*2011年11月28日:年末年始の展覧会/元祖着エロ [;^.^]
*2011年11月29日:「長谷川等伯と狩野派」「小松左京を宇宙へ送り出す会」
*2011年11月30日:2Gの世界
*2011年12月01日:瞼ぼろぼろ [/_;]
*2011年12月02日:小松左京の「新発見作品」について
*2011年12月03日:上京&墓参り&宴会
*2011年12月04日:展覧会3軒ハシゴ [;^.^]
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*2011年11月28日:年末年始の展覧会/元祖着エロ [;^.^]


 O内科医院で、月いちの検診。(内科的には [;^J^])体調すこぶる良好である。

 心覚えのため、年末年始の展覧会観覧予定をまとめておく。今年は少なめである。


*国立新美術館
 「モダン・アート,アメリカン ―珠玉のフィリップス・コレクション―
 12月12日(月)まで(12月4日観覧予定)

*山種美術館
 「ザ・ベスト・オブ・山種コレクション
 前期:12月25日(日)まで(12月4日観覧予定)

*森美術館
 「メタボリズムの未来都市展:戦後日本・今甦る復興の夢とビジョン
 1月15日(日)まで(12月29日観覧予定)

*板橋区立美術館
 「池袋モンパルナス展
 1月9日(日)まで(1月4日観覧予定)

 以下は、やむを得ず、見送りとする。

*サントリー美術館
 「南蛮美術の光と影
 12月4日(日)まで

*三菱一号館美術館
 「トゥールーズ=ロートレック展
 12月25日(日)まで

 ..という予定だったのだが、良く考えてみると、山種美術館、国立新美術館、及びサントリー美術館は、地理的にかなり近い。特に後2者はほとんど隣接していると言ってもよく、どちらか一方だけ観てもう一方は諦めるというのも、業腹である。12月4日の午前は多摩図書館でフィックスするが、午後、この3館のハシゴにトライしてみよう。多分、3館目は1時間ぐらいしか時間が取れないので、全部はきちんと観られなくても(拾い観でも)構わない「モダン・アート,アメリカン」(国立新美術館)を最後に回し、なんとかして、この日が最終日である「南蛮美術の光と影」(サントリー美術館)を割り込ませることにしよう..(わりと、疲れると思う..[;_ _][;^J^])

 昨日録画しておいた「日曜美術館 永遠の“マハ”〜ゴヤが見つめた女性たち〜」を観ていたら、「着衣のマハ」から、なんとはなしに「着エロ」という概念を想起していることに気がつき、われながら、あまりの堕落ぶりに陶然とする。[;^.^][;^.^][;^.^]

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*2011年11月29日:「長谷川等伯と狩野派」「小松左京を宇宙へ送り出す会」


 今日は有休。7:15に自宅を出たところ、予定より1本早い7:49のひかりに間に合ってしまい、浜松駅で暇つぶししていても仕方がないのでやむを得ずこれに乗り、結果、開館時刻40分前の9:23に、有楽町駅から徒歩5分の 出光美術館 に着いてしまった [;^J^]。隣りの帝劇地下のカフェでパンを食べながら時間調整。(ちなみに、平日のこの時刻の有楽町を遊興目的で歩いていると、半端無いアウェー感を楽しめます。[;^.^])

 「長谷川等伯と狩野派」展である。別に判官びいきというわけでも無いが、私は昔から、狩野派に対しては(微かな)反感を抱いており、心情的に長谷川等伯(長谷川派)に肩入れしていたのである [;^J^]。こういう人は、多いのではないかと思うのだが..この展覧会のキュレーターにも、その気配が。[;^.^](誤解でしたら、申し訳ありません。[;_ _][;^J^])

 もちろん、公平に比較/研究しており、両者の相違点はもちろん、意外な共通点や、お互いに研究しあい(盗みあい?)した形跡などを、要領よく展示してくれている。

 「花鳥図屏風」(「元信」印)、「竹虎図屏風」(長谷川等伯)(画像検索結果)、「竹鶴図屏風」(長谷川等伯)、「松に鶴・柳に白鷺図屏風」(長谷川等伯)、「叭々鳥・小禽図屏風」(狩野探幽)など。

 「大坂夏の陣図屏風」(長谷川等意)は、金箔ベースの明るい画面なのだが、細部を良く観ると、脳天から真っ二つに割られて脳漿が飛び散っていたり、青白い、首の無い裸の屍体が転がっていたりと、残虐シーンが散りばめられている。ある種の地獄図絵である。

