*2008年01月21日:緩慢な破滅
*2008年01月22日:再び霜焼けについて
*2008年01月23日:無意識の世界
*2008年01月24日:食事の速度
*2008年01月25日:歓送迎会
*2008年01月26日:散髪など
*2008年01月27日:チョコレート・デリンジャー/魚鱗癬
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*2008年01月21日:緩慢な破滅


 さる方から、「吾妻ひでお 著作リスト」のバグの指摘のメールをいただいた。ありがたい。このリストの真価は、「網羅的であること」以上に「極めて正確であること」にあると自負しているが、それでももちろん、バグはある。これでまた一歩、野望精度が高まった。

 BS1で放映された「世界のドキュメンタリーシリーズ 東ジャワ 突然の泥噴出」(2007/06/12 に放映された番組の再放送)を観て、いささか言葉を失う。これほどの大災害が、現在進行中であるとはね..

 東ジャワのシドアルジョ市レノケノゴ村で、発ガン性物質を含む有害な泥の噴出が始まったのが、2006年5月。それ以来、毎日12万5千立方メートル(一辺50メートルの立方体!)の泥の噴出が続き、既に8ヶ村が消滅し13000人が避難生活を続けているが、泥の噴出が止まる目処は「全く」たっていない。ある推定では、今後30〜100年は続くのではないかとされている。

 現象としては「泥火山」であり、これ自体は珍しいものではないのだが、特異な点が3つある。「1.人口密集地の真ん中に現れた、世界初の泥火山であること」、「2.最大級の規模の泥火山であること」、そして、「3.人為的なミスで発生した泥火山であること」。(石油掘削会社であるラピンド社が、地下2.8キロの地点で、流動性の堆積物の層を刺激してしまったのが原因と見られている。)

 噴出し続ける泥によって村や道路が埋まっていくだけではなく、ガス爆発や地盤沈下も誘発している。原因(トリガー)は判っていても、生じてしまった現象を食い止める術は「全くない」。一時しのぎの堤防を作りつつ、泥を(甚大な環境汚染を引き起こしながら)付近の川に捨て続けるしかない。恐ろしいのは、これがいつ終わるのか、誰にもわからないことなのである。「30〜100年」という前記の推定は、あくまでも推定でしかないのだ。

 不謹慎と叱られることを承知の上で書くが..J.G.バラードの初期の「破滅テーマ」のSFを、強く想起させる風景なのである..

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*2008年01月22日:再び霜焼けについて


 つい2週間前の日記(「霜焼けについて」)で、霜焼けができても数日以内に治ってしまうと書いたばかりなのだが..どうやら、しつこい(治らない)霜焼けが出来てしまった模様である [;_ _]。右足の親指の左側(外側)と左足の小指の左側(外側)が、いい感じにコリコリに固くなっており、温まってくるとなんとも心地よい痛痒さである [;_ _][;^.^]。明らかに、靴に圧迫されての血行不良だなぁ。

 しかし、負け惜しみを言うわけではないが、霜焼けの無い冬なんて、クリープを入れないコーヒーみたいである。(← 「冬の寒さ」と「ジョークの寒さ」を、巧妙にかけているのである。)この痒みは、春の訪れとともに消え去るのだ..

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*2008年01月23日:無意識の世界


 通勤経路(の一部)についての話題なのだが、言葉で説明してもなかなかわかり難いので、google mapの航空写真に描き込んで貼り付けてみた。(中央付近に「ローランド流通センター」が見えるが、数年前まではここで働いていたが、現在はここからさらに8キロほど北の本社工場に勤務している。)

Picture

 左上に見えるのが、東名浜松西インターである。私は、会社(本社工場)への往路には、図上に赤で描きこんだように、静岡県道65号(浜松環状線)を南西方向から北東方向へ上っており、会社からの帰路には、青で描きこんだように、浜松環状線を下りてきて、浜松西インター前の交差点で左折して航空自衛隊浜松基地の方向に走り、タイホーの交差点のひとつ手前の信号で右折して、航空自衛隊浜松基地の外周路に(さらに右折して)入っている。(ちなみに、往路を赤、復路を青で描いたのは、赤は朝日の色、心臓から血液が送り出される動脈の色だからであり、青は夜の色、心臓に血液が帰ってくる静脈の色だからである..そんなことはどうでもいい。[;^.^])

