*2010年09月20日:「ロボットと美術」展
*2010年09月21日:「二兎を追う者は..
*2010年09月22日:ミステリーゾーン DVDコレクション
*2010年09月23日:中秋の名月
*2010年09月24日:医者のハシゴ/自転車発注
*2010年09月25日:図書館のハシゴ/手塚オフ
*2010年09月26日:国際ペン東京大会2010/雑司が谷散策
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*2010年09月20日:「ロボットと美術」展


 7:45に自宅を出て、10:30に静岡県立美術館着。「ロボットと美術展」である。

 ロボットのイメージが美術史の中でどのように扱われ、展開してきたかだけではなく、「科学技術と芸術、そして私たちの身体観の相互的な結びつきを明らかにしようとする試み」(展覧会概要より)であり、やや意余って力足りずの感はあるが(特にアニメと玩具回りの整理がいまいちであるが)、悪くない。しかしたとえば、手塚治虫について、「従来の「劇画」とは異なる柔らかいタッチの絵を得意とした漫画家で、その表現はのちの日本漫画の主流となっていった」、という重大な事実誤認(劇画との前後関係が逆である)が(展示説明にも図録にも)掲載されていたりするので、隅々まで鵜呑みにしたりしないよう、要注意である。(まぁ、「鵜呑みにしない」は、一般的な心構えではあるが。)

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 12時までにひととおり見終えて、館内のレストランで昼食。ここで食べるときは、いつも、展覧会にちなんだ特別メニューを注文することにしているのだが、今回の「ロボットと美術展スペシャルセット」は、どう見ても量が少ないうえに、美味そうには見えない [;^J^]。原理原則を貫くために、ここは目をつぶって注文したが [;^.^]、そう悪くはなかったよ。[;^J^](ほら、一応、レトロなロボットの姿でしょ?)



 14時から、瀬名秀明の講演会。これはなかなか面白かった。

 ノートを取りながら聴いていたわけではないので、梗概は書けないが、ロボットをいかにして展示するか、というつかみから始まって、かなりまとまりのない [;^J^] 様々な話題。記憶に残ったネタを紹介すると..2006年のロボット大賞が、ビルのお掃除ロボットに授与された理由。これは夜中に掃除するロボットであるが、隅々まで全て掃除できるわけではない。そこまで精密に出来ていない。8割か9割方は掃除するが、無理な部分は掃除せずに残す。掃除し残した部分は、人間が掃除する。つまりこの会社は、ロボットと人間をセットで貸し出している。結果的に、ロボットも人間もコストダウンできている。(ロボットの性能はそこそこで、人間のスタッフも減らせている。)これで、黒字になっている。そこが評価された。

 あともうひとつ。攻殻機動隊の人形つかいのようなネット人格知能には、重力の感覚は無いだろう、と。

 講演会は16時過ぎに終わり、浜松に直帰する。メイワンの谷島屋で本を買った流れで(面倒なのでいきさつは略すが [;^J^])「メイワンフレンズカード」なるものを作ってしまった [;^J^]。それなりにメリットがあるから納得して作ったのだが..また財布が太ってしまうなぁ..というか、ほとんど限界に近いと思うぞ [;_ _]。複数のカードを仮想的にまとめてくれるカードはないものか。

 19:30頃、帰宅。

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*2010年09月21日:「二兎を追う者は..


 ..一兎をも得ず」(いっとをもえず)、である。もちろん。(「一兎も得ず」(いっともえず)でもよい。)しかし、「にとをおうものは、いっとうもえず」と発音している人が、結構多い。気になるんだよなぁ..もしかして、「一頭も得ず」だと思っているんだろうか?(そもそも、「二頭を追う者は一頭も得ず」だと思い込んでいたりして。[;^.^])

 もう一例。「止むを得ない」を、「やもうえない」と言う人、多いでしょ。しかしまぁこれは、意味を誤解しているというよりは、楽な発音に流れているのだろう。

 以前も書いたと思うが、非常に多くの人が単語自体を完全に誤解している(もしかすると間違えている人の方が多数派である)のが、「フューチャーしてる」である。これは勘弁して欲しい。「future」じゃないんだよ、「feature」(ふぃーちゃー)なんだよ!

