*2009年04月27日:伊藤計劃、逝去
*2009年04月28日:菊川怜@“ぷっ”すま
*2009年04月29日:「神獣聖戦 Perfect Edition」
*2009年04月30日:「狂気の海」
*2009年05月01日:“Spellbound”
*2009年05月02日:大恐竜展/願いかなうブレスレット
*2009年05月03日:「ラギッド・ガール」
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*2009年04月27日:伊藤計劃、逝去


 大家さんに、雨のあと地デジの受信が不調になる件を相談したところ..実わ、このアパートは地デジに対応してはいなかったことが判明した [;^J^]。いや、内心、そんな気はしていたんですが..[;_ _][;^.^] 浜松市のこのあたりからだと、地アナの放送塔と地デジの放送塔がほぼ同じ角度なので、偶然、地アナのアンテナで地デジが受信できているのであった。となると、地デジ(の特定のチャンネル)が入らなくても、文句は言えないねぇ..[;^J^]。まぁ、原因がはっきりしたので、逆にスッキリしました。問題は、地デジの共同アンテナを立ててくれる時期なのだが..予定は未定だって。[/_;][/_;][/_;]

 こうなると、私のとるべきアクションが微妙になる。多分、自分用の地デジアンテナを自腹で立てるのは許可されると思うが、しかし2011年7月までには、確実に共同アンテナが立つのである。その時点で、この投資は無駄になる。(さらに言うと、あと2年間、この(ちょ〜手狭になった)アパートに居続けるのか、という根本的な問題もある。)..特定チャンネル(テレビ静岡)は(今しばらくは)地アナで我慢する、というのが現実的な解ということになるのかなぁ..

 今月号のSFマガジンの記事で、伊藤計劃氏が3月20日に逝去していたことを知り、愕然とした。

 2007年にデビューしたばかりの、34歳の新人SF作家である。しかも、ただの新人ではなかったのだ。彼が残した長篇は、「虐殺器官」、「ハーモニー」を含めて僅か3冊。それと数えるほどの短篇と..しかし「虐殺器官」と「ハーモニー」は日本SF史上に残る傑作であり、間違いなく、今後の日本SF界を支えるだけの力を持つ作家であった。まさに、彗星のごとく現れた希望の星であったのだ。ショックである。

 ここ1〜2年に他界したSF作家は多い。しかし、A.C.クラークの時も、マイケル・クライトンの時も、今日泊亜蘭の時も、バリントン・ベイリーの時も、トマス・M・ディッシュの時も、J.G.バラードの時も、さらに言えば野田昌宏の時も、残念であり悲しくはあったが、しかしショックは受けなかった。なぜなら彼らは、既に十分な量の仕事をやり終えていたからだ。数え切れないほどの宝物を、我々に残してくれていたからだ..

 ..考え方を変えよう。

 伊藤計劃は、短い生涯の終わり間際、最後の2年になって、本当にギリギリになって、SF小説を書いてくれたのだ。それも珠玉の長篇を、2本も! 彼は、間に合ったのである..

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*2009年04月28日:菊川怜@“ぷっ”すま


 月に一度のO内科での検診。今日は血液検査をする。ここ最近、ウィスキーの酒量が上がっているから、結果が良かろうわけがない、憂鬱だなぁ..(← ちょ〜自業自得 [;_ _][;_ _][;_ _])

 さて、今夜の「“ぷっ”すま」。ユースケ・サンタマリアと草なぎ剛のダブルMCのバラエティ番組であるが..やはりそう来たか。「モデルハウス」を舞台とする宝探し企画がこれまで何度も行われているのであるが、その中からユースケのチームのみの名場面集である。ま、来週以降数ヶ月間、頑張ってくれ。[;^J^]

 それはともかく、今日の名場面集では、菊川怜の罰ゲームシーンが抜群に良かった。[^.^](初見だったので、私がこの番組を見始める前のVと思われる。)箱の中に手を入れてガチャ玉のようなものを取り出す(10個以上入っている中のどれかひとつが「アタリ」であり、アタリを引くか時間切れになるまで取り出し続ける)のだが、箱の中にはそれ以外にも「何か」が入っており、それは視聴者(と他の出演者)には見えているが、手を突っ込む当人には見えない、という、バラエティ番組ではお馴染みの、例のアレである。[^.^]

