*2003年07月14日:廃墟でワイン
*2003年07月15日:幻想文学から幻想音楽へ
*2003年07月16日:赤影、逝去
*2003年07月17日:夏の闇
*2003年07月18日:宇宙的難癖
*2003年07月19日:巨匠たち
*2003年07月20日:BD/天たま
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*2003年07月14日:廃墟でワイン


 午前半休をとって松田病院へ。退院後、3回目の診察であり、予後全く良好。よって、今日で終わりである。名残惜しいこと。(毎回3千円、ニッセイからもらえるのだから、もっと長引かせるべきだったのだが..← まだ言ってるし。[;^J^])

 ワインの訪問(試飲)販売のPのセールスマンが、本日19時に来る約束なので、寄り道せずに帰宅して、あまりに見苦しい個所などを片付けて(取り繕って)待っていたら..案の定、30分以上も遅刻しやがった [;-_-]。しかも、「すみません、遅くなりそうです」、という電話がかかってきたのが、遅刻25分目である。こいつは、いつもいつもこうだ。最低である。

 セールスマンは最低だとしても、品物はなかなか良いので、それなりに発注する。それにまぁ、滅多に誰も訪れることのない私の廃墟城に、たまに誰かが(例えセールスマンだとしても)やって来るのは、歓迎できる側面もある。それは、いやでも(床が見える程度には)掃除・片付けをせざるを得なくなるからである。実際、ここのところ、「廃墟」を越えて「ゴミ屋敷」になりかかっていたのであり、全く、危ないところではあったのだ。[;^J^]

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*2003年07月15日:幻想文学から幻想音楽へ


 先週の「「幻想音楽」とは」の続きである。

 高校生・大学生時分の私は、「幻想音楽」を探るために、(より、概念として確立している(?))「幻想絵画(幻想美術)」を“利用”しようとしたのであったが..考えてみれば、「幻想文学」を“拠り所”にしても良かったのである。

 何故、今ごろになって、こんなことを考えているのかと言うと..先日、久しぶりに中井英夫の「とらんぷ譚」を読み返して、「どうして、昔の私は、これを音楽化しようとしなかったのかな..」、と、不思議に思ったからなのであった。

 「とらんぷ譚」とは、4つの連作短編集、「幻想博物館」「悪夢の骨牌」「人外境通信」「真珠母の匣」の総称であり、各13編。これらに加えて、いわば「ジョーカー」と呼ぶべき短編2編(「影の狩人」「幻戯」)。これが「とらんぷ譚」の全貌である。この構成を見て、「幻想組曲」を構想しない人は、「幻想音楽」からは、いささか遠いのであろう..(別に悪いことではない。あるいは幸せなことなのかも知れない。[;^J^])

 もとより、「幻想文学」に題材を取った音楽作品は、古今東西、珍しくも無い。宗教曲は(一応)敬して遠ざけることとしても、膨大な量に及ぶ「神話系」の音楽は、基本的に「幻想文学系」であると言えるだろうし、それ以外にも、「ファウスト」(ゲーテ)、「死都ブリュージュ」(ローデンバック)、「サロメ」(ワイルド)、「牧神の午後」(マラルメ)、などなど、「幻想音楽(といえる音楽)」の素材となった「幻想文学」は、いくらでも挙げることができる。(スクリャービンの神秘的音楽が、何か特定のオカルト文学に題材を取っていたかどうか、今は思い出せない。それと、「ツァラトゥストラ」はどうしよう。[;^J^])つまり、「幻想文学」に由来する「幻想音楽」など、少しも珍しくは無い。なのに、なぜ「とらんぷ譚」に引っかかったのか。これを音楽化することが「素敵な思いつきだ!」、と、思えたのか。

 それは、上述の諸例の中に、「日本の幻想文学」が出てこないからだ。私は、日本の現代音楽の目録を調べながら書いているわけではないから、実はそういう音楽はいくらでもあるのかも知れないが、しかし、(神話系、宗教系を除けば)純然たる「幻想文学系」の「幻想音楽」の例を、なかなか思いつけない。(幻想詩人の詩が歌曲化されたものは、いろいろありそうだが。)もしも本当に“ほとんど”無い(あるいは、僅かしか無い)のだとすると..現代日本の作曲家たちは、ちーっと、怠慢なんじゃありませんか? 予算とか、時間とか、障害は山ほどあるのでしょうが..そこには素材の金脈があるんじゃありませんか?

