*2002年07月15日:夏オフ業務:パート譜緊急手配
*2002年07月16日:夏オフ業務:曲順組み換え
*2002年07月17日:夏オフ業務:軽く切れる
*2002年07月18日:「魔法使いの弟子」志願
*2002年07月19日:確か、赤影..
*2002年07月20日:ビバ!地学!
*2002年07月21日:火の玉変化(へんげ)
*目次へ戻る *先週へ *次週へ


*2002年07月15日:夏オフ業務:パート譜緊急手配


 一部の曲のパート譜に欠落があることが判明。他の人でカバーできないか、楽譜調達関連のメンバーに連絡を飛ばす..わかりにくいかな。つまり、A氏が調達出来る、という情報を(A氏から)いただいていたので、A氏にアサインしていた曲のパート譜が、調べてみたら完備ではなかった..という緊急の連絡がA氏から届いたので、(他の曲の調達を担当していた)B氏、C氏、D氏らに、この曲のパート譜が調達できないかどうか、緊急のメールを送ったわけ。

 結局、比較的速やかに、他のメンバーが調達できることが判明したが..もちろん、こういう緊急事態は、無いに越したことは無いのである。とはいえ、完全に防ぐのも難しい。というのも、各自、楽譜(パート譜)が自宅にあるとは限らないのであって、離れた場所に保管されている場合、それこそ、週末にしか取りに行くことも内容確認をすることも出来ない、という状況は珍しくない。

 つまり、トラブルがあった場合、リカバーが1週間単位で遅れかねないのだ。これを防ぐことはできないにしても、少なくとも有効な対策としては、夏オフの準備全体を、今よりも2週間程度、前倒しにすることである。それによって、この類のトラブルにも余裕をもって対処することができる。

 実際問題、夏オフの準備の「スタートの遅さ」は、近年、毎年毎年指摘され続けながら、毎年毎年全く改善されない、宿痾なのである。夏オフのプロデューサー(FCLAのシスオペ)が、2週間早くGOをかければいいだけの話なのだが..なぜこれができないのか、私には理解できない。

*目次へ戻る


*2002年07月16日:夏オフ業務:曲順組み換え


 選曲担当者としての業務の続き。既に曲目は(ペンディング1曲を除いて)選び終わっているので、(この1曲の件を別とすれば)定義上、お役ご免としか思えないのだが..曲目の配列の決定と時間割の作成までが、「選曲担当者」の仕事だったらしいのである。ものすごく納得いかない [;^J^] が、仕方がない。

 一部の曲順を組み換える。2日目の「テ・デウム」の重要なパートを歌うテノール歌手が、夕刻、早めに退出しないと、(家族サービスで渡海する)飛行機に乗り遅れることが判明したので、この曲の演奏順序を繰り上げたのだ。

 正直なところ、(仮)時間割を作成した時点では、個々の奏者の事情までは組み込めて(配慮しきれて)いなかった。(さすがに、その日に、いるかいないかまでは把握していたが..「早めに退出する必要がある(かも知れない)」という微妙な表現は、読み落としていたわけである。)修行が足りん。

*目次へ戻る


*2002年07月17日:夏オフ業務:軽く切れる


 昨日の日記に書いたように、「選曲担当者」の仕事の範囲がきちんと定義されていない気配があるので、プチ切れて、(← 「“ブチ”切れて」と「“petit”切れて」の、巧みな掛け言葉、)スタッフ会議室に問題提起する。

 無論、オブラートにくるんだ、柔らかい表現でね。大人なんだからさ。

*目次へ戻る


*2002年07月18日:「魔法使いの弟子」志願


 1曲、ペンディングになっていたのだが、最終的に曲目を決定して(「死の舞踏」は没、「真夏の夜の夢」序曲が当選)、改めて曲目を発表する。

 これを受けて、直ちに指揮者募集が始まったので、直ちに立候補する。「魔法使いの弟子」など、計4曲。

 無論、当選するか否かは現時点ではわからないのだが..「魔法使いの弟子」の指揮者に選ばれた暁には、ミッキーマウスのコスプレが(周囲から)期待されているようである。(わからない人は、ディズニー映画「ファンタジア」を観ること。)

