*2025年12月08日:ランドマークタワーで夜景
*2025年12月09日:聖隷横浜病院で診察
*2025年12月10日:大腸ファイバー予約/ランドマークタワーで夜景リベンジ
*2025年12月11日:ガイナックスの終焉
*2025年12月12日:静嘉堂文庫美術館/八王子市夢美術館
*2025年12月13日:東京二期会の「ファウストの劫罰」!
*2025年12月14日:歌川広景展
*目次へ戻る *先週へ *次週へ


*2025年12月08日:ランドマークタワーで夜景


 快晴。白根診療所で、インフルエンザ予防接種。フォレオのノジマで、32GB の USB Memory を購入する。昼はなか卯で、絶品親子重。

 いったん帰宅してから14:26のバスで出て、みなとみらいへ。15:25にランドマークタワー。7分後に、69階展望フロア スカイガーデン。この年末で、ビル大規模修繕工事に伴って一時営業休止となるのだが、まだここからの夜景を撮っていなかったからである。「夜景」というのは夜ではなく、日没後30分程度までのまだ空が明るい時刻に撮るものであるが、余裕をもってさらに早めに来たというわけ。

Picture Picture Picture Picture

 ..で [;^J^]、前回きたときもやったが、ここに来ると必ず撮るのが、AF-S Fisheye NIKKOR 8-15mm f/3.5-4.5E ED による、360度4方向の魚眼レンズ撮影 [;^.^]。画角がめっちゃ広いので、たっぷりとオーバーラップさせつつ、横浜市街を収めることができる。



Picture Picture Picture Picture

 日没が迫ってきた。左から2枚目は、アラキス(cf.「デューン」)みたくなってしまった [;^.^]。今日の日没時刻は16:29で、右端の魚眼写真を撮ったのは17分後の16:46。まだまだ明るいとはいえ、都会の「夜景」はこのぐらいの明るさでも結構いけるのだが..ガラス越しなので、映り込みが..[;^.^]、これでも多数撮影した写真のうち、マシなものをセレクトしているのである。[;^J^]

 あと、これはこの日記を書いていて気がついたのだが、この写真の並び(組み合わせ)、なんか「2001年宇宙の旅」っぼくない? [^.^] 左端の写真は、月面上のティコクレーターの近くに出現したモノリスの上に太陽が現われるシーン、2枚目と3枚目は、冒頭の「人類の夜明け」の章。そして右端写真は、最終場面で宇宙空間に浮かぶ地球に見えるでしょう? [^.^][;^.^]



Picture Picture Picture

 撮影時刻は左から順に、17:17、17:22、18:04。カメラ的(写真的)には、もう完全に真夜中である [;^.^]。これほど暗い夜景を撮るときには、ISO値(感度)を小さくして、三脚を立ててシャッター速度を数秒から時には数十秒まで伸ばすのが基本中の基本なのであるが、三脚は持ってきていない。(混みあっているときは、三脚の使用は禁止でありますしね。)つまり手持ち撮影。シャッター速度は(手ぶれするので)1/15秒程度までしか長くできない。従って、ISO値を大きくして感度を上げざるを得ないのだが、ISO値を大きくすると、画質が劣化するのである。もっと明るいレンズを持参して、年末までにリトライするか..(明るい(=F値を小さくできる)レンズを使うと、ISO値を小さくできるのである。)



 18:10に展望台を発って横浜駅へ。18:45に「それゆけ!鶏ヤロー!」。20:20に出て、21:20に帰宅。

 23:15、青森で震度6強、M7.6..

*目次へ戻る


*2025年12月09日:聖隷横浜病院で診察


 地震について、今のところは死者報告は無いようだが..

