*2024年09月09日:幻想美術選「幻覚(踊る女)」甲斐荘楠音
*2024年09月10日:害虫対策/ブックオフ行脚
*2024年09月11日:急遽上洛手配
*2024年09月12日:救援物資、届く [;^.^]
*2024年09月13日:「スオミの話をしよう」
*2024年09月14日:根津美術館/出光美術館/スパンアートギャラリー/ASTI宴会
*2024年09月15日:ヴェスプロ演奏会
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*2024年09月09日:幻想美術選「幻覚(踊る女)」甲斐荘楠音


 「幻想美術選」、第305回。

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「幻覚(踊る女)」(甲斐荘楠音、1920年頃)

 甲斐荘楠音(かいのしょうただおと、1894〜1978、Wikipedia)は、いまでは何よりもまず「あやしい絵」の画家として認識されているであろうが(画像検索結果)、映画(主として時代劇)の風俗考証、衣裳考証、衣裳デザインの分野でも活躍した。時期によって画風の違いはあるが、こんにちのわれわれが「大正デカダンスとはこのことか」、と、思わず嘆息せざるをえないアクの強さは、まさにワンアンドオンリーの世界である。

 この「幻覚(踊る女)」を前にして、息を呑まない人がいるであろうか。これは芸者の妖魔か亡霊か。複数の光源による不吉な影..しかしそもそも「幻覚」であるのならば、光源など存在するわけもない..

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 この作品は、ほぼ同時期(1921)に制作された「舞ふ」(左図)とペアで展示・紹介されることが多い。赤と青、右向きと左向き、左右対称の姿勢、狐系と狸系、妖艶と清楚、と、なるほど見事なセット感である。(サイズは、「舞ふ」の方がやや小さい。)画集に見開きで向かい合わせて収録されているこの2作を愛でながら「物語」をでっち上げるのもまた、乙なものである。[^.^]



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*2024年09月10日:害虫対策/ブックオフ行脚


 晴天。9:20にミサワホームが来て、外壁の一部の手直し開始。(たいした不具合ではないのです。)12:05に完了。

 フヨウ、ヒャクニチソウ、百日紅などの葉の一部に、白い粉が吹いている。この病害の原因は大体見当がついているのだが、やはり専門家の判断を仰ぎたいので、サンプルの葉を持参して、ザ・ガーデンまで車を走らせたところ..やはり、うどんこ病とハダニとのこと。対策として、ベニカXネクストスプレーを買う。

 引き続き、ブックオフ行脚。横浜鴨居店。100円以上買わないと駐車料金が200円かかる、というトラップにはまった [;_ _]凸。横浜中山店、大和つきみ野店。以上3店舗、いずれもそれなりではあるのだが、画集の在庫は乏しい。美術系目当ての巡回コースに含める必要は、無さそうだ。

 帰宅してから、ベニカXネクストスプレーを噴霧してみる。すぐに効果が目に見えるものではないし、使いすぎは禁物である。しばし様子見。17:37のバスで発つ。18:00、鶴ヶ峰駅からほど近い「KNOT」という店で、(スナック“K”のキャストの)Mさんと食事。同伴である [;^J^]。20:00、徒歩1〜2分のスナック“K”へ。

 バスで帰宅したのは、22:25。

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*2024年09月11日:急遽上洛手配


 快晴。ドライブがてら、ザ・ガーデンへ。マリーゴールドを5鉢買う。

 ブックオフ横浜あざみ野店へ..駐車場がない [;^J^]。鉄道の駅の直近だから、無理もない。素直に引き返す [;^J^]。知らなかった道(新横浜元石川線)を経験ができたので、よしとしよう。

 その新横浜元石川線を逆戻りし、246へ..ここらでは246を厚木街道というのか。ややこしいな。[;^.^]凸(鶴ヶ峰交差点から南下する県道40号も「厚木街道」なのである。[;^J^])横浜青葉ICから、東名。横浜町田ICから、保土ヶ谷バイパス。厚木街道(県道40号 [;^.^])に降りて、ブックオフ横浜鶴ヶ峰店。やはりここらのブックオフの中では、画集類はこの店舗が最も充実している。在庫の回転も比較的早いので、巡回しがいもある。

