*2011年07月04日:「かめ探偵K」
*2011年07月05日:自爆だろうね
*2011年07月06日:和田慎二、逝去
*2011年07月07日:マスタークロック
*2011年07月08日:図書館ハシゴ/冨田勲のトークイベント
*2011年07月09日:ラファエル前派展/美しき日本の原風景展
*2011年07月10日:鉄腕アトム復刻大全集調査、了/歌川国芳展
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*2011年07月04日:「かめ探偵K」


 夜、21:30。強風を伴う突然の雷雨に、慌てて窓を閉める。これまでエアコンを使わずにやせ我慢してきたが、それが可能だったのも、窓を開けて風を通していたからであり、窓を閉め切って、42型プラズマテレビ(及びその他のAV機器4点)の排出する熱量の逃げ場を封じてしまった以上、ここは白旗を上げるべきだ。(さもなくば、死む。[;^.^])..というわけで、ついにエアコン(冷房)を入れた。

 雨はほどなく小止みになったが、結局朝まで(強く)降ったりやんだりを何度も繰り返したので、一晩中、窓を開けられなかった。

 かめ探偵K」(北野勇作、メディアワークス文庫)読了。軽く読める、どろんころんどの後日談的世界。ある意味、ソラリス的状況なので、ミステリとしては制約が無さすぎるのは、やむを得ないところである [;^J^]。この世界、もう少し読んでみたいとは思う。

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*2011年07月05日:自爆だろうね


 M復興大臣、案の定、辞任。

 新任大臣が(誰かひとり)取り合えず舌禍事件ですぐに辞める、というのは、日本の政治の決まりごとである。いったんこの段取りを踏まないと、政局が先に進まないらしいのである..

 ..冗談にもなっていないが。[;_ _]凸

 あれだけのことを言ってしまえば、もう、自分は大臣ではいられない(辞めざるを得ない)ということが、もしも「わかっていなかった」とすると、救いようの無い愚鈍だったわけであり、「わかっていた」とすると、最初(はな)から大臣としての仕事をする気がなかったことになる。二択のどちらも、最低以下。こんなのが、一時的にせよ大臣だったとはね。[;-_-]

 100万歩ぐらい譲って、当人の「言葉が荒かっただけ」という釈明を受け入れてみると..そもそも政治家は言葉を操る商売なのであり、その「言葉」の使い方がわかっていなかったということになるわけだから、大臣どころか、そもそも政治家たる要件を満たしていなかったことになる。いずれにせよ邪魔なので、とっとと消えていただきたい。

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*2011年07月06日:和田慎二、逝去


 夜まで降らないとの予報だったので、自転車で出勤したのだが、退社時刻の17:20には、すっかり、雨 [;^.^]凸。50分間、宇宙装甲 雨中走行である。[;_ _][;_ _][;_ _][;^.^]

 和田慎二、逝去。なんということだ。享年61歳は、手塚治虫と同じではないか。私の勝手な基準として、「漫画家は、手塚治虫よりも早死にしてはならない」と定めているというのに..

 「スケバン刑事」も「超少女明日香」も好きだったが、やはり、「銀色の髪の亜里沙」が衝撃的だった。

 合掌..

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*2011年07月07日:マスタークロック


 19時、ワインの訪問試飲販売のピーロート・ジャパンのMさん来訪。80分ほど試飲と雑談をし、2種合わせて1ダース購入。来週末16日(土)に届けてもらうことにする。

 一昨夜録画した「コズミックフロント 〜発見!驚異の大宇宙〜 太陽の民 マヤ 〜いま明かされる驚異の暦〜」を観る。BSプレミアムのこのシリーズは、毎回、大変、面白いのだが、今回も期待に違(たが)わなかった。

 マヤが、非常に正確な暦を持っていたことは、よく知られている。ざっくりいって、1年の長さは、

ユリウス暦365.25日
グレゴリオ暦365.2425日
マヤ暦365.2420日
太陽年365.2422日(現代天文学による測定)

 ..であり、なんと、マヤ暦は、現在われわれが使っているグレゴリオ暦よりも精度が高いのである。(この(マヤ暦の)数字に対して反論を唱える研究もあるようだし、「太陽年」の長さも、実は一筋縄ではいかないのだが、いずれにせよ、極めて精確な暦を作っていたことは、事実である。)