 晴天。7:20のバス。7:34に鶴ヶ峰を発ち、7:54、西横浜。駅前の水道道バス停から8:14発の32系統で、聖隷横浜病院に着いたのが、8:34。

 半年に一度の、耳鼻科健診である。ボコボコ現象にフォーカスしているわけではなく、耳全体の定期観察。右耳の聴力はゆっくりと低下(悪化)しており、まだ今しばらくは経過観察でよかろうが..という段階。耳硬化症との診断であり、対応するとすれば手術(アブミ骨切断/交換)であり、そのときには「副作用」としてボコボコ現象が消える可能性があると考えられているが、そもそもリスクの伴う手術であり、今は、判断先送りとしたい..[;_ _]

 帰途は、出口前の7番ポールから9:38の循環バス。9:47に水道道バス停に戻り、新横浜から鶴ヶ峰へ。10:35、いったん帰宅。

 改めて車で出て、ららぽーと横浜へ。三菱UFJのATMで現金を多めにおろし、XEBIOでナップザック、紀伊国屋でNewton別冊、別冊太陽などを購入。中原街道沿いのなか卯で親子丼を食べて、13:19、帰宅。

 予備機のHDDからデュプリケートするためのSSDとケーブルが届いたが、しばらくは作業に取りかかれそうもない。

 M生命から無配当外貨建個人年金保険の解約書類が届いたので、記入して、さっそく返送した。

*目次へ戻る


*2025年12月10日:大腸ファイバー予約/ランドマークタワーで夜景リベンジ


 快晴。すっかり遅くなってしまったが、今夏の人間ドックで便潜血が検出されていたので、大腸ファイバー検査を受けなければならないのであった。ざっくりと検索して「横浜駅前ながしまクリニック」を選び、本日13:30に予約を入れた。(もちろん、今日、検査できるわけではない。)

 ガスっぽい晴天。カメラを持って、12:26のバスで、13:10に横浜駅前ながしまクリニック。12月20日に検査の予約を入れ、14:10に退出。

 15:05、ランドマークタワー。一昨日の撮影のリベンジである [;^J^]。今日は、私が持っている最も明るいレンズ、AF-S NIKKOR 50mm f/1.4G を持ってきた。[;^.^]

Picture Picture Picture Picture

 左から2枚目は、今日初めて視認できた [;^J^] 東京スカイツリー。300mm では、ここまで。今度 200-500mm を持ってきて、重ねてリトライするか [;^.^]。そして、この写真を貼りつけていて気がついたのだが、左端に東京タワーが見切れているではないか。ここにあったのか。展望台に掲示されている周辺図に、スカイツリーと大体同じ方向にある東京タワーも図示されているのだが、今日に至るまで、スカイツリーも東京タワーも、見かけの高さが低いのと地平線近くがガスっぽくけぶっているのとで見えていなかったのだ。今日、初めてスカイツリーが見えたので喜んで撮影したものの、東京タワーは「見えなかった」ので、諦めていたのだが..なるほど捜している場所が違った。想像よりもずっと低くて、しかも建物の向こう側ではなく、手前側にあったのか。

 これも、撮影リベンジだなぁ。



Picture Picture Picture

 一昨日よりは、綺麗に撮れてると思うんですが..[;^J^]



Picture Picture Picture

 右端が AF-S NIKKOR 50mm f/1.4G で(F値 1.4 で)撮った写真だが、結局、ISO値 1000 になってしまった。[;^J^]



 17:15に出て、横浜駅へ。17:40に、西口の土間土間。19:40に出て、20:08に鶴ヶ峰。帰宅したのは、20:40。

*目次へ戻る


*2025年12月11日:ガイナックスの終焉


 快晴。旭混声合唱団の練習会。

 D850(と、もっとも頻用している AF-S NIKKOR 28-300mm f/3.5-5.6G ED VR)を点検に出すべく、新宿のニコンプラザ東京に予約。12月18日の17:30である。

 ガイナックス、終焉。庵野秀明のコメント(ガイナックス破産整理で庵野秀明氏「昔のような関係にはもう戻れない」 切実コメントにネット沈痛)が、なかなか辛い [;_ _]..といっても、実のところ、基本的には6年前の「【庵野監督・特別寄稿】『エヴァ』の名を悪用したガイナックスと報道に強く憤る理由」で知られていた内容である。だから、今さらショックを受けるわけでもなく、いつまでもゾンビのごとく生きながらえているよりは、法人格の消滅という形でとどめを刺されたのは、いっそ、良い知らせですらあった。[_ _]

