2013年03月25日:「太陽系無宿/お祖母ちゃんと宇宙海賊」 2013年03月26日:同人誌関係の補足情報 2013年03月27日:「実録!あるこーる白書」 2013年03月28日:数年振りのゆう遊空間 2013年03月29日:IT土方 2013年03月30日:国会図書館で絨毯爆撃 2013年03月31日:ラファエロ/ベーコン展目次へ戻る 先週へ 次週へ
これも、先週読んだ本である。「太陽系無宿/お祖母ちゃんと宇宙海賊 スペースオペラ名作選」(野田昌宏編、創元SF文庫)。1972年に発行された2冊のアンソロジー、「太陽系無宿」と「お祖母ちゃんと宇宙海賊」の、合本再刊である。
それはもう、もちろん、古い [;^J^]。議論の余地無く古いのだが、この古色蒼然たる、馥郁たる、セピア色の「宇宙の夢」は、本当に、何ものにも代えがたい..いぶし銀の輝きかというと、また少し違うのだが [;^J^]。これらの小説を、現代の新しい読者が読む意味があるのか、と問われると、即答できない。40年以上前に読んだ作品たちなので、私自身のノスタルジーというフィルターを外して読むことができないからだ。(外すつもりもないが。)
収録作は、「鉄の神経お許しを」(エドモンド・ハミルトン)、「大作<破滅の惑星>撮影始末記」(ヘンリー・カットナー)、「月面植物殺人事件」(フランク・ベルナップ・ロング)、「太陽系無宿」(アンソニイ・ギルモア)、「夜は千の眼を持つ」(ジョン&ドロシー・ド・クーシー)、「サルガッソー小惑星」(フレデリック・A・カムマー・ジュニア)、「お祖母ちゃんと宇宙海賊」(ジェイムズ・マッコネル)、「宇宙船上の決闘」(ヘンリー・ハス)、「隕石製造団の秘密」(ピーター・ハミルトン)。
やはり、「鉄の神経お許しを」と「お祖母ちゃんと宇宙海賊」が、傑出している。派手なドンパチがない、ムーディーな「夜は千の眼を持つ」も、いいねぇ..「大作<破滅の惑星>撮影始末記」で描き出されているトラブルは、「ジュラシックパーク」(第1作)的な?[^J^](意外に現代的ではないか。[^.^])まぁ、このジャンルに馴染みが無い人も、この1冊ぐらいは読んでみてもいいと思うよ。
目次へ戻るT氏の公式ウェブサイトの管理人であるSさんと連絡が取れた。作成中のT氏作品リストの最新版を送って、チェックしてもらう。深夜、返信があり、もっとも気になっている(初出誌を閲覧できていない)4作品については、Sさんも情報をお持ちではなかったが、同人誌関係で、いくつか補足情報をいただけた。
目次へ戻る会社では、連日、引き継ぎ、大わらわ。(七五調。)
「実録!あるこーる白書」(西原理恵子、吾妻ひでお、徳間書店)読了。
ふたりの共著という形であるが、実体は、月乃光司も交えての、鼎談である。内容は、実に勉強になる。アルコール中毒のもっともやっかいな点(のひとつ)は、「否認の病」(ひとことで言えば「認めたくないから認めない」)であるということなのだが、アルコール中毒以外でも、「否認の病」現象はありそうだ。ほかにも、「イネーブラー」など、「応用」の効く概念を、いろいろ勉強できた。お薦めの1冊。
目次へ戻る終業後、いったん帰宅してから、マンガ喫茶「ゆう遊空間」に行ってみた。数年振りである。
やはり、朝日ソノラマ刊の某ホラー漫画アンソロジーは、ない。影も形も、ない。それだけではなく、昔はそれでも少しはあった「古典マンガ(手塚治虫、横山光輝、石森章太郎など)」のコーナーも、なくなっている。まぁ、仕方がない。膨大な量の新刊マンガが毎年毎年発行され続け、そして、基本的に新しい作品に需用が集中しているのだから、これらの取り揃えを優先し、その結果、古い作品たちがはじき出されてしまうのは、当然のことである。ここは、図書館ではないのだ。
目次へ戻るT氏の初出誌調査で、未解決の問題が4つあり、そのうちのひとつ。「みこすり半劇場」の、1992年8月に発行された号に掲載されているという作品が、現物を(その周辺の年月及び関連雑誌を含めて)絨毯爆撃調査をしてもどうしても見つけられないのだが、それがやや意外な雑誌の、とある号に載っているという情報を得、現物は閲覧できなかったものの、確かな物的証拠を確保できたので、この件は(ようやく)解決したことにした。やれやれ..
