*2001年08月27日:SirCam/ロボフェスタ神奈川2001
*2001年08月28日:「コミック伝説マガジン 第2号」
*2001年08月29日:H2A!
*2001年08月30日:サイズの問題
*2001年08月31日:ブラック・ジャックの、全集未収録エピソードをめぐって
*2001年09月01日:ビル火災/1年振りのカラオケ
*2001年09月02日:「なつのロケット」!
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*2001年08月27日:SirCam/ロボフェスタ神奈川2001


 中野書店から目録が届く。先着順である。終業後に電話で2冊確保。いずれも手塚治虫初出誌関連。

 あぁあぁ、もう、毎日毎日(Hybris に加えて)SirCam が来るようになってしまったなぁ。うざったいなぁ。他人のプライベートなファイルを添付して送ってきてくれるのは嬉しいんだけど(こらこら [;^J^])、ファイルサイズが大きくて、受信するのに時間がかかるのがうざったい。もちろん、添付ファイルを直接読もうとするトウシロウは、あっさり感染して二次災害の原因となるところを、私くらいになると、安全に(感染せずに)読む方法を知っているので問題ないのだが、多少とも手間なので、それもまた、うざったいのである..(← 読んでません [;^J^]。今のところは [;^.^]。しかし、恐らく感染したことに気づきもせずに、SirCam をいつまでも撒き散らしているようだと、制裁措置として、しまいにゃ読むぞ!)

 「ロボフェスタ神奈川2001」、開幕。

 ちっくしょう、楽しそうだなぁ、面白そうだなぁ、僕も行きたいなぁ..[/_;] 実物とは臨場感が比較にならないとはいえ、上記記事の写真で渇を癒すしかないか..全く、時期が悪すぎるよ..近年にない多忙(というかパニック)状態なのだ。(SF大会すら、諦めざるを得なかったんだし..)

 上記記事中、特に感銘を受けたのは、「ロボット鑑定士」の真剣な眼差しである。日本を再生させるのは、われわれの世代の責務であるが、再生した日本をして(ロボット産業を中軸として)世界を支配世界に君臨させるのは、彼女らの世代の仕事なのである。

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*2001年08月28日:「コミック伝説マガジン 第2号」


 「コミック伝説マガジン 第2号」の発売日。現在のコミックシーンのメインストリームである「過去の遺産を骨までしゃぶるモード」のど真ん中を行く雑誌であるが、いくつか気になる作品はあるので、購入した。(← 先週の日記からの切り貼り [;^J^]。)

 創刊号を購入した日の日記 で、二点、苦言を呈しておいたのだが..まず、「同人誌レベルの新作アトム」。案の定、読者の反応は賛否両論だったようで、(「賛」の方が「否」より多かったらしいことに驚いたが、)今後は掲載しないことに決定した由。御慶。

 もう一点。「黄金仮面」(池上遼一)の解説を書いた森遊机氏は、「神州纐纈城」(国枝史郎)を読んだことがないのか、という件についてだが..前号では「黄金仮面」全3話中、第2話だけが掲載されたのだが、今号では、第3話(完結編)が掲載された。その解説の中で、森遊机氏が、


 ところで、前号の解説で、「オリジナルでこれだけの猟奇ワールドを構築したのは立派」「池上氏は橘外男原作による海洋怪奇ファンタジー『ウニデス潮流のかなた』を同時期にコミック化しているし、その猟奇性はいにしえのカルト小説家・橘の影響があるのでは」と書いたところ、お二人の親切な読者から「橘外男というより、大正時代に書かれた国枝史郎の『神州纐纈城』の影響では……?」とご指摘を受けた。

 ..その「お二人の親切な読者」のうちのひとりは私だが [;^J^]、もうひとりは誰だろう? [;^.^]

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*2001年08月29日:H2A!


 H2A、打ち上げ成功! 御慶! いや全く、御慶! これからが大変だと思うが、是非とも頑張って欲しい。

 金融業界とコンピューター業界が典型的なのだが、現在の日本でドツボにはまっている業界というのは、概して、「一度は(特に米国を押さえて)世界のトップに立った(、と、錯覚した)」業界である。それが慢心を生んだわけだ。(これ以上、私ごときが駄弁を連ねるまでもあるまい。)

 それに比べて、宇宙産業業界は、ただの一度も世界のトップに立ったことが無い。実に健全な「追いつけ、追い越せ!」のフェーズに、今もある。そこに私は、期待しているのである。

 その意味では、「(世界に冠たる)ロボット業界」こそ、要注意であろう。凄いロボットが、世界各国から、続々と登場する(している)筈である。アトムの戦いを忘れるな!