 帰宅してから、マリーゴールドを植える。

 19:00、町内会の防犯パトロールに参加する。40分ほど。

 京都の展覧会案件がたまってきたので、来週の木金に上洛することにした。18日(水)深夜に発つ高速バスを予約。19日夕刻からの祇園の「レストラン菊水」の屋上ビアガーデンを予約。19日夜の宿として、ここ最近の定宿である、祇園直近の「Kiyamachi Guesthouse」を予約。20日の朝9時に京都を発つ高速バスを予約。

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*2024年09月12日:救援物資、届く [;^.^]


 晴天。暑くなる。

 10時過ぎに妹が来て、無洗米(2Kg)をわけてくれた [;^J^]。そろそろ米も出回り始めているらしいのだが、このあたりのスーパーではまだ入手困難なので、助かりました。[_ _][;^J^]

 昨夜から喉に微かな違和感。これ以外の症状はいっさいないのだが、先手を打つべく、10:20に白根診療所。風邪薬を処方してもらう。

 ペルーのフジモリ元大統領、死去。享年86。

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*2024年09月13日:「スオミの話をしよう」


 快晴。11時頃に車で発ち、ザ・ガーデン。支柱とマリーゴールド7鉢を買い足す。

 ららぽーと横浜へ。昼食は2Fの「まい泉」のロースかつ丼。3Fのトーホーシネマで、13:35からの回で「スオミの話をしよう」。

 予告の時点から、ヒロインの名前が気になっていた。「スオミ」というのは、「フィンランド」の古式の呼び方だからである。(いわば外国人に「ヤマト」という名前をつけるようなものである。)シベリウスファンなら、引っかかった人が多いと思う。観てみたら確かにフィンランドに由来している名前という設定だったのだが、別にそれがキーになっているというわけでもないので、無駄にもやもや。[;^J^]

 「コンパクトなサイズ」の作品であり、よくまとまっている。宣伝の常套句であるところの「三谷幸喜の最高傑作!」というほどの作品かどうかは(彼の作品群の一部しか知らない/観ていないので)なんとも言えないのだが..ちょっと物足りないというのが、正直なところ。薄味というか。スオミが抱えている「闇」というか「謎」にもう一段上のスケール感を期待していた私に、非があるかもしれないが [;^J^]。逆に「それ」が無いぶん、人物造形に無理がなくそれなりにリアルで共感しやすい。トレードオフと言うべきか。好みのタイプの俳優が大勢出演しているとそれだけで嬉しくなってしまう私には、そもそも映画を批評する資格などないというど正論で自爆(← イマココ)。[;^.^]

 買い足したマリーゴールドを植えた。

 人間ドックの結果が届いた。うーむ..(← 婉曲表現。[;_ _][;^.^])

 鶴ヶ峰駅前に出て、夕食はサイゼ。20時少し過ぎに、キャバクラ“D”。Aさんに、吾妻ひでおの「きまぐれ悟空」と(満を持して)「天界の宴」を貸す。後者に収録されているのはガチのSF、「不条理日記」「メチル・メタフィジーク」「どーでもいんなーすぺーす」..ここが正念場だ。[;^J^]

 21:50、帰宅。

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*2024年09月14日:根津美術館/出光美術館/スパンアートギャラリー/ASTI宴会


 快晴。8:11のバスで発ち、9:30、表参道の根津美術館。開館時刻30分前と、無駄に早いうえに、暑い [;^.^]。「夏と秋の美学 鈴木其一と伊年印の優品とともに」(9月14日(土)〜10月20日(日)まで)である。

