*2002年07月08日:夏オフ選曲週間:月
*2002年07月09日:夏オフ選曲週間:火
*2002年07月10日:台風きたる
*2002年07月11日:夏オフ選曲週間:木
*2002年07月12日:夏オフ曲目発表
*2002年07月13日:「こうもり」再起動
*2002年07月14日:夏オフホテル確保
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*2002年07月08日:夏オフ選曲週間:月


 さて、今週は、夏オフ選曲担当者としての業務強化週間である。

 早い話が、夏オフ参加者たちから推薦された曲のうち、どれを演奏するかを選択・決定する仕事なのであるが、これが実に奥が深い。

 何よりも大切なことは、当日までに譜面(パート譜)を調達できる曲を選ぶことである。だから、とある曲を選ぶに際しても、その譜面(違法コピーなどではない、ちゃんとした譜面)を関係者の誰かが持っていないか、探すことになる。これが手間。

 やっかいなのは、「レンタル譜」というものの存在であって、つまり、売り切りではない、演奏する度に数万円(以上?)を支払って楽譜を借りなければならない曲が、特に近現代の曲には多数あるということ。今年の夏オフは、会場が比較的狭いこともあって、必然的に大勢は参加できず、従って会費も例年ほどには集まらず、要は緊縮財政下にあるのである。従って、レンタル譜“しかない”曲は、対象外とせざるを得ない。(とある曲に対して複数の出版社から楽譜が出版されていることは珍しくなく、それらに「売り譜」と「レンタル譜」が混在していることもしばしばあるのがまた、ややこしい。)

 考慮すべき問題は、これだけではない。その曲は演奏可能であるかどうか。まぁ、よほどの難曲でない限り、技術的な問題がクリティカルになることは少ないが、それも程度問題で、プロのオーケストラですら採り上げるのをためらうような曲を、アマチュアの臨時編成オケが初見一発でとおせるわけもない。また、単に難しすぎて苦しすぎて演っていて少しも楽しくない曲、というのも存在するであろう。これを採り上げる意味は無い。

 編成の問題もある。今年の夏オフは、どのパートに何人くらい集まりそうか(正確には、どのパートが「“特に”人手不足」になりそうか [;^J^])、配慮(予想)しなければならない。まぁ、(“偽楽器”と通称しているが、)オーボエが足りなければクラリネットで代奏する、なんてことも抵抗無く行うので、これも決定的にクリティカルではないのだが、やはり程度問題である。

 特に難しすぎるパートや、簡単すぎてつまらないパートが発生しないよう、出来るだけ公平に負荷と果実を分け合えるよう、考慮する必要もある。また、ロマン派の曲ばかり、あるいは古典派の曲ばかり、などと偏向すると、やはり、つまらなく思う人も出てこよう。それなりに満遍なく、しかし無個性にはならないようなプログラム・ビルディング..

 ..以上全ての条件をクリアするような理想的な選曲が出来るわけは、もちろん、無い。当たり前である [;^J^]。理想は理想として適当に意識しつつ、作業を進める。本日からは、譜面を持っていそうな(あるいは、譜面にアクセス出来そうな)何人かのFCLA関係者に、「この曲ありますか」メールを発送し始める。

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*2002年07月09日:夏オフ選曲週間:火


 角川書店から出ている雑誌、「怪」の13号が、どの書店でも見当たらない。6/29が発売予定日なのに..そこで、三方原の明屋(はるや)書店で確認してもらったところ、まだ、12号までしか出ていないとのこと..来たきた..[;^J^]..遅れ始めた..[;^J^]..ダッチロールだな。

 ..と考える理由は明快。この雑誌は、11号から判型を変えたからである。一般に、雑誌というのは、判型をいじり始めたら要注意なのである。

 夏オフの選曲の続き。ちゃんと時間内に収まるのかどうか確認するために、(仮)時間割を作成する。「こうもり」枠の歌手募集もしなければならないのだが、後回しだ。気になるが仕方がない。

 台風が接近している..[;^J^]..明日は、街中(有楽街の銀座ライオン)で同期会なのだが..

