*2004年09月20日:甘美な罠たち/西川魯介
*2004年09月21日:ようやく片付くか?
*2004年09月22日:不粋な罠たち
*2004年09月23日:枚数稼ぎ
*2004年09月24日:頭の悪い詐欺師ども
*2004年09月25日:「ゴシック名訳集成」「ダーティペアの大復活」
*2004年09月26日:花博6回目
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*2004年09月20日:甘美な罠たち/西川魯介


 近頃はやりの(一見、意味不明の)メールの例。

件名: あの…メール読んでいただけてるでしょうか?
本文: もしまだでしたら、焦ってしまってすみません。もし見ていただけているようでしたらお返事いただきたいと思ったんですが…断りのメールでもいいので…どんなお返事でも待ってます。

 差出人は「女性名」。言うまでもなく「不倫勧誘系」であり、言うまでもなく「疑似」である。もう少し露骨な例を挙げると..

件名: もう締め切りました?
本文: はじめまして。大石オブジョイトイと言います。
セックスフレンドを募集されていましたが、
もう締め切りましたか?まだでしたら、
ぜひなってみたいと思っているのです。
近い処に住んでる人ですし、とても気になったので。
簡単なプロフを、自己紹介をします。
(後略)

 ..てなもんである。

 一見して目的不明であるが、昨今のウィルスやワームは、本文中に「いかにも怪しい」URLを置かないものも珍しくない(のだろう)。警戒されるしね。その点、これらのメール自体は(ウィルスやワームで)汚染されていないし、危険なページに飛ばされる心配も無いし、ついつい安心して返信する人もいるのであろう。もちろん、それが狙い。「“生きている”メールアドレス」収集ロボットに釣り上げられた、というわけである。

 さて、今朝(会社のアカウント宛てに)来たメールは、実に微妙なものであった。

件名: あのぉ・・・
本文: 黒川ですけど、
何も書いてないメールくださいましたよね?
念のために返信しますが、どちらさまでしょうか?
知人のいたずらですか?

 ..これは迷った。本文中では「黒川」であるが、アドレスは女性名。これもまた「メールアドレス収集ロボット」だと考えることもできるが、「本物の(善意の、少し知識が足りない)人間」である可能性も、少なからず存在する。実際、今日びのウィルスやワームは、全く無関係の人間(この場合は、kurata)を騙って、メールを飛ばしまくるからである。そういう事情に疎い人が、kurata からのメールを受信して困惑して問い合わせてきた、とも考えられるのである。

 しばらく考えてから、「それは私ではありません、近頃では云々」、と、上記の事情を簡単に説明するメールを返信した。ロボットにひっかかったかも知れないが、例えそうだとしても、私のアドレスは既にして広く流布してしまっている(おかげで、毎日数百通のSPAMやワームを頂戴している)ので、今さら構わん [;^J^]、という気持ちもあった。

 午後、富塚町の山本書店で、見つけなくてもいい本(西川魯介のコミックス [;^J^])を4冊発見してしまい、なんだか仕方がないので [;^J^] 買ってしまう。「屈折リーベ」と「初恋★電動ファイト」と「ラブ装填★電動ファイター」と「なつめヴルダイラーク!」である。帰宅してから目を通す。無駄な時が流れて行く..[;^.^]

 既に2冊、「野蛮の園」と「野蛮の園 2」を持っているので、この作者の未入手の単行本は残り僅か。もう今さらどうしようもないので、アマゾンで探してさらに2冊、「SF/フェチ・スナッチャー」と「SF/フェチ・スナッチャー 2」を発注する。残る1冊、「昇天コマンド」が、アマゾンのリストに無い。もう今さらどうしようもないので、ネットで捜索開始することにする。無駄な時と金が流れて行く..[;^.^]

 夜になって、自宅の方のアカウントに、前記「黒川さん」のメールと全く同じ文面のメールが、(異なる差出人名(女性)と異なる From: で)届いた。これにて、ロボットであったことに決定。ああ、つや消し..[;^.^]

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*2004年09月21日:ようやく片付くか?


