2004年07月26日:カラスに悩む 2004年07月27日:火の玉の作法 2004年07月28日:女子更衣室問題 2004年07月29日:夏オフ:指揮者 2004年07月30日:ゆっくり走ろう、中央アジア 2004年07月31日:鎚音について 2004年08月01日:だめんず文庫版目次へ戻る 先週へ 次週へ
久々に涼しい朝。といっても、程度問題ではあるが。
毎週、月・木は、可燃ゴミの日である。私の住まうアパートのゴミ出し場所は、玄関を出たところの駐車場のすぐ向こう側にある。距離も近いし(確実に目に入るので)ゴミの出し忘れが起こり得ないという意味では、好条件であるが、なんらかの事情によってゴミが散乱した場合には、駐車場そのものに被害が及ぶという意味では、悪条件である。
「なんらかの事情」というのは、「カラス」である。このアパートの大家には、いまいちやる気がないらしく、ゴミ捨て場にまともなゲージを作ってない。(ま、そんなスペースも無いのではあるが。)ネットを申し訳程度に被せているだけ。これでは、カラスに食い荒らされるのを防ぐことは不可能である。実際、コンビニ弁当やカップラーメンの容器の類をロクに洗わずゴミ出しするバカ者のおかげで、駐車場がスプラッタ状態になっていることもしばしばなのである。
とはいえ、人のことは言えない。かくいう私も今朝ばかりは、いかんともしがたき事情により、「生ゴミ(食べぬまま傷ませてしまった食品)」をいくつか廃棄しなくてはならないのであった。カラスを本当に心配したのだが..なんたる幸運、重たいフトンを廃棄してくれている人がいる! これ幸いと、フトンの下に埋めたことは、言うまでもない。これならカラスも掘り出せまい..というか、もしも万が一この状態で掘り出されていたら、それはもう不快とか不潔とかいう次元の問題ではなく、恐怖なんですけど。[;^J^]
夏オフオペラ「魔弾の射手」の歌手が、若干足りない件。昨日から今日にかけて心当たりの人々に、勧誘メールを送り始める。もっと早く送っていれば良かったのに、と仰るかも知れないが、こちらにも事情とか思うところとか、いろいろありましてね..特に今年はドイツ語の声楽曲が多く、歌手陣営の負担もかなりのものであると推察されるので、微妙に遠慮というか、空気を読んでいた面もありましてね。
目次へ戻る「火の玉メール」というのは、要するに「熱心なお誘い」である。言うまでもなく、いつ誰にどれだけ送っても、構わない。但しこれが、もう本番まで間もない時期となると、多少話は変わってくる。
オフ本番までにまだ十分時間がある(例えば1〜2ヶ月前である)場合には、特定の役柄について、複数の人に同時に依頼(勧誘)メールを出すことには、特に問題はない。(ま、そういうこと(並列勧誘)をしていることは、あらかじめ言っておくべきかとは思うが。)勧誘された方も、じゃあいっちょやりましょか、と、受諾メールを返したのに、「ごめんなさい、別の人から先にOKをもらってしまいまして..m[;_ _]m」、という返事が来たとしても、「あ〜ぁ、ちょっと遅かったかなぁ(がっかり)」、とは思うかも知れないし、誘う方(私)としても申し訳なく思うが、「実害」は、まだない。
これが本番間近となると、話が違うのだ。この時期に勧誘メールを受信して受諾する人は、「なに、まだ決まっていなかったのか! えらいこっちゃ。なんとか無理をしてでも引き受けてあげたいけど..でも、今からだと練習している暇なんか..だいたい、譜面もないぞ。明日は土曜日か。なんとか明日中に買って、突貫で譜読みすれば形にはなるか。ここが正念場か..」、と、かなりの覚悟と決意を込めて受諾されている可能性が、極めて高い。それに加えて(とにかく時間が無いので)既に練習(少なくとも譜読み)を開始している可能性も、極めて高い。この状況で、「ごめんなさい、別の人から先にOKをもらってしまいまして..m[;_ _]m」..これは、かなりまずい。はっきりと「実害」がある。この人の、オフ直前の貴重な準備時間(と、場合によっては譜面購入費用)を奪ってしまったことになる..