 ダメ押しにもう一例。「Web」を「うぇいぶ」と発音する人も、非常に多い。これも発音からの流れかな。確かに「うぇぶ」って、結構発音しにくいのである。

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*2010年09月22日:ミステリーゾーン DVDコレクション


 昨夜はツイッターしなかったのだが、今朝みてみると、どうも脆弱性祭り [;^J^] だったらしい。おおむね最大8時間以上は遡って読まないので、発端はわからないのだが、いまどき、XSS(クロスサイトスクリプティング)だったということに驚愕。不安をかきたてるのは本意ではないが、ツイッターのセキュリティレベルは極めて低い(低かった)と言わざるを得ない。(おおむね、数世代前の水準?)まぁ、中の人たちも反省して(?)手当てを施したはずだが、だからといって、こんにち的(2010年的)な水準まで、一気にキャッチアップしたとも考えにくい。これは文化(社風)の問題だからだ。(こういうのを、「ツイッターならではの“緩さ”」として好意的に受け入れてしまう風潮も、なんだかな..)

 閑話休題。

 まぁ結局、仕方がないので [;_ _][;^J^]、「ミステリーゾーン DVDコレクション」(イーグルモス・インターナショナル)の第1巻を買ってきてしまった。まずは、内容確認である。

 全話リストが掲載されているのだが、それによると、全150話である。全156話だと思っていたのだが..これは、私の記憶違いかも知れない。それと、以前、CSのAXNチャンネルで放映されたトータル94話(その録画は全て確保している)は、全5シーズン中、第2シーズン(一部欠落)、第3シーズン(一部欠落)、及び、第5シーズン(コンプリート)だったようである。今後、各巻に3話ずつ収録されていくようであるが、この第1巻には第1シーズンの3話が収録されている。

 このDVDコレクションは、全集になるのだろうか? どこにもそういう記載はないのであるが、予約特典のページの写真を見ると、全40巻を予定しているように見える。とすると、120話しか収録できない。また、第4シーズン(見たこと無い)は、確か1時間枠だったと思うが、もしもこれを含めるとなると、さらに収録本数が減る..

 わからないことが多いので、ネットで調べてみたところ、ますますわからなくなってしまった。このDVDコレクションについての情報が、極端に少ないのである。これは..中断する可能性が、決して低くないと見た。[;^J^]

 でもまぁ、(第2シーズンと第3シーズンのほぼ全部と第5シーズンは確保しているので)第1シーズンだけでも全部入手できればいいや。(日本語吹き替えが現存していないエピソードは、収録されないようであるが。)この企画、そのくらいは、もつだろう。[;^.^][;^.^][;^.^]

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*2010年09月23日:中秋の名月


 貴重な休日なのだが、些細な体調不良(複数)が気に障り、意気が上がらない。いずれも医者にかかっているのだが、さっぱり快方に向かわない(ように見える)からである。

 朝から曇天。雨模様。12時過ぎに、盛大な雷鳴。30分後に、一気に大雨となるが、もちろんほどなく小降りとなる。

 夜には、完璧な中秋の名月が現れたが、まったくなんの感興も覚えず。

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*2010年09月24日:医者のハシゴ/自転車発注


 昨夜から喉がまた暖かく、冷やさないよう注意して寝たが、いまいちすっきりしない状態。週末には上京するし、ここは大事を取るべきだ。もともと、本日午後には半休をとって、医者を3軒ハシゴする予定だったので、終日有休とすることにした。

 まずは朝いちでO内科医院へ向かう途上、マーチのカーエアコンの送風切り替えのダイヤルを回そうとしたら、バキャッとな [;_ _]。カーエアコンのダイヤルが、バキャッとな [;_ _]。終日有休にしたとたん、その時間を埋めるだけの用事が発生しやがるわけだ。[;^.^]凸

 とにかく、O内科、T整形外科、I医院、と回り終わったところで、午前を使い切ってしまった。昼食は、久しぶりに(I医院の隣の)高丘のさわやかで、ハンバーグ。いったん帰宅。

