*2023年05月15日:AI小説とシンセサイザー
*2023年05月16日:電気代の推移
*2023年05月17日:夏オフ参加表明
*2023年05月18日:LANカード故障/市川猿之助、自殺未遂?
*2023年05月19日:軽微な水溢れ [;^.^]
*2023年05月20日:上棟立会い/明治美術狂想曲/大阪の日本画
*2023年05月21日:安宅コレクション名品選/恐竜博2023
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*2023年05月15日:AI小説とシンセサイザー


 ここのところ毎号、AI小説の試作の掲載と検討・検証を続けているSFマガジン誌であるが、6月号の対談「SF作家 X 小説執筆Al メイキング&感想戦」(宮内悠介(試作を掲載した作家)x Sta(「AIのべりすと」開発者))もまた、面白かった。何か所か抜粋する。

Sta ChatGPTに関して言うと、あのモデルの元になったGPT-3Codexは恐らく千七百五十億パラメーターあるんですが、英語のテキストの場合は完全にオーバーキルです。だいたい四・五テラで六百六十憶パラメーターくらいまでしか活用できないと言われています。人類がこれまで地球上で作ってきたデータだけでは、今のAIの最大スペックを十分に活用できるほどのデータ量がない、というのが問題なんですね。
宮内 たとえば画像に比べて、文章のほうが元のデータが少ないみたいな事情はあるのでしょうか?
Sta いえ、画像のほうが圧倒的にデータは少ないですね。文章は明らかにデータが多いんですが、それでも大きなモデルを活用するには足りない。
宮内 小説ではどうですか?
Sta 小説の場合、日本語のデータは、僕自身が文庫本をスキャンしたり、電子書籍、Kindleを変換したりして持ってきたものでも、だいたい五ギガくらいしかなくて。だいたい数十万冊レベルです。文庫本一冊のデータは三百キロくらいにしかならない。テキストデータは、たとえばウェブにあるネット小説とかを全部突っ込んでも、まだ五百ギガくらいなんです。じゃあAIのべりすとを訓練させている残った一テラは何かというと、コモン・クロール(データセットを自由提供している非営利団体)といって、要はネット上にあるありったけのものを突っ込んだデータなんです。
  
 (中略)
  
宮内  Alで小説を執筆するっていうのは、どういう種類の創作なのかってよく考えるんですよ。たとえばお絵描きAIに絵を描かせる人って、あれは「絵を描いている」っていう意識なのか。クリエイティブなことをやっているのは間違いないんですが、たぶん実際の作業としては絵画より検索に近いクリエイティビティなのかなと。では今回のAIのべりすとを使ったクリエイティビティとは何かと考えると、個人的には小説を書くというよりも、音楽を創るのに近かったです。
Sta ああ、なるほど。コンポーズするという考え方。
宮内 これはAIのべりすとのUIのおかげでもあると思うんですよ。プリセットと、パラメーターがあるじゃないですか、あれってそのままシンセサイザーのプリセットと音色づくりみたいな感じがあって、それをいじるのが楽しかった。
Sta シンセサイザーに近いものはかなりあると思います。私自身、日常的にシンセをいじっていた人間なので。それ言っていただけて嬉しいです。たとえばプリセットを変えるというのは、シンセサイザーでよくあるモーフィングみたいなイメージに近いですね。
宮内 シンセサイザーで曲を作るみたいに小説ができていく。それはすごく不思議な新しい体験でした。
  
(倉田:ということは、シンセで音作りをするのが好きな私も、小説を書けるってわけだ!\[^O^]/(← いろいろ違うよ。[;^.^]))
  
Sta 画像AIが検索に近いという話に関してですが、究極的には、AIって検索以上の何かではないんですね。要は、性能が上がれば上がるほどデータベース化しちゃうので、創造性は損なわれていく。実はポンコッなAIほど、おかしなことを言う割合も増えますが、とんでもない創造的なことをやってのける可能性も高いという。
  
 (中略)
  
宮内 現状が、ほどよくシンセサイザーのレゾナンスをいじって楽しめる、みたいなパラメーター数ということですか。
Sta そうですね。レゾナンスをいじってかっこいい音になった。フィルターカットオフを下げて良い音になった、みたいな感覚にとても近いと思います。
宮内 なのでAIには脅威を感じつつも、素晴らしい楽器だとも感じています。なかなか複雑な思いですね。
Sta シンセサイザーのメタファーというのは、私も常々「AIが人間の仕事を奪うんじゃないか」という質問をされた時に反証として出していることですね。シンセサイザーの登場によって、魅力的な音楽を発表する人はむしろ増えましたから。
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*2023年05月16日:電気代の推移


