*2009年07月20日:「SF本の雑誌」
*2009年07月21日:「鉄腕アトム復刻大全集」予約
*2009年07月22日:日食
*2009年07月23日:「鏡花百物語集」
*2009年07月24日:「Points of View - 視線の変遷」
*2009年07月25日:ダフクログリッサンド
*2009年07月26日:「太陽系最後の日」「猿駅/初恋」
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*2009年07月20日:「SF本の雑誌」


 なんとか晴れたので、8:30に湯風景しおりへ。13時帰宅。

 夕刻、街中へ。まず鍛治町のヤマハで、夏オフで演奏する(ハープ入りの)オケ曲のスコアの(ハープパート等の)チェック。次にチケット屋に寄って、浜松/東京間の新幹線の回数券を1枚購入。さらに谷島屋本店で新刊を見繕っていたら、「日本SF全集 第1巻」(日下三蔵編、出版芸術社)を見付けてしまった。星新一、小松左京ら15人の(1957年〜1971年の)短篇をひとり1篇ずつ。全て既読。迷うところだが..全6巻が完結した暁には、未読の作品もたくさん収録されることになるだろう..と、購入してしまった。[;_ _][;_ _][;_ _][;^.^]

 帰宅したら、アマゾンでポチッとした「SF本の雑誌」(別冊本の雑誌)が届いていたので、さっそく一読。今夜のところは、全部には目を通せていないが..これは非常にお買い得な一冊ではないかしら。「本の雑誌」で、これまでどのようにSFが紹介されてきたか、という、往年の雑誌記事の再録が一応のメインなのであるが、それ以外にも、これまでとはがらりと傾向(というより基本方針)の異なる「オールタイムベスト100」やら、サブジャンル別ブックガイドやら、興味深い座談会/コラムやら、とり・みきの新作漫画、円城塔の新作短篇やら、ソースは新旧取り混ぜてバランス良く、まことに豊富。お薦め。

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*2009年07月21日:「鉄腕アトム復刻大全集」予約


 会社からの帰宅時、珍しく、浜松環状線を東名浜松西インター前まで南下したのだが、西インター手前のスシローが工事中であった。閉店?..なわけないか、かなり流行っているんだから。改装かな? まぁ、滅多に行くこともないのだが。

 「鉄腕アトム《オリジナル版》復刻大全集」のユニット1を、予約。今秋から、全6ユニットが3ヶ月ごとに発売される。各ユニット約15000円なので、要するに月々5千円の18ヶ月ローンである。高いと考えるか廉いと考えるかは、人それぞれである。私にとっては、それだけの値打ちはある。

 若杉弘、逝去。

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*2009年07月22日:日食


 まぁ、どうせ仕事の真っ最中に空を見上げている暇はなかったんだし..などという憎まれ口は、叩かない。この日を楽しみにして準備してきた皆様、残念でした。でも、こればっかりは(雲に阻まれるのは)、自然現象だしね..

 日食をテーマとする(あるいは取り扱っている)芸術作品をいくつか想起してみようとしたが..「神話/伝説の類と、SFは除く」という縛りをつけた途端に、大難航 [;^.^]。「火の鳥 黎明編」(手塚治虫)にしたところで、日本神話だしな。音楽では..「Dark Side of the Moon」(Pink Floyd)かな、やっぱ..この作品は、「Lunatic(狂気)」をテーマにしているのだが、こんにちの(時に行き過ぎ/的はずれな)人権意識から見ると、かなりスレスレなのではあるまいか。少なくとも、これが「洋楽」ではなく、歌詞が日本語であったなら、(不当にも)発売禁止自粛になっている可能性は低くないと思う。

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*2009年07月23日:「鏡花百物語集」


 「文豪怪談傑作選・特別篇 鏡花百物語集」(泉鏡花、東雅夫編、ちくま文庫)を一読。ちくま文庫からは、毎年、夏に、「文豪怪談傑作選」が数冊出る。今年はこのあと、8月に「太宰治集」、9月に「折口信夫集」が出る。

 この巻は、鏡花の作品集ではない。鏡花が関わった(参加した)怪談会(百物語の集会)にまつわる実録エッセイや、それから派生した創作作品を集めた、どちらかと言えば、ディープな鏡花ファンのためのコレクターズアイテム、といった風情があるが、堅気の衆 [^.^] が読んでも、もちろん面白いと思う。

 特に興趣が深いのは、「浮舟」(泉鏡花)、「友人一家の死」(松崎天民)、「怪談聞書」などであろうか。「怪談の会と人」(80頁)に、「鏡花君は大抵の場合、怪談を語らない。ただ人々の物語るのを丁寧に聞いている事が多い。この人には怪談の材料がないのかと思われる程である。が、時折静かな声で簡単に、そして趣のある怪談を物語る事がある」という、これも興味深い一文がある。

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*2009年07月24日:「Points of View - 視線の変遷」


