*2003年07月21日:怪獣とリビドー
*2003年07月22日:DIASPER から PEGANA へ
*2003年07月23日:「他人の夢」
*2003年07月24日:迫り来る夏オフ
*2003年07月25日:rマークについて
*2003年07月26日:「劫罰」/「マタンゴ」
*2003年07月27日:最後の武器
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*2003年07月21日:怪獣とリビドー


 というわけで、金曜日からトータル4連休になってしまった。風邪がまだ治りきっていない..とはいえ、外出できないほどでも無いので、午前中にジョーシンでDVDを1枚。また、久々にアクトシティのタワー・レコードに出向いて、フォーカスを2枚。昼過ぎに帰宅して、夜まで大人しく静養。

 先日、(時間が足りなくて)書けなかったことを書いておく。19日(土 妖美 曜日 ← なんなんだよ、この耽美な誤変換はよ [;^J^])に「GMK(「ゴジラ モスラ キングギドラ 大怪獣総攻撃」)」の3枚組のDVDBOX(東宝、TDV2659D)の、未見だった最後の1枚を観たのであった。1枚目が映画本編、2枚目が金子監督に焦点を絞ったメイキング、そしてこの3枚目は、(「造形工房 ビショッブ」における)各怪獣の「着ぐるみ」の具体的な製作工程のドキュメントである。

 むろん、各怪獣ごとの製作風景も興味深いものであるのだが..むしろ面白かったのは、「オマケ」の座談会(「東宝怪獣談義」)である。この工房に、歴代のさまざまなゴジラ映画に(現場の視点で)関わってきたキーマンたちが集まり、座談(というよりは、放談)をする。

 どういうメンツかと言うと..樋口真嗣(「ゴジラ」('84)造形アルバイト)、神谷誠(「ゴジラVSビオランテ」LD用メイキング演出)、品田冬樹(「ゴジラ」('84)宣伝用着ぐるみ製作)、村川聡(「ゴジラVSビオランテ」特撮C班キャメラ)、そして、押井守。押井守と「ゴジラ」の関わりについては、土曜日の日記 に書いたので、ここでは繰り返さない。

 さて、彼ら(というより、押井守)の放談の内容を紹介するのであるが..実はそれより何より、私の目は、画面に釘付けになっていたのである。このオヤジ共の姿にではない。ホステス役というよりは..“お茶くみ”兼“装飾”[;^J^] みたいな役どころで、隅っこにずっと座っていた、(このプロダクションの新入社員?である)鈴川絵里子に、である。

 何しろ彼女の衣裳は..「レオタードゴジラ」である。

 ハイレグレオタードゴジラ」姿 なのである..

 ..[;^.^][;^.^][;^.^]

 そしてまた、つい最近、どこかで見たことがある レオタード 女性だと思ったら..なんのことは無い、つい前日(18日(金曜日))に観た、「フランケンシュタインの怪物 サンダ対ガイラ」のDVD(東宝、TDV2636D)の「映像特典」の「2002年東宝撮影所 小道具の旅」に、川北紘一特技監督のアシスタント役、というか、川北監督のお邪魔虫 [;^J^] として、出演していたのであった。当時、東宝の新入社員であった彼女が、川北監督と共に、「オキシジェン・デストロイヤー(の小道具)」を探し求めて、東宝の“広大極まりない”倉庫群をさまよい歩く、という趣向であり、ここでの彼女は(“地”だと思うが)「近頃の若いもん」なので、「オキシジェン・デストロイヤーって、何ですか〜?(^_^)」、などと、ノー天気に訊いては、川北監督に「あのねぇ..勉強しなさいよ (^_^;)」、と、たしなめられたりする役どころであった。

 その彼女がなんでまた、この「造形工房 ビショッブ」に勤務しているのかというと..ホントかツクリか知らないが、東宝をクビになったらしいのである [;^J^]。なんでクビになったかというと..怪獣の名前を、ちっとも憶えないからだという [;^J^]..ツクリだとしても、こいうい職場(会社)は、いいねぇ。怪獣の名前を憶えないと、クビになる..[;^.^]

 ま、レオタードはレオタードだとしてだ [;^J^]。肝心の話の内容だが、もう、押井守が..[;^J^]

