*2001年07月16日:「梁塵秘抄」の、例の..
*2001年07月17日:力学的日常
*2001年07月18日:「吼えろペン」!
*2001年07月19日:「地上最強の男 竜」!
*2001年07月20日:いずれも地獄
*2001年07月21日:あるいは爽快
*2001年07月22日:堕落三題
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*2001年07月16日:「梁塵秘抄」の、例の..


 ..「舞へ舞へかたつぶり」に倣って詠める..


 萌え萌えかたつぶり

 ..すみません。もう言いません。m[;_ _]m

 (「けだものカンパニー」(唐沢なをき)連載終了記念(激謎))

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*2001年07月17日:力学的日常


 私の愛車(マーチ)は、なかなかいい車なのだが、ちょっと困った欠点もある。つまり..夏場に、ルームミラーの根性がなくなってしまうのである。どういうことかというと、付け根の部分が室温(あるいは外界からの輻射熱)に負けて、ぐにゃぐにゃになってしまうのである。(マーチ一般について言えることか、私の車固有の問題かは、知らないが。)

 この季節の真っ昼間に走り始めると、それまで目一杯上がっていた室温のためにふにゃふにゃ化していたルームミラーが、徐々にお辞儀をし始め、ふと気が付くと、後方の風景ではなく後部座席を映していたりする..こ・れ・だ・け・な・ら・ば、ま・だ・い・い・が、遠心力に弱い! 交差点で素速く右折した直後には、ルームミラーがどちらを向いているか、ちょっと予測出来ない。[;^.^]

 ま、クーラーを全開にして10分間も走っていると、徐々に付け根も冷えて、しっかりしてくるのだが..構造的に、DIYではどうにも直しにくい部位であるし、これしきのことで高い修理代を出す気にもなかなかなれず、困ってしまっているのであった。

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*2001年07月18日:「吼えろペン」!


 島本和彦の吼えろペンの第1巻が、小学館から発売された! 無論、名作燃えよペンの続編である! 必読!

 現代の「マンガ大学」(手塚治虫)であり、「マンガ家入門」(石森章太郎)であり、「マンガのかきかた」(冒険王編集部編)である。これを読むと、どこにでもいる当たり前の熱血漫画家の日常は、常に、殺人者や狙撃者や銀行強盗に脅かされているのだということが良くわかり、勉強になる。

 特に素晴らしいのが、p168の“地獄図絵”[;^.^] である。(「原画」や「パネル」の類に興味の無い私だが、このシーンだけは、額にいれて飾ってもいい、と思った。[;^J^])この悪夢の状況の迫真力は、ただごとではない。あるいは、実体験なのであろうか。

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*2001年07月19日:「地上最強の男 竜」!


 風忍の地上最強の男 竜が、双葉社から復刊された!

 5年前に角川書店から復刊されていたので、その時点で入手済みの人も多いかと思うが、いまだに買っていなかった人は、この機会に入手しておくことを、強く!お薦めする。(カラー口絵が数ページ描き足されているが、これには、さほどの付加価値は無い。カバー裏の描き下ろしイラストは、気合いが入っていて、なかなか良い。)

 ご存知無い方に内容を説明するのは、なかなか困難な作品であるが..[;^J^] ひとことで言えば、地上最強の空手家が、「神」や「悪魔」と肉弾戦を繰り広げた挙げ句、(無垢な子どもたちを除く)邪悪な全人類を皆殺しにする話である(..少し違うかも。[;^J^])ドクタースランプで有名な「地球割り」の元祖は(多分)この作品である、ということも、書き添えておこう。

 しかしこの作品の(面白さの)本質は、その(凡百の漫画や劇画が束になっても敵わない)“ぶっ飛んだストーリー”では、ない。なによりも、その異様な“書法”である。

 悪趣味(バロック)極まりない過剰な装飾であり、マニエリスム的な歪んだ身体表現であり、シュルレアリスム絵画からパクッたかのごとき、コマ割りの変容の青臭い実験であり、髑髏や梵字やメカや天使がくどいほどに乱れ飛ぶ、異常なページデザインである。

 これは、いまだに古びていない。

 現代SF史で例えれば、アルフレッド・ベスターの「虎よ、虎よ!」に相当する。

 必読である!

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*2001年07月20日:いずれも地獄


 それにしても、天国とは、なんと退屈なところなのであろうか..(私自身は、まだ行ったことは無いので、主として絵画作品や音楽作品からの推測であるが..)これは、洋の東西、宗旨・宗派を問わないようである。

 いかに酒が美味くてねーちゃんが綺麗だとはいえ..ほけらーっとしたまま、なんにもすることが無いのである。それが永遠に続くのである。(まさに“地獄”である [;^J^]。)この絶望的な退屈さに耐えうるだけの精神修養を積んだ人間だけが、天国に入る資格をもつ、ということであろうか。実際、天国で(退屈さのあまり)ノイローゼになられたりした日には、団の神様の面目、丸つぶれだわな [;^.^]。

 例によって、曖昧な記憶の裏も取らずに思い出したままに書きつらねていくが、確かアジモフかクラークの短編だったと思うが、なんらかの理由で、地球上が“地獄”と化してしまったのだが..その“地獄”とは、針の山や血の池どころか、見渡す限り何ひとつない無一物の大平原で、人間たちは、全くすることも無く、永遠に放置されてしまったのであった..

