*2017年05月08日:「ゴッド・ガン」
*2017年05月09日:「母の記憶に」
*2017年05月10日:5月〜6月の展覧会観覧予定
*2017年05月11日:幻想美術選「ザクロの周囲を一匹の蜜蜂が飛んだために生じた夢から目覚める一瞬前」サルヴァドール・ダリ
*2017年05月12日:ベタな夢 [;^.^]
*2017年05月13日:平野美術館/「親友が語る手塚治虫の少年時代」
*2017年05月14日:佐鳴湖畔で試写
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*2017年05月08日:「ゴッド・ガン」


 残業をぶっちし、O内科医院、クリーニング出し、浜松西郵便局。

 ゴッド・ガン」(Barrington J. Bayley、大森望、中村融編訳、ハヤカワ文庫)、なかなか着手できていなかったのだが、読みはじめたら、たちまち読了。日本オリジナル編集の短編集。基本、バカ話(ホラ話)である。[;^J^]

 「ゴッド・ガン」−神は殺せるという論拠を示し、殺した、その結末。「大きな音」−宇宙で一番大きな音、という、ワンアイデア。それをオーケストラで具現化するところが面白い。「地底潜艦〈インタースティス〉」−これぞベイリー! 拡がり続ける(地球の)地底空間を、想像を絶する距離、飛び(静止)し続ける。「空間の海に帆をかける船」−既読。高次元空間から、三次元宇宙に沈んできた船。「死の船」−時間理論に家庭の悩み(不肖の息子)を組み合わせる。

 「災厄の船」−かなりストレートなファンタシー。「ロモー博士の島」−性行為における男女の振る舞い(というか [;^J^])の逆転。珍しくもないアイデアだとは思うが..「ブレイン・レース」−古き良き(タイトルそのままの)バカ話。「蟹は試してみなきゃいけない」−異星生物のセックスライフ [;^.^]。「邪悪の種子」−エイリアンの不老不死の秘密を奪うための時空を超えた追跡劇。しかしその秘密は呪われたものだった..という基本アイデアは珍しいものではない(というかむしろ古典的である)が、スケール感が素晴らしい。傑作である。

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*2017年05月09日:「母の記憶に」


 母の記憶に」(Ken Liu、古沢嘉通、幹遙子、市田泉訳、早川書房、新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)、読了。

 「烏蘇里羆」−三毛別羆事件を想起。古代の自然魔術と現代科学技術の響き合い。「草を結びて環を銜えん」−血生臭くも、品格のある歴史説話。深い余情を残す。「重荷は常に汝とともに」−ウィットに富んだ、古き良きSF。「母の記憶に」−ウラシマ効果をシンプルに適用した感動作。類似例はあると思うが。「存在」−介護問題。「シミュラクラ」−物語の骨子は、古典的である。時間と追憶を固定し定着させる写真からの類推か。「レギュラー」−Great! ガチンコの近未来本格ミステリ。「ループのなかで」−ロボット戦争の、ロボットのアルゴリズム(殺人評価関数)を作る者の魂の地獄にフォーカスした力作。

 「状態変化」−寓話..なんだろうな..「パーフェクト・マッチ」−現実のカリカチュアでもあるし、極めて蓋然性の高い外挿でもある。現実の反映。敵対者を取り込むところも。「カサンドラ」−タイトルから自明な予言者の悲劇だが、対立者としてスーパーマンを持ってきたところがうまい。「残されし者」−シンギュラリティのエキスというか原点というか本質。「上級読者のための比較認知科学絵本」−SFという形式でしか語れない、美しい物語である。「訴訟師と猿の王」−「草を結びて環を銜えん」同様、揚州大虐殺を素材とする説話。「万味調和――軍神関羽のアメリカでの物語」−悲劇的結末になるかと心配したが、それは回避された [;^J^]。「『輸送年報』より「長距離貨物輸送飛行船」」−飛行船だからというわけではないが、鶴田謙二を想起した。

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*2017年05月10日:5月〜6月の展覧会観覧予定


 今年に入ってから前倒ししてどんどん片づけておいたお陰で、件数は少ないのだが、ひとつ、どえらいのをリストアップし忘れていた..[;_ _]

*森アーツセンターギャラリー
 「大エルミタージュ美術館展 オールドマスター 西洋絵画の巨匠たち
 〜6月18日(日)まで

*山種美術館
 「花 * Flower * 華 ―琳派から現代へ―
 〜6月18日(日)まで

*国立新美術館
 「ジャコメッティ展
 6月14日(水)〜9月4日(月)まで

*国立西洋美術館
 「アルチンボルド展
 6月20日(火)〜9月24日(日)まで

 ..もちろん、「大エルミタージュ美術館展」である。まだ1ヶ月あるのだが、油断していると危ない。週末にバタバタと用件が入ってしまうと、たちまち時間切れになってしまう。諸事情から(今のところ)ベストは6月10日だが、マージンが無さ過ぎる..