 (GMKの当初のプランでは、登場怪獣は「バラゴン、バラン、アンギラス」という、実に渋くてマニアックなキャスティングがされていたのに、これでは華が足りない、という会社の判断で、バランとアンギラスが、モスラとキングギドラという派手は派手だが「常連」の怪獣に差し替えられてしまった、という経緯に関して、)「アタマ(この場にいない、本間プロデューサーや金子監督のこと)の判断ミスは、現場がどんなに頑張っても、取り返しはつかないんだよね..」、とか、

「今の怪獣映画には、女(女優)の顔が見えない。怪獣だけでは歪なのであって、怪獣/女(エロス)/踊り(レビュー)、というセットが必要なのだ」、とか、

「もともと怪獣映画は、“補間”しなければ観れない。参加意識があって、初めて観ることができる」、とか、

「怪獣が出現した瞬間、実は映画は終わっているわけだから..(あとはいかにして終わらせるか、しか監督としてはやることが無いわけだから)」、とか、

「コンセプトの通った怪獣映画というのは、(フランケンシュタインのシリーズを別にすれば)初期のいくつかだけで、そのあとは、映画として評価できる怪獣映画は無いじゃん」、とか、

「それは、怪獣映画のフォーマットについて、誰も真面目に考えてこなかったからだよ」、とか、

「本当を言えば、“怪獣映画”などというジャンルは、昔も今も存在しなかった。“ゴジラ映画”があっただけであり、あとは極論すれば、全てパチモンだ」、とか、

「結局、怪獣映画の再生には、暴力(究極の暴力としての怪獣)と、女(エロス)の対置しかない」、とか、

「しかし、今の日常的な女優には、非日常のエロスは実現出来ないであろう」、とか、

「普段からTVに出ている日本の女優には(純然たる虚構の世界を作るのは)無理でも、世界にはまだ輝く女優が居るのだから、(スウェーデンでも、ポルトガルでも、)連れてくれば(あるいはそこに行って撮れば)いい」、とか、

「作り物の世界は、日本で、日本の俳優を使って作ることはできない。だからハリウッドに期待したら..あのGODZILLAは..(苦笑)」、とか、

「理想的な怪獣映画は、いまやアニメーションでしか作ることはできない、(しかし、アニメの怪獣映画など、誰も観たいとは思っていない)」、とか、

「いまや、日本の都市は壊しがいが無い。必死に復興した戦後の都市、あるいは数百年も続いてきたヨーロッパの都市は、守る方の気合いが全然違う」、とか、とか、とか、とか..

 興味深かったのは、スタッフ一同、GMKについては、不満も悔いも渦巻いている映画らしいのだが..しかし、にも関わらず(私見では)これが史上有数の見事な怪獣映画である、ということなのだ。スタッフの想いとアウトプットは、必ずしもリニアな関係にならないのである。

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*2003年07月22日:DIASPER から PEGANA へ


 ぐぁぁ..!! 「こだわりやま」のカウンターで、リブ100初号機(DIASPER)の電源を入れたら、いきなり画面が、「緑変!」「紫変!」..て、読んでいてもわけがわからないだろうが、とにかく、物凄い(そして実に美しい [;^J^])危機的状況である。なんというか、RGBの各パレットごとに、非同期に、まるで生き物のように、ひくひくと、まさに断末魔の! 見ている分には面白いが! これは、出来ればビデオで記録しておきたい。私の拙いボキャブラリでは、この破局を描写しきれないっ! [;^J^]

 しかし、慌てることは無いのだ。とにかく電源を切って、帰宅。先日、Wさんにいただいたリブ100参号機にHDDを換装して..OK!

 当分、これで行こう。なんだかんだでリブ100は3台手元にあるのだが、全部あわせて、まともな液晶が2枚、まともなマザーボードが2枚、まともな大容量バッテリーが3〜4本、まともな増設RAMが2枚、FDDもIOアダプタも2台ずつ、と、かなり潤沢な状況なのだ。特に買い足さなくても、これであと2年は保つであろう。その間に、問題なくリブ100をリプレースできる素晴らしいPCが入手できることを、期待しよう。

 (ちなみに書き忘れていたが、Wさんから頂いた参号機は、「PEGANA」と命名済みなのであった。)