*目次へ戻る


*2025年12月12日:静嘉堂文庫美術館/八王子市夢美術館


 快晴。寒い。8:36のバス。9:44、東京。10:00、静嘉堂文庫美術館。「静嘉堂の重文・国宝・未来の国宝」(後期:〜12月21日(日)まで)である。(前期展示は、2025年10月13日に観ている。)

Picture Picture

 左図は、菊池容斎の「阿房宮図」。もちろん、秦の始皇帝が建てた阿房宮が焼失するシーンである。なかなかの迫力であるが、遠近法の消失点があちこちにある。[^.^]

 右図は、九淵龍賃(「賃」は代用漢字。正しくは『深』のさんずいを貝へん(貝)に替えた形で「ちん」と読む)の「万里橋図」。諸葛孔明が「万里の行は、此より始まる」といって呉へ旅立つ使者を送った万里橋の故事を描いているらしい。岩山の形が面白い。



Picture Picture Picture

 左から、岳翁蔵丘の「洞山良价禅師図」、賢江祥啓の「巣雪斎図」、岳翁蔵丘の「山水図」。いずれも文学的な典拠はどうやらないらしく、単に、私の好きな山水図世界を気ままに選んでみただけである。いい歳をして文人生活への憧れをいまだに引きずっている私としては、こんなところに隠棲したいと羨むばかりであるが、もちろん、エアコンとウォシュレットなしでは3日ともたずに逃げ出すであろうひ弱な都会人であるとの自覚は、しっかりと持っています。[_ _][;^.^]



Picture Picture

 伝 周文の「四季山水図屏風」。右から左へと季節が移ろってゆく、雄大な光景。自宅には和室はないが、もしもあれば、襖をこの大画面のレプリカで飾りたいものである。



Picture Picture

 式部輝忠の「四季山水図屏風」。一見して、琴棋書画(中国の知識人(士大夫)が身につけるべき教養・必須のたしなみとしての、琴(弦楽器)、棋(囲碁)、書(書道)、画(絵画鑑賞・制作)の4点セット)のモチーフが読み取れるが、ほかにも、中国の文人の故事や古画のモチーフが点景として多数描きこまれているとのことだが、残念ながら、解説と首っ引きにならないと読み取り切れませんでした。[;_ _][;^.^]



 11:10に退出。前後期を通じて、良い展覧会であった。やはりこの美術館は、いい作品をたくさん持っている。

 中央線で移動し、12:25に八王子。「中華そば 東京想庵八王子」で中華そばをいただく。初めてきた店だが、美味い。

 13:05、八王子市夢美術館。「「ムットーニ セレクション」―2024年度寄託作品を含むムットーニ特集展示―」(〜12月14日(日)まで)である。

 いったいなんじゃらほい?と思われる人も多いだろうが、前記リンク先から引用すると、「人形、光、効果音、背景の転換などの要素を詰め込んだ「箱」が、電動の仕掛けによりストーリーを展開していく」のである。画像検索結果動画検索結果を見ていただければ、伝わるだろうか。

 14:00から14:30まで、作者のムットーニ氏による、ギャラリートーク。技術的というよりは文学的な内容がメインであったが、なかなか興味深いものであった。

 図録は、ない。彼の作品の動画を収めたDVDを3タイトル購入して、14:55に退出。

 15:15に、八王子駅近くの佐藤書房。蔵書はなかなか面白いのだが、昔ながらの古本屋というか、整理がいまいち [;^J^] なのが、玉にきず。音楽関係(楽譜を含む)が充実しているのも、特徴である。

 5冊程度購入して、16:15に退出。17:27に鶴ヶ峰。サイゼ。19:50、帰宅。

*目次へ戻る


*2025年12月13日:東京二期会の「ファウストの劫罰」!


