*2020年06月15日:アベノマスクが来た [^.^]
*2020年06月16日:レコファン渋谷BEAM店閉店
*2020年06月17日:「地獄の黙示録」
*2020年06月18日:幻想美術選「理性の眠りは怪物を生む」ゴヤ
*2020年06月19日:無意味でないと信じたい..
*2020年06月20日:さりげなく日常的な週末
*2020年06月21日:「国盗り物語」
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*2020年06月15日:アベノマスクが来た [^.^]


 数日前に「95%に配布完了」というニュースがあり、その時点では、「ほぉほぉ、私はやはり非国民とまでは言わずともドマイナー認定というわけかい ["^.^]凸」、と、心地よい優越感に浸れていたのに、本日、届いてしまって残念である。これで私も凡庸ないち国民(← ここ、あまり押すな。[;^.^])

 それにしても、今さら来られてもな [;^J^]。品質はどうなんだろう。現在、30枚以上のストックがあるやつ(50円/枚)の品質がいまいちなので、高品質製品なら乗り換えてもいい..2枚しかないけど。[;^J^]

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*2020年06月16日:レコファン渋谷BEAM店閉店


 ..もちろん、コロナが引き金。足繁く通っていた店というわけではないが、残念である。

 馴染みの店、好きなスポットが、ジャンルを問わず、どんどん消えていく..個人の力は微力どころの騒ぎではなく、まったく何もできない。なんの助けにもなれない..全世界に蔓延しているこの無力感・絶望感・ストレスが、なんらかのはけ口を見つけた時、そこに殺到してしまうのは、マクロな視点から俯瞰すれば、なんの不思議もないことなのだろう..

 6月3日から改装休業していた遠鉄ストア富塚店が、昨日からオープンしていたことを思い出し、寄ってみた。多くの店舗について言えることなのだが、改装するたびに通路が広く、見通し良く、動きやすくなっていく。容積は同じなのだから商品は減っているはずなのに、何かが減っているようには見えない。逆に増えているようにすら見える。什器の背が高くなっているのかな?

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*2020年06月17日:「地獄の黙示録」


 先週日曜日に、CSの「ザ・シネマ」から録画しておいた「地獄の黙示録」を、観たのだった。確かこれは公開時には映画館で観ていないのだが、数年程度のタイムラグで、テレビかビデオで観たのではあるまいか。それ以来、数十年ぶりの再視聴となるのだが、初めて観た時と、ほぼ同じポイントが気になった。

 1.オープンリールの再生ボタンを押してから音声が出るまでのタイミングが早すぎる。

 2.カーツの王国に散乱している死体が、腐敗していない。

 3.中盤までの「神話的な美しさ・恐ろしさ」には、ただただ茫然とするばかりだが、終盤は全く、ぐだぐだである。

 オープンリールの食い気味の再生タイミングは、最初にウィラードがカーツの音声のテープを聞かされるシーンも、「ヴァルキューレの騎行」のシーンも同様。編集のミスなのだろうか? 誰が見てもおかしいと思うはずなのだが..まだ、回転が立ち上がり切っていないのに、安定した音声が再生されているのである。ほんの1〜2秒遅らせるだけでよかったのに、惜しいなぁ..

 カーツの王国の情景は、素晴らしい。カーツに心酔している(洗脳されている)群衆が、彼らと混じって、カーツの気まぐれで殺された仲間たちの死体がゴロゴロ転がっていたり吊されていたりするのに、まったく無関心であるという描写だけで、この「王国」(カルトのコミュニティ)の「異常性」を強烈に、決定的に、表現している..

 ..それはいいのだが、それらの死体が、ほとんど損傷していないことが気になってしかたがない。この気候なのである。それらの死骸はたちまち腐敗し、まさに酸鼻を極める「地獄絵図」となっているはずなのに、そうは描かれていない。死体は「まだ、きれい」なのである。これは、当時の技術(あるいは予算)ではそこまでできなかったのか、あるいは、いくらなんでもそこまでリアルに描いては客が引く、と、コッポラが自主規制したのか。

 カーツが「王国」を維持できている理由がわからない。「カリスマ性」を持ち出すとなんでもアリになってしまうので、それは説明になっていないのだ。

 ウィラードが最後に無事に離脱できた理由も、わからない。カーツの「臣民」たちは、カーツがウィラードに殺されたことを理解しているように描かれているし、カーツの死でパニックに陥っても(あるいは「憑き物」が落ちても)いない。それまでと同様、完全に秩序だっているのだが..いわゆる「王の交代」として認識したのだろうか? そうであればなおのこと、なぜウィラードの出発を許す? 「新たな王」の「遍歴」への「出立(しゅったつ)」として認識しているのだろうか?