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*2003年07月23日:「他人の夢」


 創元ライブラリの「中井英夫全集」の第10巻所収の「他人の夢」を読む。これでこの全集の既刊分には、全部目を通したことになる。未刊があと2冊。

 作者は、自らの戦中・戦後日記を(日記、あるいは小説として)何度も素材にしているのだが、これもまた、そのひとつ。ミステリとしては薄味だし、内宇宙テーマのSFとしても成功してはいない。結局は、中井英夫戦中日記としての面白さである。

 彼が(さまざまな作品で)繰り返し記録しているのは、(軍隊生活中の軍隊生活であるはずの?)「大本営勤務」の、「奇妙なぬるさ」である。構内放送をするのも女性職員だし、昼休みには屋上でバレーボールしているし..それに(ここ大本営に限らず)決して「一億火の玉」などでは無かったということ。空襲の炎を遠く屋上から眺めては、「なぁにが不滅の神州だ..」、などという“罰あたりな”言葉を吐き捨てて、しかも誰も咎めない。ソ連の参戦のニュースが飛び込んできたときには、「あかんわ、これやでぇ!」、と、とある兵が両手を上げて降参のポーズをしてみせたら、皆が(共感して)笑った、などなど。

 それにしても、どうにもデジャブが..「それからたちまちシャバなみの−−食事のことを考えれば、娑婆どころではない、天国の生活が始まった」(649頁)。「ここでは、新聞で顔なじみの“先の大臣”からして、食事どきは箸箱を片手に、スリッパをベタベタ鳴らして食堂へ通うので」(651頁)..なぁんだ。ようするに、今春の私の入院生活と一緒じゃん [;^J^]..というか順序は逆で、入院生活をしていた時にこそ感じていた「奇妙なデジャブ」は、中井英夫のこの時期の日記等を先に読んでいたからなのであろう。

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*2003年07月24日:迫り来る夏オフ


 ネタ涸れ気味の日。夏オフ準備。

 シンセで代奏するパートの洗い出し作業。例によってハープが多いのだが、今年はなんとも珍しいことに、ハープシコードが無い。オルガン(パイプオルガン)も、「威風堂々」だけかな? そのかわりにといってはなんだが、犬・猫の鳴き声などの他、ツィンバロン。ずばり「ツィンバロン」と名付けられた音は、私のシンセ(Fantom−S)のライブラリには無いのだが、「ダルシマー」はある。「標準音楽辞典」で調べたところ、これらは同類の楽器であるし、CDを聴いてみても、この「ダルシマー」の音で、特に違和感はなさそうだ。

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*2003年07月25日:rマークについて


 今日もネタ涸れ気味なのだが、昨日と同じ話題というわけにも行かないので、軽いネタを。

 何しろ、毎日毎日、なんらかのネタが必要なのである。こういう生活を、かれこれ7年以上も続けてきたのである。当然、ネタには貪欲になる..というか、ふと思いついたネタを逃がしている余裕は無い。すぐに手帳に書く。(やや物騒な話だが、運転中も例外ではない。ハンドルを握っている途中に浮かんだネタは、必死に反芻を繰り返し、信号待ちで止まったら、ただちに手帳に転記する。)

 とはいえ、手帳には様々なメモが(例えば仕事用のものも)記入されているのであるから、廃墟通信のネタには、なんらかのマークを付けておかなければならない。

 そのマークは、「r」に丸印(「まるあーる」)である。「ruin」の略である。そこで私は、手帳の中の「廃墟通信」用のメモを、「R指定」のネタ、と呼んでいるのである..

 ..いや、その、これだけの話なんですけど [;^.^](..ちなみに、今日のネタ全体が、「R指定」なのであった。ほれほれ、再帰。[;^.^])

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*2003年07月26日:「劫罰」/「マタンゴ」


 クリーニング出しをしたのち、浜松中央図書館へ。「劫罰」の字義を調べるためである。どういうことかと言うと..