 3月の電気代(使用量)のデータが通知されてきた。

09月分(08/08 - 09/07)251kWh8513円
10月分(09/08 - 10/10)282kWh9644円
11月分(10/11 - 11/08)174kWh6109円
12月分(11/09 - 12/07)177kWh7073円
01月分(12/08 - 01/10)374kWh15590円
02月分(01/11 - 02/07)305kWh10488円
03月分(02/08 - 03/07)267kWh8845円

 まぁいくらか下がったとはいえ、使用量は依然として高止まりである。これからえげつない値上がりが控えているというのに..[;_ _] そうでなくとも、アパートから一軒家に引っ越すだけでも使用量はあがるというのに..[;_ _]

 幸い、老朽化した(燃費が悪い)家電を、全部買い換える機会なのである。とにかく省エネ型にしないと..イニシャルコストが高くつくのは確実だが..[;_ _] 確か横浜は、省エネ家電を買うときに、助成金が出たはず。といっても、期間限定である。確認して、タイミングを見計らわないと..

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*2023年05月17日:夏オフ参加表明


 不就労日。快晴。ジム。

 ホテルは確保していたというのに、肝心なことを忘れてた。夏オフ参加表明 [;^.^]。7月29〜30日である。

 順調にいけば、夏オフの1週間ほど前に最終出社日がすぎているはずであるが、横浜への引っ越しは、まだ先(10月)である。夏オフには浜松から出向いて、浜松に帰る。

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*2023年05月18日:LANカード故障/市川猿之助、自殺未遂?


 朝、出社前に、廃墟通信を更新すべく慌ただしく作業していたら、執筆マシンのリブ100(東芝 Libretto 100)がネットにつながらない [;^.^]。リブ100は Win95 機であり、当然、WAN からはオフラインである。家庭内 LAN で Win10 ノートに転送し、Win10 ノートから WAN にアップロードしているのであるが、LAN につながらないとは、なかなか致命的な..

 ..でも、ないのである [^.^]。リブ100自体は LAN 端子を持っておらず、PCMCIA 規格の LAN カード経由で接続しているのだが(USB なんか無い時代だよ [^.^])、このカードが問題なのか、カードからハブへのケーブルなのか、ハブ(の端子)なのか、いっそリブ100本体なのか、切り分けている暇がないので、こんなこともあろうかと用意してある CF(コンパクトフラッシュ)経由で、Win10 ノートにテキストを転送。(当然、リブ100にも Win10 ノートにも CF 端子などないので、アダプタ経由である。)廃墟通信を無事に更新。不良個所の洗い出しと対処は、帰宅してからである。

 15時休憩時、ネットを流し読みしていたら、とんでもないニュースが飛び込んできた。市川猿之助、自殺(心中?)未遂。両親は死亡、本人は一命をとりとめた..さまざまな憶測をめぐらすことはいとも容易いが、憶測でものを言っていい局面(状況)ではない..


 帰宅してから、リブ100に装着している LAN カード(LPC2-T)を予備と挿し替えたら、あっけなくつながった [;^J^]。念のため再現実験。問題なし。解決したが、予備のカードがなくなってしまったので、補充しておかなくては。ヤフオクを検索したらいくらでもあるようなので、とりあえず1枚、美品に入札。

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*2023年05月19日:軽微な水溢れ [;^.^]


 LPC2-T を 500円で落札。

 帰宅してから洗濯機を回していたのだが、すすぎ中に様子を見に行ったら、あたりの床に水が溢れ出しているではないか [;^.^]。慌てて止める。床の排水口詰まりである。付近の水拭きも含めて10分ほどで対処完了したが、このアパートでのこの箇所の掃除も、これが最後になるのかなぁ..(全然しんみりしなくて、困惑しております。[;^.^])

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*2023年05月20日:上棟立会い/明治美術狂想曲/大阪の日本画