 「波濤図屏風」(長谷川派)と「波濤図屏風」(狩野常信)の比較展示も、面白い。「柳橋水車図屏風」(長谷川派)(画像検索結果)の、大きく描かれた橋の表現は、まことにダイナミックで、気宇壮大である。

 11:40に退出し、昼食は省略してホテル・ニューオータニに直行。12:10に着いてしまったので、(予定どおり)6Fの「ニューオータニ美術館」の常設展で時間調整する。(こぢんまりとしているが、なかなか趣味の良いコレクションである。)

 5Fの会場は13:00に開場し、13:30に開会。「小松左京を宇宙へ送り出す会」である。(ニュース検索結果1ニュース検索結果2

 基本的には友人・知人の会合であるし、私は単なるいちファンに過ぎないのだが、小松左京マガジンの会員として案内ハガキを頂いた以上、別に遠慮する必要もあるまいし、非常に良い機会であると考えて、出席した次第である。[_ _]

 錚々たる顔ぶれの、SF作家/評論家/漫画家/映画監督などなど、うじゃうじゃ 大勢いらっしゃったが、こちらが一方的に存じ上げているだけであり、先方がこちらを知っているわけではないので、ずうずうしく話しかけることもせず、借りてきた猫のようにおとなしく、「知り合いのいないパーティ会場の孤独」を、心行くまで満喫する..

 ..などと、どMしている場合ではなく [;^J^]、とり・みき氏を探し出して、初対面のご挨拶。さきほど「良い機会」と書いたのは、とり・みき氏は必ずや(スタッフとして)参加されているだろう、と踏んでいたからである。(予想どおりでした。[^J^])是非とも一度、直接お会いしてお話ししたかったのである。

 さらに(少し遅れて到着された?)大森望氏をお見かけしたので、ご挨拶。「NOVA 6」の感想など。また、初対面のSF作家や漫画家に話しかけるのは遠慮していたのだが、例外はあるもので、山田正紀氏がいらっしゃったのでご挨拶して、「バットランド」(「NOVA 4」所収)に感激した旨、熱弁してしまった。(どんだけこの作品が好きなんだよ、と、われながら呆れるが。[;^J^])山田氏としても、久々にSFらしいSFを書けて満足だとのこと。この(「NOVA」での)連作の次回作は、さらにカッ飛んだ「SF」になるとのことなので、非常に楽しみである![^.^]

 ちなみに、山田正紀氏と 連れ添っている 一緒にいる美人は誰だろう(奥様では無さそうだし)、と訝っていたのだが、あとから大森望氏のツイートを読んだところ、山尾悠子さんだったようである。うーむ、そうとわかっていれば..[;_ _](← 謎 [;^.^])

 それと、これはまぁ余談だが、高千穂遙氏は、お見かけするたびに痩せていっているような気がするなぁ..単に痩せているというよりは、「小顔」になっているのである [;^J^]。気のせいかしら。[;^.^]

 ケータリングは..時刻が時刻なので、これは食事ではないのですよね。これはおやつなのですよね。そうとでも考えなければ、説明がつきませんよね。ケータリングがあるからと、昼食を抜いてきた私が愚かだったのですよね..ねっ!?[;^.^]凸

 15:30に閉会となり、会場を出たのは10分後ぐらいだったかな。国会図書館まで、徒歩15分。(地の利が良すぎますな。[;^J^])16:00から、手塚治虫関連調査。

 ..ふと思いついたのだが、ホテル・ニューオータニを定宿としていた小松左京氏は、ほとんどすぐ隣りといっても良い国会図書館を、利用していたのだろうか。無論、いかに近いとはいえ、資料の出納には時間がかかることだし、多忙な氏が直接利用していた可能性は低いだろうが、奴隷 手下 助手を、調べに走らせたりしたことは、無かったのだろうか..閑話休題。

 調査内容は、主として、先日Nさんから届いた手塚治虫関連資料のデータの裏付け確認である。資料に(鉛筆などで)初出誌データが書き込まれているのだが、現物に当たると、その号に掲載されていないことも、しばしばある。(どこかの段階で、情報にバグが混入したわけだ。)OK、OK。ここからが、私の仕事なのである。[^.^][^.^][^.^][;^.^]

 18:30に退出し、東京駅19:03発のひかりで、20:33浜松着。バスで帰宅したのが、21:10。

 非常に充実した一日であった。[^J^](..パーティのケータリングを別にすればねっ![;^.^]凸)

