2017年05月01日:不穏な連想 [;_ _] 2017年05月02日:幻想美術選「夜の放牧」アルヒープ・イワノビッチ・クインジ 2017年05月03日:「バベルの塔」展/雪村展/マップカメラ 2017年05月04日:「天界の眼 切れ者キューゲルの冒険」 2017年05月05日:魚眼を試用 2017年05月06日:浮世絵動物園/アドルフ・ヴェルフリ展 2017年05月07日:俊友会管弦楽団 定演目次へ戻る 先週へ 次週へ
..を書きますので、関係者の方がいらっしゃいましたら、スルーしてください。[;_ _]
「YAHOO!パートナー」とかいうところからのメールが、初めて届いた。本文をチラ見したら「出会い」がどうとかと読めたが、興味ないので即消した。続いて、「YAHOO!オークション」からの(いつもの)通知メールが届いた..
..この順番というか、組み合わせは、よくなかった [;_ _]。「出会い」×「オークション」=「奴●市場」、という連想しか..[;_ _][;_ _][;_ _]
(この一事をもって、私の品格を論(あげつら)うのは、まったくの筋違いである。むしろ、そういう史実や、それに基づく文学・美術作品に通じていることの証左なのであるから、教養が邪魔をしているね、と、論評すべきなのである。[;^.^])
目次へ戻る「幻想美術選」も、第62回。今回ご紹介するのは、かつて浜松の古書肆の店頭で、とある展覧会の図録を立ち読みしていて、凍りついた作品である。(無論、すぐに買って帰った。)
ウクライナ出身のロシアの風景画家、アルヒープ・イワノビッチ・クインジ(1842〜1910、Wikipedia)の名をご存じの方は、どのくらいいらっしゃるであろうか。とりあえず、画像検索結果をご覧あれ。どうです、すごいでしょう..特に、光と影の絶妙な響き合いが..
この、果てしなき大平原..そこを滔々と流れゆく大河..動物たちは、この広大無辺な風景を引き立てるための点景に徹している..「確かに美しい作品だが、これは幻想美術というよりは、幻想的に美しい普通の風景画ではないか?」、と、突っ込まれるか。答えにくいな [;^J^]。以下、ちょっと駄文にお付き合いください。
私はこの絵を見るとき、(なんらかの刷り込みによって)「メチル・メタフィジーク」(吾妻ひでお)の最終回を想起してしまう。広義の幻想漫画家である吾妻ひでお(その論拠は、「日本幻想作家事典」(国書刊行会)の巻末の「怪奇幻想漫画家事典」の「吾妻ひでお」の項を参照のこと。(ちなみにこの項を執筆したのは、私である))の屈指の傑作であるこの連作短編SFの最終回の舞台は(おそらく)吾妻ひでおの故郷の北海道。彼が生み出した最大にして最強、最凶のヒロイン、阿素湖素子がゲスト出演しているのだが、このエピソードでは、彼女が大平原を放浪した末に、「果てしなき旅は終わりぬ」..と、草原に死ぬのである..無論、ギャグ漫画であるから、このあと、天国から追い出され、地獄も満員で、しょうがない!、と、生き返るのであるが..[;^J^] この、「大平原に死ぬ」シーンは、ギャグ漫画であるだけに、深く私の心に染み入った..そして、それは(なんらかの理由で)、このクインジの「夜の放牧」と結びついたのである..この、素晴らしい原野の光景を見ていると、こんな美しいところで野垂れ死にするのも悪くない、と夢見てしまう..
