2019年02月04日:幻想美術選「オイディプスとスフィンクス」チャールズ・リケッツ 2019年02月05日:「NOVA 2019年春号」 2019年02月06日:Iさんの訃報 2019年02月07日:Iさんの通夜 2019年02月08日:2〜3月の展覧会観覧予定 2019年02月09日:iPhone バッテリー交換 2019年02月10日:リフォームプランを練る目次へ戻る 先週へ 次週へ
「幻想美術選」、第148回。「スフィンクスとオイディプス」ミニシリーズの、第2回である。
Charles Ricketts(1866〜1931、Wikipedia(英文)、画像検索結果)は、19世紀末を代表する英国の画家・イラストレーターであり、舞台美術なども能くしていたらしい。今の我々が観ると、どうしても「ビアズリー」の影を感じてしまうが、たとえばオスカー・ワイルドは、ビアズリーよりもリケッツを高く評価していたという。
構図としては、前回も引用したアングルの作品を下敷きにしていることは明らかであるが、スフィンクスの「女性性」が強調されているという意味では、前回ご紹介したモローの作品の影響もまた、色濃い。
なんとエロティックなシーンであろうか。スフィンクスはオイディプスを押しのけようとしているが、彼は、あたかもスフィンクスに言い寄っているかのごとく..いや、ほとんど襲おうとしているようにさえ見える。彼の衣はさりげなく股間を覆っているが、勃起している男根を隠しているように見えて仕方がない。アングル作品と比較してみれば、画家の邪念 [^.^] は明らかであろう。
スフィンクスの背後で恍惚とした表情を見せている女は何者であろうか。(スフィンクスの犠牲者のひとり?)また、画面左下に落ちている生首は、同様にエロティックな暗喩に満ちている「サロメ」を想起させる。オイディプスの足元に横たわっている男の背中と尻も、妙に肉感的である..
いっけん、あからさまに優位に立ってスフィンクスに迫っているオイディプスにも、破滅が迫っていることは、どなたもご存知のとおり。スフィンクスはここで死ぬのだが、オイディプスの運命の命脈もまた、尽きた。やはり彼女は、19世紀末の最高のファム・ファタールのひとりなのである。
目次へ戻る「NOVA 2019年春号」(大森望編、河出文庫)、読了。
「やおよろず神様承ります」(新井素子)−SFとしてはマイルドだが、この「順番順番いっこっつ」の神様の教義は素晴らしい。帰依しなくては。「七十人の翻訳者たち」(小川哲)−宗教を素材に、物語の誕生と本質を取り扱う..でいいのかな? 迫力のある歴史もの。「ジェリーウォーカー」(佐藤究)−わかりやすく良くできたフォーミュラフィクション。「ピックマンのモデル」から「JP」へ。「まず牛を球とします。」(柞刈湯葉)−マイルドな奇想..妙な表現だが [;^J^]。「お前のこったからどうせそんなこったろうと思ったよ」(赤野工作)−ゲームもの。フレーム単位で先読みしあう格闘ゲームを、タイムラグのある通信環境で戦う葛藤という着眼点がいい。
「クラリッサ殺し」(小林泰三)−レンズマンとVRと犯人さがしミステリを組み合わせ、無限後退の読者巻き込み型メタフィクション(というか、夢の中の夢、フィクションの中のフィクション)に。「キャット・ポイント」(高島雄哉)−ほのぼのシュレーディンガー? [;^.^]「お行儀ねこちゃん」(片瀬二郎)−鬼畜系のわかりやすい物語。オチがいまいち。「母の法律」(宮部みゆき)−虐待家庭を救うための制度/法律(子どもは、記憶を封じて養子に出す)を背景に、しかし案外、普遍的な親子関係の深奥を描く。「流下の日」(飛浩隆)−日本の現状と(高い確度で予測される)未来を踏まえた、暗い世界観の物語だが、リアル/バーチャルのバランスと、バーチャルからリアルに戻る手続きの迫真性に、息を呑む。
目次へ戻る目を疑った。R社の大先輩(1984年に私が入社したときの上司のひとり)であるIさんの訃報..(第一報をみて、Iさんの家族の訃報なのかと見間違えてしまった..)まだ、66歳である。つい先週、社内でお見かけしたばかりで、お元気そうだったのに..