 ..などなどの「割り切れなさ」や「謎」がまた、本作を「傑作」たらしめている要因なのかもしれないが..それを言い出すと、なんとなくそれっぽくて思わせぶりな、釈然としない点が残る作品は、みな、「意味深い(ような気がする)傑作」になってしまうではないか..(●ヴァみたく)..[;^.^][;^.^][;^.^]

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*2020年06月18日:幻想美術選「理性の眠りは怪物を生む」ゴヤ


 「幻想美術選」、第200回。ゴヤの作品を紹介するのは、わが子を喰うサトゥルヌス巨人に続き3回目なのだが..

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「“ロス・カプリーチョス”より“理性の眠りは怪物を生む”」(ゴヤ、1799年)

 ..「ロス・カプリーチョス」という版画集を知らない方がいるのではないかと、心配になってきた。ゴヤは西洋版画史上最大の巨匠のひとりであり、約300枚にのぼる作品の大部分は、(制作年代順に)「ロス・カプリーチョス(気まぐれ)」「戦争の惨禍」「闘牛技」「妄」の4つのシリーズに含まれている。

 今回、ご紹介するのは、最初のシリーズである「ロス・カプリーチョス」の中でももっとも有名な一葉である。この作品集をあえてひとことで表現すれば、「諷刺」。それも、人類史上まれにみるほどの、強烈で悪意に満ちた諷刺であり、人間の愚劣さや無知、嘘、偏見に対する批判と嘲笑に満ちている。画像検索結果 も見ていただきたい。1799年に発売したものの、すぐに発売停止にして回収してしまったのは、あるいは宗教裁判所から警告を受けたのかもしれない。

 この「理性の眠りは怪物を生む」は、本シリーズの中でも「諷刺」よりは「幻想」がかっている作品といえようか。うたた寝している版画家の背後から彼を覗き込んでいる(あるいは襲い来(きた)る)フクロウたちとコウモリたち、そしてオオヤマネコ。フクロウは「知恵の象徴」というよりは、よりシンプルに「邪悪な夜の鳥」なのだろう。

 原題名はスペイン語で、「El sueno de la razon produce monstruos」(アクサン省略)。「sueno」には、休息としての「眠り」と夢幻としての「夢」の両義があるらしく、そのため、この版画の意味もまた、両義性を帯びることになる。理性が眠りこけてしまっているのか、あるいは「理性が夢を見ている」のか..いずれにせよ、そこに出現したのは、夜の怪物たちである。オオヤマネコは、版画家を見守っているのかもしれないし、もしかすると、監視しているのかもしれない..ここには、「幻想」の本質のひとつが、描きだされていると思う。「幻想美術」の神髄を極めた作品ではないだろうか..(だからこそ、この連載の記念すべき「第200回」に、持ってきたのである。)

 ちなみに、いかに私がこの版画に心酔しているからといって、私の理性は眠ってはいないし、怪物を生みだしているわけでもない。[;^J^](なんとなく、「イドの怪物」を想起してしまった [^.^]。わからん読者は、ぐぐりなさい。[^.^])

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*2020年06月19日:無意味でないと信じたい..


 この半年ほど、読書量は激減し、リタイア後の準備作業も停滞している。知的営為の(「質」はともかく)「量」の水準が、極端に低下しているのである..もちろん、ゼロになったわけではない。本だって読んでいるし、映画も観ている。廃墟通信も書いているし、ついでに 仕事だってしているのである。しかし..

 言い訳に使いたくはないのだが、この半年間の環境変化の影響は、確かにあると言わざるを得ない。テレワーク云々よりも、やはり、東京や京都などに足を運べないことは、私にとって、想像以上のダメージであるようだ。都会の空気を吸えず、ガス欠になってしまったのだ..

