2011年08月15日:月曜日は.. 2011年08月16日:「実相寺昭雄展」「安野光雅展」 2011年08月17日:「大英博物館 古代ギリシャ展」「空海と密教美術展」 2011年08月18日:文豪怪談傑作選・明治篇/大正篇 2011年08月19日:「アトムの足音が聞こえる」 2011年08月20日:24時間テレビについて 2011年08月21日:「歌川国芳展」目次へ戻る 先週へ 次週へ
..そこら中の美術館が休みなので、実家に引きこもって読書など。
ふと、気が付いたのだが..実家に持ち帰ったリブ100が、ACアダプタを接続して通電しているにも関わらず、ときどき、バッテリー稼動している..実家のテーブルタップの不良(あるいは、リブ100のACアダプタ用の2芯ACケーブルとの接触不良)かと思ったのだが、確認してみたら、2芯ACケーブル自体が断線しかかっているではないか。[;^J^]
こんなものは汎用品なので、そこらの電器屋で手に入るはずだが、浜松の自宅には何本か予備があったような気がするので、買うのはバカらしい。なんとか今週一杯、だましだまし使うことにしよう。[;^J^]
目次へ戻る実家前のバス停から、8:11のバスで発つ。武蔵小杉からバスで10分の 川崎市市民ミュージアム に着いたのが、9:30。
..おお、そう言えばここにあったんだった。手塚治虫の、
笑い 逍遥展示空間のオブジェ::-:川崎市市民ミュージアム:88/11
..の実物 [^.^]。見るのは初めてであるが..やはり立体オブジェは、写真ではわからないものだ。背面に、ヒョウタンツギがいるではないか。[;^.^]
このミュージアムでは、9月4日まで、「実相寺昭雄展 ウルトラマンからオペラ「魔笛」まで」をやっているのである。必見!..とまでは言えないように思うが、彼の仕事の幅の広さを実感できるし、映像展示も多くて楽しいので、都合がつくのならば、一見をお薦めする。図録が用意されていないのが残念である。
11:50に発って、電車1本でみなとみらい線の元町・中華街駅へ。谷戸坂を登って、13:10に 神奈川近代文学館 着。カフェで和風サンドイッチとコーヒーを頂いてから、「安野光雅展 −アンデルセンと旅して」を観る。タイトルどおり、アンデルセンに縁(ゆかり)の作品たちがメインである。「かげぼうし」や「絵本 即興詩人」など。
今回、展示されてはいないが、安野光雅の数多くの著作の中で、特に好きなのが、「天動説の絵本」である。(もしもあなたが未読であるのなら、悪いことは言わないから、これだけは読んでおくほうがいい。何もいわずに、「ショッピングカートに入れる」をクリックするほうがいい。)大学生時分、これを読んで感激して、友人と感動を語り合ったのち、帰省したら、実家の父の書斎の書棚にも、さりげなく置かれていた..私の学生時代の、もっとも素敵な想い出のひとつである。[^J^]
15:05に発って、ひと駅となり(日本大通り駅)の 横浜開港資料館 に着いたのが、15:35。「広瀬始親写真展 横浜ノスタルジア・特別篇〜 昭和30年頃の街角」である。
実家は横浜であるが、横浜生まれではなく、ティーンエイジャーになってから引っ越してきたのであるから、昭和30年頃の横浜を知らず、その意味では、特段、懐かしい風景ではない..が、私が(北九州市で)生まれる直前の時代であり、昭和30年代の北九州市には、まだこのような風景が残っていた。その意味で、ノスタルジーを覚える。
みなとみらい線沿線には、ほかにも、横浜都市発展記念館 や 神奈川県立歴史博物館 など、比較的小規模な素敵な博物館が数多くあり、このレベルの展覧会が日常的に、とっかえひっかえ開かれている。「展覧会を観にいく」という構えた姿勢ではなく、「ハマの散歩のついでに覗いていく」対象であろうかと思う。
16:55に発ち、18:05に、実家に帰宅。
目次へ戻る実家前のバス停から何時のバスで発ったのか失念したが [;^J^]、国立西洋美術館 に着いたのは、開館10分前の9:20。「大英博物館 古代ギリシャ展 究極の身体、完全なる美」である。
大体私は、どちらかと言えば、この類のアウトドアで健全な肉体表現芸術 [;^J^] よりも、ゴヤとかブレイクとかルドンとかモローとかビアズリーとかクノップフとかエルンストとかタンギーとかの、インドアで病的な画家たち [^.^] の隠微な作品の方が心に沁みいるのだが..などと、開館までの10分間、炎天下でブツブツと病的に呟きながら並んでいたのだが [;^.^]、いやはや、やはりこれは、とても良いものである [^J^]。西洋美術の基本である!