 これまで、「生タコの死体」「タワシ」「鼠の群れ」「人間 [;^.^]」など、様々なパターンを見てきたが..今回の菊川怜は手を入れる前からパニック状態であり、何しろ、箱の中で「何か」がドッタンバッタン!と大暴れしているのだが [;^.^]、意を決して手を入れる都度、「それ」に触ってしまい、手を抜いては絶叫、また絶叫、という、最高のパフォーマンス [^.^] を魅せてくれた上に、ゲーム終了後、箱の中で蠢いている「ひと抱えほどの大きさのウシガエルの群れ」を見てぶちキレる有様に、迷わずDVD−RAMに永久保存。[^.^]b

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*2009年04月29日:「神獣聖戦 Perfect Edition」


 快晴である。9時から14時まで、湯風景しおりで日光浴読書。遅い昼食を天下一品で食べようと思ったら定休日だったので、王将でホリデーセット(ラーメン+チャーハン+ギョーザ+総菜)。さすがに私には量が多すぎた。[;_ _]

 「神獣聖戦 Perfect Edition 上・下」(山田正紀、徳間書店)は、これまでスルーしていたのである。だって、「神獣聖戦」シリーズは、20年以上前に全部(短編集3冊と長篇「魔術師」を)読んでるし..しかし、よくよく確認してみたら、「既存の中短篇群の大幅加筆訂正&再編集+新作900枚=2100枚!」..しゃーねーなぁ、もぅ..[;^.^]

 ..というわけで、読了した。今さら言うまでもない、日本SF史上屈指の傑作である! 今回、中短篇のみが2巻にまとめ直され「Perfect Edition」とされたことによって、長篇「魔術師」は無かったことにされた..とまでは言わないにせよ、「正典」からは外された(外典/外伝に格下げになった)わけであるが、この処置には賛成である。私見では、「魔術師」は、失敗作とはっきりいうのは憚るにせよ、成功作とは言い難いと思っていたからである(← 婉曲表現に失敗した事例である [;^J^])。まぁ、作者の真意はわかりませんが。

 関口真里は、清楚なヒロインだと記憶していたのだが..こんな●●●ンな娘だったっけ〜 [/_;][/_;][/_;] と、ショックを受けて [;^.^] よくよく確認してみたら、これらのエピソードに記憶が無いのも道理、上巻は過半が新作書き下ろしなのであった。

 それはともかく [;^J^]、くどいようだが、最高水準のSFである! 未読の方は、是非とも! とにもかくにも、実に「カッコイイ」のだ! キーになるタームだけ切り出しても、「遺伝子型空間」、「背面世界」、「虚空間」、「非対称航行」、「幻想生命体」、「神獣聖崩壊病」、「鏡人=狂人(M・M)」、「悪魔憑き(デモノマニア)」、「“大いなる疲労の告知者”」、などなど。四半世紀前の時点で既に気が付いていたことであるが、この中短篇群は、先行するSF作品の本歌取りというかオマージュの側面を、強くもっている。「交差点の恋人」は「ゴルディアスの結び目」(小松左京)だし、「硫黄の底」は、同じく「結晶星団」である。「鯨夢! 鯨夢!」はバラードの破滅テーマの作品(「沈んだ世界」「燃える世界」など)だし、「渚の恋人」は同じく「砂の檻」だろう。「怪物の消えた海」は、SF作品というよりは、ポルト=リガドの(正午の)砂丘地帯を描くダリの風景画を、強烈に想起させる。本シリーズのエキスがつまっている珠玉作「時間牢に繋がれて」については、昔の読書記録には「「バーミリオン・サンズ」(バラード)を借景としている」と書き記していたが、これはピント外れ。“幻想の薔薇園”“無意味な死に、意味を与えるための欺瞞”とくれば、これはもう中井英夫に決まっている。

 旧短篇群からは「蝗身重く横たわる」「神獣聖戦13」が割愛されたが、これは、他の作品とネタがかぶっているからだろう。はてさて、人類の(無意味な)滅亡をもたらしたものは、なんであったのか..(その答えは、最初から明らかにされているのであるが..)