 この番組では、これを可能にした技術として、次のふたつを挙げている。「(0の概念を持つ)位取り20進数」と、「ロング=カウント」である。

 前者によって、僅か5つの数字で(10進数で表すところの)「3199999」まで表現できる。ざっと、320万。つまり、非常に大きな数字を、コンパクトに記述できるのである。後者は、紀元前3114年に置かれた基準日(=世界の開始)からの経過日数を表す、「リセットされない」数字である。

 後者が「精確な暦」に結びつくことについては、番組中では説明不足なのだが、少なくとも、いちいち(「年」単位で)リセットされる数字よりも、測定結果を記録する際の基準値(よりどころ)として相応しいことは、直感的に明らかであろう。

 なによりも..UNIXなどで使われている「システム時刻」(UNIX時間など)と、全く同じ設計思想であるところが、面白い。いずれ(ある所定の桁数を)オーバーフローするときに「世界が破滅する」ところもまた、同じである。[^.^]

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*2011年07月08日:図書館ハシゴ/冨田勲のトークイベント


 今日は、勤務先の節電休暇(7月〜9月は、毎月第2金曜日が休みになる)で、都合3連休となる。そこで、自宅を5:55に発ち、浜松駅北口を7:00に発つ高速バス(渋谷・新宿ライナー浜松号)で上京。途中9:25、足柄サービスエリアで、富士宮やきそばを食す。

 定刻から10分と遅れずに、10:55に渋谷マークシティ着。ここで京王井の頭線に乗り換えるのだが、渋谷・新宿ライナー浜松号 → 京王井の頭線、という接続は初めてだったので、いったん(いつものクセで)マークシティから出てハチ公口の交叉点まで歩き、それから、京王井の頭線に向かってしまった。まさか、京王井の頭線のホームが、渋谷マークシティの中にあったとはね。[;^J^]

 駒場東大前で降りて、11:20、日本近代文学館着。「洋酒天国」誌のバックナンバーの絨毯爆撃閲覧である。どれかの号に、手塚治虫のイラストが掲載されている可能性があるのだ。以前、国会図書館で、収蔵されている限りのバックナンバーには目を通しているのだが、ボロボロに歯抜け状態だったし、欠号だけではなく欠頁も多かったのだ。ここ(日本近代文学館)にはほとんど全数そろっていることが(あとから)わかったので、改めて読みに来たという次第である。

 単に揃っているだけではなく、国会図書館ではマイクロフィルムでの閲覧だったのだが、ここでは現物を読めるのもポイント高い。モノクロームのマイクロフィルムでも、良さはそれなりに伝わって来てはいたのだが..当たり前だが、実物から得られる感興とは比較にならない。まったく..なんと素晴らしい雑誌だろう!

 これは、1950年代半ばから60年代前半にかけて、全60号が刊行された、サントリーのPR誌なのだが、宣伝臭さがほとんど無い、極めて洒落た小冊子であり、「夜の岩波文庫」とも称されたらしい。編集長は開高健、メインイラストレーターは柳原良平。後に山口瞳もスタッフとして参加した。

 なんといっても、執筆者の(超一流の)ラインナップが凄い! 植草甚一、金子光晴、香山滋、谷譲治、薩摩治郎八、稲垣足穂、都筑道夫、日影丈吉、大下宇陀児、吉行淳之介、草野心平、淀川長治、木々高太郎、真鍋博、埴谷雄高..彼らの(酒を廻る、あるいは酒とは無関係な)随筆が素晴らしく面白いのだが、これらに限らず、様々な特集記事のバラエティと楽しさたるや! ..世界の酒や世界の酒場、世界の(夜の/大人の)社交場の紹介はもちろん、さまざまなカクテルの紹介と作り方、日曜大工によるホームバーの作り方(これは何度も特集されているところを見ると、よほど需要が高かったらしい)、酒を廻る小道具や小物の紹介、オードブルとは何か、オードブルの作り方..