 日産伊場店へ。実は、カーエアコンのダイヤル破損は、以前も一度やっており、今回は再発なのである。前回、これはダイヤルの劣化というよりは、送風切り替えダイヤルの軸が固くなり過ぎているのが本質的な問題であり、これを無理に回そうとして、プラスチック製のダイヤルが破損したのだ、という診断を受けていた。ただ、軸が固くなった原因は容易にはわからず、やるとすれば、エアコンユニット自体の交換という大惨事 [;^.^] になりかねないところ、いろいろいじっているうちに比較的回りやすくなったので、これで(ダイヤルだけ付け替えて)しばらく様子を見ましょうか、ということになっていたのであった。

 で、しばらく様子を見た挙句の果てにこの始末、という次第であるが [;_ _][;^J^]、とはいえしかし、この年代モノの旧型マーチに、そこまで(エアコンユニット交換などの)大金をかける気にもなれず、とりあえず(私は週末不在なので)来週火曜日にダイヤルユニットを交換し、あとは(油を指すなど?)うりうりして、ダイヤルを壊さずに回転する程度までに持ち込めるかどうか、トライしてみることになった。やれやれ。

 引き続き、浜松中央図書館へ。手塚治虫と吾妻ひでおの初出誌調査において、これまで大学系の図書館にアプローチしていなかったので、先日、この線で改めて攻めてみたところ、未見の初出誌を各地の大学図書館に20件近く発見できたのであるが、多くの大学図書館は基本的には学生・教員用であり、一般人が資料を利用するためにはそれなりの段取りが必要。というわけで、浜松中央図書館の司書に、鶴見大学図書館への紹介状の作成と、昭和女子大学図書館の蔵書の複写申請を依頼する。(部外者に門戸を開いている日本近代文学館や宮城県図書館などには、既に直接、複写申請済みである。)

 帰宅したら、宮城県図書館よりハガキが届いていた。上記の件である。複写代金先払いなのであるが、60円を現金書留で送れってか [;^J^]。蜆塚の郵便局から送金するが、送料は420円である。[;^.^]

 ついでに、もうひと案件、片付けよう。

 ちょうど1ヶ月前から、ジョギングを休んでいる。左膝が痛くなり、T整形外科で診てもらったのが1ヶ月前であり、その際、ジョギングを止めろとは言わないが、自転車の方が(有酸素運動としても)望ましい、と、指導されたからである。ぼちぼち左膝の痛みも和らいできたので、自転車を始めることにしよう。

 といっても、自転車通勤に全面的に切り替えようと言うわけではない。無理をしてはいけない。なにしろ、片道13.5キロあるのだ。そこそこ、いい距離である。まずは休日に近場を走って遊ぶだけ。その後、週に1〜2度ぐらい、コンディションのいい日に通勤に使ってみる、というあたりからだろう。

 自宅から800メートルほどのところに、Nサイクルセンター富塚店がある。私がこの地に引っ越してきた1986年には、既に存在していた店ではないかと思うが、これまで一度も入ったことはなかった。そこそこの大きさの店だし、故障やメンテのことを考えると、自宅から歩いていける距離の店が一番、ということで、迷わず戸を叩く。

 応対してくれたのは、なかなか素敵なおば様で(といっても、私より年下の可能性も低くないのだが [;^J^])、初歩的なところからいろいろ教えていただき、ヘルメットその他含めて、一式発注した。(トータル5万5千円ほど。)今週末には納車されるとのことだが、なにしろ明日明後日は浜松にいないので、次の週末に引き取ることにする。楽しみだ。[^J^]

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*2010年09月25日:図書館のハシゴ/手塚オフ


 5:30起床。喉の具合は、悪くない。6:23に出て、バスで浜松駅へ。駅構内の遠州濱乃屋で朝定食。7:19のひかりで上京するが..東京の、この寒さはなんなんだ。今シーズン、初の、長袖2枚重ね着である [;*.*]。9:00に国会図書館着。

 今回の上京での調査案件は、手塚治虫関連のみ。「漫画サンデー」に小城彪氏が連載していた「漫画家のプライバ史」(戦後漫画史的なもの)は、手塚治虫の著作ではないが、ここに引用されている手塚治虫の談話が、他の文献で(「初出:漫画家のプライバ史」として)引用されていることがあるので、念のため、手塚治虫が扱われているあたりの回のコピーを確保。それと並行して、「週刊宝石」と「ユリイカ」の調査をしようとしたら..

