2002年09月23日:小さな幸せ、大きなお世話 2002年09月24日:免許/ラーメン/コーヒー 2002年09月25日:“業”と書いて“カルマ”と読む 2002年09月26日:天下の回り物 2002年09月27日:吾妻作品、新発見? 2002年09月28日:手塚治虫ファンクラブ見学/サンダーマスク 2002年09月29日:軍艦島目次へ戻る 先週へ 次週へ
深夜近くに街中から帰る時、例のシュークリーム屋(ビアード・パパ)で2個注文したら、ちょうど私の注文で材料が切れたらしく、店じまいになった。そして半端に残った1個を、おまけにつけてくれた。
ありがとう、ありがとう [^.^]/~~ ..でも私のキャパでは、シュークリームを一度に3つも食べることは出来ないんですけれど [;^.^] ..仕方がない、ひとつは朝メシに回すか。[;^J^]
目次へ戻る代休取得。(これで代休の残りは、ひと桁になったかな。有休は20日以上残っている。)免許更新である。ま、半日で終わるのだが、せっかくだから休める日には終日休もうと。
帰路、昼飯は、久しぶりに「天下一品」でスタミナラーメン..こんな味だったっけ? もっと遙かに濃厚だったような気がするけど..記憶違いかなぁ?
ジョーシンに寄って、一番廉いコーヒーメイカーを買う..背景説明が必要かな。
大昔(10年以上前?)には、コーヒーメイカーを持っていた(使っていた)のであるが、これは購入したものではなく、なにか(改善提案だったっけ?)のポイントを溜めて、景品としてゲットしたものである。元々、「コーヒーが好きだから購入した」ものではなかった。そのため、ほどなく飽きて使わなくなり、数年後、降り積もった埃を掃除するほどの手間をかける気にもなれず、そのまま廃棄したのだった。
時は流れ、世紀は移り、2002年。手塚治虫関連資料で大変お世話になっているNさんから、コーヒー豆が送られてきたのである。中元・歳暮の類ではない。資料としてである。この「黒い魔女」というブランドのコーヒー豆袋には、手塚治虫がデザインしたマスコットキャラ(マコちゃん)が印刷されていたのである。
現時点では、このキャラはまだリストに加えていないが、まさかフクロだけ保存しておいて中味は棄てる、というわけにも行かず、そうこうしているうちに賞味期限切れが、この9月末日に迫って来たのだった。なんとしてでも今月中に20杯、飲まなければならない [;^J^]..(以上で背景説明、終わり)
..というわけで、1250円のコーヒーメイカーを購入した次第。(使い方をすっかり忘れていました。[;^J^])肝心要の、そのコーヒー(挽かれた状態で袋詰めされていた)の味は..なかなかいいと思うよ。もっと早く飲んでいれば、もっと美味しかったんだろうが、過ぎたこと。とにかく、今月中に飲みきらないと..[;^J^]
目次へ戻る「まんだらけZENBU 16」を精査し、発注品をピックアップする。「探偵漫画ブック X」を5冊と「少年少女新聞」。いずれも手塚治虫関連資料である。特に後者は滅多に出てこないので、競争率は高そうだが..全部当選すると皮算用すると..4万5千円か。[;^J^]
ちなみに、別途S堂に発注中の手塚治虫関連資料群が全部当選したとすると、こちらは10万円を軽く越えるはず..