 昨日からの雨は、僅かにポツ雨程度に残っている。6:15に自宅を発ち、バスで浜松駅へ。予定より早い6:57のひかりに間に合ってしまったので、仕方なく乗る [;^J^]。7:56、新横浜。ここで噂の東急新横浜線に乗り換える。友人からは乗り換え距離が長いという愚痴を聞かされていたのだが、なんだ、新幹線の改札から5分もかからないではないか。経路もわかりやすい(「他の路線のホーム経由」や「理不尽な上り下り」などがない)ものであるし、ノープロブレムである。相鉄・鶴ヶ峰まで10分かそこらで直行。無茶便利。

 8:30に着いたのだが、予定より1時間も早いので、バスロータリー近くの喫茶店(「珈琲館」)で時間調整。新築(建て直し)中の鶴ヶ峰の家に着いたのは、9:45頃。早くもおおむね形になっていて、驚いた。10:00から上棟立会いである。妹たちも来る。

 いわゆる「棟上げ式」ではないので、儀式的な餅配りなどはない [;^J^]。ミサワホームの人から、主としてコンセント回りの配置の説明などを聞き、進捗状況の確認をして、サインをするだけである。

 事前の予想(想定)と有意に食い違っているところはなくて、ひと安心。しいていえば、バスルームの窓が、想像していたよりもやや小さかったのだが、許容範囲内である。書庫の床は、まだコンクリートで固められていない。周囲の構造をがっちり作ってから流し込むとのこと。その書庫からハシゴで登る「屋根裏部屋(というかロフトというか)」も、いい感じである。無論、書籍や光メディア群は、書庫の空間のほとんどを埋め尽くす可動書架に収めるのであるが、「解読不能な謎の古文書」「開け方がわからない古びた箱」「誰が描いたのか何が描かれているのかわからない絵(らしきもの)」などなどはもちろん、「梯子でしか出入りできない窓のない屋根裏部屋」の奥の方に秘め隠しておかないと..(この用途のためにわざわざ屋根裏部屋を作った奴 → [;^.^])

 11:30に終わり、妹たちとバスで鶴ヶ峰駅へ。ここで散会して、有楽町へ。昼食は、12:45、高架下の「大衆ジンギスカン酒場 ラムちゃん」。店名がいいね [^J^]。選んだ理由は、ハイボールが1時間500円で飲み放題だからである。「2時間1200円で(なんでも)飲み放題」という店もすぐそこにあるのだが(「三九厨房」)、次の予定までそんなには空き時間がないので、廉価で1時間つぶせるのは、ちょうどいいのだ。

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 料理は、単品のみの注文はできないということで「ジンギスカンミックス定食」(1280円)。飲み放題は、蛇口式 [^J^]。ハイボールだけでなく、ご飯と野菜とスープが、おかわりし放題である [^.^]。飲み放題を30分延長し、にんにくカルビ串を追加。コスパ良し。



 14:35に発ち、14:45、静嘉堂@丸の内。「明治美術狂想曲」(後期:〜6月4日(日)まで)であるが、前期を観覧したときとの差分について、軽く言及するにとどめておく。

 河鍋暁斎の「地獄極楽めぐり図」画像検索結果)は、前期とは場面替えされていた。これはとにかく楽しい傑作なので、機会があれば、是非ともご覧ください!

 暁斎の支援者のひとりである勝田五兵衛には、優しく美しく歌舞伎が大好きな才色兼備の娘、田鶴(たつ)がいたのだが、十四歳で早世してしまった。彼女の追善供養のために描かれた絵物語(詞書のない絵本(折本))で、全40図。実に明るくユニークで、阿弥陀三尊が田鶴を迎えに来たところから始まり、やがてお不動様ら仲間が加わり、皆で観光旅行するかのように冥界見物しながら三途の川を競争で渡る。先に亡くなった親族と喜びの再会をし、地獄では閻魔大王に歓待されて、大好きな芝居見物をしたり、恐ろしい地獄の様子も見物する。極楽についたときには、雛人形、幻灯機、飼っていた小鳥や金魚、愛読していた物語の登場人物ら、彼女が生前好きだったものがお出迎えして、最後に極楽往生した田鶴は如来となる..

 彼女はこの世からはいなくなってしまったが、あの世できっと、楽しく愉快に暮らしていることでしょう..この絵物語に慰められない親がいるであろうか。繰り返しになるが、実に素晴らしい、河鍋暁斎の乾坤一擲の、感動的な傑作なのである!