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*2009年04月30日:「狂気の海」


 志都呂イオンのHMVで、発注していた「狂気の海」と「ゲバゲバ90分」を確保。後者はとりあえず後回し。前者(CREATIVE AXA、AXDS-1232、高橋洋監督)は、本編僅か34分(特典映像は86分)ということで、さっさと片付ける。

 ..うわぁあぁぁぁぁぁあぁぁぁぁ..[;^.^][;^.^][;^.^]

 ..いや、SFマガジンの5月号のレビューに「必見のスーパー怪作!」とあったので、どれどれ、と、買ってしまったんですけどね。それはもちろん、自己責任なのですけどね [;_ _][;_ _][;_ _]。「スーパー怪作」は全面的に正しいが、「必見」かどうかは..[;^.^][;^.^][;^.^]

 セットや特撮のチープさは、気にならない。オープニングタイトルで映画学校の課題として制作されたことが明らかだったし、どうやら5日間で撮影したらしいのだが、それにしてはむしろなかなかのものだとも思う。(特典映像に、スペクタクルシーン [^.^] のメイキングが収録されているのだが、これが実に楽しめるのである。)しかし、この脚本は..[;^.^][;^.^][;^.^] 前半の「憲法第9条」を巡る(日本という国家の異常性を巡る)議論は真摯なものであるが、そこからの展開は、「帝都大戦」「エクソシスト」「海底軍艦」それに(なんの脈絡もなく)「マクベス」がまぜこぜに..[;^.^][;^.^][;^.^] あまりのことに、手放せないではないか。どうしてくれる。[;^.^][;^.^][;^.^]

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*2009年05月01日:“Spellbound”


 学生時代に購入したのだから、かれこれ30年ぐらい前になるであろうか。「DICTIONNAIRE DE LA PEINTURE SURREALISTE」(仏、filipacchi社)という洋書が手元にある。もちろん「シュルレアリスム画家事典」だが、本文を(苦労して)読むつもりは当時からさらさら無く [;^J^]、オールカラーの図版群が目当てであった。要するに画集として買ったのである。フランス人の視点は(当然ながら)日本人とは異なるので、メジャーな画家についても、代表作として、日本の画集ではなかなかお目にかかれない珍しい作品が選ばれているのが値打ちであった。もちろん、マイナーな画家の図版も(オールカラーで)大量に収録されている。その後随分画集を買ったが、いまだに、この書籍でしかお目にかかれない作品が、たくさんある。

 サルヴァドール・ダリの“Spellbound”という作品も、そのひとつである。ダリにしてはやや珍しい作風で、描かれている題材自体は、ポルト=リガドを背景とするお馴染みのものなのだが、ほとんど灰色一色なのだ。「魔法にかけられた」という意味のタイトルも、ダリにしては直球すぎる様な気がするし..

 ..以上、前振り。[;^J^]

 数週間前に録画したまま再生もせずにRD−X5のハードディスクに置き去りになっていた、ヒッチコックの「白い恐怖」を、DVD−RAMに落とす準備をしていて気が付いた。これを録画した理由は、夢のシーンの舞台装置をダリが手掛けているからなのだが(このことは、それこそ40年ぐらい前から知っていたのに、これまで未見だったのだが [_ _])、なんと、原題名が“Spellbound”ではないか![;^.^][;^.^][;^.^] これだったのかぁ..!!(← 無駄に長期間引っ張りすぎた謎の一事例。[;_ _][;_ _][;_ _])

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*2009年05月02日:大恐竜展/願いかなうブレスレット


 7:19のひかりに乗るためには6:30に自宅を出る必要があり、そのために5:45に目覚ましをセットしていたのだが、気が付いたら6:35であった [;_ _]。まぁ、就寝時刻が3:30だったのだから、根本的に根性が腐ってるわな [;_ _][;_ _][;_ _][;^.^]。というわけで、1時間弱スライドして、8:10のひかりで上京。上野着が10時頃。国立科学博物館で「大恐竜展」。

 比較的珍しい南半球の化石がメインであるが、思ったよりも小規模な展示であり、1時間ほどで十分見られる。(展覧会は、このくらいの規模がいいです、いやホント。[;_ _])左右一直線の、ハーモニカのような歯を持つニジェールサウルスや、大きなトサカを持つ翼竜であるタペシャラやタラソドロメウスなどが興味深かった。11時頃に退去。歩いて数分以内の場所で「阿修羅展」だの「ルーヴル展」だのやっているし、まだ、さほど混んでいないようなのでハシゴすることも考えたのだが..まぁ、無理はしないことにしよう。