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*2011年11月30日:2Gの世界


 自転車通勤を再開する。左腕のコンディションは、まずまずである。完全に回復しているわけではないし、降車するときに少し顔をしかめてしまう傾向はあるが [;^J^]、まぁ大丈夫だろう。これでまたこけたりしたらたまらないので、安全運転に徹する。

 アマゾンに発注していたメモリ(2G)が届いたので、早速、デスクトップPCの512Mと換装した。うーむ..まるで違う [;^.^]。アプリの動作速度が速くなるわけではないが、理不尽に待たされることが無くなった。従来、512Mだと、しばらく操作せずに放置してから、操作を再開しようとすると、ブラウザを開くだけでもどえらい時間がかかっていた..まるで、あらゆるアプリが、全てハードディスクにスワップアウトされていたかのごとくであったのである。(一体、何がそんなに重いのか、と、タスクマネージャーを開こうとしたら、これがまたちっとやそっとでは開かないという、本末大転倒な状況でございましてね。[;^.^]凸)

 要するに、RAM512Mは、WinXPの“正常”動作対象外であったというわけだ。Win7の時代に何を寝言をほざいてるんだ、という話ではありますが。[;_ _][;^J^]

 「失踪入門」(吾妻ひでお、中塚圭骸)文庫版 が、12月2日に出るらしいが..いちおう、アマゾンへのリンクを(内容説明を手抜きするため)張っておいたものの、これは(吾妻ひでお氏のファンには)あまりお薦めできない書物である [_ _]。形としては、吾妻ひでお氏へのインタビューなのであるが、実のところ、ほとんど、インタビュアー(中塚氏)の「自分語り」なのである。(これは、中塚氏の問題ではなく、司会者(編集者)の責任だと考える。)まぁそれでも、その「自分語り」が面白ければいいのだが、(私見では)そうでもなく..中塚氏のファンならば、買って損は無いと思うが..

 でも私は、買わなきゃならんのだよなぁ..[/_;][/_;][/_;][;^.^]

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*2011年12月01日:瞼ぼろぼろ [/_;]


 iPhone アプリのウェザーニュースタッチによると、「冷たい雨と風で極寒の一日」との予報なのだが、朝いちの時点では、さほど寒くはない。とはいえもちろん、自動車出勤である。

 数日前からだが、瞼(まぶた)の皮膚の剥離が酷い。かさかさのボロボロ。まぁ、鬱陶しいだけであり、別に痒かったりするわけではないのだから、触らなければ良いようなものではあるが、それを堪えられる意志力の持ち主ではございませんでしてね..[;_ _][;^J^]

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*2011年12月02日:小松左京の「新発見作品」について


 今日も雨。今日も自動車出勤。

 つい最近刊行された完全読本 さよなら小松左京」(徳間書店)を、ようやく読み始めたのだが、「新発見作品」として掲載されている「鬼の惑星」という短編に、妙な既視感を感じると思ったら、なんと、初出誌は「漫画読本」なのであった。

 解題によると、小松左京の没後にダンボール箱から原稿用紙が発掘され、それに「漫画読本」のハンコが押されていたことから、「今まで、どの著作リストにも掲載されていなかった」「漫画読本 1969年8月号掲載の短編SF」が、「発見された」とのこと。「漫画読本」ならば全巻手元に揃っているので、早速、押入れの中から該当号を掘り出して確認してみたところ、確かに掲載されていた。

 なるほどねぇ..ちっとやそっとでは(断簡零墨に至るまでは)発掘しきれないであろうエッセイや談話の類はともかくとしても、少なくとも(SF)小説については、ファンや研究者たちによる大規模な捜索の結果、よほどのマイナー誌に掲載されたまま埋もれてしまっている例外的な作品以外は、あらかたリストアップされ終わっていると考えていたのだが、(そしておそらくそのとおりなのだろうが、)それでもなお、「漫画読本」クラスの「メジャー誌」が、盲点だったわけだ..

 ..さて、そうなると、手塚治虫は..(..と、わきあがって来た恐い考えを、酒で抑え込む。[;^.^])

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*2011年12月03日:上京&墓参り&宴会


 珍しく5:00に起きられず、出発予定時刻の6:00に飛び起きた [;^.^]。朝食抜きで10分後に発ち、バス停に急ぐ。強風だが雨が上がっていて助かる。これで雨混じりだったら、かなりきつかった。6:28にバスが来て、10分少々で浜松駅ロータリーに着いた頃、雨、再開である。ラッキー。7:00発の高速バス(渋谷・新宿ライナー浜松号)に間に合った。やれやれ。

 道中、間歇的に強い雨。25分ほど遅れて、11:10に渋谷マークシティ着。11:20、タワレコ着。CDを数枚購入して、さて、13:10に東神奈川で旧友たちと待ち合わせているのだが..