 さて、問題になるのは、帰路の2回の右折である。もちろん、タイホーの交差点を回避するショートカットであり、外周路への合流点には信号は無いので、信号をひとつパスできるわけだ。その分、いくらか早くなる..と、累計10数年間も疑いを持たずにこの経路を走り続けてきたのだが..よく考えると、外周路への(信号の無い)合流点での右折は、時間帯にもよるが、かなり待たされることが少なくない。どうかすると、信号1回待ち以上の時間がかかってしまう。(外周路の交通量は、とても多いのである。)それに対して、タイホーの交差点には右折レーンがあるので、赤信号になる前に、ほぼ確実に右折できる。つまり、大きな三角回りであり200メートルほども余分に走ることになるが、実はショートカットせずにタイホーの交差点で右折する方が、時間的には有利なのである。

 ..ということに今頃になって気が付いた私は、妙なショートカットをせずにタイホーの交差点まで走ることにしたのだが..10年以上も同じ経路を走り続けてきたという時の重みは、半端ではない。昨日も今日も、ふと気が付くと、ショートカットして合流点で左右からの車の流れが途切れるのを待っていたのであった..[;_ _][;_ _][;_ _][;^.^]

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*2008年01月24日:食事の速度


 私は、普通の人よりも食事に時間がかかる。大概どういうメンバーで会食をしても、最後に食べ終わるのは私である。(女性が含まれている場合は、この限りではない。)とはいえ、2倍も時間がかかるわけではないし、特に迷惑をかけているわけでもないので、このことをさほど不都合に思ったことはない。(一度だけ、はっきりと「迷惑をかけている」と自覚したことがある。10年以上前、大阪営業所の営業マンと同行して大阪の販売店めぐりをしたとき、昼食を食べ終わるのが遅い私に対する無言の苛立ちの気配が、はっきりと伝わってきた [;_ _]。「食事時間の短さ」は営業マンの基本スキルだということを、思い知った瞬間であった。)

 なぜ遅いのだろう、と考えたことは、これまで一度も無かったが..本日、会社の食堂で昼食を食べているときに、突然、気が付いた。私は、「口を半分しか使っていない」のである! 前歯は全部使って噛み切るが、奥歯ですり潰すとき、左側しか使っていない。もしかして右の奥歯も同時に使うと、処理速度が倍になるのではないかしら?

 実際にやってみた。(← トリビア風に発音してください。[^.^])なるほど。倍速とはいかないが、食物を口に含んでから嚥下するまでの経過時間は、確かに短くなった。こんなところに原因があったとはね。[;^.^]

 とはいえ、数十年来の習慣(クセ)を矯正するのは容易なことではないし(右の奥歯によるすり潰し動作がしにくいのだ)、そもそもその必要があるのかどうかも、多少疑問ではある。ま、急いで食わなきゃならんときのtipsとして、心に留めておくことにしましょうかね。

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*2008年01月25日:歓送迎会


 残業せずにさっさと帰宅。バスで街中へ。(さすが週末というべきか、駅に近づくとかなりの渋滞で、終点の浜松駅前まで乗っていると遅刻しそうなので、ふたつほど手前のバス停で降りる。)アクトシティの地下の「海鮮マルシェ」へ。19:30から部署の歓送迎会である。

