*2004年08月30日:「THE FLIGHTS OF ICARUS」
*2004年08月31日:「最後にして最初の人類」
*2004年09月01日:「人面町四丁目」
*2004年09月02日:追い詰められて
*2004年09月03日:新人歓迎会
*2004年09月04日:「世界妖怪図鑑」/「サンダーバード」
*2004年09月05日:「ディープ・ブルー」/「ヴァン・ヘルシング」
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*2004年08月30日:「THE FLIGHTS OF ICARUS」


 ケルン書房から画集が届いた。「THE FLIGHTS OF ICARUS」(PAPER TIGER)である。

 この画集のタイトルをご存知の方は、この日記の読者中でも、数パーセントはいらっしゃるのではあるまいか? 1977年に出版された、当時の代表的な「SF画集」のひとつである。無論、私も20年ほど前に購入していたのだが..いつしか、私の所有する数百冊の画集の中でも、変色の被害のもっとも著しいものと成り果てていたのであった [/_;]..そこで、買い直しに及んだという次第。

 版が変わって、ほんの少しサイズが小さくなっていたが、内容は同じ(収録されている絵のサイズも同じ)。ややくたびれ気味で、いわゆる「美本」ではないが、変色なし問題なし。やれやれ。あとはこれを、変色する前にスキャンしてしまうことだな。(その時間が取れないんだよぅ..[/_;][/_;][/_;])

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*2004年08月31日:「最後にして最初の人類」


 (罰当たりなことに)半年ほども積読していた「最後にして最初の人類」(William Olaf Stapledon、1935、浜口稔訳、国書刊行会)を読了した。

 こういう「伝説的な作品」を読む場合、期待過剰の副作用として期待はずれに終わってしまうケースがままあるものだが、幸いにもその例にはあたらなかった。(私の場合、同じ作者の「スターメイカー」ですら、期待はずれだと思わないでもなかったにも関わらず。)

 さすがに、素晴らしいスケールである! これは、現世人類を「第1期人類」として、それが進化を重ねて「第18期人類」に到るまでの数十億年の未来史を描きあげた(歌い上げた)壮麗な叙事詩なのであるが..最初の数章は、第一次世界大戦後の世界情勢からスタートして徐々に加速して、数百年、数千年のタイムスパンで、「第1期人類」の文明の興亡を描く。(このパートにおいて「アメリカ」と「中国」が演じる役割は、まさにこんにち的で示唆的であるが..(特に、「唯一の超大国」となったアメリカが、世界を破滅へと導いて行くくだり..)しかしそれはこの書物の本質ではない。)

 「数千年後」が終わったあたりで、いきなり、「1行」で「25万年」ほどもジャンプして度肝を抜かれるが、まだまだ序の口 [;^J^]。後半に到ると、1行で、100万、千万、1億年は当たり前 [;^.^]。それも、単にびゅんびゅん時間をすっ飛ばしているのではなく、その数字が上滑りにならない「実質」で埋めていっているのが素晴らしい。

 人類の形態は、どんどん変化していく。水棲人類、有翼人類、脳髄人類..そしてこれらの多くは、自然な「進化」によるものではなく、より良い後継者を「作る」ために、歴代「人類」が丹精込めた「改造人類」なのである。SFを読み慣れていない人は、ドゥーガル・ディクスンの「マンアフターマン」を副読本とすると、イメージを掴みやすいかも知れない。

 「必読」とは言わないし、安易に「お薦め」することもしないが、しかし、こういう途轍もない書物が世の中には存在し、しかもそれが日本語で読めるのだ、ということは、憶えておいて損はないよ。仮に結局、生涯、読む機会が訪れなかったとしても。

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*2004年09月01日:「人面町四丁目」


 「人面町四丁目」(北野勇作、角川ホラー文庫)を購入、即読了。

 こりゃもう全く、諸星大二郎の「栞と紙魚子」(朝日ソノラマ)だなぁ..[;^J^] 女子高生のコンビは出てこないけどさ [;^J^]。お陰でこの世界、居心地が良すぎて困った困った [;^.^]。主人公は、実は..というネタバラシは、やめておきましょう。

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*2004年09月02日:追い詰められて


 今週の土曜日、休日出勤するので、今日はその振替休日である。

 車でペリカン便の営業所。昨夜、不在通知が届いていた荷物をゲット。その足で家具のコマツヤへ。書棚のチェックである。

 ついに、キャパをオーバーしてしまったのである。これ以上本を買っても、もう書棚には入らない。床に積むか、ゆうパックの箱に入れるか、ストッパーボックスに詰めるしかない。そして、ゆうパックの箱(大、中)やストッパーボックスは、(効率よく詰め合わせようとすると)書籍のサイズを選ぶのである。となると、床に積むだけ..