 引き続き、江戸川橋へ。例によって麺珍亭で油そばを食べてから、現代マンガ図書館へ。ヤフオクで入手して用が済んだ(データの採取が終わった)古雑誌(プレイコミックなど)を、(ヤフオクで再転売するのが面倒だったので)2冊寄付したところ、アトム通貨を20馬力、いただきました。これは、早稲田・高田馬場地区で運営されている地域通貨であり、現在、160店舗で、1馬力=1円で使えるとのこと。

 北野英明(あの、麻雀劇画の人です [;^J^])のSFマンガなど6冊を読んでから、さっさと横浜へ。いったん、実家の隣の駅の駅前のマンガ喫茶(AirsCafe)に寄って、「犬夜叉」の最終巻を読むなどしてから、17:40に実家着。このGWは、例によって実家に居座り続ける予定である。

 本日の日本経済新聞の朝刊に、愉快な記事がありました。

「願いかなうブレスレット」

 誤認広告で業務停止

     大阪の通販会社に命令

 身につければ恋愛や金銭の悩みがすべて解決する、などと購入者を誤認させる広告を表示してブレスレットを販売したとして、経済産業省は1日、通信販売業「J・Hトレード」(大阪市)に対し、特定商取法違反(誇大広告)で6ヶ月の通信販売業務の停止命令を出した。
 同省九州経済産業局によると、同社は2007年2月ごろから雑誌や同社ホームページで「願いは瞬く間に解決します」「すべては十日以内に解決します」とする広告を掲載。ブレスレット「アリエル」と「アズラエル」の2種類を各2万5千円(2本セットで3万8千円)で販売したという。
 同省の調査に対し、同社は広告の文言に関する合理的な根拠を示さなかったという。月2百件程度の販売実績があり、2年ほど前から全国の消費生活センターや同省に相談が89件寄せられていたという。

 ..「相談したのかよ!」..と、思わず、三村ツッコミをしてしまいましたが [;^.^]、「願いが瞬く間に解決しないんですぅ..(/_;)」、とか、「すべてが十日以内に解決しないんですぅ..(/_;)」、とかいうたわごとに、マジメな顔をして対応しなければならない経済産業省の担当者も大変だ。笑いをこらえるのに苦労しただろうなぁ。[^.^][^.^][^.^]

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*2009年05月03日:「ラギッド・ガール」


 忌野清志郎、逝去。良いファンだったとは言えないが、ほぼリアルタイムの世代であり、気になる存在ではあり続けた。合掌。

 「ラギッド・ガール」(飛浩隆、早川書房、ハヤカワSFシリーズJコレクション)読了。「グラン・ヴァカンス」の続編というか、このシリーズの第2作を成す中短編集。数値海岸内部を舞台とする「夏の硝視体(グラス・アイ)」「蜘蛛(ちちゅう)の王」、数値海岸の外側の物理世界を舞台とする「ラギッド・ガール」「クローゼット」、両世界にまたがって<大途絶>の原因を描く「魔術師」の5作を収録。いずれも秀作。解決されていない伏線も、無論、いろいろある。

 よせばいいのに、「フィネガンズ・ウェイク」(James Joyce、柳瀬尚紀訳、河出文庫、全3巻)に着手してしまった。せっかくのGWが、これだけで潰れてしまいそうである [/_;][/_;][/_;]。薄曇り。午後、AirsCafe でネットアクセス。

 晩飯時に「平成教育委員会」を見る。私は、このレベルの雑学問題や時事問題で出演者たちよりも成績が悪くても、なんとも思わない。この程度の知識は、3日とは言わずとも1週間も勉強すれば身に付く(あるいは思い出す)からである。単に、そのような手間暇をかけていないだけのことだからである。(← ここ、突っ込みを禁ずる。[;^J^])本当に悔しいのは、幾何の問題である。大体毎週、幾何の問題が解けない(のに、出演者のうちの何人かが解けている)ことが多いのだ。これは、まずい。これには落ち込む..[;_ _][;_ _][;_ _]

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*解説


MASK 倉田わたるのミクロコスモスへの扉
Last Updated: May 6 2009
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