..なに? まだ「幻想」が足りてないって? 仕方がないなぁ..[:^J^] それでは、もうひとネタ。
もう一度、この絵をよく見て欲しいのだが、この「動物」たちは、馬(あるいは別の牧畜)に見える? 風景に比べて、描き方が曖昧というか、タッチが違いすぎない? 立って草を食(は)んでいる「馬」(らしきもの)の姿も不思議だが、それ以上に気になるのが、前景の赤茶けた部分。おそらく、岩か赤土がはだけているのだろうとは思うが、見ようによっては、何か大型獣(ほんとうに獣なのか?)の肉片、あるいは不定形な何か..そう、名状しがたきものの..(すみません、もうしません [;_ _](..とは、約束できない。[;^J^]))
目次へ戻る今日から連休。空は白っぽいが、晴れ。5:55に自宅を発ち、バスで浜松駅へ。6:54のこだまに乗るが、座れない [;^J^]。逆方向とはいえ、さすがはゴールデンウィークだ。
8:13、東京駅。新幹線ホーム、滅茶混み [;_ _]。下り階段に辿り着くのに、5分近くかかった [;_ _]。アナウンスによると、混雑のピークの時間帯だったらしい [;^J^]。快晴。8:30、上野。8:35、開館1時間近く前に、東京都美術館。「ボイマンス美術館所蔵 ブリューゲル「バベルの塔」展」(〜7月2日(日)まで)である。この時点では行列は15人程度。9:22に入れてくれたが、この時点で100人弱だったかな。
左図は、ベルナルト・ファン・オルレイの「磔刑のキリストと聖母、聖ヨハネ」。右図は、ヘラルト・ダーフィットの「風景の中の聖母子」。色彩が素晴らしい。
左図は、ハンス・メムリンクの「風景の中の二頭の馬」。その右の2点は、私の大好きなヨアヒム・パティニール。中図は、「牧草を食べるロバのいる風景」。この、パティニール・ブルー! 右図は、「ソドムとゴモラの滅亡がある風景」。
ヒエロニムス・ボスを2点。まさか日本で観られる日が来るとはね! 左図が「放浪者(行商人)」。右図が「聖クリストフォロス」。
以下、ピーテル・ブリューゲル(父)である。超有名作ばかりで申し訳ないが..左図が、「聖アントニウスの誘惑」。右図が「大きな魚は小さな魚を食う」。
左図が、「野ウサギ狩り」。右図が、「農民の婚礼の踊り」..このクラスの名作が、ほかにも多数来ているのである!
そして、メインの「バベルの塔」! jpegファイルではわからないだろうが、1400人も描き込まれているという。サイズは小さいのだが、このスケール感は尋常ではない。
11:40、退出。この展覧会は、必見ですよ! 図録も必ず買うこと!(「バベルの塔」の原寸大のポスターが付いているのである!)
面倒なので昼食を抜いて、12:00、東京藝術大学大学美術館。「雪村−奇想の誕生−」(〜5月21日(日)まで)である。全4期中の第3期(大きく前期/後期に分かれていて、後期の前半)だったようだが、今日まで来られなかったし、第4期にも来られる見込みは低い。見そびれたものがたくさんあるが、仕方がない。
「琴高仙人・群仙図」(画像検索結果)、「竹林七賢酔舞図」(画像検索結果。「呂洞賓図」(画像検索結果)は、同じタイトルの作品が複数あるので、この検索結果の中のどれか(複数)が展示されているのだと考えていただければ..(雑な奴。[;^J^])ほか、「四季山水図屏風」(画像検索結果)、「龍虎図屏風」(画像検索結果)、「猿侯図」(画像検索結果)、「金山寺図屏風」(画像検索結果)、「瀟湘八景図屏風」(画像検索結果)など。
13:30、退出。雲が広がってきた。新宿に向かい、14:20、マップカメラ。15:00まで悩んで、中古レンズを2本購入。「Ai AF Fisheye-Nikkor 16mm f/2.8D」と「AF-S NIKKOR 20mm f/1.8G ED」。保証などつけて、合計ざっと、15万円。誰か私を止めてくれ。[;_ _][;_ _][;_ _][;^.^]渋谷に転進。15:40、まんだらけ。持参した3冊を2700円で引き取ってもらえたのは、望外 [^.^]。BOOK OFF では、あり得ない値付けである。とはいえ、「ぼくらマガジン」3冊を2万円で買ってしまったので、私の負けである。[;_ _][;_ _][;_ _][;^J^]