 ..ま、それはともかくとしてもだ [;^J^]。この「魔法使いの弟子」という曲は、オーケストラにとって、大変な難曲であるらしい。(この曲の指揮者に立候補したのは、もちろん、この曲が好きだからであるが、そのような難曲を選んでしまったことの責任を取る、という意味合いもある。[;^J^])

 先日、スコア(総譜)を買ってきてあるので、改めて読み直してみたが..シロウト指揮者である私の目には、“振り方”自体が難しいとは思えない。何ヶ所かあるテンポと拍子の急変個所さえクリアすれば、定常運転でいけると思える。つまり、指揮者が“自滅”する要素は無い。(但し、キュー(合図)を出している余裕があるかというと、それは困難だ。ポイントとなる楽器が、どんどん変わるからである。)

 個々の楽器の譜面ヅラは、なるほど確かに難しそうである。「フラット4つ」「臨時記号ビシバシ」「細かい音符多い」に加えて、「快速」と来たもんだ。つまり..「難しい」というのは、指揮者を見る余裕もなく、単純に、弾けずに(吹けずに)落ちるのであろう..

 ..つまり、こういうことになる。この曲の演奏が「通らない(途中で止まってしまう)」場合、それは指揮者の責任ではなく、奏者たちの責(以下略 [;^J^]。ふと思い立って、一部の読者の神経を逆撫でしてみました [;^.^]。必ずしも本気では無いので、マジに受け取らないこと。[;^.^])

*目次へ戻る


*2002年07月19日:確か、赤影..


 夏オフのおかげで、全くもって、本を読んでいる暇も雑誌を読んでいる暇も無いのだよ..仕方が無いので毎度おなじみ、裏を取らない追憶話でお茶を濁す。(私の記憶の混淆ぶり(概して“面白い”方向にねじ曲がっている)には、根強いファン層(固定客)がいらっしゃることでもあるし。[;^J^])

 全話収録のDVDを買って確認すれば、一発でわかることなのだが..金も無いし、以前も述べたと思うが、多少の謎は残しておく方が人生が豊かになる..という口実で、怠慢にも調査していないのだが..

 ..確か、「仮面の忍者 赤影」だったはずだ。この支離滅裂でチープでポップな時代劇(← 極上の誉め言葉)には、こども心にも、もう少しなんとかならないかと苦笑してしまう、安っぽいギミックが山盛りだったが、それと同時に、驚くほど高級で洗練されたシーンもまた、沢山あった。後者の例。

 主人公たち一行が、敵の妖術使い(?)の術中にはまって地獄に落とされ、苦悶するのだが..もちろん、幻覚である。私は、その幻覚を妖術使いが作りだしているシーンに、思わず目を瞠った(というか、ほとんど言葉を失った)のであった..

 ..六畳ほどの部屋が、真ん中の衝立でふたつの小部屋に仕切られている。一方の小部屋には、「地獄に落とされた幻影を見せられている」赤影たちが、畳の上で苦悶している。そしてもう一方の小部屋では..妖術使いが、「赤影らが地獄で苦しんでいるさまの絵(水墨画)」を、描き続けていたのである..

 ..今の目で見れば、平凡な術かも知れない。しかしこれを、35年も前に初めて観た小学生の驚きを想像してみて欲しい。「“印”を結んで大音声で術の名前を叫ぶ」のではない、これほどまでに洗練された、静的な術のかけかたを観た小学生の驚きを..(さて、今回の追憶の「事実度」は、何パーセントでしょうか? [;^.^])

*目次へ戻る


*2002年07月20日:ビバ!地学!


 結婚もせず、子どももいないので、昨今の教育現場の事情が、さっぱりわからない。今でも、「地学」という教科はあるのでしょうか?

 私が高校生だった頃には、「理科」は、「物理」「化学」「生物」「地学」の4分野に分かれており、それぞれさらに、「I」「II」に分かれていた。当時の希望ヶ丘高等学校では、全ての生徒が、上記4教科の「I」を履修することになっており、「II」を履修するか否かは、各自の選択に任されていた。まぁ、文化系への進学を狙っていた連中は、これらの「II」はパスし、理科系に進む連中は、「物理 II」「化学 II」を取る、というのがパターンだったと思う。

 理科系志願だった(そして結果的に理科系に進学した)私は、しかし「地学 II」を取ったのである。

 邪念もあった。理科系の大学を受験する連中は、ほとんどが選択科目として「物理」「化学」を選んでくる。当然、優秀なライバルが多い。それに比べて、「地学」は遙かにマイナーである。これで受験すれば(優秀な)ライバルの頭数も少ない..