 数日前、とある方から、ベルリオーズの「ファウストの劫罪」の「劫罪」の読み方を教えて欲しい、というメールを頂いていたのである。もちろん、正しくは「劫罰」であって、これを(この人のように)「劫罪」と間違えて憶えてしまっている人は、結構いるようなのであるが、まぁそれはさておき。

 そのくらい、自分で辞書で調べなさいよ、と、苦笑しながら手元の(電子、または紙の)辞書を引いてみたら..あらあら大変。[;^J^]

 ..載ってないんでやがんの。[;^.^]

 「大辞泉」(小学館)、無し。「大辭典」(平凡社)にも、三省堂の古い小型辞典にも、無し。その他若干の辞書にも。

 というわけで、ちと慌てて、その日のうちに、


「劫罪」ではなく「劫罰」です。「ごうばつ」と読みます。
意味は..あらら、手近な辞典には、載っていませんね。[;^J^] 知らなかった。
「劫」という字には、「おびやかす、脅迫する」という意味と、「極めて長い時
間」という意味がありますが、(他にもいろいろありますが、)この場合、後者
の意味で、「永劫の罰」、ではないかと。

 ..と、国語辞典ではなく漢和辞典での調査結果を返事として書いていたのであったが..しかし、漢和辞典はともかくとしても、辞書で「劫罰」の字義を直接確認もせずに回答してしまったことが(言行不一致というか、ダブルスタンダードであり)気になっていたので、今日、決着をつけに来た、というわけ。

 浜松中央図書館の参考図書室で、めぼしい辞書を漁る。最初はもちろん、「日本国語大辞典」(小学館)である..

 ..さすがに載っていましたね。「永久に続く罰。永遠の断罪」..よしよし、私の回答は間違ってはいなかった [;^J^]。良かった、よかった。

 しかし、載っていない辞書が多いなぁ..そんなにマイナーな言葉なのか? 比較的最近(数十年オーダー)の造語なのか? 例えば..

 「大辞林 第2版」(三省堂)、無し。「広辞苑 第5版」(岩波書店)−「地獄の苦しみを味わわせる罰」−「日本国語大辞典」とは、ちょっと(かなり)ニュアンスが違うねぇ..

 「講談社カラー版 日本語大辞典 第2版」、無し。「日本大辭典/言泉」(小学館)、無し。「広辞林 第6版」(三省堂)−「無限に苦しみを味わわせる罰。「ファウストの−」」..

 ..「広辞林」、エライッ!! [;^.^]

 図書館から、浜松西郵便局へ。不在通知を受け取っていたゆうパックの受け取りである。ブツは、ヤフオクで(今回は、ごくリーズナブルな価格で [;^J^])購入したLD。「マタンゴ」(東宝、TLL 2546)である。

 月曜日の日記にも書いたことだが、18日(金曜日)には「フランケンシュタインの怪物 サンダ対ガイラ」のDVD(東宝、TDV2636D)を観たのだが、その「オーディオコメンタリー」に、「サンガイ」の準主役を演じていた水野久美が登場し、その中で何度か「マタンゴ」に触れていたからである。そう言えば、この有名な映画を、まだ観ていなかったな..

 ..ざっと調べてみると、VHSもLDも廃盤。数年待てばDVDが出るかも知れないが、今、観たいんだから仕方がない。ネット上をサクッと調べたところ、結局、ヤフオクに出品されていたLDが(状態も素晴らしく良い上に)廉価だったというわけ。

 そもそもの「原作」は、ホジスンの短編「夜の声」(創元推理文庫の同題の短編集に所収)である。8年も前に読んだっきりだから、例によって記憶違いをしている可能性があるが..とある船が、夜の洋上で、ボートに乗った「難船者」に行き会う。当然、救助しようとするのだが、彼は、何故か乗ってこない..どころか、闇に紛れて姿も見せない。そして、闇の中から、彼が遭遇した恐ろしい運命を語り、救助の手を断って、ボートを漕ぎ去って行く..彼が語った恐ろしい運命とは..ある孤島に漂着して、そしてそこで得られる唯一の食物である「キノコ」を食べたがために、次第に彼らの全身にキノコが生え..そして人間の姿では(あるいは、人間では)なくなってゆく..というものであった。そしてこの島に漂着したのは、男女ふたり。恋人同士だったのである..

 この、洋上怪談の傑作中の傑作を、当時SFマガジンの編集長だった福島正実が脚色したのが、「マタンゴ」の脚本である。(星新一の名も脚本家として連名であがっているが、一般世間には無名だった福島正実が、星新一のネームバリューだけ借りたのだ、という説がある。)

 ここでは、孤島に漂着するのは、女性ふたりを含む、7人の青年である。青年実業家、若手作家、大学教授、その弟子の女学生、ナイトクラブの歌手、等々。食糧は、僅か数日分しかない。島を探検する彼らは、不気味な(黴だらけの)難破船を発見する。生存者、無し。死体も、無し。残されていた航海日誌には、数人ずつ、島の奧に姿を消していく..という、不思議な記述があった..