目玉はもちろん、日本初公開の「円盤投げ(ディスコボロス)」(画像検索結果)である。単に美しいというよりは、ほとんど「浮き彫り」に近い「平面性」が、面白い。なんというか、奇妙に「人工的」な美しさがあるのである。堪能した。[^J^]
しかしながら、(正直になろう [;^J^]、)このような健全なスポーツマンの像などよりも [^.^] 遥かに魅かれたのが、「サテュロスから逃れようとするニンフの像」(画像検索結果)である![^.^] 実にエロい。実にエロい。これはいい..[;^.^][;^.^][;^.^] このニンフの肉体表現の生々しいリアリティと、絡み合う両者の(どの方向から見ても面白い)姿態の巧みな組み合わせを御覧なさい!
ぶっちゃけ、サテュロスがニンフに、「やらせろー!」、と襲いかかっている、強姦未遂(あるいは直前)の情景という、たいへんあぶない題材なのだが、ニンフの口元の笑み、及び、サテュロスが必ずしもニンフを圧倒できていないことから、暗さや深刻さが全くない、どこか明るい、艶笑劇的なユーモアが漂っている。これなら、お子さまに見せても安心である(のか? [;^.^])ぶっちゃけ、諸星あたるが女湯に突入した3秒後 の光景なのである。[^.^]
ショップで図録を確保。「サテュロスから逃れようとするニンフの像」のTシャツはないかと探したが、流石にそのような不健全なものは売られてないので [;^.^]、やむを得ず(健全な)「円盤投げ」のTシャツで我慢する。[;^J^]
11:35に退出。となりの 国立科学博物館 の「恐竜博2011」は、炎天下で50分待ち [;^.^]。しかも 餓鬼ども お子さま方が山盛り [;^.^]。夏休みなのだから、仕方がない。9月上旬に上京する機会があるので、この博覧会はそれまで先送りとする。
というわけで、東京国立博物館。12:00だが、昼飯抜きで「空海と密教美術展」に入場。(国立西洋美術館のレストランも東京国立博物館のレストランも、激混みでしてね。)
密教美術が幅広く集められており、実に見応えがある。書の展示も多く、実のところ私は書については鑑賞眼が無くいつも退屈するのだが、今回展示されている空海の真筆群の美しさは、確かにわかる。中でも「紫紙金字金光明最勝王経」はあまりにも美しく、溜息をついたまでは良かったのだが、「このフォントは..」などと、邪悪な概念を思わず想起してしまいました。[;_ _][;^.^]
圧巻は、最後の、仏像曼陀羅の部屋(というか空間)で、東寺講堂に21体の仏像(五仏、五菩薩、五大明王、四天王、梵天、帝釈天)で構築されている立体曼陀羅宇宙から、8体にお出まし願って、そのサブセットを体験できるように陳列されているのである! もちろん、本来、21体全部が正しく配置されていないと意味が無いのだが、それは無いものねだりというもの。サブセットとはいえ、確かに(思い込みも多々あろうが)呪術的空間を体感できる。特に、「大威徳明王騎牛像」(画像検索結果)、「増長天立像」(画像検索結果)、そしてなんといっても、「持国天立像」(画像検索結果)の迫力たるや、もう!
ちなみに、これはあとからパンフレットの表紙に明記されているのに気が付いたのだが、なんと、この展覧会は、「国宝 重要文化財 98.9%」なのである! これは凄い。普通、国宝は、あっても1〜2割以下であるが..逆にこうなると、ハミゴはどれだ、ということになる [;^J^]。改めて出品目録を確認してみたら、国宝でも重要文化財でもないのは、僅かに1品だけ。気の毒なので名称は書かないが [;_ _]、この子、展示室の中で、肩身狭かろうなぁ..[/_;][/_;][/_;][;^.^]
14:05に退出し、メトロで神保町に着いたのが、14:40..着いてから思い出したが、今日は、米澤嘉博記念図書館は休館でした。[;_ _](言いたかないけど、火水木休館というのは、相当珍しいと思うぞ。[;^J^])
書泉ブックマートと三省堂をざっとチェックしてから、渋谷に転進。15:55着。先週末、コミケ会場で扇子を紛失して以来、不自由していたので、せっかくならチョイとお洒落なやつでも買おうかと思いましてね。(“イタい”扇子は、一応却下。[;^J^])
それはいいのだが..何を血迷ったか、「ここでも売ってるでしょ、別に女子用でも構わないし..」、と、生まれて初めて、109に入ってしまいました。[;_ _] ..これがもう、なみのアウェー感ではない [;^.^]。ほとんど、魔界 [;^.^]。あたふたと逃げ出して、気を取り直して東急ハンズへ。[;^J^]
どこのフロアにあるのかなぁ..と、思い悩みながら地階の入口に入ったら..これは素晴らしい! ここにある。団扇とかも含めて、「今、必要なもの」は、とりあえず玄関口に集められている。壁面にずらりとディスプレイされていて、嬉しく選び悩み始めたのだが..