 ..今朝は寝過ごしたせいで朝シャン出来なかったので、われながら、いささか気色悪い [;_ _]。洗髪したい。渋谷でもいいのだが、横浜駅周辺ならば銭湯が確実にあるだろう、と、横浜に向かい、横浜駅西口の交番で尋ねたところ、ノータイムで教えてくれたのだが、向かった先は((スーパー)銭湯ではなく)「SPA EAS」であった [;^J^]。おされなのである [;^J^]。高いのである [;^J^]。私は髪を洗いたいだけなのに、入場料、2900円なのである [/_;]。しかしもう、別の店を探している時間もないので、ここにする。洗髪(&乾燥)10分、2900円..[;_ _][;_ _][;_ _](これなら、別の 用途 種類の 個室つき特殊 浴場の方がよほど廉価でお得ではないかと、余計なことに気が付いてしまったり。[;^.^][;^.^][;^.^])

 13:00頃、東神奈川着。15分ぐらいで、中学校時代の恩師と旧友たち、計7名が揃う。墓参りのあと、13:50頃、東神奈川駅前の「KUBOTA食堂」。白昼堂々、14:00から宴会である。[;^J^]

 16:15、隣りの「根岸家」に河岸を変える。ここを出た記憶が曖昧で..[;_ _] ふと気が付いたら、1:30。新横浜のT君宅の布団の中であった..[;_ _][;_ _][;_ _]

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*2011年12月04日:展覧会3軒ハシゴ [;^.^]


 ..しかしながら、ところ変われど、例によって無駄に早起きなのである [;^J^]。無理やり二度寝、三度寝したが、6:00過ぎには間が持たずに起き出して、持参の本を読みつつ、T君夫妻が起きてくるのを待ち、7:45に辞去する。8:55に、横浜・鶴ヶ峰の実家着。(本来、昨夜、着いているはずだったのである。猛省する。[;_ _][;_ _][;_ _])

 朝食、ひと休み、近況報告。慌しいが、自宅前のバス停から10:01のバスで発つ。

 ここで、予定の変更を余儀なくされた。当初の予定では、今日は実家を7時台に発ち、立川の多摩図書館に9:30に入って、11:30まで手塚治虫関連調査。それから(昼食抜きで)恵比寿に直行して、13:00に山種美術館。あとはサントリー美術館、国立新美術館の順に(駆け足で)廻り、最後の国立新美術館では、閉館時刻の18時までに1時間程度観られればラッキー、という腹積もりであった。

 上記のハードスケジュールは、実家発が10時となった時点で崩壊した。多摩図書館は省略。次に行けるのは1月以降になってしまうが、仕方がない。それよりもその後の美術館3軒ハシゴのタイムスケジュールを前倒しして、展覧会観覧に余裕を持たせよう..

 ..というわけで、11:30、山種美術館 着。(1時間半、稼げたことになる。)「ザ・ベスト・オブ・山種コレクション」の前期展示である。(後期は年が明けてから。)

 「新古今集鹿下絵和歌巻断簡」(絵:俵屋宗達、書:本阿弥光悦)− 地面はどうやって描いているのだろう?「たらしこみ」には見えないのだが。「飛雪白鷺図」(酒井抱一)の、白い微かな雪の光。「秋草鶉図」(酒井抱一)(画像検索結果)の、異様な、黒い月..銀が変色したのか、もともと(墨で?)黒く描いたのか、わかっていないらしいのだが、化学分析はしていないのかな?

 そしてもちろん、「班猫」(竹内栖鳳)(画像検索結果)である [^.^]。これが日本で一番可愛い猫であることは、現在日本で一番可愛い娘が前田敦子であることと、パラレルである。(← 何故なんだよ。[;^.^])

 「溪山秋趣」(川合玉堂)、有名な「裸婦図」(村上華岳)(画像検索結果)。「台湾風景」(西郷孤月)の、爽やかな空気。緑のグラデーションの美しさ。「梅雨晴」(山口蓬春)の、鮮やかな色彩。そして、「蛍」(上村松園)(画像検索結果)! 浴衣の娘が蚊帳を釣りながら、体を捻って足元の蛍を見るしぐさの愛らしさ!