とはいえ結果的には、(返答が遅い場合には)並列勧誘も発生してしまっているのだが..遅いといっても、「24時間以内に返答がない」というレベルで、普通は問題にしない(してはいけない)程度の遅れなのだが..なにしろ一刻を争う状況でしてね..[;_ _]
目次へ戻るちょっとは仕事のことも(差し障りにならない程度に)書いてみようか。といっても、いわゆる「間接業務」である。
部署内で備品の配置換えをするのだが、それに絡んで、ちょっと大型のラックを探しているのであった。1m(W)×50cm(D)×2m(H)ぐらいがベストなのだが、この事業所の中のどこかに、このサイズのラックが余っているだろうか?
心当たりはあるのである。「女子更衣室」の中で、目撃したことがあるのである..誤解しないでいただきたいのだが [;^J^]、かつて別のタイプの什器を探していたとき、同僚の女子社員(Sさん)から、「女子更衣室の中に、不活用の什器がいくつか放置されていますよ」、という情報をもらったので、Sさんに、女子更衣室の中に誰もいないことを確認してもらって、それから入室し、(作業中は誰も入ってこないようにドアの前で見張ってもらいつつ、)什器類のチェックをしたことがあるのである。その時に、大型のラックを見かけたような気がするのだ。
ただ、今日のところはSさんは(他の女子社員たちも)忙しそうだし、手伝ってもらうのは気が引ける。この中途半端な時間帯に女子更衣室が使われている可能性も、まずあるまい..というわけで、単身、女子更衣室に出向き、ドアをノックし、返事もなかったのでエイヤッと中に入って、そのラックのサイズがまさに要求仕様どおりであることを確認して満足した、という次第である。
..後から思うに..奥行きがかなりある更衣室なので、奧の方で着替えている場合、ノックが聞こえる可能性は無かったのだが..ま、後知恵。結果オーライである。[;^J^](差し障りあったかな。[;^.^])
火の玉メールが実を結び、「魔弾の射手」の歌手陣がフィックスした。なかなかバランスの良い、美しいラインナップになった。[^J^]
目次へ戻るここ1ヶ月ほど、会社の昼休みも休日も、ほとんど夏オフ関係業務(その多くはメールのやりとり)に忙殺されている。あと1週間ちょっとの頑張りである。
深夜(1:00頃)に各曲の指揮者が決定、発表された。私も当選した。(今年は振るのは1曲だけで、ボロディンの「中央アジアの平原にて」である。)さてさて、準備に本腰入れないと。
これを受けて、3:00過ぎに「3分間指揮者」の募集を開始した。「本プロ」の指揮者の決定・発表を待っていたのである。そのわりには2時間も間が開いているのは何故だ、と思うでしょ? 実は、指揮者発表を宵の口から待ち続けていたのだが待ちきれず、0:00過ぎに目覚まし時計を(3:00に)セットして、ひと寝入りしていたのであった。
かくのごとく、夏オフのスタッフ業務とは、休日や昼休みを奪われるだけでなく、健全な生活サイクルもズタズタにされる激務なのであった..(もともと健全なサイクルで生活してねーじゃねーか、という突っ込みは、却下。[;^.^])
目次へ戻るさて、ボロディンの「中央アジアの平原にて」を、夏オフで指揮するのであった。決定したのは昨日であるが、決まってから準備するのでは遅いので、数日前から予習していたのであった。といっても、スコアを睨んでいる時間はなかなか取れないので、もっぱら、通勤時間にカーステで鳴らしっぱなしにしているだけであるが。
この過程で、面白いことに気が付いた。この曲をBGMにしていると、自然に安全運転になるのである。
単にテンポが遅い曲だからだ、というわけではなさそうだ。例えば、チャイコフスキーの「悲愴交響曲」の第4楽章、マーラーの「交響曲第5番」の第4楽章(アダージェット)、バッハの「G線上のアリア」などをBGMにして“飛ばす”、ということは、さほど無理なくできるように思う。ところが、「中央アジアの平原にて」だと、これがなかなか難しい。自然に、アンダンテというかモデラートというか、とにかく中庸のスピードになる。前方の信号が黄色に変わりそうだな、と思っても、アクセルを踏み込むことはしなくなる。
この曲は、中央アジアの平原を軍隊に守られた隊商が歩んでいく(遠くから歩み来たり、遠くへ歩み去って行く)情景を描いた音楽なのである。つまり、「駱駝(らくだ)が歩くテンポ」なのだ。単に「遅い」のではなく「ゆっくり歩く」音楽。これが、「安全運転効果」の秘密なのであった。
目次へ戻る早朝から、断続的に強い雨。午後にかけて、降っていない時間帯の方が長いのだが、しかしいったん(短時間ではあるが)降り出したら、その雨量は半端ではない。台風が来ているのである..
