*2020年04月20日:「魔弾の射手」ミラノ・スカラ座 2017
*2020年04月21日:幻想美術選「海の静けさ」アルノルト・ベックリーン
*2020年04月22日:すみません [;_ _]
*2020年04月23日:岡江久美子、逝去
*2020年04月24日:「桃も十、番茶も出花」
*2020年04月25日:「タンホイザー」メト 2015
*2020年04月26日:「The Diamond Four」
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*2020年04月20日:「魔弾の射手」ミラノ・スカラ座 2017


 ..というわけで(先週の日記:「右耳の症状消えている?」参照)、クラシック音楽を「(聞き流すのではなく)聴ける」コンディションになったので、積んであったソフトの消化にとりかかっているのであった。

 魔弾の射手」(NAXOS、NYDX-50002、Myung-Whun Chung指揮、ミラノ・スカラ座管弦楽団、Matthias Hartmann演出、2017)、視聴。なるほど。

 演出に好感が持てる。いわゆる「読み替え」をしていない、ほぼト書き通りの伝統的な舞台である。(ちなみに私は、「読み替え」を成功させるのは難しいと思っているのだが、話が発散するので、ここでは掘り下げない。)とはいえ、建物などの構造物が白い「線画」として表現されているのは、意図を測りかねるところである。絵本のように見えるわけでもないし..

 悪魔ザミエルの描き方が、面白い。普通は、「人間型」あるいは「魔王型」の「単独の個体」として登場すると思うのだが、(あるいは、なんらかの自然現象に仮託するなどして、悪魔自体は舞台上に登場させないかだが、)狼谷のシーンでは、「複数の個体」として「出現する」のである。いかにも「魔王」的なやつとか、ホームレスみたいなやつとか、人形っぽいやつとか..この「集団戦」は、なかなか不気味で効果的。とはいえ、「狼谷」全体としては、さらなる暗黒のスペクタクルを求めたかったところである。(「読み替え」ではない、「伝統的/写実的」な演出であるだけに。)

 歌手陣では、エンヒェンを演ずる Eva Liebau、誘惑者にしてザミエルの手先であるカスパールを演ずる Gunther Groissbock が、特に素晴らしかったと思う。チョン・ミョンフンの指揮も手堅い。注文をつけたい点はいろいろあるものの、買って損はしなかった。

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*2020年04月21日:幻想美術選「海の静けさ」アルノルト・ベックリーン


 「幻想美術選」、第193回。ベックリーンは、「第7回:死の島」「第97回:海辺のヴィラ」「第133回:オデュッセウスとカリュプソー」に続いて、4回目のご紹介である。

Picture

「海の静けさ」(アルノルト・ベックリーン、1886〜87年)

 この画家のイメージは、やはり圧倒的に「死の島」かと思うのだが、実は、ケンタウロスやパーンなど、神話に取材した作品は数多く、中でも「人魚」を題材とした一連の作品は、その画業の中でも目立っている。(→ 画像検索結果 参照。)私の琴線に触れる作品も多いのだが、ここでは「海の静けさ」を選んでみた。

 ..ケバい [;^J^]。この、たくましく、肉感的で、いかにも不吉な赤い長髪を海藻のごとく身体にまつわりつかせている「女」は、男たちを破滅させる「ファム・ファタール」に他ならないが、たとえば「サロメ」のような神秘性はあまり感じられず、どちらかといえば「スナックのママ」感があるのが、この作品の持ち味と言えようか。[;^.^](ウォーターハウスの「人魚」と観比べてみるのも一興だろう。)

 この絵の面白さは、そのシンメトリックな(いっそグラフィカルと言ってもよい)図像表現にある。岩の上の人魚は「女」で「赤」、水中の人魚は「男」で「青」。この対照的な両者は、まるでトランプのごとく対称的な位置関係で描かれている。また、女の左腕からスタートして、三羽の海鳥の頭と嘴をたどるカーブが、(女の人魚の尾のカーブと岩のカーブによって補強されているが、)海中の男の顔に突き刺さっているのも、不吉といえば不吉。とはいえこの男は死んでいるようには見えず、カメラ目線で観客を見ているのであるが、単に、己を襲う運命(女の悪念)に気づいていないだけなのか..? 両者(特に男)の尾の質感のリアルさも、見どころである。

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*2020年04月22日:すみません [;_ _]


 やや曇天。今日はテレワークである。

 ネタがないので、少し、壊れてみる。


 「教会に行くのは今日かい?」

 「七日なのか?」

 「八日と言えようか?」

 「血行って、結構悪くなるよね」

 「この近くで地殻変動」

 「鬱蒼とした森..ウッソー!」

 

..すみません..[;_ _][;_ _][;_ _]

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*2020年04月23日:岡江久美子、逝去


 志村けんのときにも、ショックを受けたが..

 岡江久美子、新型コロナで逝去。享年63..これはたまらんなぁ..いくら治療中で免疫力が落ちていた(らしい)とはいえ..私よりも僅か1〜2年、年上なだけ。私の免疫力が、そんなに高いはずはない。私も注意しないと危ない..

 ..合掌..