16:10に退出し、17:55、横浜・鶴ヶ峰の実家。
「バベルの塔」展で保護してきた公式フィギュア(「大きな魚は小さな魚を食う」の左端の方にいる奴)の記念撮影。左写真は、ひとりでおすまししてるとこ。「なんやなんやこいつは」、と、実家の先住民たちがわらわらと集まってきたところを撮ったのが、右写真。
朝は曇天。昼には快晴。もっぱら読書。
「天界の眼 切れ者キューゲルの冒険」(Jack Vance、中村融訳、国書刊行会)読了。短編集かと思って読み始めたら続き物だったので、設定や人物配置を確認し直すハメになった。[;^J^]
「サイエンス・ファンタシー」だが、印象としては、圧倒的にファンタシー。キューゲルの小悪党ぶりはかなりのもので、「あとで(彼女を)助けに来るんだろうな」「フォローするんだろうな」などの期待は、ことごとく裏切られる [;^J^]。とにかくゲスい男で(やれるときはやるし)、大体酷い目に合い続けるあたり、どこが「切れ者」なのか首を捻るが、まったく同情できず、爽快感ばかり憶えてしまうところが、味であるか [^.^]。解説を読むと、この作品の革新性、後代への影響の大きさがわかるが、(呪文をいちいち憶えなおさなくてはならないなど、)結末では、その(呪文の習いなおしの)困難さ故にミスをして..(以下略)
目次へ戻る快晴。読書。
新しいレンズは、カメラに装着せずに触っているだけでも嬉しく楽しい。[^.^](フェチである。[;^J^])とにかくこれで、レンズ5本体制になった。1.ひととおりのことはこなせる、普段使いの軽い汎用レンズ「AF-S NIKKOR 24-85mm f/3.5-4.5G ED VR」。2.単焦点の「AF-S NIKKOR 50mm f/1.4G」。3.10倍ズームの「AF-S NIKKOR 28-300mm f/3.5-5.6G ED VR」。4.広い風景を撮るための、単焦点の広角レンズ「AF-S NIKKOR 20mm f/1.8G ED」。5.超広角がわりでもある魚眼レンズ「Ai AF Fisheye-Nikkor 16mm f/2.8D」..(泥沼である。[;_ _][;^.^])
庭で魚眼レンズを試し撮り。俯瞰すると、ISSから見た地平線のごとく地球の丸さが強調され、仰望すると、逆に地平線が上に反る..まるで、メスクリン(の高緯度地方)の風景のようである。(半世紀近く前に読んだ小説(「重力の使命」)なので、記憶違いかも [;_ _])..つまりこのレンズはSF仕様か!(← 違うよ。[;^.^])ちなみに仰望写真は逆光で暗くなってしまったので、フラッシュを控えめに炊いたが、少し明るすぎたな。もっと暗くすべきだったか。
ここには掲載しないが、いつもの癖で、3分割法でモチーフを配置してみたら、なんだかよくわからない写真になってしまった [;^J^]。このようにセンターに置くと、わかりやすい。慣れるまでは、日の丸構図がいいみたい。ちなみに左の仰望写真では、やはりフラッシュで花を「立てて」いる。なんにせよ、タヌキにせよ花にせよ、地表ギリギリから仰望できるのは、チルト式液晶モニター搭載のD750のメリットである。
朝は快晴。実家前のバス停から7:41のバスで発つ。最初の目的地は国会図書館だが、久しぶりなので勘が狂っていて、9:30開館のところ、9:05に着いてしまった [;^J^]。調査結果は、「負の収穫」。詳述しないが、いくつかの調べ物に関して、「この本には情報がない」、という情報が得られた。これはこれで大変有意義な結果なのである。10:35、退出。
11:05、太田記念美術館。「浮世絵動物園」(後期:〜5月28日(日)まで)である。
以下、先刻承知の作品が多いが、 北尾重政の「美人戯猫図」。歌川広景の「青物魚軍勢大合戦之図」(画像検索結果)と、歌川芳虎の「家内安全ヲ守 十二支之図」(画像検索結果)は、有名ですね。
歌川国芳の「五十三駅 岡崎」(画像検索結果)、も、有名な化け猫図。歌川広重の「名所江戸百景 浅草田甫酉の町詣」(画像検索結果)、は、倉田いち押しの猫図である! いいでしょ、これ、いいでしょ!