 ここに至って、想いが暴走する..

 ..「神聖楽劇 黒死館殺人事件」

 ..「超時空オラトリオ ドグラ・マグラ」

 ..「舞踏組曲 破壊王」

 ..「交響詩 稲生物怪録」

 ..「歌劇 家畜人ヤプー」

 ..「カンタータ 高丘親王航海記」

 ..「楽劇 上弦の月を喰べる獅子」

 きゃ〜〜 [;^.^]..聴きたいでしょ、そう思うでしょ! 誰か作曲して! お願い!

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*2003年07月16日:赤影、逝去


 朝、起きたら喉が変。まずいなぁ、風邪のひきかけである。なんぼ気持ちが良いからといって、窓開けっ放しで寝る方が悪いわなぁ。[;_ _]

 まだ、咳ゲホゲホには至っていないのだが..喉の(暖かい)違和感がうざったくて仕方がない。まさか、仕事中に白ワインがぶ飲みするわけにもいかんしなぁ..(← だからそれは、民間療法にすらなっていないんだから、やめろ。[;^J^])

 fj.rec.tokusatsu で知った。赤影、逝去。享年、61歳。

 ショックである。「赤影以外の仕事を、何か知っているのか」、と問われれば、ほとんど何ひとつ知らない。(ある意味、故人の立場からすれば、最も鬱陶しいタイプのファンであろうが..)しかし、それがどうした。かつて(私にとって)ただ一度だけ光り輝いた役者の、早すぎる死..供養として、赤影のDVDの(全4巻中、未見だった)残り2巻を心を込めて観ようと思ったものの..今日は更新日。とてもそんな時間は取れない..

 ..ままならぬものである。

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*2003年07月17日:夏の闇


 今年のFCLAの夏オフは、赤坂のドイツ文化会館などという、(推定)おハイソな場所で開催される。8/9,10の2日間であり、9日の夜と10日の夜、都内に宿泊する必要があるのだが..実際、都内(大雑把、山手線圏内)ならどこでもいいようなものだが、折角だから、(推定)おハイソな赤坂に宿を取ることにした。

 適当に情報を収集していたら、「ホテルアジア会館」というのが面白そうだ。もとはヒドいボロ宿(という言い方は、あんまりか [;^J^])だったらしいのだが、全面改装された由。どんなんだか、見物にいく値打ちはあろう。しかも今は、オープンセールで割安であるのだし。早速、Webから予約。

 それはそれとして..今年の夏オフは、一直線に“マズい”事態に突入しているのである。今さら、どうしようもないのだが..

 何がマズいのかというと..「間に合ってしまいそう」なのである。数週間前に、「既にして記録的な進行の遅さ」、と書いた記憶があるが..実際、毎年毎年、起動は遅くなる一方なのだが..これほど遅くスタートしても、間に合ってしまうとすると、これはもう、驚異である。単に「驚異的」であるだけなら実害は無いのだが..これが前例(実績)となって、来年はまた、「んじゃまぁ、去年もあの体たらく(あの進行)でも成立したんだから、今年もまたゆっくり行きましょうか」、と、さらに起動が遅れるに決まっている..

 ..悪夢である。だから、今年ばっかりは、間に合ってはならない。倫理的に、間に合うべきではない..のだが..