 曇天。あまり寒くない。11:26のバスで発ち、11:49、鶴ヶ峰駅から川越市行きに乗り、12:56、池袋。13:05に、いったん芸劇(東京芸術劇場)。ちょ〜久しぶりなので、場所の確認である [;^J^]。昼食は13:10に、すぐ近くの祥龍房。もやしと豚肉の炒めのランチを食べて13:35に退出。芸劇に戻る。

 14:00、開演。「東京二期会コンチェルタンテ・シリーズ ファウストの劫罰」である。もしもあなたがいま、暇で退屈ですることがないのならば、予習として拙稿、「新・ベルリオーズ入門講座 第6講 劇的物語 ファウストの劫罰」を一読するのも、悪い考えではないよ。[^.^]

指揮マキシム・パスカル
管弦楽読売日本交響楽団
合唱二期会合唱団
児童合唱NHK東京児童合唱団
  
マルグリート小泉詠子
ファウスト宮里直樹
メフィストフェレス北川辰彦
ブランデル加藤宏隆
  
映像上田大樹
照明喜多村貴
舞台監督幸泉浩司
合唱指揮三澤洋史
公演監督永井和子
公演監督補鹿野由之

 ..素晴らしい!

 感動のあまり、そして、この演出を忘れたくない(記録しておきたい)がために、長文になってしまい、すまん [;_ _] ..とはいえ、読み返してみると(映像演出への)ダメ出しの方が多いのだが [;^J^]、それでもトータルで黒字なんだから、素晴らしい部分がいかに輝いていたか、ということである。映像は基本的に舞台の背後の数メートル四方の大きなスクリーンに映されるが、しばしば天井及び左右の壁に拡がり、客席を包み込むようになる。常時包み込んでいるのではなく、スクリーンのみと包み込みと、メリハリをつけている。字幕は基本的にはスクリーン(の中央)に映されるが、以下に述べるように極めて多彩な例外がある。

 第1部冒頭、ハンガリーの平原。夜明け。画面は、微速度撮影の流れる雲海の映像のみ..まず、これがいかん [^.^]。以降も何度か出てくるのだが、「微速度撮影の(つまり高速で動く)流れる雲海」は、「大自然の壮大さ」をあらわす、ほとんどアイコンといってもいい、手垢のついた凡庸な手法なのだ。(舞台における「スモーク(フォグ)」みたいなもの。)音楽の壮大さ(広がり)には合ってはいるのだが、ここは大平原の、それこそ「壮大な」映像の方がいい。

 農夫たちの輪舞。ここの映像がもっとも意味不明 [;^J^]。蟻の行列を俯瞰でぐるぐる回し。農民を蟻にたとえているようにも思えないし..

 「ラコッツィ行進曲」。これはやはりこうなってしまうかなぁ..[;_ _][;^J^]。私は「「ラコッツィ行進曲には映像はいらない」原理主義者」なのだが [^.^]、まぁここだけ映像なしというわけにもいかんだろう。軍事パレードの行進。それに熱狂する群衆..ここまでは(内容にも即しているし)まだいいが、オリンピックの入場行進もモンタージュされ、戦闘機のデモ飛行もとなると、もう「マーチ」じゃないやん [;^.^]。そして、これらのモンタージュ映像を背景として、山高帽を被った男の後ろ姿(の影)が、少しずつせり上がってくる。これは明らかに、マグリットの絵画作品(「校長」など)からの引用である。農民たちを見つめているファウストの姿を重ねているのかもしれない。

 第2部。書斎でひとり、苦悩するファウスト。大小さまざまなディスプレイ(液晶ではなくCRT)が、モンドリアンの絵画のようにタイリングされて(壁面を埋め尽くして)いて、それらに、世界各国のニュース映像などが切り換えられつつ映し出されている。これは、上手い。象牙の塔(己の書斎)に引きこもって、世界(世間)から目を背けつつ真理の探究に生涯を捧げ、そしてそれが叶えられないと嘆く碩学を「批判」している。

 復活祭の歌。一転して、凡庸 [^.^]。窓の外から聞こえてくる合唱は「キリストの復活」を寿いでいるのだが、スクリーンに映しだされているのは、ミケランジェロのシスティーナ大聖堂の「最後の審判」。内容に即していない。単に「有名で壮大な宗教画」として選ばれただけだろう。