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*2001年08月30日:サイズの問題


 私が毎日(一日も欠かさず)数時間(時には10時間以上)触っているのは、小型ミニノートのリブ100である。自宅には、これとは別に、自作のデスクトップ機があり、これはフルサイズのキーボード。会社で常用しているPCとMacも、フルサイズのキーボード。

 私は、リブ100の「華奢で小さい」キーボードとフルサイズのキーボードを、なんの違和感も問題もなく、並行して使うことが出来るのだが..困るのは、たまに業務で「A4サイズのノートPC」を使わざるを得ない時である。

 おっそろしく、使いにくいのである。

 画面サイズは、リブ100の800*480とは比較すべくも無いほど広大で、処理速度も5倍近く速い..にも関わらず、茫然とするほど使いにくいのは..その、キーボードのバランスの悪さ故である。

 キーのピッチは、デスクトップ機に近い。しかし、そのストロークは、限りなく「ゼロ」に近い。(機種によっては、リブ100よりもストローク深度が浅いのではないかと思われるほどだ。)これが諸悪の根元なのである。

 私は、デスクトップ機のキーボードを、(指の間を広げて)ピアノを弾くが如くに“叩く”。指のバネと重力を利用して、心おきなく、指を踊らせる。対して、リブ100のキーボードは、秘やかに“撫でる”。リズミカルに、しかし決して“叩く”ことはなく、指先で“愛撫する”..(このパラグラフにエロティシズムを読みとるのは読者の自由であるし、それは、読者の品性に委ねられているのである。)

 A4ノートPCのキーボードは、このいずれの接し方にも、応えてくれない。サイズ相応に、デスクトップ機の如くピアノの如く豪快に叩こうとすると、あまりに浅いストロークに、欲求不満になってしまうし、ヘタすると壊しかねない。逆に、ストローク相応に、リブ100の如く愛撫しようとすると、あまりのピッチの広さに、索漠たる不毛感に苛まれてしまう..(このパラグラフにエロティシズムを読みとるのは読者の自由であるし、それは、読者の品性に委ねられているのである。)

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*2001年08月31日:ブラック・ジャックの、全集未収録エピソードをめぐって


 コミケからだいぶ日も経ったので、コミケで発売された「ショート・アラベスク VOL.3」(手塚治虫MLの同人誌)に寄稿した私の原稿を全文引用(流用)しても、そろそろ問題はあるまい..というわけで、以下、引用(流用)。



[ブラック・ジャックの、全集未収録エピソードをめぐって]


 私が、自分のウェブページで「“手塚治虫漫画全集”解説総目録」プロジェクトを始めたのは、1996年の春のこと。当初は、「全集未収録作品リスト」など作成するつもりはなく、全集第1巻(「ジャングル大帝 1」)から、順に(地道に)解説を書き始めていた。しかしほどなく、「“手塚治虫漫画全集”の解説総目録なのだから、全集に収録されている範囲で構わないのだ」と思いつつも、「ブラック・ジャック」の「全集未収録」エピソードが、あまりにも多いのが気になり始めたのである。「“手塚治虫漫画全集”解説総目録」と銘打たれている以上、(「手塚治虫漫画全集」の収録範囲が、手塚治虫の「全作品」にはほど遠い物である、という現実とは関わりなく)「全作品」のデータがそこにある、と、期待されても仕方がないのではないか?..と。

 そこでまず、「少年チャンピオンコミックス」に収録されている「全集未収録エピソード」の解説を書き、次に、坂本智彦氏による「ブラック・ジャック エピソードリスト」を片手に単行本未収録エピソードを探し出して、それらの解説を書いた。

 そう、全ては「ブラック・ジャック」から始まったのだ。私の、今では膨大な量になる「手塚治虫 初出誌調査ノート」の第1ページは、「ブラック・ジャック 単行本未収録作品」である。

 “単行本未収録エピソードを読む”という作業自体は、実に簡単であった。前記の坂本氏のリストがあったので、それらが少年チャンピオンの何年何月何日号に収録されているかは判っていた。あとは、「現代マンガ図書館」で読むだけだったのである。

 無論、私はそれまでに、ブラック・ジャックの単行本を全て読んではいたのだが、少年チャンピオンにおける連載は、基本的には追っていなかった。だから、ここで読んだ「単行本未収録エピソード」は、(一部、僅かに記憶しているものもあったが、)全て目新しいものであった。

 中でも印象的だったエピソードは、まず、「指」。これは、リライト版である「刻印」よりも、遙かにいいと思う。「指」におけるロックは、旧友であるブラック・ジャックをも利用した挙げ句に殺そうとする、容赦ない悪党であるのに対して、「刻印」においては、友情を裏切らない。この生温さが、気に入らない。[;^J^] そしてなんといっても、「快楽の座」。これは実に恐ろしい物語である。

 現在、ネットオークションでは、「指」や「快楽の座」の初出誌が、数万円で落札されていると聞く。この状況を“異常”と呼ぶのは簡単だが..地元の図書館や古書店で、どうしても見つけられない場合..これらのエピソードをなんとしても読みたい!、と、思い詰めた人が、数万円を投入するのは、理解できなくはない。(だって、他に読む手段が無いのだから..)気になるのは、私のウェブページで、これらを「傑作!」と称揚していることであって..まさか、結果として、相場を煽っているのではなかろうか..考え過ぎか。自意識過剰か。それならいいのだが..