..という、夢を観た。(マジで。[;^.^])
今日は東京出張。(仕事の夢を観るという甲斐性は無いのか → [;^J^])7:00に自宅を発ち、8:11のひかり。10:00少し前に、秋葉原のオフィスへ。
今日の使命(業務)は、先日の出張とはまったく性格が異なり、秘密にするほどの内容ではない。要するに、レイアウト変更の助っ人である。ネットワーク周りの配線が受け持ちであるが、設定変更など、頭を使う仕事はなかった。もっぱら、フリーアクセスの床の下の、ネットワークラインと電源ラインの取り回しという、土方作業である。もうひとつの「ライフライン」である「電話線」は、明後日にプロ(電話会社)がやってきて、接続する。
17:20に作業終了。横浜の実家に直行し、着いたのは19:00前。
坂口良子、逝去。享年57歳。若い..合掌。
夜になって気になってきたのだが、右耳のトラブルの件、ボコボコ現象に加えて、「シャー」というヒスノイズ(耳鳴り)が異様に大きい。うるさくて眠れないほどである..
右耳の「ヒスノイズ」自体は、「ボコボコ現象」とともに、数十年来の「持病」である。どの程度の大きさのノイズかと言うと、聴力検査で3段階に音量を下げて鳴らす、最小音量の信号が埋もれて聴こえない程度のうるささなのであるが、「ボコボコ現象」よりは、遥かに我慢(無視)しやすいので、長年、あえて問題とはして来なかったのだが..今夜のうるささとなると、話が少しかわってくる。この音量だと、聴力検査の最小音量だけではなく、中音量の信号も埋もれてしまいそうだ..
目次へ戻るそれでもなんとかひと眠りしたら、右耳のヒスノイズは、まぁまぁまともな(というか、昔ながらの)音量に戻っていた。一時的な現象だったのか?
実家前のバス停から7:41のバスで発ち、9:10に国会図書館着。「みこすり半劇場」の再チェック。昨朝の夢にまで観た [;^J^] 難所である。この雑誌には「増刊」として派生した姉妹誌がいろいろあるので、それらまで範囲を拡げて絨毯爆撃をするが、やはり捜している作品が掲載されている号は、ない。(「次号予告」「増刊号の予告」等のページまで、もれなくチェックしていることは、言うまでもない。)こうなると、もう、「みこすり半劇場」系ではなかった、と、考えるしかない。あるいは、収録単行本に記載されている初出年月情報(1992年8月)が、5年以上間違っているとか..(前後数年間はローラー作戦でつぶしているのだが..)これは、下手するとライフワーク(とは言わないまでも、10年仕事)になるかも知れないなぁ..何を大げさな、と、おっしゃるかも知れないが、10年越しの調査(捜索)など、吾妻ひでおや手塚治虫で、いくらでも体験(実施)済みである。
念のため、大宅壮一文庫に電話して、このあたりの雑誌の所蔵を確認する。(大宅壮一文庫の所蔵情報は、ネットでは検索できないのだ。)やはり、ない。(大宅壮一文庫以外の、ほとんどあらゆる(ネットワークリーチャブル(今作った造語 [;^.^])な)図書館の蔵書は、もちろん(何度も)確認済みである。)
ちなみに、大宅壮一文庫へは、iPhone ではなく、敢えて、国会図書館の館内の電話コーナーのグレ電から電話した。財布の中で余計なスペース(というか厚み)を占有している、使いさしのテレカを早く使い切ってしまいたいからである。残り20度数ほどと、45度数、計2枚あるのだが、今日の電話では3度数しか消化できなかった。ちぇっ [;^J^]。先は長いなぁ..