..これが意外に、手頃なものがない。デザインの問題というよりは、性能的に。やや上等な布製のものは、ワンタッチで閉じられない。端から丁寧に折り曲げていく必要があり、面倒である。紙製の(相対的に廉価な)やつの方が手早く閉じられるのだが、納得のいくデザインのものが無い。結局、「無骨」という商品名の、その名の通り実質本意の黒一色の、ワンタッチで開閉できる頑丈なものを購入。
ついでにまんだらけを軽くスキャンしてから、18:40に、実家に帰宅。
目次へ戻る少し前に読了した本だが、心覚えに書いておく。「文豪怪談傑作選・明治篇 夢魔は蠢く」(東雅夫編、ちくま文庫)と、「同・大正篇 妖魅は戯る」(同)である。「文豪怪談傑作選」シリーズの特別編というか番外編で、「夢と幽霊」を描く掌編のアンソロジー。来月に昭和篇が出て、三部作となる。
明治篇 − 正岡子規の小品からは、「ランプの影」のメタモルフォーゼ幻想(幻視)が、私自身が日常的に“視て”いるものと同類であり、深く共感できる。ほか、「犬」「死後」など。漱石の「夢十夜」はやはり傑出している。なかでも、私がかねてより偏愛している一節が、第六夜の結尾の、「それで運慶が今日まで生きている理由もほぼ解った。」..である。ここに、強烈な夢のリアリティを覚えるのだ。私自身、しばしば夢のなかで、これと同じタイプの思考(推論)をしているように思うのである。他の夢日記的小品からは、「鉈」「火事」など。水野葉舟の「響(抄)」からは、「老婆」「跫音」が良い。佐々木喜善のエッセイ「縁女綺聞」も、面白い。
大正篇 − “夢語り”とは本当に難しい形式で、集中、内田百けんの諸作すら、「坂の夢」と「とおぼえ」以外は、あまり興味は惹かれない..が、鈴木三重吉の「たそがれ」「月夜」、中勘助の「夢の日記から」「ゆめ」「夢の日記」は、それなりに面白く読める。ほか、寺田寅彦の「化物の進化」(「宇宙は永久に怪異に充ちている」p188)、志賀直哉の「黒犬」「病中夢」「盲亀浮木」など。巻末付録の震災体験記集は、時節がら、大変な迫力と説得力である。
目次へ戻る朝から薄曇り。今日は午後から雨になり、猛暑も(これで終わるわけではないが)ひと息つくとの予報なのだが..午後から渋谷に出かける予定なのである。汗で濡れるのと雨で濡れるのと、どちらがマシでしょうかね。[;^J^]
10:00頃から空が暗くなり、10:45頃から雷鳴。11:00に降り始め、またたくまに土砂降り [;^.^]。14:30頃には小止みとなったが..冷えてきた。14:36、地震。横浜ではさほどのことは無し。渋谷を含む首都圏も、まぁ大事あるまい。
さすがにTシャツ1枚の気温ではないので、上から1枚、長袖のシャツを重ね着し、実家前のバス停から14:56のバスで出発。
寄り道せずに、オーディトリウム渋谷 に直行したが、16:30を回った頃に着いてしまった。「アトムの足音が聞こえる」のアンコール上映の最終日なのだが、開演まで1時間以上あるので、軽く1杯やって時間を潰すか、と、付近を散策したが、17時前から開いてる酒場(居酒屋)など、もちろん無い [;^J^]。それにしても環境のいいラブホ街だ [;^J^]。結局、オーディトリウム渋谷の1Fのカフェで、ジントニックを飲みつつ読書しつつ、17:40の開演を待つ。
実は、この映画を「観る」のは2回目である。今年の6月11日 に、「飲み放題のオフのあとに」ここに観に来ているのだが、言うまでも無く5分と意識がもたずに爆睡し、内容の記憶がいっさいございませんのでね [;^J^]。ま、リベンジというわけで。[;^.^]
伝説的なサウンドデザイナー、大野松雄のドキュメンタリーである..が、「人生のドキュメンタリー」としては、数箇所、大きな情報の欠落があるし、「仕事のドキュメンタリー」としては、専門的な領域に、やや踏み込みきれていないように思う..が、別に「ドキュメンタリー」というフレームに当てはめて評価する必要もあるまい。それなりに興味深い内容の映画であった。私は、仕事がら、どうしても「サウンドメイキングのテクニック」という観点から見てしまうのだが..なるほど、TEACのオープンリールでDJプレイ、というわけね [;^J^]。0Hzから20KHzまで振れる発信機が、いまでは入手しづらいという悩みは、さもありなん。
メモした言葉をいくつか。「一度掴んでしまったら、この世に存在する音になってしまう。この世に存在する音に興味はない」「手を抜いても、だまくらかすのがプロだ」「いい加減にイメージすること。厳密にイメージしてしまうと、少しでも狂うとアウトになる」
20:30、実家に帰宅。夜は寒い。今夏、帰省して以来はじめて、窓を閉めて(雨戸も閉めて)寝る。
目次へ戻る朝から涼しい。朝いちで荷物(書籍)を浜松に発送し、鶴ヶ峰駅前の書店を2軒回る。
24時間テレビとやらが、今日からはじまるが..もちろん毎年スルーしているのだが..視聴者に対して、不親切極まりない番組だよなぁ..
