*1999年10月18日:プロの道具
*1999年10月19日:辻褄を合わせようとするな
*1999年10月20日:すわ、故障!?
*1999年10月21日:Lの想い出
*1999年10月22日:歯医者にて
*1999年10月23日:相談の仕方について
*1999年10月24日:ウェブ修正、ひとまず完
*目次へ戻る *先週へ *次週へ


*1999年10月18日:プロの道具


 別にMacに恨みは無いが、今までも使ってこなかったし、(仕事では、やむを得ず触ることもあるが、)今後とも使うつもりは、全く無い。

 コマンドラインが無いからである。

 別にWindowsはひとつも好きではないが、コマンドライン(DOS窓)があるから使い続けてきたし、これが廃止される日までは、使い続ける。もしも廃止されたら..UNIXに帰るまでのことだ。(※1)

 コマンドラインが無いMacが、全く使い物にならない、とまでは、私も言わない。現に、会社で使うこともある。しかし、それは結局(当たり前だが)コマンドライン無しでも出来る程度の仕事でしかない。(※2)

 先週、「手塚&吾妻用スクリプトについて」で紹介したような処理は、GUIでは不可能なのである。会社でも、ちょっと手の込んだ処理をしようと思ったら、結局、MacでもWinでもなく、UNIXを使うことになる。

 しかし、世の中には妙なものもあるものだ。Win用(Mac用)の「awk」である。Winを(やむを得ず)使い始めた当初、これに飛びついたのだが、なんと..起動すると、入力用の窓が開く。そこに入力ファイル名を入れると、出力結果の窓が開く..もちろん、パイプラインはおろか、バッチ処理も出来ない..(awkのデモ版の玩具だと思えば、さほど腹も立たないが。)

 前記の「手塚&吾妻用スクリプト」では、awk(&sed)スクリプトがawk(&sed)スクリプトを生成し、それが実行され、その結果がさらにスクリプトに組み立てられ..という処理が続くのだ。数十、数百のファイルについて。

 道具というのは、こういうものだ。プロの仕事に使える道具というのは。

※1コマンドライン的には、UNIXとWindowsでは、比較にならないほどUNIXの方が優れているのだが、その他の条件を総合的に勘案すると、そこそこのコマンドライン(但し、Vzが常駐していること)と豊富なアプリのあるWindowsを選ぶことになる。もっとも、今でも、HDを12G程度に増強して、リブ100の中にWin95とFreeBSD(またはLinux)を同居させよう、という野望を、捨ててはいない。
※2GUIで無ければ出来ない(または、極めて能率が落ちる)仕事があることは、私も認める。

*目次へ戻る


*1999年10月19日:辻褄を合わせようとするな


 「メイキング・オブ・ブレードランナー」(Paul M.Sammon、品川四郎訳、ソニー・マガジンズ)を読んだのは1年以上前であり、内容の細部は、もはやあまり憶えていないのだが..とある言葉だけは、記憶に残っている。


「私が『どうやって辻褄を合わせるんだ?』と言うと、マリガンは『合わせるな。いじると際限なく面倒なことになる』そう言っただけだった」(188頁)

 これは、私の箴言「迷った時には単純側に倒せ」と、(一見、逆の主張のように見えるが、実は)本質的に同じことを言っていると思う。

 既に事態はややこしくなっている。素材もストーリーも、入り組むだけ入り組んでしまっているのだ。それらの「辻褄」を合わせるためには、さらに不自然で複雑なトリック(実はAとBは同一人物だったとか、生き別れの兄弟だったとか)を導入することになり、それは、次なる「辻褄の合わないこと」を(拡大)再生産する。そして、「際限なく面倒なことになる」。

 「既に事態はややこしくなっている」という前提条件に遡って、この前提条件を覆す(ややこしい素材を、片っ端から切り落として単純化する)、というのは、正しい知恵である。(上記の例で言えば、辻褄を合わせなければならない2人の登場人物AとBを、最初から消去してしまう。)しかししばしば(例えば政治的な理由により)互いに矛盾する「登場人物」や「状況」や「シーン」を、前提条件としなければならないことが、珍しくないのだ。

