*2004年05月17日:夏オフ、始動
*2004年05月18日:レトロの落とし穴
*2004年05月19日:MN128SOHO、廃棄
*2004年05月20日:「ファウストの劫罰」のDVD
*2004年05月21日:「蚤のサーカス」の想い出
*2004年05月22日:怠惰なニフ
*2004年05月23日:「世界の涯の物語」
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*2004年05月17日:夏オフ、始動


 今年は例年になく、ニフのFCLAの夏オフの始動が早い..というか、早すぎる気がする [;^J^]。8月初旬に開催されるのだから、スタッフ間での打ち合わせは、6月早々からでも間に合うと思う。あんまり早すぎると、息切れするのではないかなぁ。

 とはいえ、オペラなどの大ネタであれば、ぼちぼち仕込み始めてもいい時期である。私は、今年は旗振りするつもりは無いが..「こうもり」ならば勝手が判っているのだが、過去2回プロデュースしており、前回は2002年である。別に今年もやっても良いのだが、「またか」感は拭えないところである。

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*2004年05月18日:レトロの落とし穴


 具体的な商品名は失念したが、「昔ながらのアイスクリーム」とかいう奴を、買って食べてみた。「卵、牛乳入り」とか書かれている。

 ..う〜ん..これを食べる理由が、私には見いだせなかった [;^J^]。確かに、どことなく懐かしい、素朴な味ではあるのだが..美味くない、というか、「現代的な味(食感)ではない」のだ。懐かしければいいってもんじゃない。昔の食べ物より美味しい現代の食べ物は、いくらでもあるのだから。

 「昔懐かしい」こと自体がなんらかの価値を有しているとみなされることが、しばしばあるのだが、多くの場合、それは錯覚である。単なる「復古」だけではなく、そこになんらかの新しさ(現代性)が付け加えたられたものこそが、「レトロ」として評価されているのである。私も楽器メーカーの一員として、「レトロ的な何か(の企画)」に関わりを持つ機会が皆無では無いのだが、ここらあたりを踏み間違えないようにしなければならない。

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*2004年05月19日:MN128SOHO、廃棄


 ようやく、MN128SOHOを捨てました。知る人ぞ知る、ISDNルーターの初期の名機(というか事実上の標準機)で、2002年の10月に自宅をADSL化して以来、一度も電源を入れていなかった。

 まぁ、2002年末から2003年初頭の時期であれば、売却することもできたかも知れなかったが..2003年も後半になってから社内ニュースでforsaleしたところ、完全に黙殺されてしまいましたのでね [;^J^]。ヤフオクに出せば、捨て値で拾われる可能性は(まだ)あるとは思うものの..多分壊れてはいないと思うが、なにしろもはや簡単には動作検証が出来ないので、ちょっとね..というわけで、廃棄である。

 気になるのは、「廃棄区分」というか「分別」で、浜松市の担当部署に電話で確認したのだが、結局、単なる「不燃ゴミ」として処分した。いいのかなぁ。PCB(プリント基板)内蔵だし、鉛ハンダが使われていると思うんだけど..(連絡ゴミ扱いである)ビデオデッキなどと、本質的には同じはずなのだが..まぁ、電話の向こうの担当者も、そのあたりの事情は良くご存知だったのだが、規則をどう当てはめてみても、「不燃ゴミ」にしか分類できないらしいのである。[;^J^]

 ちなみに、きょうびは「ISDN」というと、小馬鹿にする人がいるようだが..ふたつの意味で間違っているということを指摘しておく。まず、なんらかの事情でADSL化できず、光ケーブルも届かない、という地域においては、いまだにアクチュアルである(はずである(と思う))ということ。次に、ISDNなかりせば、日本のインターネットの大衆化は立ち上がらなかったであろう、ということ。結果的には、ADSL時代への偉大なブースターの役割を果たしたのだ。(かつて、ADSLとの干渉問題で、ISDNが日本のインターネットのブロードバンド化に対する重大な障害となるであろう、と危惧されていたのだが..現状はどうなのであろうか? そんな話はもはや全然聞こえてこないんだけど..ADSL化の嵐のような物量と速度の前に、吹き飛ばされてしまったのではないか。そうだとすると、まさに「理想的」な「ブースター」だったということになる。)

