*2003年08月18日:蚊帳の外
*2003年08月19日:「スパイ・キッズ 2」
*2003年08月20日:「ブラック・ジャック 17」
*2003年08月21日:コレクターたちのネットワーク
*2003年08月22日:ソラン、ソラリス、スラン
*2003年08月23日:SFの基本
*2003年08月24日:「人類皆殺し」
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*2003年08月18日:蚊帳の外


 しかしなんですな、今回のBlasterは、かなり強烈ですな。これまで大流行したウィルスやワームは枚挙に暇が無いんだが、私の直接の知りあいで、それらにやられた人が、実はほとんどいなかったり。(知らない人からのウィルスメール自体は、山ほど来たし、今も毎日、山ほど届いておりますがね。)ところがBlasterの出現にいたって、ついにバタバタとかかり始めた。これまでは、「(面倒なので)パッチ当てしていなくても、怪しいメールや怪しいウェブページの“拾い食い”をしなければ、だいじょーぶっ」、てとこがあったのだが、今回ばかりは、「パッチを当てていないと、ネットにつないでいるだけでやられる」んですからね。

 とはいえ私は、パッチも当てていないのに、全然平気 [^.^]。だって、私のリブ100はWin95だから。きょうびの大概のウィルスもワームも、Win95に対しては、無力。[^.^]

 ついにぼくらの時代が来た! ..って感じ? [^.^]v

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*2003年08月19日:「スパイ・キッズ 2」


 某所(悪所に非ず)で遠くのディスプレイにBGV風にかかっていた映画。音声はオフで字幕も出ていなかったのだが、内容をどうこういうほどの映画でもなく、時々眺めているだけでも筋は追えるし、そこそこ楽しめた。あとで確認したところ、「スパイ・キッズ 2」という映画(のDVD)だったらしい。このタイトルを聞いたことはあったかも。

 ま、しょーもない映画ではあった [;^J^]。「CGを派手に使っている低予算映画」、て感じ。(CGに金をかけられないから、CGが目立って(浮いて)しまうのであって、本当に金のかかっている映画では、どこがCGだか実写だか、全く区別がつかないものなのだよね。)特に、後半になって大団円に近づくにつれて、どんどんCGが安っぽくなってしまい..何度か「ドラゴン」が現れるのだが、なんじゃこりゃー、てなもんで。これなら、NHKの天気予報やニュースのオープニングの方が、まだしも正視に耐えるんじゃないかな。[;^J^]

 とはいえ、タイトルに違わず「子ども」の心は、なかなかうまく掴んでいると思うよ。トンボ型のビークルが登場するのだが、あの操縦席には座りたいなぁ..[;^J^]

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*2003年08月20日:「ブラック・ジャック 17」


 「ブラック・ジャック」の第17巻が、忘れた頃になって刊行された。(文庫版である。)目玉は、単行本初収録の「金! 金! 金!」「不死鳥」「おとずれた思い出」。

 まぁこれらは、何故未収録だったのか理解に苦しむ(差別問題などの不都合があるとは思えず、作者に忌避されるほど不出来でもない)エピソードであり、いずれなんらかの形で陽の目を見るのは確実ではあったのだが..残る単行本未収録エピソードのうち、「快楽の座」だけは、見込みが無いだろうねぇ..ともあれ、「ブラック・ジャック エピソードリスト」を、更新した。

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*2003年08月21日:コレクターたちのネットワーク


 手塚治虫関係資料でいつもお世話になっているNさんとTさんに、ここ数ヶ月の間に私が収拾した資料(ヤフオクで落札したり、EasySeek 等で発見したり、国会図書館でコピーしたりしたもの)を、発送する。圧倒的に「テイク」過多なので、たまにはギブしませんとね。(NさんもTさんも、そんなことは全然、気にされていないと思いますが。)

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*2003年08月22日:ソラン、ソラリス、スラン


 ニフのとある(漫画系の)フォーラムの会議室にて、ある人が「「宇宙少年ソラン」というタイトルは、レムの「ソラリスの陽の下に」に由来しているんですってね」、と発言しているのを見つけて..「なーに言ってんだ、この半可通が..ヴァン・ヴォークトの「スラン」に、決まってるじゃねーか..こいつ、SFのこと、全然知らねーんだな..」、と、舌打ちしたのが、数日前。

 今日になってそのことを思い出し、「どうして、この人はこんな思い違いをしたんだろう?」..と、不思議に思って、恐らく彼がしたであろうように、グーグルで「宇宙少年ソラン ソラリス」で検索してみた。

 ほっほう..たくさんヒットするねえ..上の方から順番に読んでいくと、多くは「日記」や「掲示板」であり、「ソランはソラリスに由来するんですか! ちーっとも知りませんでした!」、という類ばっかり。ニフに書き込んだ、かの御仁も、これらを読んだに違いなく、これはもう典型的な「デマの増殖&伝播」の実例だなぁ..と、呆れたのであるが..

 ..「宇宙少年ソラン」の関係者のひとりである加納一朗自身が、とあるページで、タイトルは「ソラリスの陽の下に」から取った、と、明言しているのを見つけてしまい、ハラホロヒレハレ(← 古すぎる [;^.^])..