 さまざまな教養記事。しばしばミステリの翻訳が掲載され、短編小説(ショートショート)ベストテンという企画も。西洋骨董。小旅行記。世界の一コマ漫画の特集号。当時から野球が流行り始めていたらしく、野球のルールの紹介記事もある。同様に大流行し始めていた「テレビ」の特集号には、各局の主要番組のテーマソングの歌詞の一覧や、パーソナリティの紹介なども。

 そしてもちろん、「女性」である [^.^]。当時としてはかなり露出度の高いピンナップ写真は実にセクシーで、しかも品格を保っている。この愉しみを知ってしまうと、いまどきの袋とじのヘアヌードの開脚写真なんぞ、バカバカしくて見ていられない。

 最終号(1964年2月)の特集記事が、「(近頃はやりの)SF」なのがまた、切なくも晴れやかである。[^J^]

 まさに、宝石箱のような煌びやかさと楽しさである! これ、バックナンバーを揃えたいなぁ..ここ(日本近代文学館)に来れば(4冊ほど抜けているとはいえ)いつでも読めるのだが、遠いし..[;^J^] それにやはり、図書館で読むのは、ちょっとね [^J^]。自宅で洋酒を、家飲みしながらじゃないとね [^.^]。ネットで軽く検索してみたら、全巻揃いは見当たらず、バラで、1冊1000円から2000円ほど。妥当な値付けだと思うが、60冊揃えるとなると、結構な道楽ではある。どうしようかなぁ..[;^.^](← こんなことを書いてる時点で、結論は出ているのです..[;_ _])

 ..それはともかく [;^J^]、13:30にチェック終了。手塚治虫のイラストは、結局、見つからなかった。ここに収蔵されていない号に掲載されているのか、この雑誌に載っているという情報が、ガセだったのか..(抜けている号を古書市場で捜して買い集めれば、判ることである。[;^.^])

 館内の喫茶室でランチを食べ、13:45に退出。

 14:30、国会図書館着。ここではほんの数冊のチェックだが、内容は重要。「“手塚治虫漫画全集”解説総目録 付録A:全集未収録作品リスト」に掲載済みの、


こんないいとこ知ってるかい? 手塚治虫の湯けむり・ドライブの巻(ブリジストン広告)::1:平凡パンチ:74/12/24

 ..だが、これが実は「週刊プレイボーイ」に掲載されているという情報を掴み、確認に来たのである [;^J^]。事実、同誌の 1974/12/24 号の裏表紙に掲載されていた。では、「平凡パンチ」の方は? ..これが、微妙なのである。まず、同誌にはこの日付の号はなく [;^.^]、もっとも近いのが 1974/12/23 号。そして、これを閲覧しても載っていないのだが..数ページ、切り抜きの被害にあっているのである。[;_ _]凸

 日付が違う以上、リストに掲載した当初から「週刊プレイボーイ」を「平凡パンチ」に(私が)書き間違えていた、というのが、もっとも無理の無い推測。実際、混同しがちな2誌ではあるしね。しかし、「平凡パンチ」1974/12/23 号を隅から隅まで閲覧することはできなかったのだし、同じ広告が様々な雑誌に掲載されるのは普通のことである以上、この雑誌のこの号には掲載されていない、と、断言することはできない。

 それになんといっても不思議なのは、「「平凡パンチ」1974/12/24号」は、私の手元の「初出誌閲覧調査予定リスト」に載っていないということである。つまり、かつて、この雑誌のこの号(存在しない号 [;^J^])に、この広告が掲載されているのを確認していることになるのだが..うーむ、「「平凡パンチ」1974/12/23号」を、(切り抜かれていない状態で)改めて閲覧調査する必要があるなぁ..ウェブで検索してみたところ、多摩図書館には収蔵されていない。大宅壮一文庫には、あるかなぁ..

 15:25に退出。

 16:05、上野の国際子ども図書館着。知らない人が多いような気がするが、国会図書館の支部図書館であり、児童書の多くがこちらに移されているので、ときどき利用している。今日の要件は、手塚治虫ではない。「ちびくろ・さんぼ」である。

 この名作絵本が、かつて(「黒人差別」がらみで)絶版となり、その後復刊されたことは、ご存知の方が多いだろう。私自身、幼少期には岩波書店版の絵本に親しんでおり、そしてもちろんその後の長い年月のあいだに紛失していたので、2005年に岩波書店版が瑞雲舎から復刊されたときには、大喜びで買い直した..のだが、「復刊された」という事実に舞い上がって、油断していたのである。ちゃんと読み直していなかったのである。先日、自宅で、なんの気なしに瑞雲舎版を手にとって、奥付頁を眺めたところ..「岩波書店版の一部を復刊したものです」..一部?

 そこで、瑞雲舎版を持参して、ここ(国際子ども図書館)に、岩波書店版と照合に来たという次第なのであるが..なんとまぁ..

