*2001年07月23日:スポンサーは神様です
*2001年07月24日:活字離れについて
*2001年07月25日:一気呵成
*2001年07月26日:新型ウィルス
*2001年07月27日:「少年画報大全」
*2001年07月28日:歪みとジャンプ
*2001年07月29日:投票/SF/時計/ソフビ
*目次へ戻る *先週へ *次週へ


*2001年07月23日:スポンサーは神様です


 おやおや、「検索大手が詐欺的行為 消費者団体が調査要請」とな。


米消費者団体のコマーシャル・アラートはこのほど、大手検索ポータル企業が詐欺的行為を行っているとして、米連邦取引委員会(FTC)に調査を要請した。問題を指摘された検索ポータルは、MSN、ネットスケープ、ダイレクトヒット(Directhit)、ホットボット、ライコス、アルタビスタ、ルックスマート、およびアイワン(iWon)の8サイト。コマーシャル・アラートによると、これら8サイトは、客観的なリストアップや利用者に対する十分な告知もないまま、客観的データと無関係に広告料金を支払ったサイトを各種人気サイトリストの上位に掲載しているという。検索は電子メール送受信に次ぐネット上の主要行為であり、詐欺行為の影響が大きいとして調査要請に踏み切った。

 ..う〜ん、ありそうな話ではあるなぁ。調査要請はいいけど、どうやって立証するのかな。私は最近はもっぱら Google しか使っていないので、あんまり関係無いけれど..

*目次へ戻る


*2001年07月24日:活字離れについて


 きょうびの若者たちは、活字離れどころか、マンガも読めないという。もちろん、無茶な(極論的)一般論なのだが、少なくとも一部ではそういう傾向があるのも、事実である。(目撃している。)

 いかに絵の比重が大きいとはいえ、結局、活字を読まないと内容を理解できない、という意味では、マンガも活字文化なのである。本を読むのが苦痛であるならば、マンガを読むのも苦痛であっても、なんの不思議も無い。

 こんにちのPCやMacの、絵(アイコン)をクリックするだけのインターフェースは、活字を読めない人に“優しい”文化だといえるだろうか? 結局、ブラウザを起動して、他人の日記を読んだりしているのであれば、首までどっぷり、活字文化であろう [;^J^](..ってゆーか、紙メディアの活字よりも遙かに品質の劣るフォントをものともせずにガンガン読んでいるあなたは、重傷の活字中毒患者だよ [;^J^])。ま、日記とかは極端な例だし、“電脳空間”の中には、活字(文字)が存在しない世界もあるのだろうが..(一部のゲームとか?)

 現状はどうあれ、アイコンインターフェースは、“文盲に優しい”世界を作れる可能性を持っているが..

 しかし、“文盲”のために、そういう“優しい世界”を作って与える(もとい、売りつける)よりは、ちゃんと教育を受けられる環境を整備する方が、遙かに“優しい”ことは、言うまでもない。本を読めない若者たちのために、「本を読まなくても楽しくやっていける文化環境」を整備するのも結構たが、それよりも、本を読む楽しみを教えてあげる方が、遙かにいい。

*目次へ戻る


*2001年07月25日:一気呵成


 「ぼくが読んだ面白い本・ダメな本 そしてぼくの大量読書術・驚異の速読術」(立花隆、文藝春秋)から、何度か引用しているのだが..吉田満の「戦艦大和ノ最期」の評である。


吉田はこれを、終戦直後ほとんど一日で書いたという。人間ほんとうに書かねばならぬものがあるときは、たった一日でこれだけのものが書けるのだ。(本書 292頁より)

 まさに、そのとおり。

 私が書いた文章の中で、「書かねばならぬ」というわけではないが、書きたくて書きたくて仕方が無くて、そして書き上げた結果も、まずまず誇れるものになった、という幸福な例としては、「「2001年宇宙の旅」の真相」「「ゴジラ」の秘密」「新・ベルリオーズ入門講座 イタリアのハロルド」「同 ファウストの劫罰」「シルクロード 恐竜紀行 '94」などがあるが、これらは本当に、一日(というか一息)で、書きあげてしまったものである。(さすがに「シルクロード 恐竜紀行」には、物理的に数日間かかったが、一気は一気である。)

 これらが名文かどうかはさておき、とにかく勢いだけはある。それに対して、さんざんああでもないこうでもないといじり回しひねり倒した文章には、いまひとつ停滞感がある..というか、内在する複数のベクトルの方向が微妙にぶれて、相殺しあっていることがある。(例えば、「夜の果てのオデッセイ」や「「前奏曲」をめぐる幻想」など。)これは、取材と思考の重ねすぎが原因だ。

 無論、前者のタイプには、そそっかしい/不正確なことがある、という短所があり、後者のタイプには、内容が豊か、という長所があるので、どちらが上とは一概には言えないのであるが。

*目次へ戻る


*2001年07月26日:新型ウィルス


 さても話題の SirCam である。「バレたらマズいんじゃない?──SirCamは何でも暴露する(国内編)」などの関連記事を読むと、このウィルスの設計思想の巧妙さが判る。

 無論、ユーザーが(間抜けにも)添付ファイルをクリックしない限り、感染することは無いのである。その意味では、本質的には新しくない。(ユーザーに気づかれないよう、バックグラウンドでメールを発信する点については、感心するが..これは、従来の他のウィルスがアホ過ぎたというべきであろう。)