 ..「作業中」ですと? 電子化のために一時的に利用不可になっているのだろうが..インフォメーションで確認したところ、来年3月まで、出納できないとのこと。気になるのは、「作業中」の範囲である。たまたまサンプリング的にアクセスした「週刊宝石」と「ユリイカ」が、両方とも「作業中」..となると、実はかなりの高確率で「作業中」なのではあるまいか。厖大な量の雑誌が、今、アクセスできなくなっているのではあるまいか..

 10:55に国会図書館を出る。今日の予報では、関東地方は午前中は(場合によっては激しい)雨、午後には上がる、ということだったのだが、ここまでのところ、辛うじて降っていない。傘を濡らすと面倒なので、使わずにすませたい。まだ肌寒いが..

 11:45に、八幡山着。雲は切れた。もう降らない。そして..暑い!(こーゆーの、やめれ。[;_ _][;^.^]凸)まぁ、日陰に入ると、風がそこそこある分、涼しいんですけどね。11:55に大宅壮一文庫着。「漫画サンデー」からのコピーの続きと、「話の特集」「放送朝日」を閲覧。後者からはコピー。(国会図書館で閲覧しそこなった「週刊宝石」と「ユリイカ」の所望の号は、ここには無い。)12:40に出て、神保町へ。

 三省堂の隣のなか卯で昼食を食べ、14:00に米澤嘉博記念図書館。スタッフのSさん、Yさんと、某企画の打ち合わせである。ここには仔細は書けないが、雑談的に広がった話題を少々。

 米澤嘉博記念図書館への資料の寄贈は、ウェルカムである。(私の死後の、吾妻ひでお関連資料の受け皿が確保できた。[;^.^])しかし、それを整理して公開できるようになるかどうかは、別問題。そうでなくとも、今現在でも、未整理で手をつけかねているダンボール箱が数十箱はある。寄贈されたものは保管はするが、これらの後回しになって死蔵されてしまう可能性がある。インデックスやドキュメントをつけて、価値/重要性をアピールすれば、整理/公開の優先度があがるとのこと。

 そして、国会図書館の「作業中」問題について。私は、国会図書館のホームページは頻繁に利用しているが、いつでもすぐに検索ページに入ってしまうので、新着情報のトップにある「資料の大規模デジタル化に伴う原資料の利用停止について」に気が付いていなかった。目的は大いに結構なのだが..Sさんらによると、これは今年の3月頃?突然告知され、(2週間程度の猶予期間しかなく)たちまち出納不可になってしまった、とのことである。だとすると、段取りが拙すぎる。なにしろ、利用できない期間が、ほとんど「年単位」なのである。Sさんは、「(必要な資料にアクセスできず)卒業できない人もいるのでは?」、と心配されているが、杞憂とは言い切れない。「大規模デジタル化作業対象資料一覧(平成22年7月28日現在)」によると、たとえば、14万人分の博士論文が、「平成22年8月下旬〜平成23年3月」まで利用停止である。私が引っかかった(「週刊宝石」「ユリイカ」などの)和雑誌(劣化がひどいもの/雑誌記事索引の採録対象となっているもの)は、「平成22年4月下旬〜平成23年4月」まで利用停止。この表を見る限りでは、今年度で大体終わるようだが、「上記一覧は、対象資料追加、利用停止期間延長等の変更が生じた場合、随時更新されます」とのことなので、全く安心できない。業者に何十万冊も一気に引き渡して一年がかりで電子化してもらって一気に引き取る、という荒っぽいやり方が、コスト的に一番有利だというのは理解できるが、それにしても拙速すぎるし、利用停止資料が多すぎるし、利用停止期間が長すぎる。

 18時に辞去し、水道橋駅に出て新宿に向かい、18:40に歌舞伎町の近くの花庵へ。手塚治虫ファンのオフである。10人強で定刻の19時から30分ほど遅れて始まり、22:30過ぎまで。

