1999年12月06日:冬の時代を生き抜く古書店 1999年12月07日:なぜバックアップを取らないのか 1999年12月08日:Micro Express 1999年12月09日:インターネットマガジン売却失敗 1999年12月10日:松本零士版「ジークフリート」を買う 1999年12月11日:12/25のながらのチケットを買う 1999年12月12日:手塚リスト、正誤表更新目次へ戻る 先週へ 次週へ
名古屋地区の古書店の団体、Gクラブから、定例の目録が届く。その編集後記に、興味深いことが書かれていた。
近所にBOOK OFF(大規模古書チェーン)が開店し、売り上げが半減してしまったとのこと。そうでなくとも、この不況で半減しているので、都合四分の一になってしまった。仕入れはもっとひどくて、十分の一に低下してしまった..これだけ聞くと、まさに壊滅的状況に思えるのだが..
以下、私見だが、売り上げの半減はともかく、仕入れの激減については、ある意味で当然というか、理解できなくはない。Gクラブの会員(古書店)は、大体において、老舗の、それほど大きくはない古書店だと思うのだが、私自身、地元浜松で古本(だぶってしまった文庫本など)を売却するときには、小さな老舗ではなく、BOOK OFFに持っていくことが多い。それはなぜか。
圧倒的に、気楽だからである。
老舗の小さな古書店では、持ち込んだ古本を引き取ってもらえないことが、珍しくない。(別に老舗に限らず、BOOK OFFのような大規模店でも、傷物の本はなかなか買い取ってもらえないのだが、綺麗な本であれば、ほとんど“自動的に”(格安の統一価格で)引き取ってもらえるのである。)
だから、老舗に持ち込むのには勇気が要る。私などは気が弱くて、繊細な神経の持ち主なので、店主が、私の持ち込んだ本を難しい顔をして品定めしている間は、ほとんど面接試験を受けているかのごときプレッシャーを受け..その挙げ句に、「これは駄目だよ、引き取れないよ」とか言われて突っ返されて、本を詰めた重いバッグを重い気持ちで持ち帰ることになる..これに比べれば、いい加減(ではないのだろうが、極めて事務的で形式的)な査定で、サクサク処理してくれるBOOK OFFのカウンターは、遙かに気が楽である。大概のものは引き取ってくれる代償として、引き取り価格は非常に廉いのだが、こちらとしても、別に高く売ってもうけようという気持ちは無く、とにかく処分することが目的なのだから、問題無い。(“本当に”高く売れそうな本は、地元の古書店やBOOK OFFではなく、別のチャンネルを考えるし。)
無論、老舗が厳しく査定するのは、当然ではある。大規模チェーンのような空間のキャパが無く、店舗面積が限られているのだから、売れる見込みの無い屑本を掴むわけにはいかないだろう。
さて、Gクラブの編集後記では、この(大逆風下の)状況にあって、しかし、客としてみると、BOOK OFFは面白い、という方向に話が展開している。(店で仕入れが出来ないので、BOOK OFFで買って補っているのである。)均一に近い値付けで安売りしているのだから、掘り出し物がいくらでも転がっているのである。老舗の店頭ならば遙かに高く売れる本が、一律半額(または、一律百円)だったりするわけだ。ここに利鞘を稼ぐ余地がある。
逆境に負けずに、BOOK OFFという「脅威」を逆手に取って生き延びていこう、という、(カラ元気かもしれないが、)前向きの姿勢が心強い。店をたたまずに頑張って欲しい。
目次へ戻るどうして、普通の(多くの)人は、PCやMacに入れたデータのバックアップを取らないのか、突然、その理由が判ってしまった。
日常生活では、バックアップを取る、という局面が、ほとんど無いのである。(本来、日常生活でも、その必要はあるのだが。)だから、「バックアップを取りなさい」と言われても、キョトンとしてしまうのだろう。
例えば、手帳。手書きの住所録やメモの類。私はこれらもバックアップ(コピー)を取って保管しているが、こういう人は、非常に珍しいと思う。落とせば、(悪運強く拾得されない限り、)それっきりなのに。
目次へ戻る昨日届いた、MOTU(Mark of the Unicorn, Inc.)のMicro Expressという製品の動作チェック。これの仕様を要領よく説明するのは、難しい。かいつまんで言えば、4インプット、6アウトプットの、「MIDIインターフェイス」兼「MIDIパッチベイ」兼「SMPTE to MIDIコンバータ」なのだが..あなたは、解りましたか? [;^J^] まぁ、便利な小箱だと思って下さい。
私が必要としていたのは、これの数ある機能のうち、4インプットのMIDIマージャーとしての機能だけである。この小箱は、Win又はMacに接続して、コンピュータから様々な複雑な設定を行う事が出来るのだが..どういうわけか、リブ100(にインストールした、専用コントロールソフト)から、パラレルインターフェイスの先のMicro Expressを認識出来ない。(PC DOSからのカード認識の件といい、ここんとこ、祟られているなぁ..)IREQの衝突か、LPT1のモード設定ぐらいしか、トラブルの原因が思い当たらないのだが、どちらも問題は無いし..