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*2004年05月20日:「ファウストの劫罰」のDVD


 これもだいぶ以前に秋葉の石丸で買ったままだった、「ファウストの劫罰」(ベルリオーズ)のDVDの封を、ようやく切った。

 ART HAUS MUSIK 100 018、Sylvain Cambreling 指揮、Staatskapelle Berlin、Vesselina Kasarova、Paul Groves、Willard White、Andreas Macco、Orfeon Donostiarra de San Sebastian、Tolzer Knabechor、という布陣で、1999年のライヴ。

 まず、何の気無しに「日本語」を選んで、メニュー画面に戻って..ちょっと、オヨヨした。[;^J^]


* 主要なメニュー
* プログラマ開始
* 題目選択
* 音調フォーマット
* 字幕
* コンテイニュー

 ..である。[;^J^](「コンティニュー」ではないことに注意。[;^J^])一瞬、軽く憤慨しかけたのだが..しかしよく考えてみたら、(明らかに)日本人が作ったものではない、ということは、この輸入盤は「日本語化」されたものではなく、最初から(ヨーロッパで)日本市場向けに作り込まれているものなのであり、つまりは日本重視のあらわれなのである。多少のことに目くじらを立ててはいけない。[;^J^]

 とはいえ、この調子では「字幕」はどうなっていることやら..[;^J^]..と、おっかなびっくりオンにしてみたところ、これは全くまともな日本語であった。同じく欧州で作成された字幕なのだが、要するに「字幕」を作ったのは日本語のプロ、メニュー画面を作ったのはソフト会社の(日本語ができる)社員、ということなのだろう。

 「ファウストの劫罰」はベルリオーズの最高傑作であり、私見では、西洋音楽史上でも屈指の傑作である。お暇な方は、私の「名解説」を読んでいただきたい。この「解説」の終わりの方で、「舞台化、映像化が難しいようである」と書いたが、まぁこれを書いた頃は確かにそうだったかも知れないが、その後、何度も舞台化された噂は聞いており、しかしことごとく未見であった。ようやく入手したのが本DVD、というわけだ。

 しかしこの演出、あまり好きにはなれないなぁ..城の中庭のような、広い目の閉塞空間の、中央からややはずれたところに、直径7〜8メートルほどで、4階だての半透明の円筒形のタワーが立っている。中は螺旋階段である。これがさまざまに見立てられ、中に人が詰まって待機していたり、タワー自体が開いたり、また、マルガレーテの家になったりする。円筒の外側はスクリーンで、抽象的だったり具象的だったりするイメージが投影される..という仕掛け。

 ファウストと群衆は、(どういうコンセプトだか不明だが)全員お揃いの白っぽい地味なコスチュームに、何故か背中に牛乳罐?のようなものをかついでいる。(メフィストフェレスとマルガレーテの衣裳は、この「制服」とは異なる。)

 もっとも感心しなかったのは、第一部「ハンガリーの平原にて」である。上述のごとくの「閉塞空間」なので、音楽及び歌詞との乖離が激しく、違和感がありまくりなのである。「ラコッツィ行進曲」は、城攻めのイメージだろうか。タワーに階段を立てかけて登っていくのだが..また、ここで導入される、大型の「人形」のような「ゴーレム」のような「兵器」のような物体群は、その後、ファウストの研究室のシーンでも並べられていて、(マッド)サイエンティストの部屋、という雰囲気を作っており、ちょっと面白い。

 第二部は屋内(研究室、居酒屋)に移るので、この閉塞空間でも違和感はない。エルベ川のシーンでも、特に問題は感じなかったが..それは、このシーンでは演出が放棄されているからでもある。「妖精のワルツ」で妖精が出てこない! プンプン! ファウストが眠ってているだけじゃないか。観客にも夢を観させてくれよ〜。

 第三部では、このタワーがマルガレーテの家に見立てられる。タワーの2階にいるマルガレーテを、ファウストたちが3階や屋上から見下ろす(覗き見る)。「鬼火のメヌエット」のイントロでは、背景の壁面を蜘蛛のように(頭を下にして)這い降りてくる精たちの様子が面白く、期待したのだが..そこまでであった。タワーに指揮者の指揮姿を写すプランは、面白くない。「妖精のワルツ」とどうよう、やはりダンスしてないし。