 そして、メフィストフェレスが登場する! ここで本当に驚いた! いきなり画面の下から、「ハート目」や「爆笑」などの「リアクション」群がわらわらと風船のように渦巻いて湧きあがり、そしてメフィストフェレスとファウスト、それぞれの言葉の「字幕」は、「吹き出し」としてどんどんスクロールアップしていく..そう、「ライン」なのである!(さざ波のようなクスクス笑いが客席で広がったのも、よかった。[^.^])悪魔の皮肉な嘲りを現代的にわかりやすく視覚化する、見事なアイデアである。ライン(というかSNS)って、そういうもんだしさ [^.^]。この見事な演出をみると、直前のミケランジェロの退屈な映像は、「フリ」だったのかとも思う。(実際、そのように機能している。)

 そしてふたりは空を飛んで、ライプツィヒのアウエルバッハの酒場へ。酒場のシーンではマルチスクリーンで、さまざまな酒場の賑やかな情景がモンタージュされる。平凡だが、わかりやすく間違いのない演出。ブランデルのネズミの歌(とアーメンフーガ)では、ハツカネズミの実写とアニメ。悪くない。メフィストフェレスの蚤の歌はどうするのかと思ったら(実写は想像するだに気色悪いし [;^J^] アニメを続けるわけにもいくまいし)、マルチスクリーンで、各スクリーンに巨大な眼球がひとつずつ、キョロキョロ動いている。まぁ、意味不明ではあるし、気持ち悪いといえば気持ち悪いが、案外、イメージを外していない。うまい落としどころであるような気がする。

 次の、エルベ河の河岸へ(空を飛んで)移動するシーンでは(海の)波打ち際の波のパターンをドローン空撮で..まぁ、悪くはないし、音楽と合ってないことはないんだが、しかしここは「深い森と河」を表現するべきではないかなぁ..このあとの妖精たちの合唱から「妖精の踊り」まで、映像のベースとしてこれが維持され、ひそやかで控えめで抽象的な、流れるようなCGがオーバーラップする。妖精の踊りの表現としては適切である。

 場面が変わり、街へ向かう学生たちと兵士たちの合唱。また、軽薄な「ハート目」や「爆笑」などのリアクション群が、わらわらと大空を渦巻き飛び、終わり際には、スーツ姿のビジネスマンやOLのフィギュア群もまた、乱れ飛ぶ。このイメージは面白い。スーツ姿のビジネスマンは明らかにマグリットの引用で、これは第1部の最後の「ラコッツィ行進曲」を傍観している男(の後ろ姿)と通底しているのか、していないのか。この群像のイメージは、マグリットの「ゴルコンダ」を想起させるが、ゴルコンダは垂直方向に静止しているのに対して、ここでは、乱れ飛んでいる。

 第3部の冒頭は..また、雲海 [;^J^]。赤い雲海。それに砂時計のイメージがオーバーラップして、星空となる..そうか、夕方から夜になる、時間経過の表現か。ま、それなら許すか [;^J^]。にしても、フツーに夕焼け空の方がいいとは思うけどね。その星空には、「窓」がたくさん浮かんでいる。言うまでもなく「セレナーデ」の暗示であり、この星空が、第3部を通じての基本的なビジュアルイメージとなる。

 ファウストとメフィストフェレスが隠れたあとマルグリートが登場し、「トゥーレの王」を歌う。背景の映像については、記憶が曖昧 [_ _]。彼女が退場し、メフィストフェレスが登場する。精霊たちを召喚し、「鬼火のメヌエット」。ここの映像は、素晴らしい。花火のように明滅する「火の玉」が漂う。「メフィストフェレスのセレナード」では、巨大な赤いリンゴの映像。リンゴ=女性の堕落という連想はあまりに凡庸であるし [^.^]、ここではマルグリートはこれからファウストを「落とす」のではなく「誘惑される」のだから、リンゴは象徴としては不適切。もしかすると、これまでもちょいちょいイメージソースとして引用されているマグリットつながり(「リスニングルーム」)かもしれないが、考えすぎのような気も。[;^.^]