 某雑誌のバックナンバー(174冊)をヤフオクに出品した。さて、入札(落札)されるかどうか。

 問題は実は送料で、合計70Kg近いのである。「落札価格の他に、それなりの送料を払っていただきます」、と、商品説明に注記しておいたところ、早速、質問が来た。送料が高く付くので、直接受け取りに行きたいがそれは可能かとのこと。別に構わないけど、どこから取りに来るつもりか知らないけれど、送料の方が交通費(ガソリン代)よりも廉くつくような気がしますけどね、私は。[;^J^]

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*2004年09月22日:不粋な罠たち


 をを、とうとう、「架空請求ハガキ」が届いたぞ。「架空請求メール」は、既に何通も頂いているのだが、ハガキは初めてである。


前略、貴方がご利用されている有料アダルトコンテンツ(有料番組サイト等)の料金が未納となっており、日々延滞金が発生している次第です。本日、当社が貴方様がご利用になられた運営業者様よりお客様との相談窓口を設置させて頂きましたので、今後は当社がご請求の方をさせていただきます。(後略)

 言うまでもなく、相手にしなければいいのだが、ちょっと感心したのは、「メール」よりも「ハガキ」の方が「リアリティ」があることである。少なくとも、「メールアドレスが洩れている」よりも、「住所氏名が洩れている」ことの方が、気持ちが悪い。相手の(メールアドレスではなく)「(携帯ではない)電話番号」が明記されていることも、「警察なんか怖くない!(やましくない!)」、と、胸を張っているように見えてしまう。

 それより何より、(事実上無料で)いくらでも送信できるメールとは異なり、このハガキには50円というコストがかかっているのである。わたくしごときに、50円投資してくれたという“誠意”が胸を打つ..じゃなくって [;^J^]、不気味なのである。元手要らずのメールと異なり、「なんらかの根拠」があるように見えてしまうのである。内容を良く読めば明らかに「架空」なのであるが、心弱い人であれば、ついフラフラと引っかかってしまうであろう。そして100人にひとりでも釣り上げられれば、十分、ペイするのであろう。

 このハガキ、なかなか良いことも書いてあるよ。


<ご注意!>当社は最近多発している悪質な架空請求の業者ではありません。貴方が実際にご利用になったアダルトサイトの正規の回収委託事務所です。中には、心あたりが無くても、サイト入り口にある利用規約(説明文)に同意してアクセスするだけで、登録が無くても自動的に料金が加算されるシステムが多発していますので、今後ともご注意下さい。

 ..ご親切にどうも [^J^]。でも、語学力はいまいちだな。

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*2004年09月23日:枚数稼ぎ


 例によって、手元に無い本の話題で恐縮であるが、筒井康隆の「乱調文学大辞典」の後半の「あなたも流行作家になれる」というエッセイの中に、「原稿用紙の枚数稼ぎの方法」という一節があったと記憶する。

 いろいろな手法が紹介されていたのだが、基本?は改行を多くすることで、それには兵隊の号令が一番、とかで、

「一」
「二」
「三」
「四」
 :

 ..という例。さらに、途中で間違えさせてやり直しさせるともっと稼げる、とかなんとか、まぁしょうもない話ではある。[;^J^]

 私がこれを読んだのは、確か中学校3年生ぐらいの時分だったと思うが、実は小学校時代に、「原稿用紙の枚数稼ぎ」というのを、しっかりやっていた。

 当時から「作文」が好きな子だったのだが、その頃には「長ければ長いほどエライ」という思いこみ?があったのである。少なくとも教師や友人たちに対して、ハッタリは効く。その頃書いた「自由課題の作文」(夏休みの宿題だったかも知れない)に、「ベートーヴェンの交響曲第九番」の「分析(紹介)」というのがあった。確か400字詰め原稿用紙で100枚近い大作であった。