 抵抗しない。矛盾しあうものは、矛盾したまま、放置する。多少の矛盾は、観客(ユーザー)が解決してくれる..この知恵が、製品仕様をまとめる時にも使えるかどうかは、それは、「業務上知り得た秘密」であろうから、ここには書けない [;^.^]。

 T八で、Y君、T君と飲む。というか、オタク話に耽る。メインテーマは手塚治虫のはずだったが、どのあたりまで話が広がったのかは、良く憶えていない。結局、閉店まで粘った。

*目次へ戻る


*1999年10月20日:すわ、故障!?


 朝、始業前に、自部署の(私が管理している)基幹UNIXマシンが、突然停止した。同じブレーカーから電源を取っているハードディスク等には、別状無し。CPUだけが落ちた。とすると、マシン内部の電源回路の故障か?

 電源を入れ直す..起動中に、再度停止。非常事態である。メーカーにエマージェンシーコールを入れるにしても、もっと情報が欲しい。そこで思い切って、もう一度電源を入れ直す。今度は無事に起動できた。大急ぎでログファイル群をチェックして、プリントアウトするが、そうこうしているうちに、また落ちた..WALL メッセージを吐いて..

 「直ちに停止します」と WALL できるということは、つまりハードの故障では無い。ソフト的に自分で停止しているのだ。仮にハードの故障だとしても、それをソフトが検出出来ている。実際、度重なる「停止」から再起動する際にも、fsck で引っかからない。ファイルシステムに損傷が無い。つまり、正しい手順でシャットダウン出来ている。

 ログファイルのプリントアウトをチェックしたら、「THERMAL WARNING DETECTED!!!」とある。熱すぎてかなわんわ、と言って、寝てしまっているのである。

 そんなわけが無い。今日は普段よりも涼しいくらいだ。大体、過去何年間も同じ環境で使ってきて、こんなことを言われたのは、今日が初めてである。筐体を触ってみても、熱くなっている様子は、全く無い。やはり、内蔵温度計が故障したのだ。本当は熱くないのに「過熱している」と思いこんでいるのだ。

 故障と決まった。サービスコール。案の定、「ログファイルをメールで送って下さい」、と来やがった。いま、落ちてるっつーに [;^.^]。FAXする。

 ここまでのところ、どうやら、10分間くらいは(落ちずに)もつようである。(1回、起動中に落ちたことを除けば。)長時間かかる作業は出来ないし、ファイルの編集も危険だが、綺麗にシャットダウンしてくれるし、メールのチェックくらいは出来るだろう、と、起動し直すが..ふと、20頁ほどのマニュアルのコピーに気が付いた。ぴったりと、このマシンに貼り付いている..引き離してみたら..吸い付く..[;^J^]

 そこは、吸風口であった [;_ _]

 慌てて、再度サービスコール。状況を説明して、しばし様子を見る旨、連絡する。(既に(念のための)メインボードが、名古屋のサービスステーションから浜松に向かっている最中であった [;_ _]。鋭いフットワークに感謝する [;_ _]。)もちろん、終日、これ以上なんの問題も起こらなかった。

 いやぁ、冷却ファンって、本当に効いているんだねぇ。筐体を触っても判らなかったが、チップは本当に過熱していたということか。勉強になった。(ちなみに、昨夜、このマニュアルのコピーを、何も考えずにマシンの脇に立てかけたのは、この私であった [;^.^]。)

*目次へ戻る


*1999年10月21日:Lの想い出


 私が、Lという店をしばしば訪れていたのは、10年近く昔になる。若気の至りという奴だ。「通っていた」とは、とても言えない。ひどく金のかかる店だからだ。それもあって、(多分、1〜2年もたたずに)その店には顔を出さなくなった。