 「SF本の雑誌」で紹介されているのを見て、アマゾンでポチッとした画集が、届いた。「Points of View - 視線の変遷 野又穣 作品集」(東京書籍)である。恥ずかしながら、未知の画家であった。

 概して巨大な(無人の)建造物と、空(と、風)を、基本的なモチーフとしている。ディテールについて言えば、階段と梯子へのオブセッションが感じられる。「無人の建造物」ではあるが、廃墟的な感覚は無い。お薦め! と言いたいところだが..6300円は、おいそれとは払えないという人も多いだろう。そういう人は、「野又穣」で画像検索して、じっくりと検討していただきたい。

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*2009年07月25日:ダフクログリッサンド


 天気予報では太陽が出る目がないので(曇りまたは雨)、湯風景しおりには出かけず、朝っぱらから、夏オフで演る「ダフニスとクロエ」のハープパートを精査する。案の定、グリッサンドはやたらと多く、全部で25種類もある。史上最悪 [;^.^] である。Fantom−Sでグリッサンドの切り替えに使えるパッドは16個であり、そのうち1個はニュートラルに戻すのに使うので、同時に弾き分けられるのは15種類。途中で設定を入れ換えなくてはならない。具体的にはソングをロードすることになるのだが..弾き続けている最中にソングロード操作を行っても音が途切れたりはしないことが確認できたので、まぁ、やれやれだ。それにしても、多いなぁ..

 ..ちっとも雨が降る気配がないなと思っていたら、昼前から、晴れ間が覗き始めた [;^J^]。そういうことなら仕方がないので(それは何故だ [;^.^])、湯風景しおりへ。3時間ほど日光浴。雲も多いので、毒電波紫外線の照射を浴びられたのは、1時間少々かな? 太陽が出ていなくてもいい加減暑いのに、陽の光を浴びたら、もう、汗だくだくである。サウナ不要である。

 帰宅してから、ダフニスとクロエのグリッサンドの仕込み開始。25種中12種完了。それにしても、Fantom−Sのスイッチの調子(感触)が悪いなぁ..何度か押さないと反応しなかったり、だからといって強く押しすぎるとチャタリングしたり..夏オフまでに整備に出す方が良いような気がする。

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*2009年07月26日:「太陽系最後の日」「猿駅/初恋」


 昨日同様、天気予報では太陽が出る目がないのだが(曇りまたは雨)、どうみても晴れまたは曇りなので、朝いちから14:30まで湯風景しおりで日光浴。昨日同様、サウナ要らずである [;^J^]。色々な姿勢で読書するのだが、たとえばうつ伏せで読んでいる時に太陽が雲間から覗くと、背中がカーッと熱くなり、額から汗がしたたり落ちて、手の甲から汗がじわ〜っと噴き出す。読書には最悪のコンディションなのであるが、こんなことには負けていられず(だから何故 [;^.^])、頑張って2冊読み切る。(そのうち1冊は、半分以上読みさしの状態であったが。)

 「太陽系最後の日 ザ・ベスト・オブ・アーサー・C・クラーク 1」(中村融、浅倉久志訳編、ハヤカワ文庫)- 多くは既読。「銀河帝国の崩壊」から「都市と星」へと至る系統(閉塞状況にある理想的なユートピアから飛び出して、そのユートピアの発展的解体をもたらす若者)の作例である「コマーレのライオン」と「海にいたる道」の出来は、いまいちだと思う。完成形である「都市と星」と、どうしても比べてしまうからかも知れないが..たとえば前者(「コマーレのライオン」)は、描かれているユートピアのコンセプトの古くささを問題とする気は毛頭無いのだが、せっかくのライオンが有効に使われていないあたり、小説としての完成度が低いと思う。

 「守護天使」は「幼年期の終わり」のプロトタイプ。やはり日本人には、「さかとげの付いた尻尾」の衝撃力は(頭でしか)理解できないなぁ。これら以外の「太陽系最後の日」「地中の火」「歴史のひとこま」「かくれんぼ」「破断の限界」「時の矢」は、いずれも初期を代表する傑作。エッセイ「貴機は着陸降下進路に乗っている−−と思う」も、実に楽しい。初心者/万人向けの「わかりやすい」佳作群とコレクターズアイテムをバランス良く収めた1冊。

 「猿駅/初恋」(田中哲弥、早川書房、想像力の文学)- 「猿駅」「羊山羊」などは、他のアンソロジーで既読の傑作。特に「猿駅」の内田百けん的な悪夢の情景が素晴らしい。「か」「初恋」「遠き鼻血の果て」「雨」なども良い。「猿はあけぼの」は、知能をもった(人間そっくりの)猿をめぐるドタバタであるが、怪奇幻想基調の作品集の中で、これだけが妙に浮いている。悪くはないが。

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*解説


MASK 倉田わたるのミクロコスモスへの扉
Last Updated: Jul 30 2009
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