(さまざまな意味で)祈る思いなのである..[;^J^]
目次へ戻るあぁぁ、常用している折り畳み傘の「ぶら下げ」用の紐が、切れた [/_;]。ここんとこ毎週、こんなんばっかだな。鞄、リュックと来て、ついに傘か [/_;]。まぁ、傘にとって本質的な部分ではなく、力が常時かかるわけでもない個所なので、これは自力で補修可能なのが、まだしも。
随分古くから使っている傘なのだ。恐らく10年ほども昔から、大切に使ってきたのだ。なにしろ、縫い込まれている名前が「クラタ」じゃないし..[;^.^]
断っておくが、拾ってきた(盗んできた)んじゃないぞ! 10年くらい前に、どこぞのコンパだかパーティーだかの帰り際の混乱の中で、私の傘と入れ替わってしまった(どこかの誰かの)傘なのである。
だから、その夜に私の手元から失われた(私が購った)傘が私の手に戻る日までは、この傘に対して、私は正当に所有権を行使できるはずだと思うのである。(そしてその日が来る可能性は、ほぼ間違いなくゼロであろう。)しかし、所有権が移ったとは思っていない。「預かり物である」という感覚は、10年たった今でも持っている。だから大切にしているのだ。この程度のことで廃棄する権利は、私には無いのである。
目次へ戻る「まんが王」誌の1971年6月号が届いた。これはヤフオクで見つけたもの。(国会図書館等、めぼしい図書館に収められていないのは、確認済み。)
吾妻ひでお文献である。従来、この号には彼の作品は掲載されていないと思い込んでいたのだが、「二日酔いダンディー」の連載が前号で終わっていたからといって、それは今号に何も載っていないと考える根拠にはならないのであった。盲点。
といっても、これを漫画作品とみなすか否かについては、判断がわかれるであろう。つまり、下記のような作品なのである。
年齢占いカード イラスト::3:まんが王:1971/06 ※548 ※548 「特別サービス/ゴールデン口絵」の「怪獣写真」の裏の企画。計9点 のイラスト。本来、このリストの収録基準を満たしていないが、内容的 に「マンガ」に近いことと、「まんが・吾妻ひでお」とクレジットされ ていること、及び、前号で連載が終了した「二日酔いダンディー」のキ ャラクターが出演していることを勘案して、リストに含めることにした。 なお、「まんが王」誌は、この号で廃刊(「冒険王」誌に吸収合併)。
朝から雨。8:06のひかり。東京駅構内で朝食。
この店でまったりとしてから、まずは東京ステーションギャラリーで「スカンディナビア風景画展」。なかなか結構。とにかくこの美術館はほどほどに狭くて、従ってここで開催される展覧会の規模も(容器に合わせて)ほどほどに小さく、比較的短時間で全貌を把握できるのが、値打ちなのである。半ば崩壊している赤煉瓦の壁が修復されずにムキだしのまま、というのも嬉しいね。
神保町。収穫無し..とはいうものの、コミック高丘で「完全版 野望の王国 1、2」(原作:雁屋哲、画:由起賢二、日本文芸社)を目撃してしまった [;^.^]。
この大長編、昨年の6月と10月に、同じ日本文芸社のGコミックス(例のコンビニ仕様の廉価シリーズ)から1巻と2巻が出ただけで(このサイズなら全30巻にはなるはずなのに)あとが続かず、呆れ果てていたのだが、今回の完全版は、9月に1、2巻、10月に第3巻を出して、以降来春までに全9巻を一気に出す予定らしいので、ひと安心。
未読の方は、この機会に是非とも御一読を。出来れば来春まで読まずに買い溜めておいて、全巻完結した時点で一気読み..という、心身にダメージを受ける読み方をお薦めしたいのだが..まぁこの版は毎月毎月分厚いのが出る予定だし、順次読んでいっても十分有害なので、それでも構わない。
私ですか? 買いませんよ。一生に一度だけ読めば、十分です。[;^.^]
13時前に、待ち合わせの高田馬場へ。Tさん、Oさん、Nさん。計4人。手塚治虫メーリングリストのメンバーである。今日は、高田馬場の手塚プロダクション見学日なのである。
バスで5分弱。休日であり、若干の休日出勤者がいるだけなので、閑散としている。物足りなくないとは言わないが、邪魔になることもほとんどなく、気楽ではある。ホスト役は、手塚治虫ファンクラブの運営をされているTさん。
見学の子細は省く。マーチャンダイジング系のさまざまな資料とか、珍しいCD−ROMとか、ライブラリとか。わたくし的に大ヒットだったのは、特撮テレビ番組「サンダーマスク」の第1回のビデオを観ることができたことである。
あなたは、手塚治虫の「サンダーマスク」という作品を知っているだろうか? 同名の特撮テレビ番組をマンガ化したものである。近年、文庫本化もされているとはいえ、やはり、知名度は圧倒的に低いのではあるまいか?(手塚治虫作品群中における(手塚治虫による)「サンダーマスク」の位置づけについては、「COMIC CUE」の第6巻(手塚治虫のトリビュート(リミックス)特集)に収録された「マグマ大使 史上最大のロケット人間の巻」(島本和彦)において、見事に描き尽くされていると言えよう。合掌。[-人-][;^.^])
しかしまぁ、単にマイナーであったり不出来であったりする作品は、それこそ山ほどあって、枚挙にいとまが無いのである。実際問題、私自身「サンダーマスク」に対して、「パッとしない凡作」という以上の印象は、抱いていなかった。ではなぜ、これが気になっていたのか。
「オトナでよかった!」(唐沢よしこ、唐沢なをき、エンターブレイン)というエッセイ集がある。(唐沢よしこが文章を書き、唐沢なをきがイラストを描いている。)ま、エッセイ集としては凡庸であるのだが、この中の「オトナの手塚治虫の巻」(p120)に、注目すべき記述があったのである。
曰く、マンガ音痴の唐沢よしこが、唐沢なをきにマンガ英才教育をしてもらったのだが、彼は、手塚治虫の数ある漫画からは、「サンダーマスク」を渡したのである。で、読んでみても..コドモ番組にしては難しい設定だが、いまいち地味だし最高傑作とは思えないんだけど..と、オズオズと感想をいったら、唐沢なをきは、
「まあ、これだけ読んだらそんなもんだろう。しかし、いつか原作を観る機会があればそのときにこの作品の偉大さがわかる」
そして、ある日、原作番組を目にする機会がやってきた!
