野美術館、静岡市美術館は、まだ少し先だし、比較的近場だし、なんとかなるだろう。やはり少し先になるが、諸星大二郎展(@三鷹市)も、マストである。
そして実は、「夢幻紳士 人形地獄」も、観なくてはならないのだった [;_ _]。この日程がまた、難物で..というか流動的で、まだうまくスケジューリングできていない。「新宿 K'scinema」では、7月9日に終わってしまう。横浜は未定。名古屋、大阪、京都のどこかで観たいのだが、うまくはまってくれるかな..
6月13日に発生したリブ100へのコピー時のエラー症状は、いつの間にか消えてしまっていた [;^J^]。一時的現象というわけか。解決しようにも、手がかりが失われた状態である。[;_ _]
小林亜星、5月30日に心不全で逝去。享年88。申し訳ないが私の脳内では、何よりもまず「E電」とリンクされていた [;_ _]。逆に言うと、小林亜星が存命である限り、私の中では「かつて一時的にせよ存在した“E電”」もまた、生き続けていたのだ。かくしてE電の記憶もまた、去り行くのである..
合掌..
目次へ戻る会社からの帰途、メガネのアイに寄って、2段階上の度数のレンズに入れ換えた近視専用眼鏡を受け取る。17600円。
さらに浜松市役所に立ち寄って、静岡県知事選挙の期日前投票をする。
目次へ戻る「幻想美術選」、第252回。「聖アントニウスの誘惑」7番勝負の、第4回。
Jacques Callot(1592〜1635、Wikipedia)は、フィレンツェで活躍したフランス生まれの版画家である。まぁ、画像検索結果を見ていただきたい。素晴らしいでしょう! 「聖アントニウスの誘惑」は彼の代表作のひとつであるとともに、この画題が、ショーンガウアーから160年、ヒエロニムス・ボスから130年、前回ご紹介したヤン・マンディンからも100年経って、新たなステージに突入したことを示す、重要な作品なのである。
彼はこの画題の版画を、少なくとも2回、制作している。第1作は、1617年頃の右図。(画像の解像度が低い点は、ご容赦いただきたい。[_ _])
まず目を引くのは、その、広大な空間である。ほとんど牧歌的ともいえる大風景の中で「極めて膨大な数の悪魔たち」が「群れ遊んでいる」。聖アントニウスがどこにいるのか、(本末転倒なことに)もはや簡単にはわからない。悪魔たちも、大多数は、聖者の相手などしていない。はっきりいって、テーマパークあるいは郊外で遊んでいるようにしか見えない。「聖アントニウスの誘惑」というタイトルに、おおいに偽りありの作品なのである。[;^J^]
新たな時代(17世紀)に入って、モードが変わったのだ。悪魔はまだ恐怖を与える対象ではあるのだが、右肩下がりでその地歩を失いつつある。この画題においても、伝統的な「恐怖」や「肉欲」による誘惑(だけ)ではアピールしにくくなり、新たな表現が模索されたのだ。それが、「祝祭空間」である。「祭典による誘惑」である。そもそもカロは(フィレンツェの)祭典の演出家でありページェントの組織者でもあり、要するに「プロ」であった。この作品は、フィレンツェの祝典のパロディなのである。ここにおいては、もはや「誘惑」は作品を成立させるための口実(アリバイ)に過ぎない。
今回ご紹介する、ほぼ20年後の第2作は、広く流布し、コピーも複数作られた人気作である。第1作にも見られた上空の大悪魔や、舞台装置のごとき枠組みが、さらに強調されている。第1作に比べると聖者の姿も大きくなり、彼に対する攻撃も苛烈になっているとはいえ、それでも全体の遊戯性、祝祭性は、小揺るぎもしない。
私が特に好きなのは、左下の集団である。フェンシングのような気取ったポーズの悪魔は、怪獣型の大砲の肛門の導火線をつけているようだ。恐ろしげな槍がこめられているのだが、別に聖アントニウスを狙っているわけでもなさそうである。その他、あらゆる細部で様々な「芝居」が繰り広げられ、まったく見飽きることがない。上空を覆い、画面と状況の全体を支配している巨大なドラゴンは、このテーマパークのいわばプロデューサーといったところであろうか。