 しかしそれより何よりも、「地学」は圧倒的に面白かったのである。「地学」は要するに「地球科学」であり、それは、「物理」「化学」という、どちらかと言えば「実験室の学問」に対して、「現場の学問」であった。「応用科学」に近かった。

 それは、「総合科学」でもあった。「岩石の組成」を分析するためには、「化学」の知識が必要だった。「惑星の公転と自転」を計算するためには、「物理」の素養が必要だった。そして、「地質時代の化石」の調査こそ、「生物」の範疇に他ならなかった。

 「総合科学」と言えば、ヴァン・ヴォークトである! 「宇宙船ビーグル号の冒険」である! 高校三年生時分の私は、この作品に入れ込んでいたわけではないが..しかし、「SF作家になるための素養を身につけるためには、“地学”を修めるのが早道だ」、という意識は、はっきり持っていた。最も「SFの現場」に近い教科であった。結局、私は、未だにSF作家では無いのであるが..

 いまでも、「地学」という教科は存在するのだろうか..この、「“夢の”教科、“夢の”学問」は..

*目次へ戻る


*2002年07月21日:火の玉変化(へんげ)


 選曲担当者としての業務も(時間割を別として)一段落ついたので、ようやく、「こうもり枠」の準備に本腰を入れる。既に楽譜(パート譜)は確保しているし、挿入するバレエ音楽の選定も済ませている(例によって、「トリッチ・トラッチ・ポルカ」を採用する)。念のため、パート譜全てを何度も読み返し、欠けているパートは無いか、欠けているページは無いか、チェックした上で、(いったん、全ての譜面を集結させる)某スタッフ宅に、宅配便で発送する。

 並行して、このオペラの編成を精査。(手順前後気味ではあるが、パート譜を発送したあとに、それのバックアップコピーを調べたのである。)パート譜にも総譜にも「シンバル」は無いのに、「こうもりの編成にはシンバルが含まている」、という書き込みが、会議室にあったからである。こういう基本的なポイントを押さえておかないと、各パート(この場合は打楽器隊)の分担決定作業に支障が生ずる。

 状況を把握した。本来の編成には「シンバル」は含まれていないのだが、クライバーのLDを参照すると、確かにシンバルが鳴っている。どうやら、大太鼓と重ねられているらしい。(大太鼓が奏される個所の全てで、シンバルが鳴っているというわけではないが。)慣習的な編成増強、という奴だろう。実際、シンバルが鳴っていないと、少し寂しい。良く見ると、パーカッションのパート譜に(シンバルパートが)手書きで書き込まれていたりする..ということで、編成の件を確定させて、会議室に書き込む。

 さて問題は、肝心要の歌手陣の頭数が、全然揃っていないことである。このままでは、予定している曲の1/3くらいしか成立しない..

 ..とはいえ実は、たいして心配してはいない。3年前も似たような状況だったが、最終的には必要な員数は、全て揃ったのである。どうも歌い手というのは..自分からは積極的に立候補しないタイプが、多いらしいのだ。こちらからガンガン勧誘しないと、首を縦に振らない..そこで、歌手の陣容を整えるために、夏オフに参加予定の歌い手たちに、「火の玉メール」を飛ばしまくる..

 ..ちなみにFCLAでは、この類の勧誘メールを「火の玉メール」と呼ぶ習慣がある。別に、「勧誘 → 赤紙 → 一億火の玉」、などという、不穏当な連想ではあるまい。単に、その枠(企画)をなんとしてでも成立させようとする、主催者の熱意を表現しているのだろう。(だから、その熱意の無い(“義務的”な)メールは、たとえ同種のものであろうとも、「火の玉メール」とは呼ばれない。)

*目次へ戻る *先週へ *次週へ


*解説


MASK 倉田わたるのミクロコスモスへの扉
Last Updated: Jul 26 2002 
Copyright (C) 2002 倉田わたる Mail [KurataWataru@gmail.com] Home [http://www.kurata-wataru.com/]