「……コレはスゴイ! マジで内容がない! どんなに一生懸命観ていても「晩メシ、なんにすっかな」とか「あ、洗濯物……」とか関係ないことを考えてしまう! まるでエド・ウッド作品だ。『死霊の盆踊り』みたいだよ。命売りますのエピソードも、ガス状生命体の話も、なーんにも番組の方では出てないよ。ただの冗長なヒーローもの。」
そして唐沢なをきが言うには、
「スゴイだろー? マンガでいろいろ出てきたおもしろそうなエピソードは全部手塚治虫が作ったんだよ。番組にはぜんぜんそんなこと出てこないの。マンガとしてはそんなに成功したマンガじゃないかもしれない。でも、この特撮番組をここまで膨らませておもしろそうに作り上げたのは、やっぱ手塚治虫の才能だと思うのだな」
そして唐沢よしこが改めてマンガを読み返してみたら、番組のほうではテキトーに決められたことがマンガでは全部深い意味のあることとして扱われていることがわかった..
..という次第で、私も機会があれば、この原作(実写版)「サンダーマスク」を観たいものだと思っていたのだが、その機会が今日、向こうからやってきたのだ! そして..
..た、確かに、す、スゴイ!..マジで内容がない!..[;^.^] 世界観に締まりがなく、もちろん、特撮(というかコスプレアクション)もいい加減で、どこを(何を)観ればいいのか、さっぱりわからん..駄作(凡作)としかみなしていなかった、(手塚治虫版)「サンダーマスク」が、にわかに偉大な傑作として屹立してきた。唐沢夫妻の想いを共有できた。なるほど、こういうことだったのか..
高田馬場駅に徒歩で戻り、駅で解散後、秋葉へ向かい、CD1枚。17:33のこだまで浜松へ。
目次へ戻る「軍艦島 棄てられた島の風景」(雜賀雄二、洲之内徹、新潮社、1986)..という本を時代舎で購入。単なる「廃墟写真集」として購入したのであったが、読み進めるうちに、目から鱗がボロボロボロボロ..
あなたはどうだか知らないが、従来の私の「炭坑」に対するイメージは..「地獄」「奴隷」..とまでは言わないにしても、「超貧困・超耐乏生活」であり、高度成長時代の日本を、まさに「底辺」で(「地底」で)支えた「暗部」..というものであった。
あなたはどうだか知らないが、40台(あるいは30台後半)以上の年代にとっては、土門拳の「筑豊のこどもたち」という、あまりにも有名な写真集の印象が決定的なのではあるまいか。その(「暗黒」とまでは言わないにしても)「色彩の無い」世界..これに加えて、炭坑(とその支配階級、支配組織)を題材にした、いくつもの小説やルポルタージュ。「去るも地獄、残るも地獄」、という、これまたトラウマになりかねない言葉..これらが、「暗黒世界としての炭坑」という認識を、私の頭の中に組み立ててきたのだが..
..そうではなかった、というのだ。無論、「軍艦島(端島)」ならではの特殊事情もあったのかも知れないし、閉山する1974年に取材されたものであって、「近代化」の最終段階にあったのだ、とは言えようが..基本的に、「何不自由ない、のんきで楽しい暮らし」だったというのだ。
取材する写真家に坑夫が答えて曰く..とにかく、炭坑の人間は“過保護”である。炭住(住宅)は(家賃も光熱費も)タダ同然だし、仲間意識が強く、会社も組合も頼りになり、やっかいなことはすべて他人任せにできる。島にはなんでもある。商店もすべて、自分たちのためにある。実は仕事もきつくない。実働時間は、8時間のうち半分ほど。汚れはするが(仲間しかいないので)気兼ねする必要は無い。石炭を掘ってさえいれば、心配もなく、不自由もなく、のんきに暮らしていけた。ここ何十年も(その必要も欲求も無いので)島から一度も出たことのない人すら、いる..
..無論、時代の違いも大きかろうし、これだけが真実では無いのだろうが..私は一体、何を見ていたのだ、という..
目次へ戻る 先週へ 次週へLast Updated: Oct 2 2002
Copyright (C) 2002 倉田わたる Mail [KurataWataru@gmail.com] Home [http://www.kurata-wataru.com/]