 ..という哀しい事態を緩和するために、奥行きの深い書棚と入れ替えようというわけである。何、深いと言っても30cmであり、前後2段に置けるだけであるが、現在ダイニングキッチンの壁の1面を(窓を潰して)占拠している5本の書棚は、奥行きが狭くて、書籍を前後2段に置けない。これらを全部、奥行き30cmの前後2段仕様に入れ替えると、当分、楽になる..(無論、こういう置き方をするのは決して便利ではない、ということは、百も承知。)

 ..というわけで、見繕いに行ったわけだが..あったあった。奥行き30cm、高さ180cm。この奥行きと高さの組み合わせは、まさにベスト。書棚の上に、ストッパーボックスや「ゆうパック」の中ケースを積み上げられ、天井までのスペースを有効活用でき、しかも巨大すぎないので、ひとりで部屋の中で取り回せる。幅は、34cm、46cm、60cm、75cm、88cm、とある。リプレースしようとしている(奥行きの狭い)書棚は、幅60cmで、これが5本並んでいるので、300cm。つまり、この5本を75cm×4と取り替えれば、ぴったりと収まる。しかしあまりにもぴったりとしすぎていて、不安である。誤差が累積して、仮に1cmでもオーバーしてしまったら、アウトである..

 今日のところは発注はせず。ジョーシン、銀行、と回る。帰宅してからペリカン便で受け取ったアマゾンの箱をチェックしたら、書籍3冊は入っていたが、同梱されているはずのDVDが欠品しているので、アマゾンに電話する。梱包ミスだった由、すぐに対応していただけた。

 種村季弘、逝去。あぁ..

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*2004年09月03日:新人歓迎会


 仕事がはねた後、会社の近所の「フミヤ」という店で、部署の新人歓迎会。(季節外れだと思われるでしょうが、アルバイトスタッフは、3月4月にだけ募集しているわけではない。)

 いろいろ飲み食いしてから、二次会はカラオケ。フミヤから徒歩で行ったと記憶するが、所在地と店名は不明 [;^J^]。私はおとなしく、「翼を下さい」を歌っただけ。(アニソンを歌っていいものかどうか、慎重に空気を読んでいたのである。[;^J^])1時過ぎに解散したんだっけかなぁ..記憶にないや。[;^J^]

 問題は、帰宅の足。会社から「フミヤ」までは車。フミヤからカラオケまで徒歩で往復。で、フミヤの駐車場に帰ってきたのだから、ここに代行運転を呼べばいいのだが、ここの駐車場はメインストリートから引っ込んだ場所にあり、業者を電話でナビできる自信が無い。(表通りまで出て、ごく近場のバス停のベンチに座って休みつつ、そこに代行運転業者を呼べば良かったのだが、そんな分別が働く状態ではなかったのは、当たり前の話である。[;^J^])

 ..となると、選択肢はひとつ。運転席のシートを倒してアルコールが抜けるまで就眠。さすがに熟睡は出来ず、何度か目を覚ましたが、5時過ぎに起きた時点で、どうやら安全な状態に戻ったと判断できたので、マーチをゆっくり転がしつつ帰宅。7時過ぎまで再就眠。

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*2004年09月04日:「世界妖怪図鑑」/「サンダーバード」


 休日出勤。午前中で仕事は片づき、昼頃帰宅。

 「パチモン大王 VOL.1」が届いた。唐沢なをきの「フィギュア王」での連載をまとめたもので、作者自身による同人誌。入手方法は、公式ウェブ「からまん」を参照されたい。

 ヤマト運輸の営業所に(不在通知書をもらっていた)荷物を受け取りに行く。古書店の目録で発注・当選していた、「世界妖怪図鑑」(佐藤有文、立風書房)である。1973年の発行だが、唐沢なをきによると、同世代の少年たちのあいだで極めて広く読まれていたらしいのだが、発行年には中学3年生だった私の眼中には入っていなかったのか、全く知らなかったのである。とはいえあまりにも楽しそうに何度も(B級名著として)語られるので、悔しくなって入手したという次第である。

