*2024年12月09日:アーカイブメディア交換
*2024年12月10日:「物語要素事典」
*2024年12月11日:Google の生成 AI
*2024年12月12日:幻想美術選「ヘリオドラ」レオノール・フィニー
*2024年12月13日:アーカイブメディアチェック完了
*2024年12月14日:「レオ・レオーニと仲間たち」
*2024年12月15日:今年最後の満月
*目次へ戻る *先週へ *次週へ


*2024年12月09日:アーカイブメディア交換


 快晴。寒い。

 先週から着手しているアーカイブメディア(HDD)の総チェックだが、早朝、「No.13 副」(2018年購入)がPCから認識できない事案が発生した。OK。

 9:16の、横浜駅西口行きのバスで発つ。1時間で着。りそなと有隣堂でついでの案件を片付けてから、ヨドバシカメラで(同じ容量の)2TのUSB HDDを購入。ついでに、8年間使ってきたカメラバッグが壊れ始めているので、「エツミのカメラホルスター L」を購入してから鶴ヶ峰に帰る。

 駅前の日高屋で中華そば。昼は寒くはない、よい気候。12時前に徒歩で帰宅。

 購入してきたHDDに「No.13 正」から全コピーして新たな「No.13 副」とし、今回のミッションは完了。一応念押ししておくが、これは「不測のトラブル」ではない。このバックアップシステムに組み込まれている予定通りのルーチンである。いずれそう遠くない将来に今度は「No.13 正」が故障するので、そのときは再び新たなメディアを調達し、今回作成した「No.13 副」から複製するのである。

 代替機のストックが手元になかった(購入しにいくことになった)点については、改善の余地がある。ハードウェアを何年間も使わずに寝かせておくのは本当は感心できないのだが、未開封新品のハードディスクなら、そう簡単に腐ることはあるまい。このバックアップシステムを構築したのは15年以上昔のことで、当時は「確実に値下がりしていくハードウェアをストックしておくのは損だ」という考えもあったのだが、もう、そういう時代ではなくなったしなぁ..

*目次へ戻る


*2024年12月10日:「物語要素事典」


 「物語要素事典」(神山重彦、国書刊行会)が届いた。書名からは内容を想像しにくいだろう。リンク先から引用すると、

古今東西の文学、映画、演劇、落語、昔話、歌舞伎、神話、マンガ、都市伝説―― あらゆる物語の核心を縦横無尽に照らし出す無類の大事典。
時代もジャンルもメディアも異なる物語に、共通する発想が潜んでいる。あまのじゃく、宇宙人、ウロボロス、時間旅行、手毬唄、人形、密室、未来記、無限……
1,135に及ぶ物語要素別に、延べ 11,000 超の作品の筋書きを紹介する。人類の創り出してきた世界のアイデアをあまねく拾い上げる、小宇宙のごとき至上の目録。

凡例

相打ち / 合言葉 / 合図 / 愛想づかし / アイデンティティ / 赤ん坊 / 赤ん坊(天界の) / 赤ん坊がしゃべる / 悪魔 / 悪魔との契約 / 痣 / 足 / 足が弱い / 足跡 / 足跡からわかること / 足音 / 仇討ち(兄の) / 仇討ち(夫の) / 仇討ち(主君の) / 仇討ち(父の) / 仇討ち(妻の) / 仇討ち(動物の) / 仇討ち(友人の) / 仇討ちせず / あだ名 / 頭 / 後追い心中 / 穴 / 兄嫁..(後略)

 いまだ釈然としないので [;^J^] まえがきを読んだところ、乱歩の「類別トリック集成」(Wikipedia拙稿「“類別トリック集成”読破リスト」)から発想されたもののようだ。なるほど、一気に腑に落ちた。[^J^]

