*2003年08月11日:夏オフ明けは、銀の鈴
*2003年08月12日:寒さの夏
*2003年08月13日:スウェン・ヘディン探検記
*2003年08月14日:夏休みの宿題の想い出
*2003年08月15日:国会図書館/品川オフ
*2003年08月16日:「鉄道と絵画」
*2003年08月17日:ある葛藤
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*2003年08月11日:夏オフ明けは、銀の鈴


 例によって(5時前に)早起きするが、こんな時刻にホテル(アジア会館)をチェックアウトしてもやることが無いので [;^J^]、ぐーたら寝直す。7時を回ってから、朝食。9時前にチェックアウトして、東京駅へ。青山一丁目から銀座線、新橋でJR乗り換え、という経路。半蔵門線を使って大手町で丸ノ内線に乗り換えるよりも、遙かに楽。(以上、備忘。)銀の鈴の大型ロッカーにシンセを入れてから新宿へ。

 恒例の、伊勢丹大古本市である。(10時の開店時刻少し前に着いた。)数冊ゲットしてから、例によって神保町へ。ここでも数冊。東京駅へ。

 東京ステーションギャラリーで、「鉄道と絵画」という面白そうな展覧会が開催されていることを知っていたので、早めに出向いたのだが..月曜日は休館日でした [;^J^]。今さら河岸を変える元気も無いので、銀の鈴に降りて、ズッシリと重いシンセをロッカーから担ぎ出して、そのまま横浜の実家に帰省する。

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*2003年08月12日:寒さの夏


 先週末の土曜日は台風。日曜日は晴天。昨日の月曜日は下り坂の曇天..で、本日は再び雨催いの(というか、時々パラパラしている)冷え冷えとした一日である。予報によると、今週はずっと、こんな天気らしい。とても真夏とは思えないんですが。(報道によると欧州は無茶苦茶な超高熱状態らしいので、足して2で割ればいいのに、と、思いました。)

 rinc(このウェブページが置かれているサーバー)のスタッフから、メール。13日(明日)の朝から、14日(明後日)の夕方まで、メンテでシャットダウンするとのこと。14日早朝が、定期更新日である..つまり今週の更新は、自動的に1日遅れることになる。ラッキー!(← 長い目で見れば(僅か2週間のスパンで見れば)全くなんの得にもなっていないことなのだが、目前の“〆切”が、例え1日でも数時間でも先送りにされると、無条件に嬉しいものなのであることよなぁ。[;^.^])

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*2003年08月13日:スウェン・ヘディン探検記


 先日の古本市での獲物のひとつ、「シルクロード」(スウェン・ヘディン、白水社、スウェン・ヘディン探検記8)を、読了。

 無論、極めて有名な著作である。シルクロードに関する基礎文献のひとつであると同時に、実にロマンティックな紀行文(探検記)であり、存分に堪能したのだが..それにしても、どうして今まで読んでいなかったのか。それは、地元・浜松の古書店(時代舎)に、「スウェン・ヘディン探検記」の全巻揃いが、複数、蔵書されていたからである。

 ..脈絡不明でしょうな [;^J^]。解説いたしましょう。[;^J^]

 そもそも私は、「全集好き」である。書籍もそうだが、特にCD。「**交響曲全集」「**歌曲全集」「**ピアノ作品全集」の類を、やたらと買う。「金持ちだねぇ〜」って? 違う。逆だ。「金が無いから」「貧乏性だから」、全集を買うのである。「どうせ全部買うのであれば、バラ買いせずに(最も網羅的な)全集“のみ”購入するのが、最も安上がりで(抜けもダブリも無く)効率的である」..これは、説明不要であろう。だから私は、「いずれ将来、全部聴くであろう(全部読むであろう)」ジャンルの作品については、全集を買ってしまうのである。「例え、それを全て読んだり聴いたりしている時間が取れようが取れまいが」..

 ..まさにここがポイントなのだが、そのように(貧乏性故に)購入した「全集」を、全部読んだり聴いたりしている時間があるわけが、無いのである。まぁ、CDの方は大体消化しているが、絶望的なのが「書籍」である。ドカドカドカドカ、と購入した全集群が、読まれる時間も機会も無いまま、床の上のあちこちに山をなしている..

