*2024年10月14日:カナレット展/手塚ファン懇親会
*2024年10月15日:昭和記念公園/ユーロスペース
*2024年10月16日:幻想美術選「The Wanderer's Return」ヴァージル・フィンレイ
*2024年10月17日:西田敏行、逝去
*2024年10月18日:「スター・シェイカー」
*2024年10月19日:三鷹市芸術文化センター
*2024年10月20日:シュルレアリスム映画100年祭、完走
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*2024年10月14日:カナレット展/手塚ファン懇親会


 快晴、涼しい。7:51のバスで発ち、鶴ヶ峰駅前の松屋で朝食。9:40、SOMPO美術館着。10:00の開館を待つ。「カナレットとヴェネツィアの輝き」(〜12月28日(土)まで)である。

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 いずれも、カナレットの代表作。左から、「カナル・グランデのレガッタ」「昇天祭、モーロ河岸のブチントーロ」。まさにヴェネチアの「絵葉書」であるが、正確な写生ではない。絵になるように、建物の配置などに多少のモディファイが加えられている。感心するのは(ときにはほとんど点景である)人物描写。ほぼ全員が「同じ姿勢」で描かれてもおかしくない場面設定であるにもかかわらず、ひとりひとり細かく描きわけられている。



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 カナレットのフォロワーたち。左図は、ウィリアム・マーローの「カプリッチョ:セント・ポール大聖堂とヴェネツィアの運河」。カプリッチョというのは、現実には存在しえない(主として建造物の)組み合わせを描いたもの。タイトル通り、ヴェネツィアの運河の向こう側に、ロンドンの大聖堂がそびえ立っている。カプリッチョの典型例として、しばしば引用(画集などに収録)される作品である。

 中図は、リチャード・パークス・ボニントンの「ヴェネツィア、カナル・グランデ」。印象派っぽい筆致だが、私とて、別に印象派が憎いわけではない。[;^.^]

 右図が、問題児・ホイッスラーの「ノクターン:青と金色――サン・マルコ大聖堂、ヴェネツィア」。ヴェネツィアの暗黒面を描かせたら、彼の右に出るものはいない。図録からスキャンしたのだが、実物は、もっと暗い。



 12:00に展覧会を退出し、館内のカフェでコーヒーを飲みつつ時間調整。12:45に美術館を出て、京王百貨店正面玄関へ。待ち合わせ時刻は13:00。

 パレットビルの9Fの「魚民 新宿西口総本店」で、手塚治虫の重度のファンの懇親会。年に2回ぐらい開催されていることになるのかな。今回集まったのは8名。この店のこの個室には、来たことがある。窓からの(鉄路の)ビューが非常にいい、「鉄」御用達の席とのこと。

 昼間っから飲み放題の宴会なのであるが [;^J^]、アルコールを飲んでいたのは私を含めて3名。平均年齢が私より遥かに高い、無理はできないお年頃の集会なのである [;^.^]。病気の話、白内障の話、ネットの話、Windowsの話、怪しいサイトの話、AIの話、などなど。私が廉価な高速バスで京都大阪に出かけているという話をしたら、「大人の休日倶楽部」を勧められた。調べてみるか。

 宴会は、16:45頃にお開き。すぐそばの「しょんべん横丁」を軽く見学(通り抜ける)。今は正式名称?は「思い出横丁」というのか [;^J^]。無理もないか [;^J^]。外人観光客の多いこと。新宿駅まで戻り、自然散会。新宿を17:13に発つ埼京線が、18:02に鶴ヶ峰に着く。筑前屋で腹を整えて、19:25、帰宅。

 購入してきた「カナレットとヴェネツィアの輝き」の図録を読んでいたら、カナレットは、こんにちの日本では、ほぼ無名である、とあった。そうなのかぁ..[/_;] 小学館の世界美術大全集を確認してみたら、確かに扱いは小さく、評価は低め [;^.^]。「絵葉書に過ぎない」という批判はわからないでもないが(本当はそんな単純な話ではないのだが)、その価値を認められないというのは、なんと度量が狭いことよと思わざるを得ない。