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*2017年05月11日:幻想美術選「ザクロの周囲を一匹の蜜蜂が飛んだために生じた夢から目覚める一瞬前」サルヴァドール・ダリ


 「幻想美術選」、第63回。「第10回:幻の馬車」以来、1年ぶりに、ダリの作品をご紹介する。

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「ザクロの周囲を一匹の蜜蜂が飛んだために生じた夢から目覚める一瞬前」(サルヴァドール・ダリ、1944年)

 この作品につけられた、ダリの「解説」を引用しておこう。

目覚めの原因となる一瞬の偶然の出来事から生じる、長いストーリーの筋立てをもつ典型的な夢についてのフロイト的発見を、はじめて映像として描写する。
眠っている人の首にピンを落とすとたちまち目覚めるが、その一瞬の間に、ギロチンにより断首されるまでの非常に長い夢を見るのと同様に、ここでは蜜蜂の唸りに、ガラは針の痛みを感じて目覚める。
はじける柘榴から、あらゆる創造的な生物学的現象が生じる。
背景の中では、ベルニーニの象がオベリスクと教皇の象徴を運んでいる。
この私の夢における祝福の象は、最も深い意識下の告白に対応して、最大限に高い位置にある。

 ..ま、要するに、これだけの話である [;^J^]。言われるまでもないというか。[;^.^](強いて言えば、「ベルニーニ」がわからない人がいるかも知れないが、廃墟通信の読者は知的水準が高そうなので、少数派であろう。わからん人は、こっそりぐぐっとけ。[^.^])ダリの作品はわかりやすく、さらに誤解を恐れずに言えば、テーマの噛み砕き方がシロウトくさい。「絵解き」レベルなのである。柘榴からはその色彩から赤い金魚が、蜜蜂からはやはりその色彩から虎が連想され、針は、銃剣ならぬ「銃針」に変容している..「あぁ、そうですか..[;^J^]」、としか、言いようがない [;^J^]。フロイトなんぞの出る幕ではない。[;^.^]

 にもかかわらず(あるいはだからこそ?)、この作品のイメージは、鮮烈極まりない。一目見たら忘れられぬ、ダリの代表作であることはもちろん、「夢の絵解き絵」としても、西洋美術史上、屈指の傑作であろう。

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*2017年05月12日:ベタな夢 [;^.^]


 (別に、昨夜からの「夢」つながりというわけではない。偶然である。[;^J^])いやはや、まさかこんなベタベタな夢を見るとはね。[;_ _][;^.^]

 起きた時刻は枕元のメモ用紙に書き留めてあった。4:55である。その直前に見た夢を(暗がりで半覚醒状態で)メモ用紙に殴り書きしたものだから、半ば判読不能であったのだが、なんとか読み解いた結果を、以下に書き記しておこう。

 暗い空。東側の地平線(あるいは山地)を眺めやっているが、夜明けか夕暮れか、あるいは日中か夜中なのかも、わからない。地平線から30度ほどの高さのあいだの虚空に走る、蜘蛛の巣のような、これは稲光か? 個々の「線」は太く、内側が黒、外側は緑色の輝きで縁取られている。

 やがて飛行物体が現れる。UFO(未確認飛行物体)と言いたいところだが、その形状は極めてクラシカル(伝統的)。なべぶたを上下に張り合わせ、頂点に突起物が付く形。最初は1台、やがてジグザグ飛行する編隊が現れる。まったくの無音。

 興味深いのは、個々の「円盤」の「回転方向」である。普通は水平方向(時計回りにせよ、反時計回りにせよ)だと思うが、これらは前後というか、「前転方向」にクルクルと回転しているのである。また、円盤(直径数十メートルぐらい)の上半分は透明で、内部が見えるのだが、そこに見られるクルーたち、ヒューマノイド型エイリアン数十人は、回転にまったく影響されていないし、そもそも動いてもいない。床方向に重力コントロールでもされているのだろうか。

 そもそも、内部が見えることが不思議であるが..私は、こういう「絵」を知っている。昔々の少年漫画雑誌の口絵ページ、いわゆる「大図解」のページである。そこでは、しばしば空飛ぶ円盤の空想図(構造図)が掲載されていた。今朝、私がフトンの中で目撃した円盤群は、これらがそのまま(前転しながら)飛来してきたもののようである..