11:50、退出。江戸川橋へ。久しぶりに麺珍亭で油そば。12:50、現代マンガ図書館。今日はここには、「無いモノ」を確認に来たのである。[;^J^]
島本和彦、田中圭一、西原理恵子、唐沢なをきは、かなりスカスカ状態である。米沢嘉博記念図書館にもあまりないので、これは、私の蔵書の寄贈し甲斐があるな [^J^]。随時参照したいものだけを手元に残して、残りは寄贈することにしよう。(いや、全部手元に置いておきたいのはやまやまなんですが、置き場所が..[;_ _][;_ _][;_ _][;^J^])
13:50、退出。14:15、有楽町。ビックカメラで小物を買ってから、スパンアートギャラリーへ。「長野剛 個展 「理想郷 - Eternal Beauty and Desire」」(〜5月16日(火)まで)である。
これはもう、展覧会のリンク先を見ていただくことにしよう。ほとんどの人は、見覚えがある絵柄ではないだろうか。実物の筆致は、実に美しい。
14:50、東京ステーションギャラリー。「アドルフ・ヴェルフリ 二萬五千頁の王国」(〜6月18日(日)まで)であるが..う〜む、これは私の趣味には合わなかった..[;^J^] いわゆるアウトサイダー・アートなのだが、これは、「当たりはずれ」というか「はまりはずれ」の大きいジャンルである。私の場合、ヘンリー・ダーガーも苦手なのだが..ただ、ヘンリー・ダーガーにせよ、アドルフ・ヴェルフリにせよ、自分(だけ)のための超巨編小説(彼らが「小説」と考えていたかどうかはともかく)を生涯書き続けた、という点では、共感できる。私も少年時代には同じようなことを(脳内で)行っていたからである。むしろ、彼らはそれを「実体化」したという意味で、私よりも「上」だとは、確実に言える。
好みは極端に分かれるであろう。無責任に推奨することはしないが、興味をそそられたら、覗いてみるのも悪くはないよ。
16:20に退出して、18:30に、実家。
目次へ戻る実家前のバス停から10:31のバスで、錦糸町に向かう。俊友会管弦楽団の第58回定期演奏会である。
すみだトリフォニーホール
13:30開演(12:30開場)
R.シュトラウス:交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」
ベルリオーズ:交響曲「イタリアのハロルド」
ヴィオラ独奏:佐々木亮
指揮:山下一史
旧友の(高校時代の吹奏楽部仲間の)H君が、30年以上前の楽団立ち上げ時からトロンボーンで在籍しているアマチュア管弦楽団である。失礼ながら、聴きに来たのは、初めてである。
失礼ついでに [;_ _] 予想をかなり上回る好演であった。ベルリオーズの演奏が、プロの楽団に伍する、などとは言わないが、しっかりとベルリオーズの世界になっていた。また、ツァラトゥストラは、ちゃんと、寝落ちさせずにエンディングまで引っ張ってくれた。[;^J^](← なに、曲をディスってるんだよ。[;^.^])最初は、妙なプログラムだなと思っていたのだが、すぐに得心した。ベルリオーズの名著「管弦楽法」を補筆したのが、R.シュトラウスなのである。筋が通っている、ナイスコラボである。
終演後、H君、及び同じくお久しぶりのO君と、16:00から17:00まで(H君は楽団の打ち上げのため早抜け)、「海宴二代目」という店で一杯。
東京駅を18:03に発つひかりで、19:31、浜松。八丁蔵で一息ついてから、21:45、帰宅。ゴールデンウィークの幕が下りた..[_ _]
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