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*2002年07月10日:台風きたる


 日中は、まだ平穏。しかし今夜19時以降に、東海・関東地方を台風が直撃するとの予報。総務からは、残業禁止・強制退去命令が出た。[;^J^]

 何人かと相談した上で、同期会は中止に決定。銀座ライオンにキャンセル電話。キャンセル料はいらないとのことで、感謝感激。そうでなくとも今夜は客が少ないであろう上に、10数名規模のパーティをキャンセルしたのだから、その食材は廃棄せざるを得まいに..後日、改めて同期会の日程を練り直すが、恩返しのためにも会場はここに決定である。

 ..結局、台風は浜松を直撃しはしなかった。夕方、一時的に風雨は強まったが、19時以降はほとんど降り止み、23時頃には完全に晴れた。街中でも、看板やゴミなどが倒壊・散乱するなどの、歩行者・自動車にとっての危険な事態は発生していなかった。つまり、同期会を中止する必要は無かったように思えるが..これは結果論に過ぎない。直前に中止と決定した判断は、正しかったと思う。

 ..ところで、なぜ、街中の細かい事情まで知っているのかって? もちろん、夕方の大雨の中を、街中までバスで呑みに出ていたからである [;^J^]。(笑えよ [;^.^]。私は、嵐が大好きなんだよ。[;^.^])

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*2002年07月11日:夏オフ選曲週間:木


 夏オフの選曲案、大体固まってきた。それぞれの曲の調達可能性も、大体見通しが立ってきた。当初の予定通り、明日には曲目発表が出来そうだ。

 この作業のために大量のメールを飛ばしまくっているのだが、意外に便利なのが、ニフティサーブのメールシステムである。私は、ニフティサーブに特化したブラウザ(NIFTERM など)を使っていないので、実はニフティのメールを書くのは、やや手間なのだが、このシステムにはひとつの大きなメリットがある。相手がいつ受信したか(またはまだ受信していないか)、判るのである。

 つまり、ある人から返信が帰ってこない場合、「読んだ上で怠慢こいて(あるいは忙しくて)返信しないのか、あるいはそもそも読んでもいないのか」、が判るのである。この両者の差は大きい。

 そして、そもそもメールを読みもしない相手に対しては、もちろん、「さっさと読め!」というメールを..じゃなくって [;^J^]、この人は、メールを読むことに勤勉でないか、このアカウントを普段は使っていないのか、あるいは、現在多忙でメールを読む暇も無いのであろう、と、推測できるから、別途対処できるのである。(電話などの別経路で連絡するか、または、今回はその人を“見捨てて”連絡を取るのを諦める。)

 角川書店の編集部に電話して確認した。「怪」の13号の発売予定は、8月初め頃だってさ。1ヶ月強の遅れ..来たきた来たきた..[;^J^]..さぁ、あと何号“もつ”か。[;^.^]

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*2002年07月12日:夏オフ曲目発表


 昨日自宅に届いていた、Nさんからの手塚治虫関連資料を、浜松西郵便局で受け取る。チェックはもちろん、後日回し。

 ようやく、選曲、ひとまず終了。ニフのFCLA(正確にはFCLAP)の夏オフ会議室にアップする。ひと仕事終わったが..ひと仕事しか終わっていない [;^J^]。これらの曲の調達可能性は確認済みだが、調達はこれからなのである。本当に調達できるか否かは、これから判るのである。具体的には、パート譜の欠落だ。3年前に「こうもり 第2幕」を主催したとき、序曲のパート譜がボロボロに欠落しており、その対策に追われたことがある。今回も、そういうことが無いとは限らない。

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*2002年07月13日:「こうもり」再起動


 夏オフ関連爆忙状態依然続行中。パート譜調達の分担を決めて、合計4名の方にメールで依頼。(ひとりあたり高々5曲程度になるよう平準化をはかるのも、大切なことなのである。早い話が、パート譜というのは、非常に(物理的に)“重い”のだ。)

 ようやく、「こうもり枠」(「こうもり 第2幕」抜粋)にとりかかる。歌手募集開始の告知を会議室にアップ。

 ..1週間遅すぎた感がある..が、仕方がない。こうなることは、先週月曜日(すなわち、約2週間前)に、夏オフ全体の選曲担当を引き受けた時点で、覚悟していた。どう頑張っても、7/12以前に(譜面調達の可能性を押さえた上で)選曲を終えて曲目発表をすることは出来なかったし、この間、曲目のバランス取りや、調達手配で頭が一杯だったのである。(一日の大部分の時間は、別途仕事をしていることに注意せよ [;^J^]。)

 無論、隙を見て(例えば1週間前に)「こうもり枠」の歌手募集を始めることは、可能ではあった。しかし私は、それをしたくは無かった。筋が通らないと思うからだ。「選曲」は、夏オフ全体が成功するか否かの根幹に関わる、いわば「公事」である。それに対して「こうもり枠」は、私が主催しているのであるから、これのための歌手募集は「私事」に近い。私事を公事に優先させるわけにはいかないのだ。(..つまらん美学と、嗤うがいいさ。)

 ..別件だが、とにかく先週初頭から(すなわち今月初頭から)夏オフで頭が一杯で、読書(というか積読消化処理というか)に急制動がかかってしまっていた。これもまた、予定(覚悟)どおりではあるのだが..