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*2020年04月24日:「桃も十、番茶も出花」


 現時点では、ほぼ隔日でテレワークである。今日もテレワーク。

 終業後、夜までかかって、MOMOIRO CLOVER Z BEST ALBUM 「桃も十、番茶も出花」 <-モノノフパック-> [3CD+2Blu-ray Disc+フォトブックレット]」(EVIL LINE RECORDS、KICS-93700~2)を、ようやく視聴終了。約2年前に発売されるとほぼ同時に購入したボックスであり、本編をなすCD3枚(ベスト集)と、ボーナスBD2枚のうち1枚目は、購入してからほどなく視聴済み。もう1枚のBDを視ることができる心理状態になるまで、2年、かかったのだ。

 それは、「ももいろクローバーZ 2018 OPENING 〜新しい青空へ〜 LIVE Blu-ray」である。モノノフ(ももクロファン)には説明するまでもあるまい。有安杏果のラストステージなのである。今日になるまで、これを視ることが、できなかったのだ..(私は、緑推しだったのである..)(..笑うなよ。[;^.^]凸)

 ..ま、2年がかりで、ようやく落ち着きましてね..[;_ _] 有安杏果の(ももクロとしての)最後の舞台姿を、観ることができたわけです。(今では、黄色に推し変していますし。[;^J^])もう、この5人のパフォーマンスを観ることはできないのだが、しかし、これまでの宝物がたくさん、たくさん、ありますのでね..

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*2020年04月25日:「タンホイザー」メト 2015


 「タンホイザー」(メトロポリタン・オペラ Live、James Levine指揮、Otto Shenk演出、2015)を視聴する。BSから2017年に録画したまま寝かせていたものである。

 指揮はレヴァインだから、なんの心配もない。(意外性も無いと言えるが、まったくなんと贅沢なことを。)オットー・シェンクの演出も(メトならではの)悪く言えば保守的、良く言えば伝統的なもので、やはりなんの心配もない。歌手陣では、ヴィーナスを演ずる MiChelle DeYoung、エリザベートを演ずる Eva-Maria Westbroek も悪くはないが、やはり、タンホイザーを演ずる Johan Botha、ヴォルフラムを演ずる Peter Mattei をはじめとする男声陣が印象に残る。

 それにしても昔から思っているのだが..この程度のことで、タンホイザーを責めるなよ [;^.^]。いーじゃんか、多少、ハメを外したって。悪所に入り浸ったって [;^.^]。それに、たとえそれが「とてもいけないこと」だとしても、第1幕の劈頭早々、「いつまでもこんなところにいちゃ、ダメだ..ちゃんとした社会に復帰しないと..」、と、いきなり後悔して望ましき結論にたどり着いているではないか。「オッケー!(グー!)」、で、この話、いきなり終わりではないか。[;^.^][;^.^][;^.^]

 もちろん、そんな単純な話ではない。タンホイザーが「取り込まれた」ヴェヌスブルク(ヴィーナスの丘)は、単なる風俗/売春窟ではない。キリスト教が全力で排除すべき「異教」、それも、特にヤバい「キリスト教以前に広まり信仰されていた、古代宗教」なのである。排除どころか、殲滅しなければならない存在であり、それに触れた/そこで官能の悦びに耽った/穢れたタンホイザーは、永遠の呪いに値するのである..と、私は頭で理解しているのであるが..それにしても、キリスト教とは、なんと狭量な宗教であることかと、思わざるを得ない。無論、この物語では、最後には(キリスト教の神によって)許される/救われるのであるが、それは、エリザベートの犠牲によってなのである。理解を絶する。いったい、彼女になんの罪科がある..

 ..とまぁ、こんなことはすべて「タワゴト」なのである。なぜなら、私が語っているのは「論理」だからだ。「科学的思考」だからだ。「宗教/信仰」とは、相容れないどころか「全く関係ない」のである。(一緒にするなと怒られるだろうが)UFOなどのビリーバーやトンデモ信者を「転向させられない」のも、同じ理由による。彼らを「論破」することはいとも容易いが、彼らはそもそも「論理」の世界にいないので、「論理的に破綻している」ことは「関係ない」のである。

 ..話をタンホイザーに戻そう [;^J^]。先述した、私のような「異教徒」(いや、異教徒よりもさらにタチの悪い「無宗教者」)の、このような難癖に関わらず、その音楽は、その「無宗教者」の魂をも揺るがすほど、圧倒的に素晴らしい。これほどまでに崇高である必要があるのかという疑問を感じそうになるほどまでに、壮大で美しい。

 これが、ヴァーグナーの「ヤバさ」なのである。[;^J^]

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*2020年04月26日:「The Diamond Four」


 ももいろクローバーZ 10th Anniversary The Diamond Four -in 桃響導夢- LIVE Blu-ray [4Blu-ray Disc+CD]」(EVIL LINE RECORDS、KIXM-90346~9)を視終えた。2年前の「桃も十、番茶も出花」を、一昨日まで視終えていなかったということは、それ以降のボックスセットも、購入したまま積まれたままだったということなのである。これからこいつらを片づけていかなければならないのである。大変なのである [;^J^]。なぜなら多くの場合、2DAYSで映像特典もついているので、たとえばこの「The Diamond Four」の場合、10時間かかる。さすがに「指環」の通しよりは短いが、「トリスタン」+「マイスタージンガー」をらくらく超える(だからそういうたとえはやめろ。[;^.^])

 結成10周年記念の「東京ドームライブ」(2018/05/22,23)である。持ち歌は、すでに120曲を越えているのかな? いつも感嘆せずにはいられないのは、(別にももクロに限ったことではないが)よくもこれだけ大量の歌詞と振り付けを憶えていられるものだ、ということである。もちろん、毎回、復習して思い出したりしているのだろうが..それを言ったら、各公演ごとの(振り付けやポジションの)変更もあったりするのである。特に、有安杏果が脱退してからの振り付け変更!「1人分抜いて辻褄合わせる」なんてものではなく、全面変更された曲が、いくつもある。長年にわたって体に染みついてきた振り付けを変更することは、まったくの新曲の振り付けを憶えるよりも、難しいのではないかと思う。

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*解説


MASK 倉田わたるのミクロコスモスへの扉
Last Updated: May 1 2020
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