*2011年04月25日:ツイッターの中の蛙
*2011年04月26日:若冲ミラクルワールド
*2011年04月27日:TwitBird、改悪 [;_ _]
*2011年04月28日:奥の松 あだたら吟醸
*2011年04月29日:手塚治虫のブッダ展/岡本太郎展
*2011年04月30日:国会図書館/ヘンリー・ダーガー展
*2011年05月01日:墓参り/一の蔵
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*2011年04月25日:ツイッターの中の蛙


 ナカノサイクルセンターで、点検整備に出していた自転車を受け取る。

 あぁ、またこの手のツイートが..今回取りあげるのは竹熊健太郎のツイートだが、実は非常に多くのツイッターユーザーがこの類のツイートをしばしばしており、わかりやすいサンプルとして引用するだけであって、他意は無い。

ネット社会が未だ成熟から遠いと思うのは、ネットで圧倒的に不人気な候補があっさり当選するのを見た時などだ。俺の実感では50歳から上はネットより新聞テレビが優勢。団塊がいるので数も多い。今の40歳が50歳になるあたりで変化が来る気がする。あと10年、待てるか?

 ..突っ込みどころが多いツイートではあるが、もっとも本質的な突っ込みポイントは、「ネットで圧倒的に不人気な」、である。何をもって、そのように判断できたのだろう? 有意な統計的手法による(有意なサンプル数の)調査を、「ネットで」行ったのだろうか?

 「ネットで」というのも曖昧な表現だが、恐らく「ツイッターで」という意味だろう。何人のツイートから「圧倒的に不人気」と判断したのだろう? 私がフォローしているのは100人に満たないが、普通、まともにフォローできるのは(各人の考え方を、それぞれ「個別に」理解できる程度に読み続け、追跡し続けられるのは)まぁ1000人が限界だろう。その場合ですら、ツイッターユーザーは確か1億人であるから、その僅か10万分の1でしかない。無論、日本人の(あるいは日本語の)ツイッター人口は1億人より遥かに少ないわけだが、それでも、全(日本人/日本語)ツイッター人口の0.1パーセントをカバーすることすら不可能だろう。それでどうして、「ネットで圧倒的に不人気な」、などと言えるのだろう?

 もちろん、ランダムサンプリングしてフォローしているのならば、話は別である。しかし、ツイッターとは、そういうものではないのだ。以前の日記でも述べたことだが(2011年02月16日:ツイッターの落とし穴)、誰をフォローするか、自分で(ピンポイントで、一本釣りで)「選んで」いるのである。自分と同じ(あるいは「理解できる」)意見の持ち主が「(圧倒的)多数派」になるのが、当然なのである。

 聡明な竹熊健太郎は、こんなことは百も承知しているはずなのに、その彼ですら、錯覚してしまうのだ。人ごとのように上から目線で書いているが、この私だって、勘違いしてしまうことがある。便利なツールであるツイッターの最大の弊害が、これではないかと、私は思う。そしてこれはツイッターの本質に関わるだけに、恐らく、改善されることはない..というより、そもそもツイッターの欠陥ですら、無いのだ。「自分に心地よい言葉(だけ)を(たくさん)聞きたい/読みたい」という、人間の潜在的な欲望を、便利に叶えてくれるだけなのだ。

 世界中の人々が、広大なツイッター空間の中で、それぞれ、自分に心地良い言葉の発信源をコレクトし、それを「世界」と思い込む..これが既に実現した、「世界のマクロな知の熱死」である..(← あなたはスルーしたかも知れないが、このパラグラフにも「勘違い」が仕込まれている。ツイッターユーザーは、総人口の僅か2%、絶対的なマイノリティなのである。)

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*2011年04月26日:若冲ミラクルワールド


 BSプレミアムで、昨夜から4夜連続で放映されている「若冲ミラクルワールド」が、非常に面白い。昨夜が「第1回 色と光の魔術師 奇跡の黄金の秘密」、今夜が「第2回 命のクリエイター 超細密画の謎」。2夜続けて「動植綵絵」が題材である。

 動植綵絵の中でもとりわけ印象的な色彩のひとつである「黄金」が、実は「金」を使っていない、という分析や、あらゆる意味であり得ないほどの(普通に絵として観る距離からでは絶対に判別できない、高倍率の拡大鏡を用いなければ視認できない)超細密描き込みとその効果について、などなど、スリリングに紹介してくれる。「伊藤若冲 動植綵絵 全三十幅」(小学館)(超高精細の拡大写真が満載されている、ほとんど学術資料かとすら思われる画集)で、既に知っていた事項も多いのだが、スーパーハイビジョンカメラによる超拡大映像の迫力は、ものすごい。

 やはりこういう番組は標準画質では無意味..とまでは言わないが、ハイビジョンでなければ真価は伝わらないことであるよなぁ..無論、BD−REに半永久保存である。

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*2011年04月27日:TwitBird、改悪 [;_ _]


