2004年03月29日:「死の島」 2004年03月30日:眼を閉じて − 幻覚宇宙(鬼畜版) 2004年03月31日:NetSky.Q、襲来 2004年04月01日:世間の常識 2004年04月02日:廃刊待望論(鬼畜版) 2004年04月03日:久々の多摩図書館 2004年04月04日:午前中だけ、Tさん宅目次へ戻る 先週へ 次週へ
車検前日である。帰宅時にIKKOに寄って、マーチを預けて代車(クレスタ)で帰宅する。
「別冊モーニング」創刊号発売日。ラインナップが魅力的だったので、購入してみた。「天空之狗」(永井豪)は、モーニング本誌で始まる新連載の外伝というか予告編というか顔見世興行らしい。まずまず。「新・野球狂の詩」(水島新司)は、スルー。断固としてスルー。この漫画家は、こんなところで才能を浪費していてはいけないのだ。「ドカベン」シリーズにも、いい加減、開いた口がふさがらないが..「PositioN」−芦奈野ひとしの作品は、「ヨコハマ買い出し紀行」しか知らないが [;^J^]、なかなかよろしいのではないか。「深海人魚姫」−諸星大二郎の作品としては、「並み」の出来映えでしかないが、まぁ、新作を読めるのだから文句は言わない [;^J^]。「DINO2」(所十三)−本誌からこちらに引っ越したらしい。既にして氏の描くジュラ紀や白亜紀は、私にとっては「日常風景」と化していることを確認した。[;^J^]
「ダリ 全画集」を眺めていて、なんとなしに想起したことを書いておく。ベックリンの「死の島」をモチーフにした作品があるのだが..(「死の島の西側庭(ベックリンにもとづいて再構成された妄執)」1934)私は、ベックリンのこの名作が、大好きなのである。
この絵を知らない読者のために、Googleのイメージ検索で引っかかったURLを、いくつか転記しておく。
http://www.asahi-net.or.jp/~rj5y-okr/nn/tf/bocklin.html http://tjhira.ld.infoseek.co.jp/newpage11.html http://www1.odn.ne.jp/~cci32280/ArtBocklinIsland.htm
(図版は全部同じ。URLを3つも挙げとけば、どれかは当分生きているだろさ、という読みである。[;^J^])
こんな島に棲んでみたい。この糸杉の向こう側に隠されているのであろう、ひそやかな洋館で..この、不気味な廃坑の穴の奧で..蔵書に埋もれて暮らしたい..ここで、朽ち果てたい..
目次へ戻る帰宅時、代車でIKKOに寄り、車検上がりのマーチを受け取る。
例によってバスで街中へ。こだわりやまで飲んできてから帰宅。そろそろ片付けてもいい頃合いのコタツで、メールと読書..疲れてるのかなぁ..以前に紹介した、眼の中の幻覚。今夜はこれに、レム睡眠下の夢も混入しているかのごとくである。つまり、本を読むのをちょっと休んで、眼を閉じる。するとその瞬間、目の前に「夢」が出現するのである。別に眠っているわけではないし、それを(これは夢であり、例の幻覚でもある、と、)しばし冷静に明晰に判断・鑑賞してから、眼をあける。(もちろん、「夢」は消える。)そして再度眼を閉じると..ただちに次の「夢」が出現する。まるで、眼を閉じただけでスイッチが入る映画館が眼の中にあるかのごとくであり、面白がって、何度も何度も眼を閉じたり開けたりを繰り返していたのだが..問題は、その内容。[;^J^]
「牡(オス)同士の接吻シーン」なのである [;^J^]。平たく言えば、ディープキスである [;^J^]。ただし、どうみても人間ではない。野獣ですらない。ベム、あるいはモンスター。(なぜ「オス」だと判ったのかは、謎であるが..)虚空にふたつの頭部が浮かんでおり、これが互いにほとんど「食い込んで」いる。ふたつの球体が食い込んでいる形状を連想していただければ良い。これがどんどん変貌し、回転する。いくらかでも人間に近い表情からライオン系へ、そして眼球の数も定かではない異様な相貌へ..眼を開けて閉じ直すたびに、どんどん様相が変わっていくのである。そしてこれはどうやら「接吻」ではなく、ふたつの頭部の「喰い合い」である。回転しつつ、変貌しつつ..
..これがサブ系やジュネ系の容貌だと、われながら自分の(隠されていた)性癖に動揺するところだが [;^J^] ..非人間形態だから、セーフだよね、ね? [;^.^]
目次へ戻る例によって、昨夜の就寝は1時か2時頃であったはず。で、例によって6時前に起床して、メールを受信してみたら..新着メールが500通オーバー..