夏オフに向けて、いくつか新規の音作りをしなければならない。これだけFCLAの演奏オフのキャリアが長いと、もう大概の音は作っている(あるいはライブラリから見つけてきている)と思われるかも知れないが、これがなかなか。クラシック音楽の世界の「底」は、深くて広くて暗い [;^J^] のである。
今年、新規に用意しているのは、「パリのアメリカ人」(ガーシュイン)で使われる「タクシーホーン」と、「吹奏楽のための第二組曲」(ホルスト)で使われる「鎚(というか鉄床)」、つまり、鍛冶屋の効果音である。タクシーホーンは後回しにして、とりあえずこちらから用意し始める。
残念ながら、ずばり「鉄床(かなとこ)」の音は手持ちのライブラリに無かったので、金属系の音を素材にして作ることにする。問題はお手本であるが、私は「鉄床」を持っていないし、近所に鍛冶屋はいない。そこで当然、CD/LD/DVDということになる。
「鎚(または槌)」というのは、クラシック音楽で使われる機会は決して多くはないが、いざ使われた場合、実に印象的で記憶に残ることが多い。ヴェルディの「アンビル・コーラス(歌劇「イル・トロバトーレ」より)」、マーラーの「交響曲 第6番“悲劇的”」などが有名な例だが、わたくし的にはなんといっても、ヴァーグナーの「ラインの黄金(「ニーベルングの指環」第一部)」である。
さすがに面倒なのでこの楽劇のあら筋を紹介することはしないが [;^J^]、この作品の主要登場人物であるアルベリヒは、地下のニーベルハイムに棲む小人の「ニーベルング族」であり、彼らの生業は「鍛冶屋」であるから、当然、鎚音が鳴り響くわけだ。それともう一個所、雷神ドンナーが、雲を呼び寄せるために鎚をふり回し、雷を落とすためにそれを打ちつけるシーンがある。
さて、「ニーベルングの指輪」の名録音と言えば、なんといっても、ショルティ指揮/ウィーンフィル/カルショウ制作の盤である。1958年から1965年にかけて(「ラインの黄金」は1958年)の録音であるが、いまだに、色褪せるどころではない。確か、この盤のドンナーの鎚音が印象的だったんだよな、これを参考にしようかな、あわよくばサンプリングしちゃおかな、と、久方ぶりにCDプレーヤーにかけたところ..
..仰天した! 凄いの凄くないの! こんな強烈な音だったのか! 「カーン!」でも「キーン!」でもない。「ギャン!!」なのである! もう完全に飽和していて、歪みの塊! その意味では、純オーディオ的には失敗と言えるかも知れないが、音楽的には「失敗」どころか! そもそも「雷神」がふるう「鎚」である。嵐を、雷を呼ぶ「音」である。人間界で普通に聞かれる音であってよいわけがない。ここまで突き抜ける必要がある、という、制作者たちの判断であり、それは見事に達成されているのだ。(当然、サンプリングなどできないし、お手本にもなりませんでした。[;^J^])
ヴォータンとローゲがニーベルハイムに下っていくシーンも、凄い。地下深く降りて行くに従って、遠方から(下方から)ニーベルングたちの鎚音が、カンカンキンキンガンガンギンギンとクレッシェンドしてくるのだが、これがまた..悪夢のように禍々しい、底知れぬほどの暗さと輝かしさを併せ持つ「騒音」なのである。確かに、一世一代の名録音であったのだ..
目次へ戻る朝早くから夏オフの準備作業を、ぐたぐたと(というのが一番適切な形容詞なのだが [;^J^])進める。
書店が開く時刻になったので、「アフター0 Neo」(岡崎二郎)の第1巻と、「だめんず・うぉ〜か〜」(倉田真由美)文庫版の第1巻、第2巻を買いに行く。前者はともかく、後者は既にコミックスで持っているのに、何故わざわざ買い足すのか?
答え:ゆうぱっくの箱に箱詰めして押し入れにしまい込んでしまったので、日常の閲覧に不便だから。(← 馬鹿。[;^J^])..でもね、こういう(二度買い、三度買いする)馬鹿共が、日本の漫画業界を、ひいては出版産業を支えているのである。日本文化を、その両肩に担っているのである。
目次へ戻る 先週へ 次週へLast Updated: Aug 6 2004
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