 それから数年後。恐らく今から5年位前に、久しぶりに、その店に行ってみた時のこと。

 ..目を疑った。

 ..そこは、ほとんど廃墟であった。

 10年近く前、まだ好景気だった時代には、その店には、本当に可愛い女性が大勢いた。しかし5年前には、そもそも女性の数が(そして客の数も)激減しており..そして私は..世の中には「妖婆」という存在が、本当に実在することを、このとき初めて知ったのだった。ああ恐かった。[;^.^]

 その夜以来、私はLに足を踏み入れてはいない。

 しかし..この「廃墟化」を、不景気とリンクしてはならない。経営能力の問題だ。一般に、風俗は不況に強い。栄えに栄えている店(業種)も、存在しているのである。(何故知っている。[;^J^])

*目次へ戻る


*1999年10月22日:歯医者にて


 ほぼ2年ぶりに、T歯科へ。歯のトラブルではなく、歯茎のトラブルである。基本的には前回と同じ症状だし、あまり詳しく書くようなことでもないので、診断・治療の内容は省略する。

 この2年の間に、いくらかハイテク化が進んでいる。顎の動きを測定するPCとか。(何故か、医療機関のPCには、富士通製が多いような気がする。)

 で、診察結果を説明されているときに。

「次第に、歯の先端もすり減ってくるわけですから..年齢は、おいくつでしたっけ?」

「41です」

「(聞き間違えて)21ですか..」

*目次へ戻る


*1999年10月23日:相談の仕方について


 色々と、相談をされる立場である。多くの場合、問題は無いのだが、たまに、非常にイライラさせられることがある。

 ここでは、本来私がやるべき仕事が(順調に)行われていないことを指摘しに来たのは、「相談」とは呼ばないことにする。(例えば、(私は部署内のネットワーク管理者なのだが、)「プリンタに出力出来ないんですけど..」、など。)それは私の職務怠慢 [;^J^] の指摘である。

 また、単なる「質問」も、今回の話題の範疇外である。

 ここでは「相談」とは、「自分自身の仕事の進め方」についての相談を指すことにする。

 相談しに来るのは、一向に構わないのだが、自分なりの結論や方針を持たずに、ただ単に、「困っているんですけど..」、というだけ。一体私に、どうしろというの? どういうアクションを、私に期待しているの?

 大体、その問題について、誰よりも長時間、悩み、考え抜いてきたのは、相談しに来た当人であるはずである。何の予備知識も無い私に、いきなり問題を丸投げされても、本来、彼よりもましな(少なくとも、穴の無い)考えが出る訳がない。それでも、「自分の考えよりはマシな助言が期待できるだろう」、と、期待しているのだとすれば、それは取りも直さず、「“いくらか経験豊富かも知れないが、しかしほとんど全く予備知識を持たない人が、短時間考えて出した結論”にすら、及ばない考え」しか、彼が持ちあわせていない証拠である。つまり、自分ではほとんど悩まず考えずに、私に振ってきているのだ。だから、怒るのである。

 結論は、自分で出すものだ。誰よりも長時間、悩み、考え抜いてきたのであれば、当然、その資格(と責任)がある。彼が自力で辿り着いた結論が、一番正しい。ただ、その最後の決め手になるヒント、あるいは踏ん切りが欲しい..経験豊富な年長者に「相談」するのは、まさにそういう時であるべきだ。私はもちろん、そういう相談には、いつでも乗る。

*目次へ戻る


*1999年10月24日:ウェブ修正、ひとまず完


 先日来、取り組んできた、私のウェブページの文法の修正。とうとうやけを起こして本気を出して、全ページ(自動生成されたファイルを別にしても、全734ファイル)の「jweblint/sgmls gateway」チェックを敢行した。いやはや全く、手間だった。バッチ処理が出来ないからだ。

 とにかく、これによって、以下の2カテゴリを除き、私のウェブページはエラーフリーになった。(今後の更新やファイルの追加時の不注意で、増えていく可能性はあるが。)