 つまり、永遠の退屈さこそ最悪の地獄、というテーマなのだが..それはもちろんそのとおりなのだが、そんなものは、既に「天国」において実施済みである、ということに、作者は気がつかなかったらしい。

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*2001年07月21日:あるいは爽快


 ほんのちょっとした“気配り”が欲しいことが、しばしばある。なにも難しいことではない。“相手の立場で”5秒間だけ考えていただければいいのであるが..

 ヤフー・オークションで、いろいろ落札したりされたりし、その連絡メールをいただくわけであるが..「落札していただき、ありがとうございました」、というメールの「件名」が、「オークションの件です」、だったりする [;^J^]。そして本文のどこにも、商品名は書かれていないのである [;^J^]。

 こういうのを、想像力の欠如と言う。その人は(その時点では)その商品しか出品していなかったのであろう。だから、「オークションの件です」、と書けば、自明に・一意に、その商品を指すのであろう..その人に取っては。

 しかし私は、その日に6点、落札したのである [;^J^]。一体、どの商品についてのメールなの?

 「件名」か「本文」(望ましくはその両方)に、「商品名」(と、念のために「オークションID」)を書いておいていただければ、何の問題もないのである。そうしておけば、私からの返信にも(自動的に)「商品名」が入るのだから、自分にとっても便利でないか。

 ..それで思い出した。数日前だが、(例によって)商品名も書かずに「落札礼状」を送ってきた人に、まぁこの人は自分では把握できているんだろうから、と、商品名を書き足さずに、そのまま返信したところ、「本日、多数落札されていますので、区別が付きません。管理上、商品名を書いて下さいませんか」..[;^.^]。サクッと 爽やかに 切れたことは言うまでもないが、まとまっている話を壊す必要は無いので [;^J^]、「どうも申し訳有りませんでした、商品名はかくかくしかじか」..と、“大人の対応”をしたのであった [;_ _][;^.^]。

 天狗にて、ついうっかり「あすのなげだし」を注文してしまい、ウェイトレスのお姉さんの笑いを取ってしまった。(普通は、「茄子の揚げ出し」と呼ばれる料理である。)「明日の投げ出し」というヴィジョンと語感の、爽快さ!

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*2001年07月22日:堕落三題


 一晩中(朝まで)エアコンを入れて心地よい冷風を浴びながら、夏風邪のひきかけの直前で辛うじて目を覚ましている毎日なのである。私は、地球温暖化の防止に、あるいはエネルギー消費量の国際格差の解消に、微力を尽くそうという誠意のカケラも持ち合わせていない、堕落した文明人なのである。

 夏オフのシンセの準備。今年は、ほとんどハープばかりであるし、これといった(音色面での)新ネタも無い。楽なもんだが、物足りないのも事実なので、某オペラ用に「怪獣」の声を仕込んでみた。流石にゼロから作るのはしんどく、また、私のシンセ(XP−50)にはサンプリング機能が無いので、そこらのLDやDVDからパクるわけにもいかず..結局、XP−50用の音色ライブラリの中の、とある声楽系の音ネタが使えそうだったので、これを加工して、まずまずのものが出来た。

 「それって、安易じゃない? フフンッ」、と、鼻で笑ったあなたに反論しておこう。怪獣でも妖怪でも恐竜でもなんでもいいが、「存在しないものの声」を「想像(創造)」するのは、恐ろしく困難なのである。人間の想像力(創造力)の限界が問われていると言っても良い。有名なのは「ゴジラ」の咆哮だが、これに匹敵する発明が、どれだけあるか。(これとて(確か)楽器音を変調したものである。)「マグマ大使」の「人間モドキ」の、「テープの回転数を落としただけ」のゴロゴロ声は、アイデアの勝利と言えようが..「ジュラシック・パーク」のティラノザウルスに至っては、それっぽい音を(4種類?)混ぜただけなので、その4種類が分離して、別々に聴こえてしまう、という、お粗末さなのである..

 (しかし..いかにも、堕落した文明人の休日に相応しい“仕事”のような気がする。[;^J^])

 手塚治虫調査について。図書館から発掘出来るネタが、まだまだ残っていることは確かだが、例えば「漫画少年」が、どこかの図書館で閲覧できる可能性は、ほぼ絶望的に低い。それやこれやで残存案件(約900件)は、もう買い集めるしか無い、と思い詰めて腹を据えて、「スーパー源氏」と「ヤフー・オークション」に絨毯爆撃をかけ、見つかる限り、発注・入札しまくった。(但し、現時点で2万円以上が確定している商品については、やむを得ず見送った。)

 幸か不幸か、(2万円未満の)未チェックの物件は合わせて11冊しか見つけられず、財政が破綻するには至らなかったが..とはいえ、このうち9冊は「入札」なのであり、これらに最終的にどれほど投資することになるかは、今後数日間、私が理性を維持し続けられるか否かにかかっているのであるが..

 (しかし..いかにも、堕落した文明人の休日に相応しい“仕事”のような気がする。[;^J^])

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*解説


MASK 倉田わたるのミクロコスモスへの扉
Last Updated: Jul 25 2001 
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