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*2024年10月15日:昭和記念公園/ユーロスペース


 快晴。8:36のバスで発ち、鶴ヶ峰から相鉄・JR直通線で西立川に向かうつもりだったのだか、渋谷駅構内の埼京線で人身事故とのアナウンス。JR直通はストップ [;_ _]。横浜回りとするが、その後もこの事故の余波でダイヤの乱れが多少あり、西立川に着いたのは、11時少し前。駅からほぼ直結の昭和記念公園へ。

 「花の丘」を覆うコスモスを撮りにきたのであるが、既にそれは終わっていて、次の花のための準備期間に入っていた [/_;]。まったくもう、われながら本当に、事前に調べとけよ [;^.^]..というわけで「みんなの原っぱ」の花壇を撮った。

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 12:40に発って、渋谷へ。まんだらけで漫画雑誌2冊を100円で売り、桑田次郎を1000円で買う。900円の赤字である。[;^J^]

 14:20、ユーロスペース。「シュルレアリスム映画100年祭」である。今日は2本(厳密には3本)。

*ダダからシュルレアリスムへ

 『幕間』と『貝殻と僧侶』の2本である。『幕間』では、またしても少し寝落ちしてしまったのだが [;_ _]、これは自宅にLD(レーザーディスクの略だよ、若い読者はもしかして知らなかった?[;^J^])があるので、自宅でリカバリしよう。LDプレーヤーが動けばの話だが。[;^.^]

 『貝殻と僧侶』は、『アンダルシアの犬』に1年先行する史上初のシュルレアリスム映画で、初見。もちろんというかなんというか、ストーリーなどあってないようなものであるが [;^J^]、イメージとその連鎖はわかりやすく、このジャンルの映画の入門編として使えるかもと思った。まぁ、『アンダルシアの犬』の方がキャッチーではあるけどね。[;^J^]

*トワイヤン 真実の根源

 非常に参考になったドキュメンタリー。メモを取りながら観たかったところだが、手元が見えないのでそうもいかず。[;^J^]

 18:15に退出。18:30、まんだらけの近くの「一休」で晩酌&晩飯。

 20:55に発ち、22:25に帰宅。

 昭和記念公園で撮ってきた写真をざっと確認してみたが、かなり納得いかん [;_ _]。まぁ一応日記には添付することにするが、リベンジが必要だ。もうしばらくは見頃が続いているだろう。

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*2024年10月16日:幻想美術選「The Wanderer's Return」ヴァージル・フィンレイ


 「幻想美術選」、第308回。Virgil Finlay(1914〜1971、Wikipedia画像検索結果)の作品をご紹介するのは、「イシュタルの船」「The Crystal Man」「The Gray MAHATMA」に続いて、4回目となる。

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「The Wanderer's Return」(ヴァージル・フィンレイ、1951年)

 Fletcher Pratt(1897〜1956)の「The Wanderer's Return」という中編小説の挿画である。管見の及ぶ限り邦訳されておらず、また、原書にアクセスしたわけでもないので、どのような内容の小説であるのかはわからない。

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 左図もまた、この小説の挿画。明らかに(古き良き時代の)SFである。それにしても、まったくなんという大らかさ、伸びやかさであることか。宇宙船の帰還?を歓迎しているようにみえる上図など、実にノスタルジック。胸が締めつけられるような「古き良き未来」である。



 多分どなたも読んだことがない小説ということで、ここは妄想を暴走させるチャンス [^.^]。きっと、こんな物語だ。

 数百年から数千年後程度の近未来に、地球を飛び出していった人々がいたのである。大規模な植民船か、科学調査隊か、あるいは天才的な技術者・科学者が個人的に発明したロケットかもしれないが、いずれにせよ、遥か彼方の深宇宙をめざしたのである。

 彼らは、さまざまな冒険をしたことだろう。異文明と出会ったかもしれないし、惑星間・恒星間規模の大災害に見舞われたかもしれない。危険な生物と戦ったかもしれないし、異種族同士の宇宙戦争に巻き込まれたかもしれない。

 数千年、数万年の時が過ぎ、地球上の人類文明は、幾多の戦争や大災害にも滅びることなく耐え続けながらも、ゆっくりと衰退していった。人類の末裔たちは待ち続けていた。遥かな過去に地球を飛び立っていった宇宙船団の記憶を代々語り伝え、いつか彼らが戻ってきて、もはや地球上からは失われた科学技術を、再度、もたらしてくれることを願いつつ..