 それにしても、数年前にはネットのあちこちで、「ブラック・ジャックの単行本未収録エピソード」に関する質問が、繰り返されていた。いやもう誇張でもなんでもなく、毎週毎週どこかで誰かが、「ブラック・ジャックには、単行本に収録されていないエピソードがあるんですか?」、と、質問していたのである。ニュースグループ(fj.rec.comics)や、ニフティの会議室や、さまざまなメーリングリストや、ウェブの掲示板で。

 毎回毎回、同じ回答をしている暇は無い。そこで、fjでは広く知られていたもののネットサーフィン界(2秒前に思いついた語彙)では知られていなかった、「坂本智彦氏による『ブラック・ジャック エピソードリスト』」を、氏の許可を得て、私のウェブページに掲載した。

 気のせいでなければ、それ以降、この種の質問は激減したように思う。また、仮に同じ質問が発せられても、上記のページのURLを案内するだけでOK。

 実のところ、「単行本未収録エピソード」が話題になるべきは、「ブラック・ジャック」だけではない。後期の作品に限っても、「三つ目がとおる」や「ミッドナイト」には、かなりの量の単行本未収録エピソードがあり、特に後者には、「ブラック・ジャック」のそれにも劣らぬ傑作が多い。にも関わらず、これらがネットで話題にされることは、皆無では無いにしても(過去5〜6年に、それぞれ、1〜2回は、話題になったような記憶がある)、その頻度は、「ブラック・ジャック」のそれとは、全く比較にならない。

 何をもって手塚治虫の最高傑作とするか。これは実に楽しく、かつ、決定的な回答がでない設問であるが..作品の質の高さ・一般への認知度・ミーハー的なキャラクター人気、などなど、あらゆる面でのバランスの良さを考えると、やはり、「ブラック・ジャック」が最右翼ではあるまいか。個々の要素別では、「メトロポリス」、「ジャングル大帝」、「鉄腕アトム」、「0マン」、「火の鳥」、「ブッダ」、等などの方が上回っている面も多々あるのだが..全体のバランスを勘案すると、「ブラック・ジャック」が最高なのである。

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*2001年09月01日:ビル火災/1年振りのカラオケ


 歌舞伎町で、ビル火災。44人死亡。非常に狭いビルの2フロアだけで、44人である。死体密度を、想像したくない..レスキュー隊員もショックを受けたようだが、無理もない..

 私もそうだが、言葉を失った人が多いのではないか。ああいう構造の(窓がない、出入り口が(階段が使える状況では無いので)事実上エレベータだけの)ビルを、しばしば利用する人は、少なくない筈である。エレベータホールで火災が発生すれば、同じことが起こる..

 天狗などで飲んだあと、久々に「赤ちゃん」へ。大体いつ来ても、R社社員をはじめとして、知りあいが色々来ている。ビールを1本飲んだくらいの頃合いで、K君、Kさんらとカラオケへ。(確か、1年振りくらいの筈である。)店の名前は忘れたが、「赤ちゃん」からは徒歩でも5分少々、車ならあっという間の距離に連れ込みホテル街があり、その真ん中(というか最奥)に、カラオケボックスがあるのであった。そもそも何故、こんな場所に連れ込みホテル街があるのかが、謎なのであるが..(「インター出口」でも「主要幹線沿い」でも無い、そこにホテル街があると知っている人でないと、アプローチ出来ない場所なのである。)

 備忘:

 DAMでは、「エイトマン」の映像も「鉄腕アトム」の映像も、気の抜けるような動物園の日常風景。これは1年前と同じ。つまり、ランダムに選ばれていた映像なのでは無く、これに決め打ちされていたのであった。DAMの担当者の正気を疑うが、いずれにせよ、今後、DAMでアニメを選ぶ理由は無い。(「アニメタル」の映像は、(無意味ではあるにせよ)そこそこ抽象的で、歌を妨害するほどでは無かったのだが..)

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*2001年09月02日:「なつのロケット」!


 全日休養(たれぱんだ状態)。(数日前までの多忙(パニック)状態が、この週末に、突如、消滅したのであった。)軽微な宿酔いをジャックダニエルのジンジャーエール割りや白ワインで癒しつつ、SFマガジンやSF宝石のバックナンバーを、ちろちろと読み返す。極楽である。

 その「SFマガジン」で(何月号だか忘れたが)紹介されていた、「なつのロケット」(あさりよしとお、白泉社、ジェッツ・コミックス)を、一読..


 絶品である! 必読!


 一言で要約すれば、小学生たちが、夏休みにロケットを作り、それを打ち上げる物語なのだが..だから、本当を言えば、私は、ほんの僅かに時期を外して読んだわけであるが..別に今からでも遅くは無い。冬に読んだら価値が落ちる作品、などとということは、全く無い。少年漫画の王道を行く傑作。メジャーな作品だとは思えないが、ひとりでも多くの日本の子ども(と大人)に、読んで欲しい..

 (「今 真上……」、という、最終頁!)

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*解説


MASK 倉田わたるのミクロコスモスへの扉
Last Updated: Sep 5 2001 
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