閉館時刻の17:00の少し前に出て、横浜の実家に直帰。
目次へ戻る寒い。一昨日、浜松から出てくるときには暖かかったので、油断していたなぁ..実家前のバス停から7:51のバスで発ち、上野へ。9:20、国立西洋美術館着。開館10分前。雨。長蛇の列..[/_;][/_;][/_;]「ラファエロ」である。(「ラファエロ展」ではないのだ。なかなかシンプルなタイトルである。[;^J^])
展覧会のポスターでも謳われているとおり、まさに「優美」な作品群である。(以下、画家名を付記していない作品は、全て、ラファエロ・サンツィオの作品。)まずは、有名な「自画像」(画像検索結果)。ピントリッキオの「幼児洗礼者ヨハネと聖母子」(画像検索結果)は、これは複製ではわかりにくいだろうなぁ..背景の金地に穿たれた、無数の細かい孔が、装飾的で面白いのだ。「聖セバスティアヌス」(画像検索結果)は、珍しい図像。普通は、縛り付けられた全身に、矢が突き立っているのである。「聖ゲオルギウスと竜」(画像検索結果)は、竜が可愛い [^.^]。この時代(というか、ある程度古い時代)の絵画作品に描かれている竜は、概して小さくて可愛いのである。いろいろ考察できるポイントではあるが、今日は、ここまでとしておこう。非常に安定した構図。
「大公の聖母」(画像検索結果)こそは、この展覧会の目玉のひとつ。なんという表情! なんという静けさ! ..特段の特徴もない、ただのさりげない絵に見えるかも知れないが、この前に佇んでご覧なさい。本当に、いつまでも、観ていられるから..
「無口な女(ラ・ムータ)」(画像検索結果)..「口を閉じているから「無口な女」」という通称は、どうかと思うが [;^J^]、別に「モナ・リザ」との類似性を云々するまでもなく、素晴らしい作品だと思う。「聖家族と仔羊」(画像検索結果)もまた、構図が安定している..安定し過ぎている気がしないでもないが。[;^J^]
カヴァリエル・ダルピーノの「死せるキリストの運搬」、フェデリコ・ズッカリの「牢獄から解放される聖ペテロ」(画像検索結果)も、面白い。「ベルナルド・ドヴィーツィ(ビッビエーナ)枢機卿の肖像」(画像検索結果)は、有名な作品。顔(表情)が、いい。ピーテル・ファン・アールスト工房(織り)の「聖ステパノの殉教」(画像検索結果)は、タペストリーなのだが..これも、実物を観ないと、真価が理解できないだろう。到底、織物とは信じられない..髯も筋肉のうねりも、油彩画さながらの精度で「描きだされている」のである!
「エゼキエルの幻視」(画像検索結果)の、小画面ながらスケールの大きい幻想。「友人のいる自画像」(画像検索結果)は、背後に立っているのがラファエロ。友人の(何かを指差している)ポーズに、想像力をかきたてられる。マルカントニオ・ライモンディの「パリスの審判」(画像検索結果)、マルカントニオ・ライモンディの「嬰児虐殺」(画像検索結果)は、いずれも、ラファエロの原画にもとづく、工房の版画作品。前者の右下の群像(3人)が、マネの「草上の昼食」(画像検索結果)の構図に引用されているのは、良く知られているところ。
11:25に退出。上野駅中で蕎麦を食い、12:10に、神保町の(正確には、その隣町だと思うが)米澤嘉博記念図書館へ。T氏の同人誌掲載作品の調査。12:50に発ち、13:45、東京国立近代美術館。「フランシス・ベーコン展」。ベーコンの作品をまとめて観るのは、初めてである。
「人物像習作 II」(画像検索結果)は、やはり衝撃的。「座る人物像(枢機卿)」(画像検索結果)は、なかなか良い画像が検索に引っかかってこないが..(ちなみに、有名な「教皇」シリーズは、晩年のベーコン自身には忌み嫌われていたようである。)
「スフィンクス」(画像検索結果)シリーズ、「ルシアン・フロイドの肖像のための三習作」、「ジョージ・ダイアの三習作」(画像検索結果)。「座像」(画像検索結果)は、昔から画集で親しんでいる作品。
15:25に発ち、まだ少し早いのだが、自宅で片付けるべき案件が山積している(山が一向に低くならない)ので、浜松に直帰する。東京駅から、16:03発のひかり。17:32、浜松。18:25、帰宅。
目次へ戻る 先週へ 次週へLast Updated: Apr 4 2013
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