こういうことは、以前にも数回あった。大概の場合、どこぞのMLが勝手に私を登録したあげく、設定ミスでループが発生していたのであるが..今回は、違う。サクッと調べてみたところ、新手のワーム、「NetSky.Q」のようだ。なかなか結構な到着ペースで、こうして調べている間にも届く届く。平均して、100通/時、といったところか。
正直、参った。出社した以降も、このアドレスに届くペースは全く減らず、スタッフたちに、対策の相談メールを送ったりしたのだが..午前10時頃に、到着ペースは急減した。以降も時々、10通前後、まとめて届くが、大体、許容できる範囲内である。(今後も、完全に消滅することは無いであろうが..)やれやれ。
そもそもこんなことに巻き込まれるのは、不用意にメールアドレスを晒しているからである、と、反省して、私のページの膨大な数に及ぶファイル群の、ほぼ全てのフッタに書き込まれているメールアドレスの対策をどのようにするか(単に削除するだけにするか、あるいは、私へのメール送信用のフォームに置き換えるか)、色々と気を揉んでいたのであるが..嵐が去ってしまうと..なぜか、何かしら“熱い”ものが、喉を無事に通過していったような気が..[;^.^]
目次へ戻る本日から、勤務先が変わる。といっても、これまでの(約14Kmの)通勤経路の、ちょうど中間あたりの(約6Kmの)ところにある事業所である。時間的には、いくらか楽になる。
東京高裁で、週刊文春販売差し止め事件への判断がでた。出版禁止を命じた東京地裁の仮処分決定の、取り消しである。
「長女に関する記事の公共性、公共目的は認めないが、プライバシー侵害が著しく回復困難とまでは言えない」「(記事の内容は)当事者は喧伝されるのを好まない場合が多いとしても、人格に対する非難などマイナス評価を伴ったものとは言えず、日常生活上、どうということもなく耳にし、目にする情報にすぎない」..
バランスの良い、常識的な判断だと思う。これで、「公共性、公共目的」まで認められてしまうと、なんだかなぁ..であるが、そのようなご立派な(正当化できるような)記事ではない、ということを認めた上で、かつ、「それほどのことはないじゃん」「販売差し止めなどという、極端な手段に走ることはないじゃん」、という、まずは世間の常識と乖離していない判断である。大体、たかが「1年目の離婚」だもんなぁ..読んでも、誰もかれも、1週間で忘れちゃうって [;^J^]。こんなことをいつまでも覚えていてもらえるほどの人って、もはや滅多にいないですよ。皇室ぐらいじゃありませんか? [;^J^]
目次へ戻る愛読誌が潰れると喜ぶコレクターの話は、数年前に紹介した。なぜ喜ぶのかと言うと、その雑誌のコレクションが「コンプリートになる」からである。[;^J^]
その時は、「コレクターの“鬼畜性”」を紹介したつもりだったのだが..なぜその時に気が付かなかったのかな、この程度では、全然、「本物の(鬼畜な)コレクターとは言えない」のである。
本物のコレクターは、愛読している作家や漫画家が死ぬと、「喜ぶ」のである。なぜなら..[;^.^]
目次へ戻る6:43のバスで、7:20のひかり。東京駅から中央線で立川駅。そこから徒歩20分の多摩図書館には、10:00過ぎに着く。ここに来るのは、数年ぶりである。
都立図書館(都立中央図書館、日比谷図書館、多摩図書館)のうちで、もっとも小規模な図書館であるが、その分、もっとも効率が良く、小回りが利く。例えば、1回の請求冊数に(規則としての)上限が無い。「少年チャンピオンを、1976年10月から、ずーっと連続でチェックしたい」、と言えば、台車に乗る限界まで持ってきてくれるし、それに乗り切らなかった続きの分は、窓口で(すぐに連続して出せるように)スタンバイしている。これは、国会図書館などでは、夢にも望めない待遇なのである。効率だけを比較すれば、現代マンガ図書館も互角ではあるが、こちらは、100円/冊かかる。それに対して、公共の図書館は無料なのである。要するに、ここに所蔵されていることが予め(ウェブで調べて)判っていれば、ここで調査するのが、一番効率が良い。「立川駅から徒歩20分」という立地が、多少不利ではあるけどね。
すいているだけあって、コピーもサクサクできる。担当者は、窓口で暇している(本を読んでいたりする)ので、申し込めば、その場ですぐにコピーを開始してくれる。料金も、25円/枚、とリーズナブルである。ただし、これは今日判明したことなのであるが、カラーコピーは出来ないのであった。惜しい..