ショックである。まだまだ現役でバリバリ仕事をしていらっしゃったのに..重要な仕事を..某博物館の研究員として、MIDI草創期の技術史をまとめるという、大切な仕事を..
まったく、なんという報せが届く日だ..その一方で..
有安杏果、結婚を前提に交際中との報道。ネットを軽く眺めてみたところ、ネガティブな声はあまり目立たず、好意的な祝福が多いように見える。(無論、管見の及ぶ限りは、である。私が見ている「ネット」なんぞは、全体の高々数万分の一でしかあり得ず、趨勢を推し量ることなど、不可能なのである。)まぁ、よかったよかった。ディスる人には、言わせておけ。
よい知らせも悪い知らせも、幸せも不幸も、同時にやってくる。混交してやってくる。これが、世界だ..
目次へ戻る礼服等持参で出社。終業後、すぐに着替えて車で会場へ..
..Iさんの通夜である。
あまりくだくだしく書く気にはなれない。残念すぎる。ご家族の方は、「お父さんというよりは、大きなお兄さん、という感じだった」、と、おっしゃっていた。会社でのあれやこれやを思い出しても、思い当たるところがありすぎて、つい、笑みがこぼれてしまった。不謹慎では、ないと思う。
..私も、あと何年生きられるか..
目次へ戻る和物が多いなぁ..
根津美術館
「酒呑童子絵巻 鬼退治のものがたり」
〜2月17日(日)まで
森アーツセンターギャラリー
「新北斎展」
前期:〜2月18日(月)まで
後期:2月21日(木)〜3月24日(日)まで
岡田美術館
「開館5周年記念展 美のスターたち」
〜3月30日(土)まで
サントリー美術館
「河鍋暁斎 その手に描けぬものなし」
前期:〜3月4日(月)まで
後期:3月6日(水)〜3月31日(日)まで
東京都庭園美術館
「岡上淑子 フォトコラージュ 沈黙の奇蹟」
〜4月7日(日)まで
東京都美術館
「奇想の系譜展 江戸絵画ミラクルワールド」
前期:〜3月10日(日)まで
後期:3月12日(火)〜4月7日(日)まで
大阪市立美術館
「フェルメール展」
2月16日(土)〜5月12日(日)まで
府中市美術館
「春の江戸絵画まつり へそまがり日本美術 禅画からヘタウマまで」
前期:3月16日(土)〜4月14日(日)まで
後期:4月16日(火)〜5月12日(日)まで
三菱一号館美術館
「ラスキン生誕200年記念 ラファエル前派の軌跡展」
3月14日(木)〜6月9日(日)まで
..だから、少しはリストラしろよ..[;_ _] 多すぎるんだよ..[;_ _]
目次へ戻る朝から微かにパラパラ雨。朝いちでO内科医院。とっくの昔にインフルエンザは治っており、風邪の症状もいっさいないのだが、咳だけが残ってしまっている(1日に数回、むせる)のである。再度、検査。感染症の疑いは、いっさい、なし。単なる咳喘息。これまでの飲み薬が効いていないので、吸入薬に切り替える。やれやれ..
帰宅してから、ビックカメラのサイトにアクセス。iPhone のバッテリー交換の予約が、ようやく取れた!\[^O^]/ 本日、15:20である。
昼食は、高丘のワンタン軒。いったん帰宅してから浜松駅前へ。少し早めにビックカメラ。15:00から対応してもらえ、15:30には完了した。やれやれ..これでようやく、まともなスマホに戻った。[;^J^]
16:00に帰宅。
目次へ戻る移動書架の「サイズ」が大体明らかになったので、実家のリフォームプランの検討を再開する。最大の問題は、言うまでもなく移動書架の「重量」である。本体自体もかなりの重さだが、それに書籍が満載されるのだ。
無論、床補強工事は大前提なのだが、それがどのくらいの規模になるのか..基礎工事からやらなくてはならないと思うのだが、どのくらいの費用になるのか..書架本体の重量はカタログから算出できるが、書籍の重量の見積もりが、案外難しい。場合によっては、実現性のないコストになってしまいかねない..
堺屋太一、逝去。享年、83歳。大阪万博のとき、まだ35歳だったのか..(企画開始の時点では、さらに数歳、若かったのである..)あまりこういうことは言いたくないのだが、当時は、日本は若かった..合掌。
目次へ戻る 先週へ 次週へLast Updated: Feb 14 2019
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