 ほか、松本楓湖の「蒙古襲来碧蹄館図屏風」画像検索結果)、今尾景年の「耶馬渓図屏風」画像検索結果)など。

 15:35に発つ。15:45、東京ステーションギャラリー。「大阪の日本画」(後期:〜6月11日(日)まで)である。前期展示を観たときには図録を(まだ)購入していなかったので画像検索のみでご紹介したのだが、今日は図録を購入したので、以下、前期展示分も含めて、図録(展覧会)の構成にのっとって、ご紹介する。(スキャンしづらい作品は、画像検索で。)

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 「第一章 ひとを描く ― 北野恒富とその門下」から、まずは、北野恒富の作品をご紹介しよう。左図「摘草」は、顔と表情が実に清新で、まさに新時代の女性、新時代の美人画と思う。それと比べると、中図「鏡の前」、右図「暖か」は、同じ画家が描いたとは思えない。このなんとも妖しげな、影を帯びた色香! 彼のこの画風は「悪魔派」と呼ばれた。



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 左図「茶々殿」、右図「五月雨」とも、清々しい描線と色彩が、見飽きない。

 スキャンできなかった作品を2点。「宝恵籠」画像検索結果)は、この展覧会のアイコンのひとつである。「いとさんこいさん」画像検索結果)も楽しい。いとさんこいさんとは、商家の姉妹のこと。(姉がいとさん、妹がこいさん。)いとさんの落ち着いた佇まいに対して、こいさんのしどけない姿勢が、いかにも「妹」していて微笑ましい。



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 恒富の弟子にあたる中村貞以の作品を3点。左図「鷺娘」は、師匠とはまた異なるタイプの美人画。(実はどストライクである。[*_ _][;^.^])中図「お杉お玉」は、細長すぎる腕などのプロポーションのデフォルメと、そしてやはり個性的な顔立ちが魅力的。

 右図「失題」もまたこの展覧会のアイコンのひとつで、まことに強烈な個性を放つ“美人画”! ほとんどグラフィカルなデザイン感覚もさることながら、その色彩! 私はフレデリック・レイトンの「六月の炎」(幻想美術選)を想起した。

 ちなみに、中村貞以は、幼少期に負った火傷のため指が使えず、絵筆を両手ではさんで描いたとのこと。「合掌描き」というらしいが、到底信じられない、繊細で精確な描線である![;*.*]



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 「第二章 文化を描く ― 菅楯彦、生田花朝」。菅楯彦の2点、「管絃船図」「南郭春宵」とも、現代の大阪風景ではない。古き良き時代を、品よく描きあげている。生田花朝の「泉州脇の浜」画像検索結果)の、伸びやかで広々とした海浜情景も、魅力的である。

 「第三章 新たなる山水を描く ― 矢野橋村と新南画」からは、矢野橋村の「湖山幽嵒」をご紹介。蹲(うずくま)る巨獣(象? マンモス?)の群れのごときフォルムに、感興を覚える。矢野鉄山の「孤琴涓潔」の空漠感も、いい。



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 「第四章 文人画 ― 街に息づく中国趣味」からは、森琴石の「山水図」。私がもっとも好むタイプのひとつで、長く見入ってしまう。

 「第五章 船場派 ― 商家の床の間を飾る画」からは、深田直城の「水辺芦雁・雪中船泊」と、「荒磯鯛図」。後者の、手前に向かってくる鯛の力強さは、見事である。

 この「床の間芸術」こそが、「大阪画壇」の特徴というか本質(のひとつ)らしい。図録の141頁から引用する。

 多くの商家が軒を並べ、町人文化の中心であった船場界隈で家々の床の間を飾ったのは、「船場派」の作品であった。彼らは京都画壇の一大勢力となった四条派の流れをくみつつも、あっさりとスマートに描く大阪らしい洗練された作風で人気を博した。それらは、京都の四条派が描く展覧会場で目を引く鮮やかな色調で彩色された作品ではなく、さりげなく床の間を飾る品のいい灌洒な作品であったといえる。

 描かれた画題は、花鳥画や故事人物画のほかに、身近な風景画として大阪の名所が多いことも船場派の特徴のひとつである。幕末にルーツをもつ大阪の名所絵は次第に様式化され、さらには春夏秋冬の季節を加えることで、数多くのバリエーションが生まれた。また、船場派の画家たちは、掛け軸だけでなく、画帖などの卓上芸術も得意としたほか、時には大画面の作品も手がけて、有力パトロンの屋敷の床の間や広間を飾っている。