 第四部も、「自然への崇拝」で演出不在。「地獄への騎行」で、初めてタワーがうまく活用された。ファウストとメフィストフェレスはタワーの屋上にいて、タワーに投影されている絵が走馬燈のように回り、スピーディな騎行を表現する。走る馬の映像も映る。「地獄堕ち」のシーンも、良い。タワーの屋上にいるファウストが、タワーの内側に向かって転落すると、タワーが開いて、1階から4階までの内側をぎっしり、悪魔たちが埋めている。(この中心を、ファウストがゆっくりと落ちていく。)つまりここが、地獄なのである。このあとタワーが閉じ(地獄が閉じ)、「地上のエピローグ」となるのだが、この時にタワーに投影される「地獄風景」がまた、なかなか良い。群衆が呻きもつれる遠景なのであるが、これはもうどう見ても、諸星大二郎の「妖怪ハンター」の「生命の樹」の「地獄」の、あの戦慄的なイメージに他ならない。

 ラストの「天上のエピローグ」の演出は、ごく平凡なもの。

 カーテンコールを経て、幕。エンドタイトルで再び「天上のエピローグ」の天国的な合唱が流れるのだが、この時の背景が(地獄でファウストを焼いているのであろう)「炎」、というのが、ちょっとブラックではあった。[;^J^]

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*2004年05月21日:「蚤のサーカス」の想い出


 昨夜観た「ファウストの劫罰」(ベルリオーズ)の挿入曲のひとつに、メフィストフェレスが歌う「蚤の歌」がある..というわけで、今夜の話題は「蚤」つながりである。

 「蚤のサーカス」はご存知であろう。(以下、世界大百科事典(小学館)の「蚤(ノミ)」の項から引用する。)


(前略)
 ノミを遊びに使うことも行われ,そのもっとも高度に洗練されたものはフランスに始まった〈ノミのサーカス〉であろう。ヒトノミは人血で養えるのでそれに芸をしこむことができるのである。その起源は古く,17世紀にさかのぼり,ルイ14世も見物したといわれる。頭部と前胸部の間に首輪をつけ,初めはそれにおもりを結んで跳ばないように訓練し,その後で芸を覚えさせた。出し物は2匹のノミに馬具をつけて,乗客のノミが乗った馬車をひかせるとか,紙製の衣装をつけたノミがオルゴールの音にあわせて踊るといったものである。綱渡り,サッカーなどといったものもある。〈ノミのサーカス〉は近年まで興行されたが,ヒトノミの入手難によって消滅の危機に采(ひん)している。日本にも香港などから数回の来演があった。日本における最後の興行は1960年(東京,横浜)である。
(後略)
(奥本 大三郎)

 ..さて、私はこの(1960年以来、本邦では公演されていないという)「ノミのサーカス」を、4年前に観ているのである。静岡の大道芸ワールドカップに来演していたのだ。

 私は、本当に楽しみにしていた。行列を作っていた人々みんなが、楽しみにしていた。そして、その「ノミのサーカス」がどのようなものだったかというと..(4年前の「鑑賞記」を読んでいただきたい。)

 ここで重要なのは、私をはじめとして観客全員が(いったんは)唖然としたのち、全員がエンジョイして拍手喝采して、投げ銭すらした、ということなのである。こういうジョークを心の底から楽しんで、それに時間(と金)を費やしてしまったことを惜しまない。日本の未来に、なんの不安があるものか。[^J^]

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*2004年05月22日:怠惰なニフ


     ■■  旧Telnetサービス設備変更のお知らせ  ■■

 平素はアットニフティをご利用いただき誠にありがとうございます。
以下のTelnetサービスにつきまして、設備の統合のため機器の交換を行います。

・Telnetサービス: Telnetサービス(r2.nifty.ne.jp)
          HyperROAD-Telnet(hrt.nifty.ne.jp)