 ..ほほぅ..なるほどねぇ..引用されている泰西名画の水準が極めて高いのに感心した。キャプションとそれにつけられている物語は(ごく一部を除いて)嘘んこばっかだが [;^J^]、それはさておき、タイトル(あるいは画家名)がすぐに判ったのは..ボッシュ、ギュスターヴ・ドレ、ショーンガウアー、ルーベンス、カラヴァッジョ、リンブルグ兄弟、フュッスリ、ジョン・ディーの著書の挿画、ジャック・カロ、ブレイク、ゴヤ、アルビヌスの「人体筋骨構造図譜」、モロー、アゴスティーノ・ヴェネツィアーノ、フェリシアン・ロップス、ミヒャエル・パッハー、ミケランジェロ、バルドゥング・グリーン、ドラクロワ。他、画家の名前は思い出せない著名な図版が、極めて多数。加えて、定番中の定番である、ド・プランシーの「地獄の辞典」の挿画。及び、プリニウスの挿画。オリジナル・イラストも、柳柊二、石原豪人、好美のぼる、斉藤和明という豪華メンバー。値打ちがわかったよ。

 ザザシティのTOHOシネマズで、「サンダーバード」を観る。まぁまぁかな。

 悪くはないんだが..人形劇ならば通用した「楽しい嘘」が、実写版ではつらいところがある。街のど真ん中にロケットが着陸したら、どれほどの被害がでるか、とか、これだけの装備と設備(宇宙ステーションを含む)をメンテナンスするためには、数千人規模の要員が必要になるだろう、とか、どうでもいいことが気になってしまうのである。中途半端にリアルなんでねぇ..これなら、ハイテクを駆使した「人形劇」を作ってもらった方が良かったなぁ..でも、そっちの方が、遙かに高くついて時間もかかるんだろうなぁ..

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*2004年09月05日:「ディープ・ブルー」/「ヴァン・ヘルシング」


 午前中に、書棚の入れ替え準備作業を開始する。書棚1本から本を全部抜き出して床に下ろして、書棚自体を取りあえず玄関まで移動する。

 10時前に車で起動。まずコマツヤで、75cm幅を2本発注する。11日にこれらが納品されたら、検品して今後の方針を決める。つまり、空いている(というか空ける)スペースは幅300cmなのだが、今回購入した75cm×2の現物が、確かに150cmに収まるのであれば、あと2本発注して、75cm×4で、300cmを埋め尽くす。あるいは、ほんの1cmほど150cmをオーバーするのであれば、88cm幅と60cm幅(合計横幅148cm)を購入する。

 引き続き、コンプマート、ヤマハ、アイコンタクトと回って、所用を片付ける。昼過ぎに帰宅。

 夕方からバスで再起動して、TOHOシネマズで、まず「ディープ・ブルー」。いまいち。

 作品の規模というか「志」が、「教育TV番組」サイズなのである..と思ったら、BBCのロゴが [;^J^]。ものすごく金と時間がかかっているであろうことは、わかるのだがね..

 イルカの映像とかは適当にスルー。やはり深海生物の非地球的な形状が、私的にはハイライトかな。また、海鳥や食物連鎖の上位の魚群に襲われる魚群が回避しながら渦をなすシーンは圧巻。本当に水中の竜巻どころか巨大な柱になってしまうシーンがあって、思わず、「そこで合体だ!」、と、声援を送りそうになってしまった。[;^.^]

 いずれにせよパンフを買わなかったので、詳細は不明。ま、レンタルでいいと思いますよ。

 引き続き、「ヴァン・ヘルシング」を観る。いまいち。

 粗雑とは言わないが、荒っぽい。印象が散漫。仮面舞踏会とか、いいシーンはあるのにもったいない。ボスキャラのドラキュラ伯爵が、いまいち迫力(貫禄)不足なのが痛いなぁ。それと気になったのは、ドラキュラの子どもたちの「繭」である。ほとんどエイリアン。ちょっと、キャラのベクトルがぶれていると思うぞ。

 いずれにせよパンフを買わなかったので、詳細は不明。ま、レンタルでいいと思いますよ。

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*解説


MASK 倉田わたるのミクロコスモスへの扉
Last Updated: Sep 10 2004 
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