 出席者は20名弱。私はこの店に来るのは初めてである。個室ではない、開放構造の一角だったので、やや落ち着かないと言えば落ち着かないが、これはこれでよろしい。

 世代越えのオタク談義。もちろん、知識/体験/常識のギャップを楽しむのであるが、大体どの世代にもシームレスに通じるのが(やはりと言うべきか)「ウルトラマン」なのである。それも、最も若い20代の社員にすら(平成三部作などの)「新しい」ウルトラマンではなく、「(初代)ウルトラマン」「ウルトラセブン」が、最も良く通じる。(「ウルトラQ」となると、また少し話は別。)何を今さらな話ではあるが、20世紀の日本が生み出した最大の古典のひとつなのである。

 徒歩で帰りかけたが、途中で歩くのに飽きて [;^J^] タクシーをつかまえて帰宅。

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*2008年01月26日:散髪など


 久しぶりに散髪へ。いつもの、仕事が速くてそこそこ廉くて下手な店 [;^J^]。投資とリターンのバランスが取れているので、全然OKなのであるが..今回に限り、リターンがいつもと異なった。仕上がりを鏡で確認しているときに、僅かな違和感を感じたのだが、その場では問題だと思わず、会計して店を出て車に乗って走り出して、最初の交差点で信号待ちをしているときに髪に手をやって、ようやく違和感の理由が判明した。「右わけ」にされてしまったのだ。確か「左わけ」と指示したはずなのだが、どこかでコミュニケーションエラーが発生したのであろう。うつらうつらとまどろんでいる最中に、50年近い生涯で初めて、右わけにされてしまったのであった。[;_ _]

 いや、別に右わけでも全然構わないのだが、とにかく「逆」なので、髪に手をやるたびに乱してしまう [;^.^]..それにしても、鏡を見たときの「どこがとははっきりと指摘できないが、明らかにこれまでの日常とは微妙に異なる違和感」..なにかのトリックに使えないかな。[;^J^]

 イオンへ。3Fの谷島屋で、「チョコレート・デリンジャー」(吾妻ひでお、青林工藝舎、新装版)を探すが、見当たらない。カウンターで問いあわせたところ、昨日発売になったものの、この店には配本が無かったとのこと。う〜む。昨日も、通勤経路上のいくつかの書店(及び浜松駅ビル(みたいなものである)メイワンの谷島屋)で探したのだが、見つかっていないしなぁ。本の王国、富塚町のツタヤと回っても見当たらないので、これ以上はガソリン代の無駄と見切る。

 微妙に早めの昼食は、久しぶりに富塚町のシシリーでパスタ。昼過ぎに帰宅してから、アマゾンでチョコデリをポチッとな..

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*2008年01月27日:チョコレート・デリンジャー/魚鱗癬


 ..チョコデリ、昼前に届きやがった [;^J^]。所要時間23時間フラット。おっきな本屋の無い地方都市の人間は、足など使わずコタツでボタンをクリックしてろと言うことですか。そうですか。[;^.^]凸

 この時期に「チョコレート・デリンジャー」が復刊されたのは、杉作J太郎による映画化が進行しているからだろうか。それとも因果関係は逆なのだろうか。別にどちらでも構わないが [;^J^]、私は杉作J太郎についてあまり良く知らないのだが、どうもかなりの怪作になりそうで、さまざまなニュアンスを込めて「楽しみなことである」、と、言うだけ言っておく。[;^J^](だって、チョコデリのあとがきマンガを見ると、杉作J太郎が「資金無いのでCGもぬいぐるみも無理ですから、このシーンはダンボールに絵を描いて」、とか言ってるんだぜぇ。[;^.^])

 気になったニュース。

魚鱗癬 難病指定へ署名15万人
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=392449&media_id=2

 「知名度が低い病気」とされているが、ちょっとディープな手塚治虫ファンなら知っていると思う。「ブラック・ジャック」の傑作エピソードのひとつ、「白葉さま」に登場する病名だからである。

 ブラック・ジャックは全身皮膚移植で解決するが、これはもちろん虚構の話であり、今でも対症療法しか存在しない難病だとのこと。全く複雑な気持ちになる..

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*解説


MASK 倉田わたるのミクロコスモスへの扉
Last Updated: Jan 30 2008
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