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 二次会は(5〜6人で?)23:00頃から0時過ぎまで「ばるぼら」というバー。手塚治虫の「ばるぼら」が、新宿から始まる物語であることは言うまでもない [^.^]。新宿駅で散会して、0:50に、今夜の宿、水道橋のスパ ラクーア。疲れもあるし、さほど長湯はせずに、さっさと寝る。


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*2010年09月26日:国際ペン東京大会2010/雑司が谷散策


 例によって無駄に早起き(5時前だったかな)。二度寝三度寝してから、ラクーア内の喫茶店で、和風モーニング(お粥)。多少飲みすぎて胃が荒れておりましてね。[;_ _][;^J^]

 8:50頃に出て、早稲田大学の小野梓記念講堂に向かう。「国際ペン東京大会2010」のプログラムの一環である、「マンガとアニメは環境をどう描いてきたか? ──現代マンガのパイオニア・手塚治虫の作品から」というセミナーを聴講するためである。パネラーは、フレデリック.L.ショット、里中満智子、松谷孝征(手塚プロダクション社長)、森絵都(司会)。実は昨夜のオフ会は、これを聞くために集まった連中の前夜祭だったのである。

 早稲田大学に来るのは初めてであるが、チラシには東西線早稲田駅徒歩5分とあったので、なめてかかっていたのだが、これがなかなか。これがなかなか [;^J^]。早稲田駅の駅員さんの説明も要領を得なかったのだが、下さった地図は、小野梓記念講堂が載っていない(マーキングされていない)という優れもの [;^.^]。そもそも、どこからどこまでが早稲田大学なのかもはっきりしない代物なのだ。それに加えて、街の構造(道路の方向)自体が、ダメ。(← をぃ。[;^J^])地図と非常に照合しにくいのである。iPhone のGPSは、例によって頼りになんねーし![;^.^]凸 ..と、逆切れしながらほとんど勘で歩いていたら、なんと、小野梓記念講堂にクリーンヒット [;^J^]。開場5分前の9:25に到着。

 10時から12時までのセミナーでは、まず「森の伝説」を観てから、パネラー3人が順に語っていくのだが、とにかく、森絵都の司会がダ〜メダメで [;^.^]凸、彼女ひとりのせいだとは言わないが、結局「環境の描き方/取り扱い方」に関しての突っ込んだ分析などはあまりなされず、一般的な話題が中心になってしまったが、それでもそれなりに興味深い発言はあった。

「ここ15年ほどの間に、海外で(ようやく)手塚治虫の漫画が出版されるようになったが、手塚が生きている間は手塚の凝り性故に、海外出版のオファーを断らざるを得なかったのである。手塚は、英訳してくれれば描き文字を全部自分で(英語で)描き直すなどと言い出すが、そんなことをさせている時間は、もちろんなかった。現在では逆製版の技術が向上したこともあり、手塚が生きていたら怒られるかも知れないが、ある程度先方におまかせしてしまっているので、数多く出版されるようになった」(松谷)

「今では欧米でも、右から読むのに慣れている(抵抗が無い)読者が多いので、逆製版にしない出版も多い。描き文字も日本語そのままのケースも多い」(ショット)

「漫画は右から左に読むのが自然だと思う。トラック競技だって左回りに走る。心臓をかばうため、その方が自然なのだ」(里中)(..えーと。[;^.^])

「(ジャングル大帝のラスト直前の雪山の場について。雪嵐の中に取り残されたレオとヒゲオヤジ。このままではふたりとも死ぬので、レオはわざとヒゲオヤジを襲い、自分を刺させ、致命傷を負う。そして、自分の肉と毛皮で生き延びろ、と、諭す。ヒゲオヤジはそれを実行する。)あの解決が一番合理的。共倒れでふたりとも死んでは何にもならない、ひとりでも生き残る方がいい。
この作品に感化された私は子どもの頃、もしも船が沈んで漂流するなどして、私が助からないことになったら、ちゃんと食べてもらえるか心配で心配で、友だちに、必ず私を食べるよう、約束させた。(..[;^.^][;^.^][;^.^])
あのシーンは、ラストわずか数ページ前なのである。(そこから日本に戻ってのエピローグがある。)ドラマの密度。16ページあれば、どんなドラマでも描けるのだ。今の漫画家たちはページが足りないなどと言うことがあるが、すっかすかの進行の漫画を描いているからである。勉強が足りない」(里中)