 ..という背景(というか“業(カルマ)”)を抱えた私が、時代舎で「ヘディン探検全集」を見いだす..文句無しに面白そうである..きっと、全部読みたくなるであろう..あとは、お決まりだ。一山抱えて帰宅して、(もはや書斎には入らないので)台所の床に積んでおくだけなのだ。無論、一刻も早く読みたい、という想いはあるにせよ..今現在の「積読」だけでも、900冊近くあるのである..というわけで、古書店(時代舎)で「全集」を発見してしまったばかりに、買うに買えず、従って、読むに読めなかった、という事情は、理解してもらえたと思う。

 で、今回、伊勢丹大古本市で、このシリーズの第8巻「シルクロード」と、第9巻「さまよえる湖」がバラ売りされているのを、発見したのである。全巻揃いが隣りに置かれていたら、例によって迷いまくったであろうが、その時、私の目の前には、この2冊しかなかった..だから、買えたのである..(以上、屈折率の高いロジックをトレースしていただいて、どうもありがとう。[;^.^])

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*2003年08月14日:夏休みの宿題の想い出


 そろそろ、夏休みも終盤ですな。「天国」で遊びまくっていた連中も、ぼちぼち「煉獄」から「地獄」へとずり落ちてゆく時候ですな。快哉、快哉..

 ..だけではあんまりなので [;^J^]、私自身の「夏休みの宿題の想い出」でも書いてみようかと思ったのだが..まずい [;^J^] ほとんど何ひとつ、憶えていない [;^J^]。これは意外だ。「夏休みの宿題」というのは、幼少年期の、一大イベントであったはずなのに..一体私は、毎年毎年、何をやっていたんでしょーね [;^J^]。「夏休みの宿題」よりも重大(かつ魅力的)なイベントが、あったのだろうかねぇ..?

 憶えているのは、ふたつだけである。ひとつは、これは恐らく、小学校2〜3年生の時期だったのではないかと思うのだが..「回り灯籠」を作った。中心に蝋燭を立てて火を灯すと、クルクルと回り、かつ、その灯で影絵が浮かび上がる、という、アレである。これの「水族館」バージョンを作ったはずだ。なかなか良いできだったのではないかと(かすかに)憶えているのだが..実はこれに関して一番憶えているのは、9/1の始業式の朝、学校までもっていくために風呂敷に包んで持ち上げた、その時のあまりの“軽さ”なのである。

 もうひとつ、憶えている「夏休みの宿題」は..多分、小学校6年生か中学校1年生の時分であるが、(いわゆる「自由研究」だったはずだが)「年表」作りである。2種類憶えているので、恐らく、別々の学年だったのであろう。

 ひとつは、「西洋音楽史年表」。もうひとつは、「世界史年表」。いずれもなかなか本格的なもので、前者はルネサンスの頃からスタートして、主要作曲家の生没年の線表に留まらぬもの。後者は、エジプトの古王国あたりからスタートして、やたらと各国各地域の「王朝」の遷移にこだわったものであった。

 今の小中学生は、どのような「宿題」を課せられているのだろうか? 願わくば、「受験」とも「内申書」とも関係のない、自由気ままに想像力と創造力を発揮し、育てられるものでありますように..

 それにしても、寒い。10月下旬の陽気だと [;*_*]。どういう冗談だ、これは。

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*2003年08月15日:国会図書館/品川オフ


 今日も、雨。7:26のバスで国会図書館へ。久々に手塚治虫と吾妻ひでおの調査である。

 久々に来たら、新館の「第二閲覧室」と「目録ホール付近閲覧席」が工事中になっていた。(10月初旬まで。)国会図書館の構造を説明するのも面倒なので全て省くが、これは、私のように「多数の雑誌を次々とチェックする」ユーザーにとっては、むっちゃくちゃ不便な状況なのである。参ったなぁ..

 収穫は、「漫画の世界から映画の世界へ」(座談会、キネマ旬報、78/08/下旬号)など。なんで今ごろ、これほどまとまった「座談会」が見つかるんだ、という気もするが..この雑誌には、実は「絨毯爆撃」をかけていないのである。(今回は、ヤフオクか EasySeek の出品物で、気がついたのであった。)つまり、叩けばまだまだ発掘できる(かも知れない)、という状況なのだ。嬉しいやら哀しいやら。[;^J^]

 手早く、10:45頃に引き上げて、神保町へ。先日の拾遺。三省堂の2Fのレストランで昼食。ここで休憩するのは、PHSが入りやすい、という理由がある。(本日夕方のオフへの伏線である。)

 徒歩で秋葉へ。(今日も雨催いなのだが、この程度の雨なら、湿度の高い電車に乗るよりも、傘をさして15分間歩く方が快適。)石丸各店舗、ラジ館などを通り抜けてから、東京駅へ。今日こそは(休館日ではない)東京ステーションギャラリーへ。「鉄道と絵画」展である。