 このあと、ファウストとマルグリートの二重唱、メフィストフェレスを加えての三重唱となるのだが、映像は第3部のデフォの、夜空に窓。これは内容に即しているし、いいだろう。メフィストフェレスは、「お隣さんたちが騒ぎ出しましたよ!」、と言いながら割り込んでくるのだが、ここからがまた見事! 深夜の逢引の音にいらつくご近所さんたちの(遠くから近づきつつある)騒ぎ声(「うるさい」「何時だと思ってるんだ」「男をつれこんだのか」「マルグリート、ウザW 調子にのんな」とか)が、「吹き出し」内の字幕として表示されるのだが、それが左右から「横スクロール」してくる。つまり、「ニコ動」なのである [^.^]。これはうまい。安全地帯からの無責任な誹謗中傷..そもそもニコ動ってそういうもんだしね。[^J^](← 大偏見 [^.^])

 第4部。マルグリートのロマンスの背景映像は、暗く揺らめく炎のイメージ。まぁこんなものかな。歌詞の内容にもあってるし。(マルグリートの出番はここまで。)場面変わって、山中の深い森の中での、大自然を称えるファウストのアリア。またまた雲海 [;^.^]凸。しかしここでこそ(この歌詞でこそ)、この映像がもっとも相応しいのだ。つまりこれまでの2回が、無駄遣い(というか別の映像を使うべき)なのであった。メフィストフェレスが登場し、意図せず母親を毒殺してしまったマルグリートが死刑になりますぜ、と、告げ、狼狽したファウストはまんまと悪魔に付け込まれ、マルグリートを救うために、これからは彼に仕えるという契約書にサインしてしまう。(私はここの、「今、困っているんだ、明日のことなど知るか!」、というファウストの叫びが好きである [^.^]。身につまされていないでしょうね、そこのあなた。[^.^])このシーンの映像は、やや叙述的/即物的だが、しかし「Faust」というサインが大写しされるのは、シンプルだが効果的。

 そしていよいよ、「地獄への騎行」! 地獄へ駆けるファウストとメフィストフェレスの映像表現として、まず考えられるのは、突進していく主観映像。また、走る2頭の馬の横スクロール映像の舞台を観たこともある。しかしここでは、そのいずれでもない。夜の大都会の俯瞰イメージ(ビルとか交通とか)の細かい断片が割れた鏡のようにコラージュ/モンタージュされつつ、奥へ奥へと流れていく..つまり、主観的には後退しているのである。背中から地獄へと向かっている(落ちていく)わけで、感覚的にはこの方が恐い。そしてふたりのセリフの字幕もまた、文字ごとにサイズも位置もカクカクと不安定になりつつ、他の映像細片とともに、奥の方へと飛んで行ってしまう..(いっそのこと、セリフの字幕はエヴァみたくすればいいのにとも思いましたが、そこは節度が邪魔した?みたい。[;^J^])

 そして、地獄! まず背景は、沸き立つ真っ赤な溶岩、あるいは活火山の火口の俯瞰..まったく伝統的で保守的とすらいえる表現であるが、目覚ましいのは、その中心部からさまざまな姿勢で渦巻き乱れ飛んでくる、スーツ姿のビジネスマンたちの群像である。(つまり、「騎行」とは進行方向が逆になる。)彼らはもちろん、第2部終結部からのつながりである。この「群像による地獄表現」は、「妖怪ハンター」(諸星大二郎)の「生命の木」のクライマックスを想起させるところがある。悪魔たちの合唱の字幕も、素晴らしい。彼らの「歌詞」は、人間の言葉ではないのだ。無意味なカタカナの羅列がチカチカと文字化けしつつ、フォントカラーも虹色に明滅することによって、それを見事に、わかりやすく表現している。

 地獄の口が閉じる様子を俯瞰して、青空に白い雲..これもどこかマグリット風であるが、さすがにこれはうがちすぎ [;^J^]。そして最後の、天上のエピローグ。ここはまったく期待通り..つまり、単に白く清く聖なる輝かしい光が、キラキラと満ち溢れているだけなのである [^J^]。これでいいのだ。これは逆説ではない。「天国の音楽、天国の情景は、退屈であるべきなのだ」。ギュスターヴ・ドレの「神曲」の挿画もまた、しかり。映像作家が最後に妙に頑張ってギミックを仕掛けないで、本当によかった。

 視覚情報は聴覚情報よりも桁違いに多いので、これほどの映像に目を奪われていると、どうしても聴くほうがいくらかお留守になってしまっていた感は否めないのだが [;_ _]、それでも、オーケストラと合唱は、非の打ちどころがなかったと思う。カーテンコールの最後に映像作家が呼ばれたのは、よかった [^J^]。ひとりだけ雑なかっこ(デニムにスニーカー)をしてるのもよかった [^.^]。映像記録が欲しいのだが..ないんだろうなぁ..