 単庵智伝の「柳燕図」は、画像検索結果中、下から見上げる燕の姿が左側に見られるもの。さらりとした筆致で描かれたこの姿(フォルム)が、実にかっこいい。尾形光琳の「夏草図屏風」は、画像検索結果中、左下から右上に伸びる対角線上に花が並んでいるもの。このデザイン感覚が、本当にツボ。メインはもちろん、鈴木其一の「夏秋渓流図屏風」幻想美術選)。ただし、見るたびに感想がかわるのもまた、名画である証左。今回は、左側に散る紅葉の赤がややうるさく感じたが、私自身の、この作品に対する評価を下げるものではない。次回はまた異なる印象を受けることだろう。

 ちなみに、このような横に長い作品の場合、他の観客がかぶることなく一気に全体を見渡せるタイムスロットは(よほどすいていない限り)さほどないのだが [;^J^]、そこでイライラしてるようじゃ、君はまだまだ若いね、青いんだよ [^.^]。私ぐらいの展覧会観覧のベテランになると、作品の前にかぶる観客の後ろ姿もまた、作品の一部として受容できるのである [^J^]。とりわけ、後ろ姿の美しい女性が視界を遮っている場合は、なんの問題もなくコミで鑑賞できるのだが [^J^]、むさいおっさんがなかなかどかない場合は心の中で「邪魔だ!そろそろどかんかい!["^.^]凸」、と(← 若いし青い。[;^.^])

 歌川広重の「高尾太夫吉原通船図」、松村景文の「花鳥図襖」、上村松園の「初秋の夕」などは、画像検索結果が絞り込めない。「武蔵野図屏風」は、やはりまともに画像検索していると絞り込めないのだが、「ART AGENDA」の「企画展 花を愛で、月を望む ―日本の自然と美―」というページに載っていたので、リンクを張った。展覧会が終わったら消えそうなページではあるが、3年前の展覧会の情報が残っているぐらいなので、たぶん当分、読めるんじゃないかな [;^J^]。左端に銀の月、右端に紅い太陽、という、雄大な情景である。

 10:50に退出。昼食は有楽町のガード下の丸亀製麺で、釜玉うどん。

 11:45、出光美術館。「物、ものを呼ぶ─伴大納言絵巻から若冲へ」(〜10月20日(日)まで)である。

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 伊藤若冲の、ご存知、「鳥獣花木図屏風」。「升目描き」(升目の数は42800個×2)の超絶作品だが、私にはこの「升目」が「タイル」に見えてしまう。つまり、メチャクチャ豪奢な「銭湯の内装」に見えるのである。[;^J^](なんかすみません。[;_ _][;^.^])これはディスっているのではなく、その逆。つまりこの作品世界に充溢している「幸福感」「多幸感」が、「銭湯の快楽」を連想させるといいたいのである(..やっぱ、なんかすみません。[;^J^])



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 酒井抱一の「十二ヵ月花鳥図貼付屏風」は、右から左へ、1月から12月までの花鳥風月を描いたもの。類例の多い画題ではあるが、このバリエーションとバランス感覚は、さすがである。



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 左から、伊藤若冲のやはりお家芸、「群鶴図」

 酒井抱一の「風神雷神図屏風」は、琳派のトレードマークである「風神雷神図」の、俵屋宗達版(画像検索結果)、尾形光琳版(画像検索結果)に続く三枚目(三代目というべきか)。この画題を観るだけで、3人の個性の違いが、はっきりとわかる。かつて「ぶらぶら美術・博物館」で、おぎやはぎの小木が「どんどんヘタになっていく」、と、ちょ〜失礼な発言をしていたが [;^.^]、実はある意味、的を射ている。酒井抱一版はどこか「漫画的」なのである。まさに新時代というべきか。(「新人類」と書くのははばかりました。[_ _][;^.^])

 伝 紀貫之の「高野切第一種」は、僕には書けない [;_ _] 超絶能書。カンニングしないと読むのも困難だが [;^J^]、この完璧なリズム感は、どうよ!(こういう角度からなら、私にも鑑賞力はあるのです。[;^J^])



 図録からのスキャンが困難な(というか面倒くさい [;^J^])作品は、画像検索でご紹介。「伴大納言絵巻 三巻のうち上巻」画像検索結果)、「江戸名所図屏風」画像検索結果)、英一蝶の「四季日待図鑑」画像検索結果)。