 ..そして彼らは帰ってきた! ウラシマ効果により、船内時間ではまだ数十年か数百年程度しか経っていなかった彼らが、遠未来の、数万年後の、疲弊し滅びつつあった地球人類のもとに..!

 (..全然違う話かも知らんけど。[;^.^])

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*2024年10月17日:西田敏行、逝去


 曇天。ヤマボウシの実が赤くなって落ち始めている。食用になるらしい。ヤマモモ同様、酒にしようかな。

 書き忘れてた。昨日、ドラッグストアで牛乳を3本買おうとしたら、3本目から高くなるとのことなので2本にしたのだが、なんで?

 西田敏行、逝去。享年76。突然の報せであり、驚いた。リスクをいろいろ抱えていたということだろうか。

 大切な作品/大切な場所には、いつでもそこにいた、という印象である。列挙しても、仕方がない。誰もが挙げるわけではないであろう作品から、今すぐ想い出せたものを挙げてみると..「THE 有頂天ホテル」と「わが家の歴史」かな。

 合掌..

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*2024年10月18日:「スター・シェイカー」


 夜間、降っていたらしい。曇天、ときどきポツポツ雨。

 大道芸ワールドカップin静岡の、11月2日のプレミアムステージのチケットをネットで購入。

 ららぽーと横浜へ。買い物のあと、ここで食事をするつもりだったのだが、うっかり本を持ってこなかったので、食事中、間が持たない..[;_ _] 行儀が悪いとおっしゃる方も多いでしょうが、スマホ見ながら食事するよりはマシでしょ? それとも似たようなもん?[;^.^] ..というわけで、3Fの紀伊國屋で1冊購入し、それを読みながら「和カフェchawan」で「ローストビーフごはん」..どうも既読感のある本だな、不安だな..[;_ _]

 食後、併設されているイトーヨーカドーで買い物してから、帰宅。書庫を確認したら、案の定、今日買ってきた本が、そこにあった。[/_;][;^.^]

 深夜までかかって、「スター・シェイカー」(人間六度、早川書房)、読了。先日、Kさんからいただいたメールで、面白かった旨、言及されており、その書名には記憶がある、と、tsundoku.txt(850行を越えております [;^.^])を検索してみたら案の定あったので [;^J^]、書架から捜し出してきたという次第。[;^J^]

 「テレポート社会」という設定と主人公の名前(赤川勇虎)から、ただちに「虎よ、虎よ!」(ベスター)が想起されるが、これにインスパイアされているだけの作品ではなかった。テレポート社会において高速道路(による移動)が見捨てられ、そこがマッドマックス世界になっている、という設定は、非常に面白い。テレポートによる攻撃のディテールなどは、良く練られている。宇宙(の物質)とは、そもそも「振動」の顕れであるのだが、個々のテレポートが宇宙を揺さぶっており、それによる振動が宇宙自体の振動をキャンセルしてしまうと、宇宙が消滅してしまう、という大ネタ。ストーリーの基本は、ボーイミーツガール。確かに過剰でガチャガチャした構成ではあるが、傑作だと思う。お薦め。(折り返しの惹句は、「緊迫のロードノベルが宇宙規模にまで膨張していく、ハイパーインフレ瞬間移動SF」[;^J^]。)

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*2024年10月19日:三鷹市芸術文化センター


 昨夜の雨は止んでいた。やがて晴天。9:31の横浜駅西口行きバスで発つ。

 ヨドバシカメラで、HDMIケーブル、50GのBD−REメディア、C−PLフィルタを買い足す。

 渋谷へ。センター街の「超俺流塩ラーメン」でつけ麺。

 三鷹へ。13:10、三鷹市芸術文化センター。ここに来るのは初めて..というか、三鷹に来ること自体、珍しい。前回来たのは、確か駅前で萩尾望都の原画展が開催されたときではなかったかしらん?