吾妻ひでお関連では、「月刊カドカワ」誌を、台車1台分チェック。成果あり。(単行本収録作品の初出年月の確定を1件と、新発見を1件。)
手塚治虫関連では、まず、
私と秋田書店(エッセイ)::1:「沙漠の魔王」(秋田書店、非売品):78/08/10
これは、ヤフオクに出品されていたことから存在を知り、「出品者への質問」で、詳細を(一応は)把握していたもの。(非売品なだけに)開始価格が3万円とかで、到底手が出せなかったので、図書館調査回しにしていたのである。国会図書館等には無い。
それと、「マンガ少年」誌を全部。(台車、1台半。)細かいエッセイや取材記事などの初出情報を、5件ほど確定させる予定だったのだが、2件しか見つからなかった。
虫プロアニメの世界(インタビュー)::1:マンガ少年:78/04
中国アニメ界ルポ(エッセイ)::1:マンガ少年:81/02
残り3件は、その情報に間違いがあった可能性もあるが、(つまり、「マンガ少年」誌ではなかった、)多分、見落としだろう。いくら閲覧が効率良く出来るといっても、さすがに全号、端から端までページをめくる気力はなく、どうしても目次に頼ってしまうのであるが、この雑誌は、目次の出来があまり良くない(つまり、細かい記事は目次に載らない)傾向があるので。この3件については、掲載時期の予想など、もう少し情報を絞り込んでから、リトライしよう。
気が付いたこと。同誌の1977年4月号に、「“回収”のおねがい」というチラシがはさまれていた。「遠藤ケイのワンパク講座 (4) 火薬あそび」が問題になったらしい。確かに、小型兇器を作ることができるし..それよりむしろ、「カエルの口の中に2B弾をつっこむと、カエルが粉々に吹っとぶ」、という図解が、情操教育上、問題になったのかも知れないね。それにしても、「回収」された雑誌でも、ちゃんと読めるわけだし、このように、後世の研究者が1977年頃の世相や人心を考察する手がかりになるわけだ。ま、「出版差し止め」と「回収」とは違うけどね。この号、国会図書館では閲覧できるのかなぁ..って、そもそも国会図書館には、「マンガ少年」はほとんど収蔵されていなかったのであった。論外だね。[;^J^]
あとは、「少年チャンピオン」の絨毯爆撃。年2回の「少年チャンピオン新人まんが賞」の発表記事の捜索である。第9回から、手塚治虫のコメントが掲載されていることを確認。
第9回 少年チャンピオン新人まんが賞 審査委員のことば(コメント)::1:少年チャンピオン:77/12/19
第10回 少年チャンピオン新人まんが賞 審査委員のことば(コメント)::1:少年チャンピオン:78/06/26
..ようやく、ここまで発掘できた [;^J^]。これ、第26回までは手塚治虫のコメント付きであると考えられるのだが、確認しているのは、第12回、第14回、第26回だけなのである。穴埋め、穴埋め [;^J^]。毎年6月と11月の予定らしいのだが、とにかく、2ヶ月ぐらい遅れることはザラなんで、ピンポイント閲覧では外れることが多く、悩みのタネなのである。「国会図書館」はそのあまりにスローモーなペースで、「現代マンガ図書館」はかかる費用で、いずれも“絨毯爆撃”には向かない。結局、多摩図書館を訪れる機会が来るまで、棚上げになっていた、というわけ。
閉館時刻の17:00ギリギリまで粘った。立川の古書店を覗いてから、八王子、横浜経由で、鶴ヶ峰の実家に直行。
目次へ戻る実家から、9:24のバス。中山駅までTさんに迎えに来ていただいて、久々にTさん宅で、手塚治虫関連資料の調査である。前回からの差分というか拾遺のチェック。
夏休みにこにこまんが大会 第一会場::1:少年:54/08/15 夏休み大増刊号
ぼくのお正月 ぼくのはつゆめ(カット)::1:少年:56/01
「ジャングル大帝」について(エッセイ)::1:「交響詩ジャングル大帝」(日本コロムビア、CS-7015):66/11
レコードジャケットイラスト::17:「交響詩ジャングル大帝」(日本コロムビア、CS-7015):66/11
..といったところ。12:30頃には終了。都内に出ようかどうしようか散々考えたが、雨もよいだし肌寒いし、というわけで、新横浜から早々に浜松へ。
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