 またかよ..[;_ _] TwitBird を 2.7.7 にアップデートしたのだが、一勝一敗、辛うじて黒字といったところか..[;_ _]

 「一勝」というのは、タイムライン上で(特に最近の − 前回ダウンロードしたばかりの)ツイートが「消える」、というバグが解消された(らしい)ことである。(前回のバージョンからは、これに対応するために、「手動で」ダウンロードする機能が追加されていた。)まぁ、マイナスがゼロに戻っただけではあるが。[;^J^]

 「一敗」というのは、上記に関係しているようであるが、「未読」と「既読」というか、「既にダウンロード済みのツイート」と「今回ダウンロードしたツイート」の区別が付かなくなってしまったことである。これは実に不便である。例えば、夜の22時頃にタイムラインを全部読んで就寝し、朝の7時頃に、新たにアクセスするとする。すると、この約9時間の間に到着し、今回ダウンロードされた(未読の)ツイートと、それ以前の既読のツイートとの区別がつかない。仕方がないので、「えーと、最後に読んだのが22時頃だから..9時間前か..」と、計算して、タイムラインを9時間前あたりのツイートまで溯り、その付近の「見覚えのある」ツイートから読み直す、ということをしなければならない。ものすごく、効率が悪い [;_ _]。さらに言うと、TwitBird は、ツイートを絶対時刻で表示しない(相対時刻でしか表示しない)ので、いちいち引き算しなければならないし、1日以上過ぎると「1デー」といった具合に解像度がガクンと落ちるので、目安にもならない。[;_ _]凸

 仕様が小さくて気に入っているのだが、そろそろ限界かな..

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*2011年04月28日:奥の松 あだたら吟醸


 午後半休。久しぶりに湯風景しおりで、2時間ほど素っ裸で日光浴読書 [^.^]。陽光は暑いが風があるので汗は流れず、ある意味、理想的なコンディションである [^.^]。一旦帰宅し、車で志都呂イオンへ。2FのG眼科。目の痒みは収まっているので、目薬は追加せずに様子を見る。1Fのエイデンで小物を買って帰宅。

 閑話休題。

 本当に品質に問題があるのならばともかく、故無き風評被害ほど許し難いものはない..というわけで、これからは極力、福島をはじめとする被災地の酒を飲むことにした。

 もちろん、現在2ダース近い(外国製)ワインの在庫は、飲む。また、年に数回来るピーロートジャパンのセールスウーマンが売り込む外国製のワインも、半ダース単位で買う..これは担当のMさんが美人だから全くやむを得ない回避しようがないことなのであり、そこは斟酌して欲しい。[;_ _][;^.^]

 体を壊しては本末転倒であるが、酒量を減らさずとも(あるいは増やしても)健康は維持できる。私は過去半年間、自転車通勤に切り替えるだけで、酒量を減らさずに、γGTPを250から70に減らした。中性脂肪も悪玉コレステロールも血圧も、全部改善した。酒量を増やす余裕は、あるのだ。

 今夜はとりあえず、直近のスーパーに置かれていた「奥の松 あだたら吟醸」という福島の酒を買ってきた。なかなか美味いと思う。

 「KAWADE 夢ムック 総特集 吾妻ひでお」が、早くも重版との速報が入った。やた、作品リストのミス(1文字)を直せる![;^.^]

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*2011年04月29日:手塚治虫のブッダ展/岡本太郎展


 5:55に自宅を発ち、7:00浜松駅前ロータリー発の高速バス「渋谷新宿ライナー浜松号」で上京。渋谷着が、定刻10:47のところ11:00。従来使ってきた「東名ハイウェイバス」だと、浜松駅前ロータリー7:30発で、霞ヶ関着が定刻11:53、実績で12:15〜30なので、確かに1時間以上早く着いた。(料金はほぼ同じ。)「渋谷新宿ライナー浜松号」が、30分早く出て1時間早く着ける(つまり、所要時間が30分短い)のは、「浜松号」というぐらいで、浜松を出たあと静岡にすら止まらず、いきなり東名江田、東名向ヶ丘、そして、渋谷、新宿。これだけしか止まらないからである。今後はこちらをメインで使うかな。(果てしなく早起きできる体質なので、朝が早くなる分には、問題ない。[;^J^])

 渋谷からJRで上野に向かい、上野駅構内の「蕎香」で、かき揚げ蕎麦。なかなか美味い。巨大なボール状のかき揚げが付いてきて呆然としたが。[;^.^]

 東京国立博物館へ。ここで「写楽展」と「手塚治虫のブッダ展」を一気に片付けるつもりだったのだが、「写楽展」は5/1からに変更になっていて、ハラホロヒレハレ..[;^.^] くっそー、二度手間かよ..まぁ、気を取り直して、「手塚治虫のブッダ展」を観る。[;_ _][;^J^]