ということで、いささか(かなり)慌てたのだが、実はPCに接続しなくても、スタンドアロンで(つまり単体で)MIDIマージャーとして動作するスイッチがあるのであった。会社で休み時間に、MIDI機器を都合5台、イン側とアウト側に接続して、マージャーとして正常に動作していることを確認。やれやれ。PCからの認識の件は、また、日を改めて。
目次へ戻るインターネットマガジン2年分(98/01〜99/12)を、fjで売りに出していたのだが、全く反応が無い。付録のCD−ROMを全部つけて3000円だから、格安だと思うのだが..これ以上値下げすると、送料で足が出る。諦めて、勤務先の資料室に寄贈する(..というか、正確には、既に同じものが蔵書されているから、と難色を示すライブラリアンを、CD−ROMも全部つけるから!という超論理で押し切って、無理矢理押しつけた [;^.^])。送料で赤字を出すのはいやだが、別にこれでもうけるつもりは無かったのであって、とにかく邪魔なので、部屋から出ていってもらいたかっただけなのだ。(厚さのわりには重く、重さのわりには腰が無い、という、始末に負えない紙質の雑誌なのである。)じゃあ最初から買うなよ、と言われても困る。その時その時では、役に立つ(立っている)雑誌なんだから。
それにしても去年の秋には、2年半分(95/06〜97/12)が1万円で売れたんだがねぇ。そんなに昔の話ではないぞ。もはや付属CD−ROMにも、大した値打ちは無いということか。(何か(大型)ソフトを探す時に、昔はCD−ROMに当たったものだが、今では条件反射的にサーチエンジンを起動するからねぇ。)時代は、かくも速やかに移ろい行く..