「(電子出版について。)「紙の書物」という形式に、もっとも完璧に適応してきたのが、漫画である。現在の漫画表現は、紙をめくって見開く、という呼吸を前提としている。現在の電子書籍では、それを表現できず、現在既に存在している漫画を読むには適していない。新しい漫画表現が必要である」(里中)

 昨夜オフに来ていた連中、来ていなかった連中、合わせて、10数人の知己が集まっていたが(知己とはいいつつ、年に1〜2度しか合わないために顔と名前が結びつかない人が片手で足りず [;_ _][;_ _][;_ _][;^.^])、このあと食事がてら、豊島区雑司が谷の並木ハウスを見学しようということになって、計8人で、歩き始める。(「並木ハウス」とは、1954年〜1957年まで手塚治虫が住んでいたアパートである。)

 暑からず涼しからずのほどよい加減の陽気の下、8人が入れる店を探しつつぞろぞろ歩き、12:40頃、華屋与兵衛に入った。私は「みぞれ豚汁そばと半まぐろ丼」を注文。ちょうど良い量。手塚治虫ファンクラブ(の運営/姿勢 [;^.^])などについて、かなり突っ込んだ話で盛り上がるが、一応、伏せておく。[;^J^]

 ここからは都電でひと駅の距離らしいので、もちろん歩く。やたらと立派なけやき並木が現れたと思ったら、「鬼子母神」と彫られた大きな門(というのかな、鳥居じゃないしな)が。正確に言うと、「鬼子母神」の「鬼」は、「ツノ」が無い創作漢字。恐らく、悔い改めた鬼子母神は鬼ではなくなったからだろう、と、推測。

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 この並木道に入って、数分のところを右に折れたら、そこに「並木ハウス」があった。そうか。並木道にあるから「並木ハウス」なのか。(← 何をいまさら。[;^.^][;^.^][;^.^])。門が閉まっており、侵入できない状態。(去年?来たときには、侵入できたらしい。[;^J^])外から写真を撮るに留めるが、明らかな観光名所で、二人連れ、三人連れなど、少なくとも4団体が、我々のあとからやってきた。[;^J^]



 このすぐ近く(けやき並木沿い)に案内処があり、2階に、手塚治虫@並木ハウスのささやかな展示があるので、押さえておく。案内所の方に、ツノが無い「鬼」の字について訊いたら、さきほどの推測どおりであった。

 さらに少しだけ足をのばすと、鬼子母神堂がある。ちょうど、月いち(第四日曜日)に開催されるという、これまたささやかな市が開かれていたが、実にいい感じに和める。なにしろ、数十年前に壊れたと思われる完全なジャンク(針が無い古時計とか、そのパーツの破片とか)が、そこここに [;^J^]。どこぞの蔵か物置の肥やしになっているものを、月に一度並べていると思しい。そんな中、ほんの僅かながら並べられている古雑誌の中に意外な掘り出し物(「虫プロ設定資料集」)があったりした。また、鉄腕アトムのカッパコミクス版のそこそこのコンディションのものが5冊セットで6千円というのは、(私は全部もっているから買わないが)悪くないと思うよ。手塚治虫関連のものがいくつかあるのは場所柄か?と訊いたら、偶然だそうな。

 さらに歩いて、池袋ジュンク堂へ。この大規模書店に来たのは、実は初めてなのである。今日のところはB1Fのコミック売場を覗いただけだが、なるほど、それなりの品揃えではある。手塚治虫コーナーも、結構、充実している。

 池袋駅で解散し、渋谷タワレコでCDを購入。17:03東京発のひかりで、19:15に浜松の自宅に帰宅。疲れたけれど、楽しい2日間であった。[^J^]

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*解説


MASK 倉田わたるのミクロコスモスへの扉
Last Updated: Sep 30 2010
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