 13:00に出て、徒歩で13:25、スパンアートギャラリー。「種村季弘没後二十年 綺想の美術廻廊」(第二部:9月14日(土)〜9月24日(火)まで)である。

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 会場風景。書簡以外は撮影OKです。



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 左から。Kの「C-03SB」は、できれば買いたいのだが、150万円だって [/_;]。衣の「チスイ」、三浦悦子の「声なき書物」は、感心はしたが、買って飾っておきたいとは、思わない。[;^J^]



 14:05に出て、14:30、日比谷線六本木駅1C出口に着く。ここであっているのか心配なので、メールで確認。ASTI(吾妻ひでおのオールドファンのML)のメンバーたちと待ち合わせているのである。Iさん、Yさん、Tさん、Oさんがやってくる。私を含めて5人。もうひとり、IDさんは待ち合わせ場所のコミュニケーションエラーで [;^J^] 落ち合うのが遅れたが、15:30を回って、会場に全員そろって乾杯できた。「ベルギービールウイークエンド六本木2024」である。

 基本、立ち飲み。IDさん以外全員60代なので、無理するには及ばない。[;^J^](バンド演奏の音量が大きくて会話も多少不自由だし。)というわけで、16:35、会場を離脱して河岸を変える。新宿へ。17:25、「新宿魚金」。話題は、古本、出版、年金など。18:45に出て、三次会は、19:00、「十徳」。酒の話、古本の話、AIの話、早川書房の新刊(ローダンなど)の話。吾妻ひでお関連の話題は、超オフレコである。[;^J^]

 21:45に出て、流れ解散。23:45、帰宅。

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*2024年09月15日:ヴェスプロ演奏会


 明るい曇天。9:25にいったん車で出て、ザ・ガーデンで支柱を2本買い、すぐ帰宅。

 改めて11:03のバスで出て、鶴ヶ峰駅前の松屋で牛丼。桜木町へ向かう。駅前の「コレットマーレ」内の「STORY STORY」で、カフェラテで時間調整。12:40のバスで、13:00過ぎにカトリック山手教会。このサイトによると、直近かつ最廉価なアクセスは「石川町駅から徒歩10分」なのだが、Hさんから、それだけはやめておけ、バスかタクシーにしなさい、と、助言されていたのである。

クラウディオ・モンテヴェルディ『聖母マリアの夕べの祈り』

合唱:La Doppia Armonia
テオルボ:瀧井レオナルド
オルガン:辻文栄
指揮:福島康晴

 ..の公演(チャリティコンサート)である。(日記のタイトルの「ヴェスプロ」というのは「聖母マリアの夕べの祈り」のこと。雑に言うと。[;^J^])Hさんも合唱として出演するのだ。着いてみたら、Vさんも観客として来られていた。

 教会堂の響きがいい。総勢25名の合唱だが、十分な量感が得られていた。また、この空間を目一杯生かしきるべく、1曲ごとに声楽陣の配置を(前後に、周辺に、あるいは2Fに)変え、ときには動かしながらの演奏は、面白く、興味深かった。開演前にはエアコンの音が気になるかなと危惧したのだが、その心配は無用であった。

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 右写真は、公演で使われたポジティブオルガンの内部。



 Hさんにご挨拶して、16:30に退出。バスを待っているのも退屈なので、徒歩で石川町駅に向かったのだが..坂を下りるだけだから、どってことないだろうと思ったら、降りるのも大変な急坂と階段の連続であった [;^.^]。たった7分で着いたとは思えない疲労感。これを10分で登れるわけがない。というか、途中で遭難する。[;^.^]凸

 まだ時刻は早いのだが、寄り道せずに鶴ヶ峰へ。駅前の日高屋で中華そばと生ビール。これで720円なんだから、廉い。18:00に帰宅。

 9月23日に兵庫県のコンサートに行くのだが、交通手段を考えていなかった。往路は高速バスのチケットを手配。復路はどうしようかな..

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*解説


MASK 倉田わたるのミクロコスモスへの扉
Last Updated: Sep 19 2024
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