 ..事ここに至っては、間に合って、成立して、そして恐らくは成功するに決まっているのである..[;_ _][;_ _][;_ _]

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*2003年07月18日:宇宙的難癖


 さて、例の「風邪気味」であるが、どうやら「気味」が取れて、「風邪」に昇格した由である。(なんと迷惑な。[;_ _])放置していても治りそうにないし、喉回りの感触が次第に悪化してきているので、無理せず休暇を取得して、T外科へ..

 ..しっかし、「熱はどうですか?」に「ありませんね」と答えたら、喉をひとめ覗いただけで診察終了。聴診器も当てないんでやんの。ま、別にいいけどさ [;^J^]。効く薬さえもらえりゃさ。

 ..と、これだけではなんなんで、先日誉めた「AVE MARIA」(Jroom, COCQ-83633, 本田美奈子)に突っ込みを入れてみよう。何、ほとんど揚げ足取りである。岩谷時子が作詞している日本語の歌詞が、時々、可笑しいのである。

 例えば、「ジュピター 〜組曲「惑星」より」、だが..


はるか彼方に 星がある
闇にかくれてる あの星こそ
暗い夜空の 王様
あなたを守る星よ 木星ジュピター
やがて明るい朝が おとずれ
地球の上の 夜が明けるわ

 ..あのなぁ、「星(木星)」が「闇にかくれる」わけ、無いじゃんか。木星と地球の間に星間物質があるのは確かだが、惑星の光を隠せるほどでは無いぞ。まぁ、「雲にかくれてる」、ではカッコがつかない、というのは判りますがね。

 それと、「地球の上の夜が明ける」とは、何事じゃい。「日本の上」、あるいは、「この大地の上」「この大平原の上」なら、良い。しかし「地球」だとNGだ。なぜなら、地球は「球」なのであって、あるポイントの「夜が明ける」瞬間、別のポイントでは「日没」を迎えているのであり、全く同時に、「夕方の定時(帰宅時刻)」も「真夜中のシンデレラタイム」も「(怠惰な国の)シェスタタイム」も、同時に訪れているのである。この歌詞には、宇宙的な視点が欠けている。[^J^]

 もうひとつ、「タイスの瞑想曲」に付けられた(本田美奈子による)歌詞だが..「子供」と書いて「てんし」とルビをふるのは、やめろ [;^J^]。頼むから、やめてくれ [;^J^]。私は、こういうのが、大っ嫌いっ!! [;^.^]

 あと、これは「歌詞」の責任ではなく、私の耳の問題ですが..最後の曲のタイトルも確認せずに、カーステで聞き始めたら..何度も何度も「ベラの手」と繰り返している..妖怪人間に何の関係が..?

 ..「ベラノッテ」(Peggy Lee & Sonny Burke)という、曲でした。[;^.^]

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*2003年07月19日:巨匠たち


 約束どおり、午後いち(12:15頃)に、Pに発注したワインが届いた。セールスマンの時間間隔は失格だが、配達員は合格だ。(もっとも、前回届けに来た配達員(多分、アルバイト)は、そもそも「時間指定」であるということにすら気がつかずに、私を半日以上(いつ来るのか判らないのでトイレにも入れない状態で)部屋の中に釘付けにした、というウルトラ級のたわけであったが..要は、当たりはずれか。)

 夏オフの準備を、ボチボチと。今年は数年ぶりに「魔笛」をやるが、もしもイントロのアンサンブルをやるのであれば、そこには「怪獣の咆哮」の出番がある。

 必須ではない..どころか、普通の演奏や録音では、こんな音は入れない [;^J^]。ま、お祭りだからね。とはいえ、「祭りならなんでもあり」、というものでもなく、前回は、ほぼ失敗した。要するに、モーツァルトの音楽に溶け込まず、唐突すぎて浮いてしまうのである。また、十分な準備が出来る状態でもないので、オケや歌手が吃驚してしまう。