 劈頭早々の「くろんぼの おとこの子」(岩波書店版)→「くろい おとこの子」(瑞雲舎版)の書き換えについては予想していたとはいえ、実は「差別用語(とされている語彙)」の書き換えは、これがほとんど全てで、あとはそこらじゅう、意図不明な書き換えだらけなのである。最初は、「「鉄腕アトム《オリジナル版》復刻大全集」書き替え個所一覧」みたいな一覧表を作るつもりだったのだが、とてもじゃないが、やってらんねー![;_ _][;^.^]

 「いちば」→「まち」は、まだわからんこともないが、細かい「てにをは」の直しや、単語(あるいは文章)の挿入。まさか、「くろんぼ」→「くろい」の書き換えをカモフラージュするためとも思えないが [;^.^]、もしかすると、原文には最初からこれらが含まれていたのだが、岩波書店版の訳文ではカットされており、それを今回、原文に近づけたのかも知れない。推測だが。

 いずれにせよ、「くろんぼの おとこの子」→「くろい おとこの子」は、だめでしょう..なぜ、「こくじんの おとこの子」としなかったのだろう..「この差別的な物語の登場人物が、黒人であると特定されること自体がNG」なのだろうか..ちなみに、もっとも意味不明な書き換えが、最終頁でさんぼが食べたホットケーキの枚数で、「196枚」を「169枚」に修正しているのである。(絵の中に描きこまれている「196」を、わざわざ「169」に描き直してまで。)なぜ? どうして? ぼく、わけわかんない..[;_ _][;_ _][;_ _] もしかして、「196」という数字自体に、差別的なニュアンスがあるとか?[;^.^][;^.^][;^.^] ..と、ほんとに不思議なので、ウィキペディア を引いてみたら、まさにそうだった [;^.^]。「大喰らいの黒人」を茶化すのは、「差別的」なのである。(ただし、ウィキペディアによると、原作では「169」枚だったようで、つまり、往年の岩波書店版が、逆に「196」に誇張していたのを、元にもどしたということになるのだろうか..)

 16:45に退出し、当初の予定では、このあと、御茶ノ水の米澤嘉博記念図書館で、閉館時刻の18時まで「耽美の誕生 ボーイズラブ前史」展を観る予定だったのだが..Aさんのツイートで、本日18時から、有楽町の某所で冨田勲のトークイベントがあることに気が付き、急遽予定変更。

 いったん、17:20に米澤嘉博記念図書館まで出向き、ここではスタッフの方から、とあるブツを受け取っただけで、展示を観ずにすぐに退出。17:45に有楽町駅。会場まで結果的に徒歩約15分。

 「DENON銀座音楽倶楽部」は、施設の名前ではなく、イベントの名称のようであるが..18時からの 冨田勲のトークイベントの、まさに開始1分前に滑り込んだ。[;^J^]

 新作(というかリメイク版)の「惑星」「源氏物語」の抜粋の試聴をさしはさみながら、興味深いお話を伺う。話題をいくつか紹介する。

 サラウンドが廃れ、見捨てられたのは、マニア以外眼中に入れず、子どもや一般人を置き去りにして、数百万もするセットを揃えなければ真価は発揮できない、みたいなところに行ってしまったから。今回の「ジャングル大帝」では、野尻氏が簡易サラウンドセットを抱えて、小学校を廻った。先入観の無い子ども達は、音が動くというだけで素直に面白がり、感動してくれる。

 (「惑星」のイントロの交信音は、冨田勲の発明の傑作のひとつで、大気を通した変調音やノイズを入れるために、富士山(だっけ?)に受信機とテープレコーダーを置き、自動車の中に再生用のテープレコーダーと送信機を置いて、富士スピードウェイを走りながら再生/録音したことはよく知られているが、)どうして走りながら送信したのかというと、当時は、電波法が今よりも厳しく、あれはグレーというか、ほぼ違法行為なので [;^J^]、発信元を特定されにくくするために..みたいな [;^.^]。あの付近には、自衛隊の基地があるので、あの「怪電波」は受信され記録されたはず。レコードがリリースされたら、正体がばれ、当局が取り調べに来るのでは、と、ビクビクしていたが、音沙汰なし。自衛隊は、なんと暢気な..みたいな。[;^J^]

 糸川英夫博士のエピソード。バレエをやっていたのだが、惑星の舞台化のときに、俺に踊らせろ、と、言い出して、周囲がこまった件 [;^J^]。もちろん、まだまだ、その他大勢クラスの技量なのだし..結局断りきれず、土星のシーンの「盲目の科学者」という、一番つまらない(出番の少ない)役を当てがった。[;^J^] でも、結構、サマにはなっていたらしい。