新聞のテレビ欄で、「時間割」が明記されていないのである。コンテンツは(もれなくかどうかは知らないが)列挙されているのだが、「どれが何時から始まるのか」が、わからないのである。(ところどころ、目安の時刻が記載されてはいるが。)これでは、仮に見たいコンテンツがあったとしても、「他局のこの番組を見てから、24時間テレビのこのコーナーを見て、それから..」、というプランを組み立てられない。結局、見たいコーナー(コンテンツ)がある場合は、1日じゅう、24時間テレビをだらだらとつけっぱなしにしておかなければならない。視聴者に、そんなことを求められてもな [;^J^]。「そのあたりの時間帯」を(裏で)連続録画しておいて、あとから切り出すという手もあるが..この手の番組は、ライブ感覚が命のはず。気の抜けた録画に、価値があるとは思えないのだが..(観たことがないので、推測ですが。[;_ _])
もちろん、そういう暇な視聴者が大勢いるから(マーケティングでそれが確認できているから)こういう番組作りが成立するのであろう。(私は、テレビ局を一方的に批判することは、決してしませんよ。[^.^])確か他局には27時間テレビとかいうのもあったと思うし、48時間テレビとか168時間テレビとか、どんどんエスカレートしていって欲しいものである。別にチャカしているわけではない。新しい可能性を切り開ける可能性が、ゼロではないと思うからである。
目次へ戻る朝から涼しい。本降りである。
長めの夏休みは今日まで。実家前のバス停から9:31のバスで発ち、新横浜を10:46に発つこだまで、11:55に静岡着。この時点では、雨はほとんど止(や)んでいた。
静岡駅構内(ASTY静岡)の中華屋、万豚記で、昼食。唐揚セット(唐揚+水餃子+スープ+ライス)を注文したのだが、私には量が多過ぎる。晩飯を抜こうかと思い詰めたほどである。[;^.^]
腹くちくなって、12:50、駅前の葵タワーの 静岡市美術館。「歌川国芳展」の最終日である。前期/後期で展示総換えで、前期は 7月10日 に観ている。今日は2回目で、後期を観に来たという次第。
やはり国芳は良いなぁ..以前も書いたと思うが、最高のエンターテイナーなのである。いくつか挙げると、「清盛入道布引滝遊覧悪源太義平霊討難波次郎」(画像検索結果)の劇画的表現(検索画像では残念ながらわかりにくいが、見事なベタフラッシュ [;^.^])。皆様おなじみの、例の風刺図(とされている)「源頼光公館土蜘作妖怪図」(画像検索結果)の、前景の武士たちと背後の妖怪たちの、それぞれ属する空間の空気感の違い。これも有名な巨大骸骨「相馬の古内裏」(画像検索結果)、3頁ぶちぬきの巨大鯨「宮本武蔵の鯨退治」(画像検索結果)、と、どでかいモノばかり描いているわけではありません [^.^]。「東都御厩川岸之図」(画像検索結果)の、地面から跳ね返る水飛沫が画面から飛び出してきそうな、雨の風景。「東都名所 新吉原」(画像検索結果)の、詩情豊かな夜景。「金魚づくし いかだのり」(画像検索結果)の色彩の品の良さ。そしてご存知、「みかけハこハゐがとんだいゝ人だ」(画像検索結果)。[^.^]
15:05に発ち、15:22静岡発の在来線に乗る。15:48頃から時々土砂降り。16:34に浜松に着いた時点ではではたいした降りではなくなっていたが、念の為、タクシーを使い、16:50に帰宅。なかなか有意義な夏休みであった。[^J^]
目次へ戻る 先週へ 次週へLast Updated: Aug 25 2011
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