 ..もちろん、言い訳にすぎない。そうはなっていない人も大勢いるのだから..しかし..

 たかだか2〜30年程度しか残されていない余生のうちの半年を浪費したかと思うと暗然とするが..さらに言えば、3年後の秋に予定している浜松退去までの「積読を精力的に消化するプラン」を昨年前半に立てていたのに、そのスケジュールが木端微塵に瓦解してしまったのも痛すぎるが、しかしやはり、この「無為な半年間」には、なんらかの意味があったのだと信じたい..

 いや、無駄であり無意味であったことは、動かせない事実なのだ。私は、「無意味」に「意味」を求めているのだ..そしてその(求める)行為自体の「意味」をうっかり問うてしまった瞬間、「無限に遡る“上り階段”」に転落してしまう..(← 無駄で無意味なポエジーに淫しております..[;_ _][;_ _][;_ _][;^.^])

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*2020年06月20日:さりげなく日常的な週末


 曇天。朝いちからI医院に出向き、某薬を補給。(ヒント:皮膚科である。)

 湯風景しおり。浜松駅でPASMOにチャージ。この数ヶ月間、電車に乗る機会などなかったのだが、書店で本をキャッシュレスで買うと5%の払い戻しがあるということに(今ごろ [;^.^])気がつきましてね。

 メイワン谷島屋。ビックカメラでレンズ周りの小物を購入して帰宅。

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*2020年06月21日:「国盗り物語」


 快晴。フラワーパーク。湯風景しおり。

 ナカノサイクルセンターに自転車のTSマーク点検出しに行くが、大変混んでいる(預かり期間が長くなる)ということで、期限いっぱいの7月11日に予約しておき、出直すことになった。

 「麒麟がくるまでお待ちください 戦国大河ドラマ名場面スペシャル「国盗り物語」」を視る。MCが麒麟の川島だというのはお約束か [;^J^]。ほか、高橋英樹、近藤正臣、松村邦洋がリモート出演。三田佳子が別途インタビューで出演。

 1973年の大河ドラマである。大河ドラマをあまり(というかほとんど)視ていない私だが、「国盗り物語」には、熱中した..というか、これで満腹してしまい、以降の大河ドラマにあまり興味を示さなくなってしまったのではないかとすら、思われる。

 しかし、Wikipedia を見てみたら..ああ、やはり..総集編しかマスターテープが残っていない(あと、家庭用ビデオでの録画が僅かに2話程度)とのこと..この傑作の映像が、ほとんど失われているのか..

 高橋英樹の出世作となったこの作品、当時から、豪華な俳優陣だと思っていたが..今夜の番組での登場順で、平幹二朗(斎藤道三)、池内淳子(お万阿)、金田龍之介(土岐頼芸)、三田佳子(深芳野)、若林豪(斎藤義龍)、小林昭二(小牧源太)、高橋英樹(織田信長)、宍戸錠(柴田勝家)、近藤正臣(明智光秀)、松坂慶子(濃姫)、伊丹十三(足利義昭)、中野良子(お槙)、中島久之 (森蘭丸)、火野正平(羽柴秀吉)、江守徹(黒田官兵衛)。また、今日は登場しなかったが、印象深く記憶に残っているのが、米倉斉加年(竹中半兵衛)、寺尾聡(徳川家康)、竹脇無我(足利義輝)、杉良太郎(浅井長政)、林隆三(雑賀孫一)、などなど..驚くのは、高橋英樹を筆頭として、彼らの半数以上が、存命・現役だということである。

 47年前のドラマなのに、である。

 つまり、主力陣が、ほとんど、20代から30代の若手だったのだ。

 今夜紹介されたシーンは、ほぼ全て、鮮明に記憶していた。NHKは捜索しているようだが、47年前の録画が発掘される可能性は低いだろう..いくらかでも憶えているわれわれ世代が、言葉で語り継ぎ、残していくしかないのだろう。いかに素晴らしいドラマであったかを。どんな名場面があったかを..

 (ちなみに、音楽がまた、素晴らしかったのだ。私は、林光という作曲家の名前を、この作品で憶えたのである。)

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*解説


MASK 倉田わたるのミクロコスモスへの扉
Last Updated: Jun 27 2020
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