 ..つまり本来、「大阪」の特徴は、「あっさり、すっきり、スマート、洗練」なのであった。これは、こんにち我々が抱いている「大阪」のイメージの、真逆といえる。(豹柄ではないのである。[;^.^])こんにちの大阪のイメージと言えば「コテコテ」であるが、これは吉本が作ったものなのである(..と、先日の(やや未来だがこの日記を書いている日よりは過去の)「ぶらぶら美術・博物館」で言っていたが、真偽はしらない、責任はとらない。[;^.^])



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 そして終章、「第六章 新しい表現の探求と女性画家の飛躍」

 上島鳳山の「鍾馗」の、異形の力強さ。岡田雪窓の「渓間の湯治場」の、なんとも気持ちよさそうな空気感。赤松雲嶺の「金剛山暁色図」も「空気感」にフォーカスしているが、まったく異なるタイプの、幻想的風景画である。



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 素晴らしい美人画を2点。中村貞以の「猫」と、島成園の「影絵之図」。いずれも(私にとっては)破滅的な美しさで、うっかり自宅に飾ろうものなら、その絵の前から離れられずに魂を抜かれてしまうこと必定という..[;_ _][;^.^]。特に後者、「影絵」の練習をしているようだが、そこに仄かな「憂い」を帯びており、「憂い」はすみやかに「妖気」を呼び起こし、つまりまるで「妖術」の練習をしているかのような..(病気かお前は。→ [;^.^])

 島成園からもう1点、これも本展の目玉のひとつである「祭りのよそおい」! いっけんするとなんということもないあどけなく可愛らしい図なのであるが、少女たちの身なりを見ると、この作品の本質がわかる。高価な着物を美しく着飾った左のふたりは、ブルジョア。その隣でふたりを羨ましそうに見ている少女は、中産階級であろうか。そして彼女らの輪に入れずに、離れたところで寂しげに立っている、質素な身なりで、素足で、髪飾りは一輪の野花だけの少女は、プロレタリアート..親の収入格差が、子どもたちにストレートに影を落としているのである..

 中村貞以の「朝」画像検索結果)の清新な感覚と独創的な構図も、一見、忘れがたいものである。



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 以下、駆け足になってしまって申し訳ないが、三露千鈴の「秋の一日」、原田千里の「浅春」、高橋成薇の「秋立つ」のいずれも、新時代の感性の美人画である。

 最後に、池田遙邨の「雪の大阪」。大阪をご存知の方ならひとめでわかるであろう、中之島にかかる難波橋から東を眺めやった光景。1928年2月11日の朝の、22年ぶりの大積雪を晴れ晴れと描いている。



 17:40に発って、相鉄線の二俣川へ。夕食を取るべくジョイナステラスの4Fへ。既に「大衆ジンギスカン酒場 ラムちゃん」でがっつり飲み食い済みであり [;^J^] 軽めにしたかったので、鎌倉パスタで、きのこの和風カルボナーラ。

 バスで妹夫婦宅へ。

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*2023年05月21日:安宅コレクション名品選/恐竜博2023


 曇天。9:20頃車で送ってもらい、二俣川駅へ。iPhone にインストールしている乗換案内で確認したところ、9:36の便に乗ると、なんと乗り換え無し(座りっぱ)で10:31に 六本木一丁目に着くとのこと! 相鉄線から南北線まで、どのような魔術的乗り入れが![^.^] ..と思ったら、あららら、電光掲示板に表示されている時刻と行き先が、乗換案内で検索されたそれと、まったく合致していない [;^.^]。乗換案内で検索するときに駅の設定を間違えたわけでもない。なぜだ。何が起こっている..ダイヤが臨時変更されたとか? いくらG7だからといって、そこまでするかなぁ? それにその場合、駅構内に掲示されているはずだが、そのようなものは見当たらなかったし..