 2004年6月1日10時以降の接続より、自動的に新しい設備へ接続しますので、
Telnet接続のホスト名を変更する必要はございません。

【移行についての注意点】
現在お使いのソフトで接続できるかどうか、 hrt2.nifty.ne.jp をお試しいただき
ご確認ください。
Enter Connection-ID  ---> が表示され、SVC、ID、パスワードが入力できれば
接続可能です。

 なお、一部のWindows版ソフトウェアの古いバージョンでは、新Telnetサービスに
接続できない場合がございます。以下のソフトウェアの最新版にて接続可能なこと
を確認済みですので、バージョンアップしてご利用ください。

・秀Term 4.50    http://www.nifty.com/download/win/net/term/ht/evo/
・AirCraft 3.31A   http://www.nifty.com/download/win/net/term/air/
・Tera Term Pro 2.3 http://www.vector.co.jp/soft/win95/net/se067018.html
・NifTerm 3.26    http://www.officedaytime.com/nifterm/

※Windows95/98/98SE/Me にバンドルの Telnetクライアント(telnet.exe)で
は接続できなくなりますのでご注意ください。

※バージョンアップ後の接続確認は hrt2.nifty.ne.jp をご使用ください。

お客様にはお手数をお掛けしますが、何卒ご理解をお願いいたします。

                           ニフティ株式会社

 ..とまぁ、引用が長くなったが、とにかくこういう次第なので、愛用の秀Term を 4.50 にアップデートした上で hrt2.nifty.ne.jp にアクセスしてみたら..「不正ログイン」。条件を変えつつ何度繰り返しても、「不正ログイン」。

 しゃーないなー、と、「ニフティ 秀term 最新版」でググッて、数分とかからずに事態を把握した。要するに、アットニフティ以外のアクセスポイントから hrt2.nifty.ne.jp に Telnet 接続すると、現状ではどうしても「不正ログイン」になってしまうらしいのだ。ニフに問い合わせた結果、判明したとのこと。

 技術的にそうなってしまうのなら、まぁ仕方がない。他のアクセスポイントからのユーザーも安心して試験できるべきだとは思うが、「秀Term 4.50」などでは動作検証済み、と、告知されているのだから。

 しかしいささか許し難いのは、上記の事情(アットニフティ以外からでは試験不能)をニフが認識したのちも、上記のオープニングメッセージを変更していないことである。つまり、ニフ的には、「アットニフティ以外のアクセスポイントの Telnet ユーザーは、人にあらず」、というわけなのさ。呆れたね。

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*2004年05月23日:「世界の涯の物語」


 雨の日曜日。

 「世界の涯の物語」(Lord Dunsany、中野善夫、中村融、安野玲、吉村満美子訳、河出文庫)読了。

 初期の2冊の短編集、「驚異の書」(1912)と「驚異の物語」(1916)の合本。シームによるオリジナルの挿画が素晴らしいのだが、なにしろ文庫本サイズで、しかも単色なので、細部まで観ることが出来ないのが悔しくって悔しくって..しかしそんなことを言い出したが最後、これらのイラストが原色・原寸大で収録されているオリジナル版を国内外の古書店で探し回ることになってしまうのである。身の破滅である。(何を今さら。[;^.^])

 特選が、「陸と海の物語」(海賊船が車輪と帆と牡牛でサハラ砂漠を越えつつ、アラブの騎兵隊との追撃戦を繰り広げるという、痛快篇!)「流浪者クラブ」。他、「スフィンクスの館」「三人の文士に降りかかった有り得べき冒険」「偶像崇拝者ポンボの身の程知らずな願い」「ボンバシャーナの戦利品」「ミス・カビッジと伝説の国のドラゴン」「ギベリン族の宝蔵」「彼はいかにして予言の告げたごとく<絶無の都>へいたったのか」「トーマス・シャップ氏の戴冠式」「驚異の窓」「食卓の十三人」「マリントン・ムーアの都」「老門番の話」「アリが煤色の地を訪れた顛末」「不幸交換商会」「赤道の話」「チェスの達人になった三人の水夫の話」「三つの悪魔のジョーク」など。

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*解説


MASK 倉田わたるのミクロコスモスへの扉
Last Updated: May 26 2004 
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