目次へ戻る本日発売であるはずの「まんだらけZENBU 5」が、まだ店頭には並んでいない。その代わりというわけではないが、「(有)椎名百貨店」のワイド版(椎名高志)と「ジークフリート」(松本零士)を買う。
後者は、随分以前に購入した「ラインの黄金」と「ワルキューレ」のストーリーをすっかり忘れてしまっており、まずこれらを読み返さなくてはならないので、手間である。今日のところは読み始められない。
目次へ戻る「双子の恋」(高橋葉介)と荒俣宏を1冊と、12/25の「ムーンライトながら」の指定券と「まんだらけZENBU 5」を買う。
「ながら」は、東京から浜松までの指定券が売り切れていたので、東京から小田原までの指定券を購入。これは、知らない人が案外多い(ちょっとした)裏技なのであるが、小田原までの指定券でも、結果的に同じ事なのだ。なぜなら、小田原を出てから以降は、その席は自由席になるわけで、つまり、そのまま居座り続けていればいいのである。
目次へ戻る快晴。絶好の書誌調査&リストメンテ日和である。(曇りなら曇りで、暗鬱なムードが根を詰めた文字追い作業に相応しく、絶好の書誌調査&リストメンテ日和であるし、嵐なら嵐で、私は嵐マニアなので雨戸に叩きつける暴風雨の音で元気百倍、能率が上がるので、絶好の書誌調査&リストメンテ日和であるのだが。)
何はともあれ、久々にフトン干しと掃除。廃墟の屋内に風を通し、沈殿&充満していた埃を吹き飛ばす..といっても、窓は広々とは開かない。書棚とCDラックでほとんど塞がれているため、今日のように太陽光線が眩しい日でも、室内は仄暗く、ディスプレイの見やすさが確保されているのだ。この点、抜かりはない。
「「手塚治虫マンガ大全」正誤表」と「「手塚治虫全史」正誤表」の修正作業である。それぞれ、97年11月(「大全」正誤表)、98年10月(「全史」正誤表)から更新が止まっており、その後の調査結果が反映されていなかったのだ。
2年前(及び1年前)の「“手塚治虫漫画全集”解説総目録」の「作品リスト」を、RCS(履歴管理システム)から取り出して、それらと現時点の「作品リスト」との差分を取り、正誤表に反映すべき箇所を洗い出した。これがなかなか手間であった。なにしろ、この2年(または1年)の間の変更箇所は非常に多く、従って、差分ファイルも長大なものになったからである。
とはいえ、正誤表に反映すべき変更点は、実は少ない。というのは、そのほとんどが、「大全」「全史」(の作品リスト)に掲載(記載)されていない作品の追加であって、(その大部分は、「エッセイ」「インタビュー」等の、漫画以外の仕事であるのだが、)これは正誤表の守備範囲外だからである。また、国会図書館等で初出誌を閲覧してページ数が明らかになったものが、多数あるのだが、これらも対象外。(「大全」「全史」の作品リストには、そもそも「ページ数」という情報が無いからである。)
悩んだのは、「大全」または「全史」の作品リストに挙げられていながら、その後の初出誌(初出紙)調査で、発見できなかった作品である。特に広告の類で、このケースがしばしばある。これは、実は一概には、リストのエラーとは言えないのだ。特に新聞広告は、版が違えば、同じものが掲載されているという保証はないのである。「大全」または「全史」の作品リスト作成者が見た紙面と、私が国会図書館(又は地元の図書館)で調べた紙面は、まず確実に、バージョンが違う。
そこで、「大全」または「全史」の作品リストにありながら、現物では確認できなかったものについて、以下のように処理することにした。それが「雑誌」である場合は、(上述したような版の違いによる差異は、まず無いと考えて、)「エラー」として「正誤表」に記載する。それが「新聞」である場合は、「確実に掲載されていなかった」という確信が持てないので、敢えて「エラー」として「正誤表」で名指すことはしない。(私が「正誤表」に「事実としては掲載されていない」と書き込むことの影響も、恐いのだ。後世の研究者が、初出誌(初出紙)調査をするにあたって、この「正誤表」を信じた結果、今後、二度とその(版によっては、実は存在するのかも知れない)広告イラスト等を、発見できなくなってしまう可能性も、あるからである。既にそれなりの“権威”を、(良かれ悪しかれ)持ってしまっている。無責任な記述は、許されないのだ。)
結局、正誤表への追加は、「大全」で5項目、「全史」で7項目。ほとんど全て、初出号(初出年月日)の誤りである..
..とまぁ、確かに手間ではあったが、こういう作業が出来るところが、偉い。(大威張りである。)過去数年分の(、というか、手塚治虫にせよ吾妻ひでおにせよ、リストを作成し始めて以来の)履歴管理をしているからである。履歴管理どころか、バックアップも取ってないでしょ、そこの、あ・な・た。[^.^]
久々に、“レンタルビデオで観る、「こんなメジャー映画をまだ観ていなかったのか」シリーズ”。黒澤明の「蜘蛛巣城」である。霧の効果が素晴らしい。全く華やかなところのない、暗鬱な城の造型も。
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