 「クリックさせる」ための方策が、“小粋”で“新しい”のだ。「ILOVEYOU」でも「テニスプレイヤーの写真」でもない、「どこかの誰かの(秘密の)書類」である。そりゃ、見たいさ。見たいですとも [;^.^]。しかもそれが捏造されたダミーデータなどではない、正真正銘のモノホンなんだから、たまんないね!(← コラコラ [;^.^])

 ..つまり、このウィルスの素性が知れ渡れば知れ渡るほど、増殖しやすいのである [;^J^]。実際、読みたいけど、感染したり撒き散らしたりするのはヤだな、と、悩んでいる人は、少なくないはずであるが..んなこと悩むまでもなく、感染する心配も撒き散らす心配もなく、送付されてきた文書を安全に読む方法は、すぐにいくつも思いついてしまったが..まぁ、公序良俗に反する(かも知れない)内容なので、ここに書くのは控えよう。早く来ないかな、SirCam(ルンルン [^.^])。

*目次へ戻る


*2001年07月27日:「少年画報大全」


 数日前に購入した「少年画報大全」(少年画報社)を一読、チェック終了した。オールカラー図版の資料性も極めて高く、読み物としても面白い。これは良い買い物だった。

 実際、少年画報は、日比谷図書館にも国会図書館にも現代マンガ図書館にも、ほぼ無いに等しく、古本屋で買うしかない。それがまた、べらぼうに高い。それやこれやで、特に「マグマ大使」の調査が、暗礁に乗り上げたままだったのである。

 無論、このムックでそれらの疑問点が解決できたわけではない。(なんといっても、情報は大幅に圧縮されているわけだし。)しかし、手がかりはいくつも得られたし、その他の、手塚治虫のこれまで把握出来ていなかった細かい仕事(インタビューやイラスト競作など)も、いくつかピックアップ出来た。

*目次へ戻る


*2001年07月28日:歪みとジャンプ


 普段、滅多に読むことも無いのだが、とある待合室で「女性自身」をパラパラめくっていて、連載コミック「悪女聖書(バイブル)」(牧美也子、原作:池田悦子)に目が止まり..眩暈がしてしまった。いや本当に、平衡感覚を失うというか、三半規管が誤動作してしまうような絵なのだ。牧美也子って、昔からこんな絵を描いてたっけ?

 とにかく、凄い歪み方なのである。人物がまっすぐ描かれていない。必ず、斜め下方等の奇妙な角度から、強烈なパースをつけている。なんというか、レンズをとおして見ているかのような..

 そう言えば、今月号のSFマガジンの水玉螢之丞のコラム(のイラスト)で、「悪女聖書」取りあげられていたのだった。(といっても“絵”の話ではなく、わけのわからん“ストーリー”がまるでファンタジーだ、という突っ込みだったが。)こんなシンクロニシティは、なんかヤだな。[;^J^]

 ふと気が付いたのだが..腕時計が、ランダムなタイミングで、ランダムな時刻にジャンプしているようになってしまっている [;^.^]。ひえぇ..これは、時計の時計たる要件を、かなりの水準で満たしていないぞ [;^.^]。(まるで、小林泰三の「酔歩する男」みたいである。)バッテリーかなぁ..実際、数年前に買って以来、電池交換なんかしたことないからなぁ..

*目次へ戻る


*2001年07月29日:投票/SF/時計/ソフビ


 坂の下のT中学まで投票に行く。さて、結果は。

 毎日毎日律儀に送られてくるウィルスメール(ほとんどが Hybris で、SirCam は未だに来ない [/_;])と、エロスパムメール。もちろん、Subject: を一瞥して、即削除なのだが..今日来たやつは、「夏本番!SF専門出会いサイト」..[;^J^]

 さすがに(妄想を振り払いつつも)本文をチェックしてみましたが..なぁんだ、やっぱり、ただの「Sex Friend」か。SF系のそれ、という、粋なダブルミーニングかと、ワクワクしたのにさ [;^J^]。

 昨日誤動作しまくった時計が、今日はまったく普通に動いている。なんの芸もなく、時間をリニアに刻んでいる。(← それが普通だってば [;^J^]。)昨日の異常はなんだったんだ。原因不明。まぁ、バッテリー交換(あるいは点検修理)などという面倒な手間をかけるぐらいなら、この危険な状態で使い続ける方が、なんぼかマシである。

 浜商前のバス停の近くの民家の前に、「ご自由にお持ち下さい。無料です」として、段ボール箱いくつかに、ぬいぐるみ、おもちゃ、幼児の衣服、絵本などが並べられている。ゴミとして捨てるくらいなら、ということであろう。良いことである。

 もちろん、怪人・怪獣のおもちゃもある。何年経ってもお宝にはならないであろう、安物の怪獣ソフビが妙に気になり、(どうしてもその怪獣の名前を思い出せず、)検分していると..隣りで、どうようにぬいぐるみなどを見繕っていた老婦人が、「それ、お孫さんにいいんじゃありませんか?」..


 ひ、酷い〜〜っ! [/_;]

1. 私は42歳だが、普段は30前で通っているんだ。お孫さんとは、なにごとだっ! どこに目をつけてるんじゃぃっ! [/_;]
2. 他人のために選んでいたんじゃないのっ! 僕が遊びたいのっ! [/_;]

*目次へ戻る *先週へ *次週へ


*解説


MASK 倉田わたるのミクロコスモスへの扉
Last Updated: Aug 1 2001 
Copyright (C) 2001 倉田わたる Mail [KurataWataru@gmail.com] Home [http://www.kurata-wataru.com/]