 内容は、もうなんちゅうか本中華..[;^.^] フルスコアを片手に、オーケストラの各声部に現れる主題や動機を克明に追い、(文章で)描写すると同時に、いちいち“意味づけ”していったのである。「この音型は、彼の人生の回想を意味する」「この個所は、回想の音型の再帰(繰り返し)であり、時間的にさらに遡った時期の回想とする解釈と、より近い時期の回想であるとする解釈がありうる。まず、前者だと仮定すると..」、てなもんである [;^J^]。途轍もない「トンデモ解釈」であるが、なにしろ小学生のやらかしたことであるので、大目に見ていただくとして [;^J^]、これだけでも教師に対するハッタリ(アピール)としては十分すぎるほどであるのに、これに加えてさらに「量的プレッシャー」も加えてくれよう、とばかりに、「枚数稼ぎ」に走ったのである。具体的に言えば、速度標語が出てくるたびに、それをカタカナで書き写したのである。「第一楽章は、まず、アレグロ・マ・ノン・トロッポ・ウン・ポコ・マエストーソ」..「第四楽章は、プレストからスタートし、(中略)アレグロ・マ・ノン・トロッポで第一楽章の冒頭部が回帰するが、速度標語は微妙に異なり、(中略)テンポ・プリモからリタルダンドしてポコ・アダージョになったのち、ヴィヴァーチェで第二楽章の旋律が、(後略)」..てな具合である。[;^J^]

 返却された作文(の大部の束)の表紙には、(気圧されたと思しき)大きな三重丸が、赤鉛筆で記されていたことであるよ。[;^J^]b

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*2004年09月24日:頭の悪い詐欺師ども


 今週は、こんな話題ばっかだな。

 いつまで有効なURLか知らないけれど、http://auctions.yahoo.co.jp/phtml/auc/jp/notice/20040916.html によると、


IDとパスワードを要求するメールにご注意(9月16日)

Yahoo! JAPANの名前をかたって「管理システムに問題が生じました。再確認のためIDとパスワードをメールしてください」と、お客様がご利用のYahoo! JAPAN IDとパスワードを送信するよう求める内容のメールを受信したと報告がありました。

 ..とのこと。実例は、例えば下記のようなもの。


From: yahoo!!担当より [mailto:yahooinfo@melu.jp]
Subject: ヤフージャパンから重要なお知らせ

こちらはヤフー・ジャパン情報管理センターです・いつも当社のオークション
サービスをご利用いただきありがとうございます。当社では最近オークション
利用者が増加したことにより管理システムに問題が生じました。

そこで8月の16日から9月の1日にかけてお客様のユーザーとパスワードを再確認
しております。

申し訳ありませんがお客様のユーザーIDとパスワードを返信メールで送って
いただくようお願いします。

例
  ID 0000

  パスワード 0000

もしメールを 開いて2日以内に返信メールがこないばあいは
登録抹消としていただくのでよろしくお願いします

2回目でしたらもうしわけありません。このメールを削除してください

 それにしても、いつもいつも思うんだけど、どうしてこういう連中は、日本語がヘタクソなんだろう? 普通に日本語が読めて、普通に(金融機関等からの)お知らせを斜め読みしている日本人であれば、絶対にひっかかるはずは無いんだが..この程度の日本語でも結構釣れるのだとすると、むしろその方が、問題ではないかなぁ。

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*2004年09月25日:「ゴシック名訳集成」「ダーティペアの大復活」


 「ゴシック名訳集成 西洋伝奇物語」(東雅夫編、学研M文庫、伝奇ノ匣 7)を一読。お薦め。

 「大鴉」(ポオ、日夏耿之介訳)は、ドレの挿画全点収録の趣向が嬉しい。「オトラント城綺譚」(ウォルポール、平井呈一訳)は、従来、井手弘之訳(国書刊行会、ゴシック叢書)で読んできたのだが、物語はもちろん面白いし、超常現象の数々も結構なのだが、しかし“アルフォンゾの巨大な兜がコンラッドを圧殺する”という劈頭の趣向など、何度読んでも、滑稽感が先に立ってしまうなぁ [;^J^]。集中の目玉は、「怪の物」(ドクトル・エマニエル(エドモンド・ドウニイ)、黒岩涙香訳)であろうか。まさしく、乱歩の先達である。今の目から見ると、怪談としてはあまりにも「ありがちな舞台」に、怪談としてはあまりにも「ありがちな原因」であったりするのだが、それら今日では食傷気味のパターンたちの、オリジナルであるのかも知れない。