 (..オチは、ありません。[;_ _][;^J^])

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*2017年05月13日:平野美術館/「親友が語る手塚治虫の少年時代」


 朝、雨。9:25に車で出て、まず、クリーニング出し。その足で10:00少し前に湯風景しおりに着き、館内の理髪店(「髪工芸」)。サウナと読書。15:00過ぎに出る。雨は上がっている。

 帰路、平野美術館に立ち寄る。「富士と日本の名所」(〜6月4日(日)まで)である。こぢんまりとした美術館(大きめの画廊程度)における、いつものとおりの、インティメートな展覧会。遠隔地からわざわざ見に来るほどの内容ではないが、ジモティーがスルーするのは、いかにももったいない。

 清水規の「富岳」画像検索結果)は、同じ作者の同じタイトルの絵が、多数検索されてしまった [;^.^]。高橋天山の「江の浦富士」は検索できなかったが、栗原幸彦の「黎明不二」画像検索結果)は、(私が確認した時点では)検索結果の中に1点だけ、この作品が含まれていた..まぁ、この展覧会のHPにも掲載されてはいるのだが。[;^J^]

 帰宅時刻は失念。遅くはなかった。

 親友が語る手塚治虫の少年時代」(田浦紀子、高坂史章、和泉書院)、読了。手塚治虫自身の言葉では「ない」、手塚治虫の少年時代をもっとも間近で見てきた人々による、一次情報。基礎資料である。(何故、手塚自身の言葉では「ない」ことに価値があるのかというと、少年時代を語る手塚治虫の言葉には、嘘や誇張(演出)が含まれているからである。[;^J^])全てのとは言わないが、「浅くない」と自覚している手塚ファンならば、必読。(わざわざリンクを張った私の努力を、少しは敬え。[^.^][;^.^])

 世界同時多発サイバー攻撃の報道。99ヶ国、7万5千件、ということだが..もちろん、あくまでも「現時点での」数字。初期報道の段階で、これほど大きな数字というのは、尋常ではない。

 ランサムウェアか。英国NHSのシステムが停止して、一部の病院でサービスが中断したとのこと。操業停止に追い込まれた工場もある。あまり記憶にない事態である..

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*2017年05月14日:佐鳴湖畔で試写


 早朝から、ランサムウェア(WannaCry)の情報収集の続き。いろいろ思うところはあるが..私自身の業務に関わりの深い事案なので(つまり、うっかり仕事の話をしてしまいかねないので)、この話題はここまでとしておく。(来週以降も、表層的には触れるかも知れないが。)

 昼前に浜松市立中央図書館に出向き、昨日ご紹介した手塚本の購入リクエストを出しておく。昼前に帰宅。

 12:50、D750と、新宿マップカメラで買ってきたばかりの交換レンズ2本、「AF Fisheye-Nikkor 16mm f/2.8D」と「AF-S NIKKOR 20mm f/1.8G ED」をリュックに入れて背負い、自転車で佐鳴湖畔へ。

 広角の「AF-S NIKKOR 20mm f/1.8G ED」については、撮影した写真の掲載はしない。練習というか「仕様の確認」(具体的には、画角の確認)の写真ばかりで、面白味に欠けるからである [;^J^]。パンフレットによると、画角は94°。これは、「視野の隅に見えているものは、写らない」程度である。具体的には、眼鏡のフレーム内に見えている風景は、収まっている感じ。これは..かなり、広い。普通の風景写真ならば、この広さがあれば、十分だと思える。(画角以外の性能(F1.8の明るさだとか)については、十分な評価まで、手が回らなかった。)

 「AF Fisheye-Nikkor 16mm f/2.8D」は、カタログスペックで言えば、画角は180°。ここまでくると、視界の隅々まで絡め取っている感じ。さらに言うと、俯瞰も仰望もせずに水平方向に撮影すると、極端な歪み(デフォルメ)が目立たなくなり(無論、足元の地面などは、盛大に歪んでいるのだが)、これは確かに、「普通の超広角」として使えることがわかる。以下に添付するのは、そういう「真面目な」写真では、ない。[;^.^])

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 この3枚は、仰望パターン。中央の写真のように空を主役にするときは、それを引き立てる周囲の環境が重要。手頃に開けた箇所が見当たらず、中途半端な出来になってしまった。

 外縁附近に垂直な物を置くと「わかりやすく」なる。名刺代わりみたいなものである。(右写真。)しかしこういう写真ばかり撮っていると、魚眼レンズには3日で飽きるであろうが..しかし、どんな風景も、楽しく撮れてしまう、という効果は、確かにある。(おそらく、ここが、罠なのだ。)



Picture Picture

 同じく魚眼での、近接しての花の写真。左写真はともかく、仰望の右写真では、花に近すぎ、というか、周辺部に垂直な(あるいは直線の)被写体が無いがために、(実は歪んでいるのだが)歪みが目立たなくなってしまっている。「こういう写真を撮るのならば、魚眼である必要はない」、とも言えるし、「いちいち魚眼から普通のレンズに装着し直さなくても、魚眼の(強烈な)癖は出ない」、とも言える。



 14:30過ぎに、帰宅。さてさて、固唾獣 片づけものが、山をなしている。遊んでいる場合では、ないのである..[;_ _][;_ _][;_ _][;^J^]

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*解説


MASK 倉田わたるのミクロコスモスへの扉
Last Updated: May 18 2017
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