 まず、「廃墟通信」の各ファイルの冒頭の「週間目次」。ここは <PRE></PRE> の中なのに、<IMG SRC=...> がある。(従って、「“手塚治虫漫画全集”解説総目録」の中の「制作日記」にも、(「廃墟通信」からの抜粋であるから)同じエラーが残っている。)

 もうひとつ。各所に <NOBR></NOBR> や <WBR> がある。これらは「拡張タグ」であり、全てのブラウザで対応していることは、期待できない。

 上記2点は、確信犯で残している「エラー」なのである。

 前者は、「週間目次」内部で「折り返し」を発生させたくないからだ。(そのために、目次全体を <PRE></PRE> ではさんでいながら、しかも、各日付けごとに、IMG は付したかったので、このエラーが発生することになった。)「見てくれを気にするなど、邪道の極み!」その通り。しかし厳密に言えば、私が気にしているのは、「見てくれ」ではない。「使い勝手」である。「週間目次」(あるいは、その上位の「四半期目次」)には、「先週/翌週」(あるいは「先四半期/翌四半期」)へのボタンがある。この位置を、固定したいのである。これによって、ユーザーは、ポインティングデバイスを動かすことなく、単にボタンをクリックし続けるだけで、前後を(あるいは数年間にわたって端から端まで)容易にサーベイ出来る。そのためには、「目次」の「行数」を固定しなくてはならない。折り返されては困るのだ。(ボタンを最上行に置けば、目次の内部で折り返されてもボタンの位置は動かないことになるが、それは私のデザイン感覚が許さないのである。)

 次の、<NOBR></NOBR> タグと <WBR> タグについては、知らない人も多いのではあるまいか。<NOBR></NOBR> は、文字どおり、これに囲まれた区間では改行を許さないタグ。<WBR> は、「<NOBR></NOBR> の中で、改行を許す箇所を指示する」タグである。

 <NOBR></NOBR> の目的は明快であろう。すぐ上で私が述べたようなニーズもあるが、むしろ想定されているのは、例えば「コマンドラインから入力するコマンド行文字列の例」などである。これは、途中で改行されると、非常に困る。なぜなら、空白文字も意味を持っているからであって、これが(例えば空白文字の箇所で)改行されてしまうと、そこに空白文字があるのか無いのか、よく判らなくなってしまうのである。しかし私は、この目的ではほとんど使っていない。むしろ次に説明する <WBR> を有効にするために、<NOBR></NOBR> を使用している。

 <WBR> は、「そうは言っても、どうしても改行したければ、ここでしてもいいよ」というタグである。私はこれを、例えば「内宇宙への扉」の中の一部のページのタイトル行で、作者名と作品名の境目に入れている。「切るなら、作者名の途中や作品名の途中ではなく、ここで切ってね!」という指示だ。

 困ったことに、<NOBR></NOBR> と <WBR> は「拡張タグ」なので、エラー(ワーニング)になる。しかし、だからと言って、これを排除するのは、「単にエラーの数を減らすためだけの、修正のための修正」でしかない、と思う。HTML 4.0 の規格外であるのは事実だが、将来にわたって、規格外であり続けるのか..

 当面は、残しておく。

 PDドライブ修理上がり。イジェクトボタンを押しても蓋が開かない、という病気だったが、クリーニングと調整のみで、直った由。あれま [;^J^]。埃でもたまっていたかね。

 いずれにせよ、バックアップストレージは、DVD−RAMに世代交代済みである。これもいつかは故障する。PDは、バックアップストレージのバックアップに回すか。

*目次へ戻る *先週へ *次週へ


*解説


MASK 倉田わたるのミクロコスモスへの扉
Last Updated: Oct 27 1999 
Copyright (C) 1999 倉田わたる Mail [KurataWataru@gmail.com] Home [http://www.kurata-wataru.com/]