 今回の「惑星」は、糸川博士へのレクイエムでもある。

 19:30にイベントは終わり、会場の外で待ち合わせて、Aさんを含めて合計5人で動きだしたのが、20時頃。

 最初に入った店で(仔細は略すが)ケチがつき、席を蹴って退出。同じビルの別のフロアの店で、映画の話、音楽の話、映画音楽や吹奏楽の話などに、花を咲かせる。

 実家で待っている母親をあまり夜更かしさせたくないので、まだ宴たけなわの21:20頃に早退。23時前に、横浜・鶴ヶ峰の実家着。

 ..おや、もう20年以上も誰も弾いていなかった(その間、底のベニヤ板が落ちるなど、徐々に着実に劣化が進んでいた)アップライトピアノが、姿を消している。ようやく、業者に引き取ってもらったとのこと。

 これまで、処分するには誰も否やが無かったのだが、再利用できるとも思えないので、処分費用が発生するだろう、いや、それは構わないが、そもそもどうやって、この居間から運びだすのか、中で分解するのか..(よくある話だが、この家に引っ越してきたとき、ピアノを搬入してから、フェンスを設置したのである [;^.^])などなどで、何年間も先送りにされてきたのだが..

 ..意外にも、それほど状態は悪くはなく、整備すれば、十分、中古として使えるとかで(恐らく、中国に輸出されるのだろう)、処分料は発生しなかったようだ。(修理が必要なので、代金は払ってもらえなかったらしいが、そんなことは全然問題ない。)もう、廃材にするしかあるまいと思っていたのだが、誰かに弾いてもらえるのなら、それに越したことはない [^J^]。運び出し方法は、なんのことはない、大型クレーンでフェンスを越えて吊り出したとのこと。

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*2011年07月09日:ラファエル前派展/美しき日本の原風景展


 昨日、(浜松を含む)東海地方で、梅雨があけたらしいが..ったく、私の留守中に勝手なことを..[;^J^]

 実家前のバス停から8:41のバスで出発。JR目黒駅から徒歩10分ほどの目黒区美術館に、開館時刻の10時ジャストに到着。「ラファエル前派からウィリアム・モリスへ展」である。比較的小規模だが、なかなかいい感じの展示内容。以下、インプレを適当に。

 ロセッティは、何を描いても誰を描いても、ロセッティ以外のなにものでもないなぁ..[;^J^] 19世紀末のあだち充?[;^.^] 「マリゴールド」の、放心の表情は、なかなか良い。

 ミレイの、有名な「めざめ」は、やはり、問答無用の素晴らしさである。サンズの、「ベレニケ・エジプトの女王」。同じくサンズの「ワルキューレ」は、ヒロイックな雰囲気。ヴォータンの烏と見つめ合うワルキューレは、ブリュンヒルデだろうか?

 アーサー・ヒューズの「彼は蘇る:最初の復活祭」や、ムーアの「アプリコット」。モーガンの「フローラ」は、ちょっとミュシャ風。

 バーン=ジョーンズは、やはり、いい。「モーガン・ル・フェイ」「宵の星」「キリストの降誕」「東方三博士の礼拝」「エジプトへの逃避」。「東方三博士の礼拝」のタペストリーも、いい。

 ソロモンの「バッハの前奏曲」は、唯美主義の繊細な群像。観る人が(邪悪な想念をもって)観れば、「ヤオイ系」のはしりみたいな。[;^.^][;^.^][;^.^]

 11:10に退出。暑い! 美術館の目の前の子ども用のプールで大勢が遊んでおり、目の毒である。(いや、ロリコン的な意味ではなく、涼しげな風情が、である。もちろん。[;^.^][;^.^][;^.^])

 目黒駅の近くの店で、つけ麺を食べる。当初の予定では、今日はこれだけで実家に戻るつもりだったのだが、よく考えると、明日、Tさん宅を訪問したあとに寄る予定の山種美術館が、ここから1駅先の恵比寿にあるのである。どう考えても、今日片付けておくのが正しい。

Picture

 ..というわけで、12時に山種美術館着。まずは、体を冷まさないとどうにもならないので [;^J^]、喫茶室へ。青山・菊屋名物水ようかんと冷抹茶セットをいただく。


 「美しき日本の原風景」展である。

 川合玉堂が、やはり、いい。「雨江帰漁」と「水声雨声」の、雨の縦の線の表現! 「雪亭買魚」は、題材が良い。(例によって)絵の中に入って、そこでゆったりと遊びたくなる感覚。