 14時から、東京大学トロンボーンクラブの、第43回定期演奏会。珍しい編成の団体である。「サンダーバードのテーマ」から始まり、佐々木亮輔の「動物の舞踏会」まで、なかなか楽しめる内容であった。だいたい4〜5人編成の曲が中心だが、8人、12人編成の曲もあり、アンコール(ブルックナーの「モテット」等)は、20人で奏された。

 15:50、退出。横浜に戻り、いち五郎で晩酌兼軽い晩飯。19:50、帰宅。

 深夜、通電確認されていないリブ100を落札した。多分、ジャンクであるが、使える可能性がゼロではないので。[;^J^](ついでにもう1台、多分ジャンクなリブ100に入札中。[;^.^])

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*2024年10月20日:シュルレアリスム映画100年祭、完走


 朝、小雨が残っている。涼しい。9:21のバスで発ち、渋谷へ。ファミマの109前店で、大道芸ワールドカップin静岡の11月2日のプレミアムステージのチケットを発券する。

 11時頃に、ユーロスペース。「シュルレアリスム映画100年祭」である。この映画祭では7本上映されるのだが、今日でオールクリアとなる。

*謎の巨匠 ルネ・マグリット

 これはリベンジ、2回目である。前回観たとき、どうも何度も寝落ちしたせいか?印象がつぎはぎだったため、再度観に来たという次第であるが..なんと、寝落ちしていなかったことが判明した [;^.^]。全てのシーンに見覚えがある [;^.^]。つぎはぎという印象を受けたのは、元々そういう映画だからなのであった![;^.^]凸..ま、つぎはぎというか、時間軸を行きつ戻りつしているんだけどね。前回は、推定10回以上、目を(2〜3秒間)閉じていて、その瞬間の字幕を見落としているために、「寝落ちしたため時間がジャンプしてしまった」と錯覚してしまったのである。映画内で時間が行きつ戻りつしているから [;^.^]凸。くっそー、1300円の大損害である![;^.^]凸

 ..ま、内容自体は面白いよ。この画家の一筋縄ではいかない性格が垣間見える。[^.^]

*金で買える夢

 初見だが、う〜ん、これは、歴史上の価値を確認した、というところでいいかなぁ..エルンストとかデュシャンとかカルダーとかの元ネタはわかるし、それの「展開」というか「応用」という趣旨もわかるのだが、やはり予算が足りていない。『貝殻と僧侶』の方が、まだ記憶に残る。

 15:40に退出。16:15、センター街の「大衆スタンド 神田屋」。以前、ここに来たとき(2022年03月26日)、コスパが好印象だった店である。ただ、その時に最大の衝撃を受けた恐怖の「贅沢TKG」は、メニューから消えていた [;^.^]。まぁ、注文するつもりは無かったのだが..[;^.^]、というか、こういう(チキンな)客ばかりで需用がいまいちだったのであろうなぁ..[;^.^](← 「卵」と「チキン」で掛詞になっていることを見落とさないこと。[^.^])

 18:20、退出。20:50、帰宅。

 私がシュルレアリスム映画の基本参考書として頼りにしている「映画のシュルレアリスム」(アド・キルー、飯島耕一訳、フィルムアート社)を紐解いてみたら、今日わたしがいまいちな感想を抱いた「金で買える夢」が激賞され、好印象だった「貝殻と僧侶」が徹底的にディスられていた [;^.^]。う〜む..[;^.^][;^.^][;^.^]

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*解説


MASK 倉田わたるのミクロコスモスへの扉
Last Updated: Oct 24 2024
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