 これほど大部の「大事典」は、頭から読破するというよりは、おりにふれて拾い読みするのが楽しい。項目を選んで読んでいくのもいいが、各項目にサンプル作品のタイトル(と内容紹介)が挙げられており、巻末にインデックスが完備されているので、作品名から「逆引き」していくのも面白い。「なるほど、このような要素に分解されていくのか」、とね。たとえば、「幼年期の終わり」(クラーク)を作品別索引で引くと、(この作品のストーリーが紹介されているので、読みたくない人はスキップしてください)

『幼年期の終わり』(クラーク)◎〔アーサー・C・クラーク『幼年期の終わり』 福島正実訳 ハヤカワ文庫 1979〕→【悪魔】[7]・【記憶】[5]

 「【悪魔】[7]」を引くと、

[7] 悪魔に似た姿の宇宙生命体。
『幼年期の終わり』(クラーク)◎20世紀後半の地球を、宇宙から高度な知性体が訪れる。彼らの力で、人類は有史以来初めての完全な平和と繁栄を享受するようになる。しかし知性体は悪魔そっくりの姿をしていたので、50年の間、その姿を人間たちに見せなかった。→【記憶】[5]

 「【記憶】[5]」を引くと、

[5] 未来の記憶が過去に逆行する。
『鏡の国のアリス』(キャロル)◎(略)
『幼年期の終わり』(クラーク)◎宇宙からの知性体が地球を訪れたのは、新人類誕生の時が来たからだったが、それは同時に、旧人類=ホモ・サピエンスの死滅をも意味するのであった。そのため人類は、知性体の姿を、死をもたらす恐ろしいものとして記憶した。この強烈な記憶は何千年もの時間を逆行し、太古以来の人類の心に悪魔のイメージとして刻印された。→【悪魔】[7]

 ..といった具合。ちなみに「悪魔」は8パターンに分解されていて、

[1] 神に反逆し、戦う悪魔。地獄に住む悪魔。
  『失楽園』(ミルトン)
  『ヨハネの黙示録』第12章・第20章

[2] 「神」という言葉を聞いただけで、悪魔は滅ぶ。
  『イワンのばか』(トルストイ)

[3] 悪魔と問答する。
  『マタイによる福音書』第4章

[4] 悪魔をつかまえる。
  『鏡』(星新一『ボッコちゃん』)

[5] 悪魔の花嫁。
  『エンド・オブ・デイズ』(ハイアムズ)

[6] 悪魔の子供。
  『オーメン』(ドナー)
  『ローズマリーの赤ちゃん』(ポランスキー)

[7] 悪魔に似た姿の宇宙生命体。
  『幼年期の終わり』(クラーク)

[8] 「悪魔」と呼ばれた人。
  『誰』(太宰治)

 また、これ以外に「悪魔との契約」として、5パターン挙げられている。

 ちなみに、作品別索引の「幼年期の終わり」の前後6作品は、「用心棒」(黒澤明)、「妖星ゴラス」(本田猪四郎)、「幼虫」(江戸川乱歩)、「陽拝隊長」(井伏鱒二)、「陽物神譚」(澁澤龍彦)、「妖魔伝」(バルザック)、である。

 面白そうでしょ [^J^]。これがたったの、28,600円である![^.^](廉いと思うよ、マジで。)

*目次へ戻る


*2024年12月11日:Google の生成 AI


 いつの頃からか、ぐぐると検索結果の前に、ときおり「AI による概要」が表示されるようになった。「詳細」によると、

Google 検索の検索結果に AI による概要が表示されるのは、生成 AI が特に有用であるとシステムが判断した場合です。たとえば、さまざまな情報源からの情報を迅速に提供できる場合などです。

 ..とのことである。

 さて、なんの気なしに、「AKB48 神7 初代」でぐぐってみたら「AI による概要」が表示されたのだが、

AKB48の初代「神7」は、次のとおりです。
・渡辺麻友
・指原莉乃
・柏木由紀
・松井珠理奈
・松井玲奈
・山本彩
・島崎遥香

 ..なんじゃこりゃ。AKB48の初代神7は、もちろん、「前田敦子、大島優子、篠田麻里子、渡辺麻友、高橋みなみ、小嶋陽菜、板野友美」である。こんなのは国民の常識である(のか?[;^.^])