 音声ガイドが300円なので、担当のおねーさんに「普通、500円ですよね?」と軽く突っ込んでみたら、「(ガイドポイントの)数が少ないので (^_^;)」と返されたとおり [;^J^]、比較的小規模な展示であるが、あまり期待していなかったせいか、逆に楽しめた。ブッダ(仏陀と書くべきか?)の生涯を13ステージに整理し、そのそれぞれについて、手塚治虫の漫画と、仏像や浮彫等とを並べて展示しているのであるが、面白いもので、このように展示されると、「手塚治虫の漫画の方が、心に染み入る」のである。もちろん、手塚作品の方が美術的に価値が高いとかそういうことを言っているのではない。

 13:20に出て、竹橋へ。東京国立近代美術館に14:10着。岡本太郎展である。チケット購入15分待ちなので、どうなることやら..と溜息が出たが [;_ _][;^J^]、入場してみれば、存外、楽。確かにひとやまのくろだかり(← 定型句 [;^.^])なのだが、個々の作品の前での滞留時間が比較的短い傾向があり、流れているので、ちょっと待っていれば、どの作品も必ず、ベストポジションで観ることができる。

 「美術作品」として面白いのは、やはり、パリ時代の「傷ましき腕」、対極主義の章の「夜」「夜明け」「森の掟」、そして「明日の神話」である。第7章(岡本太郎との対決)では、「眼」がフィーチャーされている作品で壁一面が埋め尽くされているが、正直なところ、同工異曲の作品群との感は否めない。(そういう効果を狙った展示だとは承知しているが。)無論、「美術作品として観る視点」が一面的であることは、言うまでもない。

 16:00に退出。横浜・鶴ヶ峰の実家に、18:10着。

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*2011年04月30日:国会図書館/ヘンリー・ダーガー展


 実家前のバス停から7:56のバスで出動。国会図書館着が、開館時刻より少し遅れて、9:40。「鉄腕アトム《オリジナル版》復刻大全集 ユニット7」の、初出誌との照合調査であり、メインは「アトム今昔物語(原題:鉄腕アトム)」(サンケイ新聞、1967/01/24 - 1969/02/28)である。1日では無理だろうな..と思っていたが、なんのことはない、約25ヶ月の連載だが、5時間経過した時点で5ヶ月分しか片づかなかったので [;^.^]、ここでいったん打ち切ることにした。閉館時刻まで根を詰めて調査すれば、あと1日で完了する、とかいう状況ならば頑張りますが、ま、残り3日工程ですからね [;^J^]。肩の力を抜きましょう。どうせ、不要不急だ。[;^.^]

 というわけで15:15に退出し、メトロで明治神宮前へ。国会図書館を擁する永田町とはさまざまな意味で対極と呼ぶべき [;^J^] 日本一チャライ街・原宿である。[^.^]

 いやもう、そのチャラさと来たら、ぱねぇのである [;^.^]。メトロ明治神宮前駅の5番出口からラフォーレ原宿の正面玄関までのごく短い距離を埋め尽くす人並みのチャラさときたら、渋谷のスクランブル交差点のそれの比では無いのである。(センター街には原則として足を踏み入れませんので、そことの比較は出来ません。[;^.^])15:55に6Fのミュージアム。ヘンリー・ダーガー展である。

 私が彼に惹かれるポイントは、「天涯孤独の侘びしい実生活を棄て、自身が夢想した物語『非現実の王国で』の中で生き、そこで起った出来事を、生涯を賭して記録した」ことの、「独自性と普遍性」である。おそらく多くの人々は、身に憶えがあるのではあるまいか。同じことをしていた(している)のではあるまいか。たとえこれほどのスケール(その期間は40年、その長さは1万5千ページ、挿絵の枚数は数百枚)ではないにせよ..私には、身に憶えがある。小学生時分には確かにこういうことをしていたし、ほどなく手を動かす(ノートに記す)ことはやめたが、それより遥か後年まで、自分だけの物語(私の『非現実の王国で』)を、頭の中で紡ぎ続けていた。

 私は、そこに惹かれるのであって、彼が描いた「挿絵群」自体には(その独自性は認めるにせよ)さしたる興味はない..というか(私の好みには全く合わないので [;_ _][;^J^])観ていたいとは思わない。とはいえ、廉価な図録があれば(資料として)買うにやぶさかではなかったが、図録はなく、代わりに、7千円近い画集が置かれていたので、スルー。[;^J^]

 17:10に退出し、19:20に実家に帰宅。

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*2011年05月01日:墓参り/一の蔵


 曇天。辛うじて降らない程度の空の下、母とふたりで、横浜霊園まで墓参り。

 帰路、横浜で昼食を食べ、鶴ヶ峰に戻り、バスの時刻まで少し間があったので、駅前のスーパーをそぞろ歩き、被災地の酒(宮城の一ノ蔵)を買う。

 帰宅してからほどなく、結構な雨になった。セーフ [;^J^]。晩飯の食前酒として、一ノ蔵を開ける。美味い。

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*解説


MASK 倉田わたるのミクロコスモスへの扉
Last Updated: May 5 2011
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