 随分以前から読みさしだった、「シュルレアリスムと絵画」(Andre Breton、1965、瀧口修造、巖谷國士監修、人文書院)を、ようやく読み終えた。1928年に発表された有名な「シュルレアリスムと絵画」は、遙かな昔(高校生の頃? 記録が無いので不明)に目を通していたのだが、のちに大量のエッセイや論文(及び図版)が増補追加された1965年版を読み通すのは、今回が初めてであった。

 やはり、“力”のある書物である。同じ著者の「魔術的芸術」(河出書房新社)と合わせ読むべき。ただし、“力”がある書物だけに、「ブルトン史観」に染まらぬよう、ご用心。(特に、「魔術的芸術」。)

 並行して読みさしだった、「楠田匡介名作選」(日下三蔵編、河出文庫、本格ミステリコレクション)も、本日、読み終えた。脱獄物の集成であり、傑作・力作揃いである。特選が、「法に勝つ者」。佳作が、「破獄教科書」「沼の中の家」「脱獄を了えて」「愛と憎しみと」「溶岩」「ある脱獄」「不良少女」。他、「上げ潮」「獄衣の抹殺者」「朱色」「不良娘たち」「完全脱獄」など。

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*2002年07月14日:夏オフホテル確保


 夏オフに持参(正確には、あらかじめ(会場に車で乗り付ける)関係者宅に郵送)する譜面の、バックアップコピーを取る。滅多に事故は起こらないとはいえ、それでも、ドタバタした現場では、譜面が紛失する可能性がゼロではない。万が一のためにバックアップを取っておくのは、大切なことなのである。(半日かかった。[;^J^])

 先週お伝えした、とある「あぶく銭」(某パーティの抽選で当たった旅行券10万円分)のうち、手元に残した5万円分から3万円分を抜き出し、近畿日本ツーリストのカウンターへ。8/3、8/4の新宿のホテル、及び前後の新幹線自由席。つまり、夏オフ往復の宿と足である。悪銭は夏オフで浄化する。

 今年の選曲は、私とYさんで行ったのだが、この両名は、いわゆるプレイヤー(現役の(アマチュア)演奏者)ではない、リスナーである。つまり、耳には優しいが実は演奏はとても難しい、という曲を、識別出来ないのである。恐らくこの事情を危惧して、夏オフでは伝統的にプレイヤーが選曲を担当してきたのであるが、今年は私らリスナーが選ばれた..ということは、そういう曲も「あり」なんだろう、と、私は明るく [^.^] 判断したわけなのであった。案の定、難曲揃いであるとの評判が早くも高く、私は(さまざまな意味で [;^J^])満足している。

 ちなみに、われわれが選んだのは下記の曲である。(実際には、事情により、多少の入れ替えが発生するかも知れないが。)


* 稲妻と雷鳴ヨハン・シュトラウスII世
* 魔法使いの弟子デュカス
* 交響曲第5番ベートーヴェン
* 交響曲第5番チャイコフスキー
* 交響詩「フィンランディア」シベリウス
* 交響曲第8番ドヴォルジャーク
* 交響曲第9番 第4楽章ベートーヴェン
* 序曲「真夏の夜の夢」メンデルスゾーンまたは、死の舞踏サン・サーンス
* 交響管弦楽のための音楽芥川也寸志
* 交響曲第40番モーツァルト
* ペール・ギュント 第1組曲・第2組曲グリーグ

 これらに、選曲担当者管轄外の「企画枠」(その企画に立候補した人が、譜面の調達など一切を取り仕切る)として、以下が加わる。

* ドイツ・レクイエムブラームス
* ヴァイオリン協奏曲 第3楽章メンデルスゾーン(協奏曲枠)
* 交響曲第7番 第2楽章ベートーヴェン(初心者枠)
* (宮崎アニメから2曲)(初心者枠)
* 「こうもり 第2幕」抜粋ヨハン・シュトラウスII世
* テ・デウムブルックナー

 さらにこれらに、恒例の下記の2曲が加わる。

* ボレロラヴェル
* 威風堂々 第1番エルガー

 (..これらを、2日間で演るのだ。濃いオフでしょ。)特に、“(リスナーにとっては)意外”な難曲として(プレイヤーから)悲鳴が上がったのが、「序曲「真夏の夜の夢」」と「魔法使いの弟子」である。聴いてる分には、耳に優しい名曲なんだけどねー。[^.^]

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*解説


MASK 倉田わたるのミクロコスモスへの扉
Last Updated: Jul 17 2002 
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