 それにしてもこの組み合わせ。AKBのメンバーを適当にかき集めたとも思えない、妙な整合感というか説得力がある..と、調べてみたら(調べるのかよ [;^.^])、「AKB48 37thシングル 選抜総選挙」(2014)の上位7名なのであった。ふふん、まだまだだな..[^.^](ま、「生成 AI は試験運用中です。」と明示されてるんだけどね。[;^J^])

*目次へ戻る


*2024年12月12日:幻想美術選「ヘリオドラ」レオノール・フィニー


 「幻想美術選」、第313回。Leonor Fini(1907〜1996、Wikipedia画像検索結果)の作品をご紹介するのは、「フェニックスを守護する女」「夜の飼葉桶」に続いて、3回目である。

Picture

「ヘリオドラ」(レオノール・フィニー、1964年)

 これは、コルシカ島でのフィニー自身の体験に基づいて描かれた作品である。フィニーの回想によると..

 ある夏、友人とコルシカ島を訪れたフィニーは、大きな廃墟を発見した。それは1200年頃に創建された修道院の跡で、大部分が崩壊していたのだが、一部を修復して住むことができるようにし、たくさんの花を植えた。

 その後、毎夏ここを訪れ、おおいに泳ぎ、描いた。この地で描かれた作品は、明るく、快活で、陽気でさえあった。だが、友人の死とともに、この地を訪れることはなくなり、そして作品も、再び暗くなっていった..

 明るい色彩と大きく美しい花束が印象的な、この「ヘリオドラ」は、灌木林のなかに迷い込んでいなくなってしまった大きな白いペルシア猫ヘリオドラの無事な帰還を願いつつ、描かれた絵だという。この作品も、そしてこの作品を彩る前記のエピソード(廃墟での幸福な生活とその終焉)も、夢見るような幻想に包まれている..

 ..ヘリオドラは、帰ってきたのだろうか?

*目次へ戻る


*2024年12月13日:アーカイブメディアチェック完了


 明るい曇天。午後から車で出かける。ららぽーと横浜。昼食は3Fの「和カフェchawan」で鮭ハラス飯。久しぶりに、「BOOK OFF BAZAAR 横浜瀬谷南台店」にも寄ってみる。

 アーカイブメディア総チェック、完了。正副合わせて44台のHDDから読み出しテストを行い、そもそも認識されなかった1台を交換。あと、最初の読み出しではエラーとなったが、読み出しリトライを行って成功したファイルが2つ(それぞれ別のHDD)。この2件については様子見とするが、そろそろメディア交換をすべきタイミング。

 別にHDDにこだわっているわけではないし、できれば違う種類(特性)の物理媒体にバックアップを分散する方が、リスク回避としては望ましいのだが、信頼性/コスト/スペースファクタ/利便性をバランスよく満たしているのが、現時点ではポータブルHDDというわけで。SSDについていえば、「TV番組や映画のアーカイブ」という用途では、その速度はまったく必要がない、無駄な(無関係な)進化。信頼性という意味ではM−DISCだろうが、容量が高々100Gなので、コスパとスペースファクタが話にならないし。

*目次へ戻る


*2024年12月14日:「レオ・レオーニと仲間たち」


 快晴。寒い。7:01のバスで発ち、鶴ヶ峰駅に着いたのが7:14。早すぎても仕方がないので7:33の便を待ち、2回乗り換えて、9:18に西高島平。9:35、板橋区立美術館。「レオ・レオーニと仲間たち」(〜1月13日(月・祝)まで)である。

 まったくお恥ずかしいことに [;_ _]、レオ・レオーニと言えば「平行植物」(AmazonWikipedia画像検索結果)しか知らず [;_ _]、デザイナー、絵本作家としての業績を存じ上げておりませんでした。m[;_ _]m(Wikipedia

 デザイナーとしての業績が、丁寧に展示されている。(なかには、見覚えのあるポスターやイラストもある。)27冊の絵本は、すべてキャプション付きで展示され、また、手にとって読むことができる。(子どもも大人も楽しそうに読んでいる。)

Picture Picture

 とはいえやはり、撮影したのは、平行植物 [;^J^]。特に、立体モデル「プロジェクト:幻想の庭」は興味深かったのだが..