 奥田元宋の「山澗雨趣」。緑の深い山の中、遠く小さく見える滝。

 東山魁夷も、若干、展示されている。「京洛四季」の4連作の中では、「緑潤う」の、青緑の色かな、やはり。

 横山操の「越路十景」の中では、「弥彦晴嵐」の朦朧と、「立山黎明」の 遠景の山と近景の荒地(湿地)。

 最後の、富士山の絵が集められた別室に、横山大観の言葉が掲示されていたので、引用しておこう。

富士の名画というものは昔から余りない。
それは形ばかりを写すからだ。
富士を描くのは富士にうつる自分の心を描くことだ。
畢竟は人格に外ならない。
己が貧しければ描かれた富士も貧しい。
富士は理想を以って描かれなければならない。

 13:50に退出。あまりの暑熱に、一瞬よろける [;_ _][;^.^]。さすがに、もうどこに寄る元気は無く、素直に実家に直帰。

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*2011年07月10日:鉄腕アトム復刻大全集調査、了/歌川国芳展


 8:40に実家を発ち、丘の下のバス停から8:54のバスで、中山駅へ向かう。9:20頃着。待ち合わせ時刻は9:40である。バスの遅延を織り込んで余裕をみたときに限って、全く遅れないと来たもんだ。[;^J^]

 9:40にTさんにピックアップしてもらい、Tさん宅で、「鉄腕アトム《オリジナル版》復刻大全集 ユニット7〈別巻〉」所収の「漫画少年版 アトム大使」の、初出誌との照合調査。これで、この大全集の照合調査は完了である。

 10時少し前に、地震発生。まぁ震度3はなかったと思うが、念の為実家に電話。どうということも無かったようである。

 その他の案件も含めて、12:10に調査了。中山駅まで送っていただき、12:41中山発の便に乗り、13:22新横浜発のひかりに乗る。ちなみに、新横浜で30分程度待ち時間が発生するので、ホームで昼食を食べるつもりだったのだが、なんと、新横浜駅のホーム(及び待合室)には、立ち食い蕎麦屋すら、無い [;_ _]。購入した弁当を食べるスペースはあるようだが..

 というわけで、昼食は、ひかり車内で駅弁で済ます。14:05、静岡着。浜松に帰る前に、ちょっと寄り道。

 駅前の静岡市美術館で、歌川国芳展。これはやっぱり、楽しいや! 超一流のエンターテイナーである!

 「武者絵」「説話」「役者絵」「美人画」「子ども絵」「風景画」「摺物と動物画−精緻な彫と摺」「戯画」「風俗・娯楽・情報」「肉筆画」..全てのコーナーの全ての作品が、楽しく、見応えがある。(こういう展覧会は、実は珍しい。)その圧倒的なバラエティと力量とサービス精神!

 「破家(バカ)利口振分双六」の振り分け方に、面白いというか納得いかない点があるので、メモしておく。[;^J^]

 「おやかうかう(親孝行)の娘」「てい女(貞女)」が「利口」に分類されているのは問題ない。「なんといわれてもかせぐ人」も同様。「人のふんどしで角力(すもう)」..利口だわな、確かに [;^J^]。「素人に跡をおさせる車力」..うーむ、利口だ [;^J^]。従って、「車の跡をおしている人」は当然、「破家(バカ)」ということになるのだが..[;^J^] 「おだてのきく人」「力じまん」も、バカ。「熱湯(熱湯風呂)をこらへる人」も、バカ。(出川某とか [;^.^])..で、「釣をすく人」[;^.^][;^.^][;^.^]..まぁ確かに、昭和時代から平成時代にかけて、「釣りバカ日誌」という作品もありますが。[;^.^][;^.^][;^.^]

 16:30に退出し、在来線で(70分ほどかけて)浜松へ。駅前のビックカメラでIDEのHDDを探すが、影も形もなし [;^J^]。ま、無理も無い [;^.^]。アマゾンかヤフオクで買うことにしよう。

 19時過ぎに帰宅。BDレコーダーに溜まりまくっているコンテンツ(ウルトラQ ハイビジョンリマスター版など)の消化に取り掛かる。[;_ _][;^J^]

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*解説


MASK 倉田わたるのミクロコスモスへの扉
Last Updated: Jul 14 2011
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