 というわけで、もしもやるなら、指揮者たちとしっかり打ち合わせて。また、前回は、(エスニック系の)ヒューマンボイスを加工して、それなりにイケてる「怪獣の声」を合成したのだが、今年から私が使い始めているFantom−Sには、サンプラー機能がある。ここは、ちまちま合成している場合ではない。「本物の怪獣」にお越し頂くのが、筋である。

 さて、「本物の怪獣」と申しましても、何千人もいらっしゃるわけでございますが..ひとりだけ抜擢するとなれば、答えは最初から決まっている。そう、今、あなたが思い描いた、昭和29年の映画。その冒頭である。「本物の怪獣の声」として第一指を屈すべきは、これ以外には“絶対に”あり得ない。

 ..とはいえもちろん、他のソフトとさんざん比較試聴はしたのである。さすがに音が古かったし、いくらかでもハイファイな方がいいか、と。同じゴジラでも、近年の「GMK」とか、あるいはジュラシックパークのティラノとか..

 ..確かに、いくらか(あるいは大いに)音は良く、より迫力がある場合もあるのだが..でもでも、やはり「存在感」が違うんだなぁ..あなたがクラシックファンなら、「GMK」のゴジラはバレンボイム、ジュラシックパークのティラノはカラヤン、そして昭和29年のゴジラがフルトヴェングラー、と例えれば、ニュアンスは伝わるであろう。

 「魔笛」に話を戻して..今の(歌手募集の)状況を見るに、この冒頭のアンサンブルが成立する可能性は高くなさそうなんですけどね [;^J^]。ま、それならそれで、休憩時間に子どもたち(及び、いい歳こいたオトナたち [;^J^])を、この声で楽しませてあげましょうかね。[^J^]

 で、GMK(「ゴジラ モスラ キングギドラ 大怪獣総攻撃」の略称)つながりで、このDVDBOX(3枚組)の、未見だった最後の1枚を観たのだが..この感想は、来週回しにしよう。(今夜は、まとめている時間が取れない、という、ただそれだけの理由である。)ゴジラ関係者(現場レベル)の座談会(放談会)があり、そこでは押井守が 暴走 独演会状態 [;^J^] で、とばしにとばしまくっていた、ということだけ、取りあえずお伝えしておこう。来週号の詳報を待て!

 (ちなみに、「押井守は「ゴジラ」の関係者じゃねーじゃん」、と、思ったあなたは、「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」のことを忘れているのだ。このアニメの劇中劇として、昭和29年のゴジラが(フィルムの傷にいたるまで)再現されていた。)

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*2003年07月20日:BD/天たま


 今日は、浜響の演奏会があるのだが..風邪は快方に向かっているとはいえ、しつこい咳が取りきれていない。コンサートに出かけるには感心しない体調であるので、パスする。

 昨日のDVDから、今度は押井守つながりで、「うる星2 ビューティフル・ドリーマー」を観る。これまた積んであったのだが、何しろ、LDは遙かな以前に購入して、何度も観てきたので、DVD版を買うには買ったが今さら、という感もありましてね。

 それにしても、近頃の(ちょいと気の利いた)DVDは、大概(でもないか)「オーディオ・コメンタリー」付きで、確かに大層面白いのだが..時間が、倍かかってしまうのである [;^J^]..ま、この映画については、本編の内容は、ほとんどのセリフを暗唱している [;^J^] 位なので、もっぱら押井守たちのおしゃべりに耳を傾けていたのだが、いくつもの面白い(少なくとも私は知らなかった)情報の中で、特A級のものは..「天使のたまご」は、構想の初期の段階では、「日本のコンビニ」が舞台だったということなのである。夜更けのコンビニに、奇妙な卵を抱いた女の子が入ってきて..

 ..しかし、天野喜孝のキャラクター・デザインが上がってきた段階で、このプランは崩壊したのだという [;^.^]。(てゆーか、キャラクター・デザインが上がってくるまでに、何故、気がつかなかった? [;^J^])

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*解説


MASK 倉田わたるのミクロコスモスへの扉
Last Updated: Jul 23 2003 
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