 16:45に退出。16:56に池袋から副都心線に乗り、17:59、鶴ヶ峰。18:20、帰宅。

 雨がやんでいたので、19:00から町内の防犯パトロール開始。途中で降り始めたので、半分まで歩いたところで、雨天中止 [;^J^]。19:18に帰宅し、雨の中、徒歩で近所の「わたりどり」へ。22時すぎには帰宅したんじゃなかったかな。

*目次へ戻る


*2025年12月14日:歌川広景展


 小雨が残っている。寒い。9:11のバスで発ち、鶴ヶ峰から9:33の浦和美園行き。10:31、明治神宮前。5分後に太田記念美術館。「歌川広景 お笑い江戸名所」(〜12月14日(日)まで)であるが..

 ..今週は締め切り大遅れの上、ここまで書くのに疲労困憊しているので [;_ _]、もう、リンク張るだけで済ませちゃうよ。悪く思うな。[;_ _][;^.^]

 以下、基本的に歌川広景の作品。「江戸名所道戯尽 二 両国の夕立」画像検索結果)は、わりと有名な、河に墜落した雷神が河童にちょっかいをかけられている図。「江戸名所道戯尽 十五 霞が関の眺望」画像検索結果)は、堆肥をひっくり返した馬。「江戸名所道化尽 十一 下谷御成道」画像検索結果)では、水鉄砲の水が武士を直撃。「江戸名所道化尽 七 新シ橋の大風」画像検索結果)は、突風。

 「江戸名所道外尽 五十終 浅草歳の市」画像検索結果)、「江戸名所道外尽 八 隅田堤の弥生」画像検索結果)、「江戸名所道戯尽 二十五 亀戸太鼓はし」画像検索結果)。「江戸名所道化尽 十九 大橋の三ツ股」画像検索結果)では、橋からダイブしたら、下にスイカの運搬船。

 「江戸名所道戯尽 二十九 筋違御門うち」画像検索結果)は、葛飾北斎の「『北斎漫画』十二編「天眼鏡」」画像検索結果)に依拠している。

 二代歌川広重の作品も展示されていた。「名所江戸百景 赤坂桐畑雨中夕けい」画像検索結果)、「諸国名所百景 肥前五嶋鯨漁の図」画像検索結果)、「東海道 土山」画像検索結果

 12:05に退出。まだポツポツ雨が降っている中、神保町へ。12:35、「ばんび」。ここのカレーが好きなのである。今日はバターチキン辛口をいただく。

 久しぶりに古書店街を巡回しようかと思ったのだが、最初に入ったアットワンダーJGで重ためのハードカバーを5冊買ってしまい、気力崩壊 [;_ _]。神田すずらん通りの荒魂書店でエロ本を数冊買い足すだけにして、引き上げることにする。神保町から14:08の都営三田線に乗ると、鶴ヶ峰まで直行で1時間かからない。むっちゃ便利。15:35、帰宅。

 17:13のバスで、改めて鶴ヶ峰駅前へ。サイゼで夕食。21時前に、ひさびさにスナック“K”。今夜はオーナーも来ている。(というか、ひさびさにオーナーが店に出るとラインで確認していたので、訪れたのであった。)多分、23時前に店を出て、その日のうちに徒歩で帰宅したはず。

*目次へ戻る *先週へ *次週へ


*解説


MASK 倉田わたるのミクロコスモスへの扉
Last Updated: Dec 22 2025
Copyright (C) 2025 倉田わたる Mail [KurataWataru@gmail.com] Home [http://www.kurata-wataru.com/]