 実に面白い! 少々高価で重いが、目録も購入した。これは今後しばらく、私の思考のキー(元ネタ)になりそうである。

 17時に、品川駅前のアンナミラーズへ。FCLA(の夏オフの)関係者6名(私をいれて7名)と、夏オフ・クールダウン・オフである。アンミラでお茶&ケーキしつつ鑑賞したのち(大きさや重さよりも短さが話題になっていたような気がするが、わたくし的には、あの短さは全然たいしたことはないと思いますがどうですか)、「藩」という居酒屋へ。

 別に「密談」というわけではない。来年の夏オフに向けて、前向きな提言・提案がさまざま。私はあらかた忘れているが [;^J^] ほかの誰かが憶えているであろう。ま、酔った頭でコメントさせていただくと、「組織」「システム」の問題など皆無に近く、毎年いくらかは必ず発生するトラブル(問題)は、99%、「属人的」な問題なのである..つまり、個別対応以外の手段が無いのだ。

 ま、それにしても..今年の夏オフは、近年、まれに見るほど、うまく運営されたといえよう。「少しは会議室が荒れないと面白くない」、という声が出るほどである。別に私が「サクラ」になって、爆弾落としたり物議かもしたりしてもいいんだが..白々しいわな。[;^J^]

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*2003年08月16日:「鉄道と絵画」


 先日、購入した「スウェン・ヘディン探検記」のもう1冊、「さまよえる湖」(スウェン・ヘディン、白水社、スウェン・ヘディン探検記9)を、読了。探検のドキュメントとしての面白さは、「シルクロード」の上を行く。「さまよえる湖」の学説自体は、こんにちでは否定されているようだが、それは、この壮麗な探検文学の価値を、いささかも減じるものではない。

 昨日、購入した「鉄道と絵画 展覧会図録」を、読み通す。この展覧会、全国4個所で開催され、かつ、各開催場所で、展示品目がかなり異なる。従って、今回、東京ステーションギャラリーに持ってこられなかったものも多数あり、それらは全て、この図録に収録されているわけだ。つまり、展覧会の追体験以上の価値が、この書籍にはあるわけであって..買っといてよかった。[;^J^]

 抜き書きしたい個所は、非常に多数あるが、とりあえず、ここだけ。「絵画においては列車そのものの描写が意外に少ない」「形態としての機関車は端的にいって「醜い異物」であり」「「鉄道」という主題が伝統的な美の範疇と容易に相容れない」(15頁)。

 さてこの目録で一番驚いたのは、ジョン・マーティンの「最後の審判」である。これは、東京ステーションギャラリーには来ていなかったものの、ジョン・マーティンの大ファンである私は、かねてより別の画集で複製に親しんでいた作品なのであるが..全く気がついていなかった。この絵に鉄道が描き込まれていたなんて..


..復讐の天使が飛び、右下前景のヘロデの娘を中心に堕罪の人々が地獄に落ちる中、画面中央に口を開けた奈落の底に墜落していくトロッコ列車と、後景の右上方から突進してくる小さな蒸気機関車が描きこまれているのを見出すと、マーティン流の奇想に驚愕せざるを得ない。マーティンによる黙示録の幻想世界のなかでは、近代テクノロジーも分かち難く並存していることが了解されるが、鉄道は地獄に落ちるものなのだろうか。

(「鉄道と絵画 展覧会図録」(西日本新聞社)45頁)

 ..謎である。例えばダリの数多くの作品(「ティトゥアンの大会戦」「まぐろ漁」「世界公会議」等など、枚挙に暇がない)の隅々には、このような“異質な”モティーフが、それこそ山盛りに描きこまれているのであるが..それらよりも、遙かに異様な印象を受ける。

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*2003年08月17日:ある葛藤


 盆休みは、今日まで。クソ重たい手荷物(シンセ)があるので、都内をまわることもせずに、新横浜から素直に浜松に直帰する。(雨がしつこく残っている。)

 帰宅はまだ午後も早い時刻だったので、改めて外出。ジョーシンで買い物。DVD売場で、「草迷宮」(泉鏡花原作、寺山修司、KKDS−62、4800円)を手に取ったはいいが、隣りの棚に「幻の湖」(6000円)を見つけてしまい..どちらを買おうか、5分ほど悩んで..正気に戻って、「草迷宮」を購入。[;^J^]

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*解説


MASK 倉田わたるのミクロコスモスへの扉
Last Updated: Aug 20 2003 
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