 ..で、もちろん、現実の電車は、乗換案内の表示ではなく電光掲示板の表示に従ってやってくる [;^J^]。この時点で、乗換案内は無力(というより誤情報を表示しているので有害)となった [;^.^]。こうなると、乗換案内に頼り切ってしまっているひ弱な知性は弱い [;_ _]。現在の相鉄線の複雑極まりない乗り入れ状況の中、どこ行きに乗れば最も早いのか(それ以前にそもそも、所望の駅に接近するのか離れてしまうのか)、全く解らないのである..[;_ _][;^.^]

 とにかく取りあえず六本木一丁目方向に行くのであろう新宿行きに乗る [;^J^]。途上、(紙の)手帳に載っている地下鉄路線図と見比べつつ検索を繰り返して、武蔵小杉で乗り換えれば良さそうだと判明 [;^J^] ..したのはいいのだが、武蔵小杉駅での南北線への乗り換えは、かなり複雑な長距離を歩くのを忘れてた。[;_ _]凸

 それやこれやで、10:49、六本木一丁目 [;^J^]。快晴である。10:55、泉屋博古館東京。100人近く並んでる [;^.^]。開館時刻は11:00。「大阪市立東洋陶磁美術館 安宅コレクション名品選101」(〜5月21日(日)、つまり今日まで)である。最終日だから、ある程度は混むわな。(この展覧会は、写真撮影、可である。)

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 左から。「青花 虎鵲文 壺」の青い虎、「鉄砂 虎鷺文 壺」の褐色の虎とも、可愛いと同時に気品がある。「加彩 婦女俑」は、「MOCO(大阪市立東洋陶磁美術館)のヴィーナス」と呼ばれている。軽くかしげた姿勢がチャーミング。「青磁 天鶏壺」は、姿が良い。



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 「三彩貼花 宝相華文 壺」は、華やかな色彩が素晴らしい。「三彩 獅子」は、色彩もいいし、顎の下を掻くような姿も面白い。「黒釉白斑 壺」は、真逆の方向であるが、やはり見事な色彩のバランス。



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  「飛青磁 花生」のポイントはもちろん、この斑点群。「鉄班」であり、緻密に計算された箇所に配置されている。(もしかしたら、テキトーに散らして結果オーライ、なのかもしれませんが。[;^J^])青空と雲、と見立てるのが普通であろうが、別にどう観ても構わないだろう。 「油滴天目 茶碗」−「天目茶碗」と言えば「曜変天目」が有名だが、これは「油滴天目」。これも国宝。こちらのきめ細かい斑点模様の方を好む人もいるだろう。(とにかく暗くて、撮影には難渋しました。[;_ _]) 「木葉天目 茶碗」を観たのは、もしかすると初めてだったかもしれない。本物の木葉が焼き付けられている。



 12:15に退出し、上野に向かう。昼食は、「東京油組総本店 上野組」で、油そば。

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 上野東照宮に寄ったあと、ここはなんというんだろう、上野精養軒の先にグダグダできる場所があったので、ソフトクリームと生ビールでグダグダする。[^.^]



 14:40頃、国立科学博物館へ。「恐竜博2023」(〜6月18日(日)まで)である。15:00から予約しているのだが、予約受付メールに載っている「バーコードへのURL」を(電波状態が悪くて?)開けない [;^.^]凸。受け付けの担当者に相談したところ、メール本文に記載されている予約番号を照合して確認票をくれた。また、少々前倒しだが、もう入場してよいとのこと。ラッキ。(この展覧会も、写真撮影、可である。)

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 左端は、ズール・クルリヴァスタトルの頭骨。(左端だけにサタン的な..すみません。[;_ _][;^.^])中写真は、ゴルゴサウルスの頭骨。

 右端は、イタリアで初めて発見された恐竜の化石で、スキピオニクス。赤ちゃん恐竜で、愛称は「チーロ」。骨化石と一緒に内臓組織まで残る世界的にもまれな標本であり、気管、肝臓、胃や血管などが確認されていて、腸はひだ構造まできれいに保存されている。



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 左はティラノサウルスで、愛称は「スコッティ」。現在確認されている限りの最重量個体であり、もっとも重い見積で、8.9t。右は、メガラプトル類の中で最大の恐竜、マイプ。全長10m。ティラノサウルスとは比較にならないほど巨大で頑丈な前脚を持っており、これに襲われたら、もう、なにがなんでも最期であろうことよ。[;_ _][;^.^]



 16:00に退出。東京駅から17:03のひかりに乗って、18:27、浜松。19:15、帰宅。

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*解説


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Last Updated: May 26 2023
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