 ..ご覧のとおり(特に左写真)、露出というよりコントラストの設定を間違えており、細部がわからないほどに黒潰れしてしまっていた [;_ _]。撮影可とはいえ展示室の中なので、周囲に気を使いつつ確認もそこそこに慌ただしく撮っていたから、という言い訳は、見苦しいっ [;_ _][;^J^]



Picture Picture Picture

 そこで(少し時間が先に飛ぶが)帰宅してから図録から iPhone で撮った写真。左から、「プロジェクト:幻想の庭」「昼の向月葵(ジーラルーナ)」「夜の向月葵(ジーラルーナ)」「プロトルビス」である。



 11:05、退出。せっかくだからスーベニールを、と、絵本「じぶんだけのいろ いろいろさがしたカメレオンのはなし」(Amazon)のカメレオンのぬいぐるみを連れてきた。

Picture Picture

 東京駅へ。おやおや。丸の内仲通りのイチョウ並木は、十分に黄葉化する前に枯れ散ってしまった。[;^J^](まだ部分的に緑を残したまま。)仕方がないので河岸を変える。1本、東京駅よりの道(この通り、名前はついてないの? Google Maps では確認できない)のイチョウ並木が、ちょうど見頃であった。丸の内仲通りと違って歩行者天国ではないので、なかなかセンターから撮るわけにはいかないのだが。[;^J^]

 12:30から14:40まで、ガード下の三九厨房で鋭気を養い、15:00、神保町。収穫は文庫本2冊だけ。

 16:38の都営三田線湘南台行きで、17:37、鶴ヶ峰。駅からほど近い「鶴ヶ峰まちかど広場」で、ジャズコンサートをやっていた。通りすがった頃にやっていたのは、「リンゴ追分」かな。

 18:05、帰宅。



Picture

 板橋区立美術館から連れてきたカメレオンを、リビングのぬいぐるみコーナーへ。(この写真は、翌朝撮ったもの。)上段左から、ティラノサウルス、スピノサウルス、歌川国芳の猫又、曜変天目(稲葉天目)茶碗。下段左から、縄文のビーナス、カメレオン、ダイオウイカ。カメレオンが、いい差し色になっているでしょう。[^J^]



*目次へ戻る


*2024年12月15日:今年最後の満月


 快晴。9:11のバスで横浜駅西口へ。午前中は横浜駅周辺を歩いて土地勘をつけることに努める [;^J^]。これまで、自分が歩く経路以外の道や店について、かな〜り無知でしたのでね。

 地下迷宮と言えば、大阪梅田、渋谷、新宿などがすぐに思い浮かぶが、横浜も、それらとはスケール感が違うとはいえ、まぁまぁなかなかのものだと思うぞ [;^J^]。なんというか、東西南北方向が、直感的にわかりにくいのだ。とにかく、北西口、南西口、南東口、北東口のそれぞれを地上と地下から攻める。だいぶ得心がいってきたかな。

 昼過ぎ、某所へ。今日で閉店(最終日)だとは知りませんでした。

 早めに鶴ヶ峰に戻り、サイゼ。17:00過ぎに帰宅。

Picture

 夜遊びせずに健全な時刻に帰宅したのは、今日が今年最後の満月だから。500mm、ISO 100、F8、SS 1/640。



*目次へ戻る *先週へ *次週へ


*解説


MASK 倉田わたるのミクロコスモスへの扉
Last Updated: Dec 19 2024
Copyright (C) 2024 倉田わたる Mail [KurataWataru@gmail.com] Home [http://www.kurata-wataru.com/]