 13:00頃退出し、さすがに腹が減ったので、駅の近くの店で肉うどんを食い、日比谷線で六本木へ。

 13:40、サントリー美術館 着。「南蛮美術の光と影」である。今日が最終日。

 実のところ、この展覧会は当初はスルーするつもりだったのだが、11月20日に放映された「日曜美術館 “王侯”はどこから来たのか 南蛮美術の最高傑作を探る」(NHK)を観て、俄然、興味を惹かれましてね。

 まず、左隻には港に到着した南蛮船と交易品の荷揚げ、右隻には町屋の前を行進する南蛮人一行、という初期の各種「南蛮屏風」の定型自体が、面白い。旧家の土蔵の壁の中に竹筒に納めた状態で塗り込められていたという伝承をもつ「悲しみの聖母図」の美しさ。「洋人奏楽図屏風」「泰西風俗図屏風」のパノラマも、技術的には素朴なのだが、味わい深い。「元和八年、長崎大殉教図」「日本イエズス会士殉教図」も、大変な迫力である。

 そしてもちろん言うまでもなく、本展覧会の目玉である「泰西王侯騎馬図屏風」画像検索結果)!

 なんとも不思議な、一種異様な迫力と「気高さ」に打たれる。王侯たちの肖像はもちろん、馬たちの面構えがまた、実に素晴らしい! 下敷きになった(西洋の)図像はあるのだが、それらが日本で編集され描きなおされたことによって、全く異なる作品に変貌した。この作品の由来や目的については数多くの謎が残されているのだが、図録には詳細な研究報告が掲載されており、資料的価値が高い。

 15:35頃退出し、徒歩で 国立新美術館 へ。「モダン・アート,アメリカン ―珠玉のフィリップス・コレクション―」である。

 「平和な王国」(エドワード・ヒックス)の、素朴な筆致。「月明かり、ターボン・スプリングス」(ジョージ・イネス)も、悪くない。「ロード・ローラー」(ロックウェル・ケント)− 雪、白と黒、後姿、無骨、男気 [;^.^]。「アゾバルド川」(ロックウェル・ケント)は、一見、なんということもない作品なのだが、寒色のハーモニーがポイントか。

 「葉のかたち」(ジョージア・オキーフ)(画像検索結果)、「白地に暗赤色の大きな葉」(同)の、洗練されたデザイン感覚は、見事である。「熱望」(オーガスタス・ヴィンセント・タック)は、ロッキー山脈の印象をベースとして、“寒色が燃え上がっている”大作。「赤い太陽」(アーサー・G・ダヴ)は、あまり好きなタイプの絵ではないのだが、「渦巻き模様の太陽」の図像など、滅多に見られるものではない。[;^J^]

 そして本展覧会の目玉のひとつが、「日曜日」(エドワード・ホッパー)(画像検索結果)である。実に良い。実に良い。2年後の大恐慌の予兆を捉えていたのではないか?という音声ガイドの解説(解釈)には、それなりの説得力がある。「冬の6時」(ジョン・スローン)(画像検索結果)も、素敵な作品である。夕暮れどきの混みあう駅前。高架鉄道の下、空の深い青と、灯火が、いい。(新橋駅前ガード下的な? [;^.^])

 「摩天楼」(チャールズ・シーラー)(画像検索結果)、「船と穀物倉庫 No.2」(ラルストン・クロフォード)、「工場の町」(ステファン・ハーシュ)などは、やりたいことも値打ちもわかるつもりだが、壁も地面も、ノペッとしすぎ〜 [;^.^]。「都会に近づく」(エドワード・ホッパー)(画像検索結果)− いいねぇ。壁がノペッとしてないし。[;^.^]

 「メイン州の家族」(国吉康雄)(画像検索結果)も、非常に印象に残る作品である。「フージック・フォールズの冬」(グランマ・モーゼス)は、素朴で、木々や家々や汽車が可愛らしい、絵本のような世界である。「貝殻と釣り人」(ミルトン・エイヴリー)− いい青だ。「ポッツオーリの赤」(アーサー・G・ダヴ)− 色彩のコンポジションが良い。「1950 B」(クリフォード・スティル)− 黒い地の形状とワンポイントのオレンジ色が、不気味。

 17:20に退出して、品川へ。18:10発の下りひかりで、20:20、浜松の自宅に帰宅。(怪我の功名というか、結果的に、13時スタートでは美術館3軒ハシゴは(やはり)不可能であった。)

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*解説


MASK 倉田わたるのミクロコスモスへの扉
Last Updated: Dec 8 2011
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