 ..「スラン」に由来している、という、私の記憶こそ、思い違い(思いこみ)であったのか! 本気で驚きました。[;^.^]

 しかし、危ないところであった。今回は虫の知らせと言うべきか、念のために調べたのであるが..あやうく、ニフのくだんの会議室に、「なーに言ってんですか、「スラン」が元ネタに決まってるでしょーが。思いこみは困りますねー、チッチッチッ」、と、レスをつけてしまいかねなかった [;^J^]。大恥をかくところであった..いや、「私の恥」なら、別にいいんだ。(慣れてるしさ。[;^J^])そうではなく、私起源の誤った情報(デマ)を広めてしまうところだったわけで、それは明確に、世間に対する「害毒」である..少なくとも、それを信じてしまった人々に、恥をかかせることになる..

 しかし、それにしても..「こいつ、SFのこと、全然知らねーんだな」、という私の「舌打ち」自体は..実はなかなか撤回しがたいのである。人類とは完全に異なる“惑星規模のスケール”の生命体と“全くコミュニケーションが取れず、理解することもできない”状況を、淡々と描いた「ソラリスの陽の下に」と、圧倒的な少数派として、ポツポツと出現し始めた新人類(超能力者、ミュータント)“スラン”たちが、旧人類の迫害から逃れ、耐えつつ、自らと人類の未来を模索する「スラン」とでは、後者の方が圧倒的に、「宇宙少年ソラン」という作品に近いと考えますが、あなたはどう思いますか。[;^J^]

 ..そしてこれは、ほとんど“恐い考え”に近いのだが..「宇宙少年ソラン」には、主人公のペットとして「リス」が登場するのだが..まさか「ソラリス」を、「ソラン」と「リス」に分解したとか..(もう、これ以上、調べたくないし、知りたくもないっ [;^.^])

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*2003年08月23日:SFの基本


 火星大接近なのである。宇宙戦争なのである。

 20時に勤務先の研究所にて、久々にアストロクラブの観望会。天候が心配されたが、無事に晴れた。絶好の火星人観測びよりである。10人以上集まったかな。

 いくつか設置された望遠鏡で観察。地平線近くの湿気を含んだ大気の具合とか、その他の事情により、最初はあまり倍率が上げられなかったのだが、次第に倍率があがり、非常に大きく(ほとんど木星サイズで)見えるようになり..お陰で、火星がグングン急接近してくる様子が、手に取るように判った。(← ..少し違う [;^J^])それが「運河」であるかどうかはともかくとして、地表の模様は、はっきりと視認できたし、極冠らしき白いエリアも見えた(ような気がする)。

 ..しかし無念でならないのは..「火星表面にチカチカと..!」、を、先にA氏に言われてしまったことである。「望遠鏡が三脚に乗っているので、仲間と思われるかも..!」、も、言われてしまった..どうしてくれよう..[;_ _][;^.^]凸

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*2003年08月24日:「人類皆殺し」


 暑い暑い。ようやく夏らしくなってきた。やっぱり、あつはなつくなくっちゃね!(← おやじギャグの基本。こういうのをスラッと言えないようでは、あなたはまだまだ子どもだよ。)

 というわけで、目一杯冷房を効かせた部屋で梅酒をがぶ飲みしつつ、読書する。文明人の鑑である。[^.^]

 「人類皆殺し」(Thomas M. Disch、1965、深町真理子訳、ハヤカワ文庫)。極めて有名な、既にこのジャンルの古典というべき作品。これ、30年近く積んでいたのと違うか?

 この作品以前の「破滅テーマ」のSFは、どこか“甘さ”(というか“救い”)を残していたとされる。つまり、多くの作品では、結局、人類は生き残る(“未来”が残される)のであるが..この作品(原題は“The Genocides”)には、なんの救いもない。ある日突然、宇宙から、恐るべき“植物”が“播種”される。600フィートにも成長するその“植物”は地表を覆い、地球の栄養を簒奪しつくし、あらゆる動植物と人間と人類文明を死滅させて行く。“宇宙起源”の存在はもうひとつあり、それは中空を飛び回る“放火球”である。これは、生き残った動物や人間や都市の廃墟を探し回っては、焼き尽くしてゆく..つまり“害虫退治”なのである。“植物”と“放火球”に追われた人間たちは、地下に潜り、“植物”の根の中の空洞に棲みつき、そこで“植物”の果肉を食う..つまり、“蛆虫”となった..やがて成長しきった“植物”たちは“播種者”たちによって“収穫”され、地表は綺麗さっぱり焼き払われるが..その地表に這いだしてきた人類の生き残りたちは、“植物”の次のシーズンのために、全地表に再び“植え付け”がされていることを見いだした..

 見事な傑作と言えよう。特に、絵画的・視覚的イメージが素晴らしく、また、このような圧倒的な設定の作品がしばしば失敗しがちな、人間たちの「集団劇」の組み立ても、悪くない。(簡潔であり、かつ、対立関係の設定の仕方が巧妙なのである。)とはいえ“傷”はある。第4章冒頭、「播種者」の「作業報告」と思しきものが差しはさまれるのであるが..ここで地球人の(距離や時間の単位はともかく)「地名」や「年号」を使っている点が画竜点睛を欠いており、惜しい。読んでいて、最初、意味がわからなかった。(敵対勢力としての地球人グループが、別途存在するのかと思った。)人類が強敵だというならばともかく、一方的に駆除できる「害虫」の文化・文明を(宇宙人が)学ぶ必要は、無いはずである。

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*解説


MASK 倉田わたるのミクロコスモスへの扉
Last Updated: Aug 27 2003 
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