たとえばボスの作品も、本図に似ているかも知れない。しかしボス作品においては、主役はあくまでも聖者。広大な空間のなかに散らばっている悪魔や怪物たちは、いわば「聖者の方を向いていた」。本図は違う。主役はもはや聖者ではないのである。
無論、従来どうようの誘惑図も、このあとも長く描き続けられてはいくのだが、カロのこの誘惑図は、たしかに、新時代を告げる号砲となったのである。
目次へ戻る私のどストライクであるところの石橋亜紗アナがアシスタントをしていた「ららら♪クラシック」(Wikipedia)が終わってしまってくよくよしていたのであるが、年末のパイロット編を経て4月1日から本格的に始まった後継番組「クラシックTV」においてMCの清塚信也をサポートするアシスタント、モデルで歌手の鈴木愛理が、めっちゃ可愛いのである。
鈴木愛理が、めっちゃ可愛いのである。
鈴木愛理がめっちゃ可愛いので、まぁ、いいか..という、我ながら不誠実を絵に描いたような心持ちを噛みしめている日々なのである..[_ _][_ _][_ _][;^.^]
目次へ戻る起床したら、Aさんからの4:46発信のメール。本日午前中に「にぎやかな悪夢」のカラーページの色校が届くらしい [;^J^]。了解、最後まで付き合います。[;^J^]
雨。8:30に発ち、午前中は市内の某事業所にて、休日出勤。勤務内容は、いちおう秘密だ。
昼はとんきいで、とんこつラーメン。
帰宅したら不在配達票。再配達を依頼して、15:00過ぎに色校を落手。夜まで最終チェック。
目次へ戻るカラーページの色校の最終チェックの続き..というか、後半戦。各初出単行本や図書館での調査ノートとの、最終照合確認である。このように、「毎度毎度、いちいち現物に立ち戻って照合する」から、時間がかかっているのだが、しかしこれは重要なことなのだ。「中間成果物として提出した資料との照合」も必要ではあるが、それしか行わないと、「中間成果物を作成する段階で入り込んだバグ」に、最後まで気がつかないことになる。だから私は「現物主義」を、何十年間も貫いてきたのである。(そして、ここまでやっても、見落とすものは見落とす [_ _]。謙虚にならなくてはならない。[_ _])
昼前に出て、浜北文化センターへ。途上、某ラーメン店を初訪問する予定だったのだが、駐車場が満杯で入れなかった。しょうがないなぁ、浜北駅前で食べるとするか..
..判断ミス [;_ _]。モスバーガーしか見当たらない。[;_ _](駅の反対側まで探しに行けばあったのかもしれないが。)まぁ、たまにはいいか。(それでも、ハンバーガーではなく)ホットドッグとサラダのセット。
余談だが、私は「ハンバーガー嫌い」なのではなく、「ハンバーガーをうまく食べられない」のだ。口をあまり大きく開けられないからである。無理をすると、すぐに口角が切れてしまう。だから歯医者に行くときも、非常に気を使っている。大きく開けることを求められるので、僅かな隙を盗んで口角を舐め続け潤いを与え続けて、「切れにくく」しているのである。
閑話休題。13:30開場、14:00開演。「ソナスアンサンブル 演奏会〜若き天才作曲家たちの弦楽合奏曲を集めて〜」である。
ブリテン シンプルシンフォニー op.4 モーツァルト アダージョとフーガ ハ短調 KV546 モーツァルト ディヴェルティメント 変ロ長調 KV137 メンデルスゾーン 弦楽八重奏曲 変ホ長調 op.20
正直なところ、もう少しアンサンブルの精度が高ければ、とは思ったが、特にメンデルスゾーンでは、なかなか幸せな気分にひたることができた。これはもちろん、曲自体の多幸感も寄与しているところは大きいのだが。
15:30に終演。帰宅。
目次へ戻る 先週へ 次週へLast Updated: Jun 24 2021
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