 ..もう、お判りであろう。この島に群生するキノコ(「マタンゴ」)を食うと、次第に人間ではなくなり、島の奧に姿を消し、そこで(森の中で)生きるようになるのである..やがて、キノコ姿の怪物たちの襲撃が始まった..

 素晴らしい傑作である! ここで本質的なのは、「キノコに変貌した“元”人間」たちの恐怖ではない。この極限状況の中で崩壊してゆく、7人の人間関係である。もともと社会的地位が低かったものは(そのくびきから放たれて)居丈高になる。威風堂々としていた実業家は“壊れて”しまい、自殺も出来ずに泣き崩れる。最もしっかりした考えを持って一同を指導していた男は、しかしあっさりと皆を裏切り、食糧と船を奪って単身脱出を試みる..そして、女がふたり居る..

 なかでも、水野久美が演ずる「ナイトクラブの歌手・関口麻美」の存在感は、圧倒的である! こんな極限状況の中でも、男たちを手玉に取り、そして彼女を奪い合って男たちは殺し合い..やがて彼女は自ら、「マタンゴ」の誘惑に身を投じる..

 このLDのジャケットは、必見である。モノクロームの「マタンゴ」が群生する森の中に、(極彩色に彩られて)この世ならぬ、邪悪とも恍惚ともつかぬ表情を浮かべて、ひとり居る水野久美..彼女の全身は、明らかに、人間ならぬ何物かに変貌しつつある..

 ..これがどういう物語か知らずに、いきなりこのジャケットを見た人は、「この女が、“妖獣・マタンゴ”に変身して、人間たちを襲って喰いまくるのか!!」、と、大いに誤解するであろう [;^J^]。(いや、それが完全な間違いとは言いきれないんですけどね。[;^J^])

 さらに驚いたのは、中に封入されていた「レーザーディスク購入特典」である。「マタンゴ 水野久美 塗装完成品 フィギュア購入チケット」。(もちろん、とっくの昔に(99年に)期限切れであったが。)普通、誰が考えても、特典は「キノコ生物・マタンゴ」のフィギュアであろうに..[;^J^]。いや、それはもちろん、「集団劇」とはいえ、彼女が主役であることは間違いなく、だから、フィギュアの素材としてひとりだけピックアップするのなら、彼女しかないのも事実だが..しかし、正真正銘の怪物である「マタンゴ」をさしおいて..[;^J^]

 そして、既に気がつかれた方もいらっしゃるだろうが、この「フィギュア」は、いささか異常である。つまり、水野久美が演じた「関口麻美」のフィギュアではなく、「水野久美」のフィギュアなのである..例えて言えば、「ゴジラ」に題材を取った「潜水服を装着してオキシジェン・デストロイヤーを抱えた隻眼の男」のフィギュアに、「芹澤博士」ではなく「平田昭彦」と銘打たれているようなものだ。

 つまり、「マタンゴ」という作品においては、「関口麻美」よりも「水野久美」の存在感の方が、大きいのである..

 ..以上を略してまとめると、こういうことになる。即ち、「女優・水野久美」は、「伝説の怪物」なのである ..と。[;^J^]

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*2003年07月27日:最後の武器


 夏オフ業務..というか、正確には夏オフ業務ではない。Fantom−Sに、各種音色(および、音色の組み合わせ)を本格的に仕込むための前段階として、従来使っていたXP−50で作り込んだ音色を、全部移植してしまおう、というわけだ。今やらなければならないことか、というと、そうでもない。今回の夏オフで使わない音を、今、移植する必要はない..のだが、気持ちが落ち着きませんのでね。

 この作業、実をいうと、1ヶ月以上、ほったらかしにしていた。不要不急であることに加えて、XP−50の上で私が作り上げた自慢の音色であるところの「遠雷」が、どうしてもFantom−Sの上で、同じような出音にならなかったからである。(やや詳しく述べると、「コンプレッサー」というエフェクタの特性というか効き方が、異なるのである。)で、再開したわけだが..

 あかん! やっぱ、同じニュアンスにはならない! とうとう癇癪を起こして、XP−50の音を、Fantom−Sでサンプリングしてしまった。[;^J^]

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*解説


MASK 倉田わたるのミクロコスモスへの扉
Last Updated: Jul 30 2003 
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