 「ダーティペアの大復活」(高千穂遙、早川書房)を一読。お薦め。

 今回は巨大ロボット物 [;^.^] であるが、大規模な?イントロと、それなりに小作りな本編&エンディングのバランスが、実に良い。ギャグも秀逸。

 今日になって知ったのだが、昨日のスポニチの芸能欄に、「逆境ナイン」(島本和彦)の実写映画化の記事が掲載されていたらしい [;^J^]。実写って、あなた..人間の俳優に可能なのであろうか? [;^.^]

 「SF/フェチ・スナッチャー」と「SF/フェチ・スナッチャー 2」(いずれも、西川魯介)がアマゾンから届いたので、読む。無駄な時が流れて行く..[;^.^]

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*2004年09月26日:花博6回目


 今日は自宅で読書に専念! ..という予定だったのだが、友人からのメールで、突然気が変わって花博へ。「水上交通で行ったけど、楽しかったよ!」、とのこと。これまでの5回、全て浜松駅前ロータリーからのシャトルバスで通っていたのだが、今回は私も水上交通を試してみることにした。調べたところ、経路はいくつもあるのだが、浜名湖パルパルからだと2500円、浜名湖対岸からだともっと高いが、庄内駐車場からだと600円である。15分ほど楽しめるようなので、ここがリーズナブルだろう。

 8:15に自宅を発ち、庄内駐車場まで車で30分。駐車場の反対側の端にある水上交通の発着所まで、駐車場内を徒歩15分 [;^J^]。この駐車場は、広すぎる [;^.^]。さらに20分行列してから(小さな漁船を改装したと思しき)水上交通に乗ったのが、9:20。人数をこなすために船足を速めていたようで、10分後の9:30に会場着。なかなか快適。

 たまに小雨がパラつく空模様。これといって目当てがあるわけでも無いので、適当に場内をぶらつくことにする。朝食抜きで来たので、早めのブランチを取る。

Picture

 この緑の花は、自然観察園付近の庭回廊に咲いていた、ジニア エレガンス グリーンエンヴィー。



Picture

 浜名湖に面している自然観察園の一角に、何故か「ブーブー園」というミニブタコーナーができていた。[;^J^]



 自然観察園の東屋の中の水槽に、大きなカニが。説明書きによると、「ノコギリガザミ(ドーマン)「幻のカニ」と呼ばれる貴重な浜名湖の生き物です。非常に危険です。絶対にさわらないで下さい!」、とのこと。薄汚れたガラスにいろいろ映り込んでしまい、ロクな写真が撮れなかったので、省略。何故かドーマンセーマンと唱えていた私であった。[^.^]

Picture Picture Picture

 左から順に、ハマアザミ、ハマカンゾウ、ガイラルディア ドワーフ。



Picture

 帰りも水上交通で庄内駐車場へ向かい、車で(自宅へは直帰せず)街中へ。



 浜松市立中央図書館で、手塚治虫関連調査である。「新マンガ学 仕事場から」という新聞記事のコピーを、数年前にNさんからいただいており、これには「赤旗日曜版」とのみメモ書きされていたのだが、この記事が同紙のバックナンバーに見当たらず、調査が暗礁に乗り上げていたのだが、最近になって、「新マンガ学」という書籍があることに気がつき、これは毎日新聞社発行なので、実は毎日新聞に連載されていた記事ではないか、と思い至っていたのである。そして「新マンガ学」がこの図書館に収蔵されていることも、数日前にウェブで確認済みであった。

 「新マンガ学」を借り出して、あとがきをチェック。やはり毎日新聞であった。そして「新マンガ学 仕事場から」の内容(引用されていた「ブラック・ジャック」の一画面)から、1972年末であることは明らかであったので、毎日新聞縮刷版の1972年12月分を借り出して精査し、発見。

新マンガ学 仕事場から(談話)::2:毎日新聞:77/12/06-07

 ..と、ようやく確定。これを探している過程で、

放浪紳士チャーリー 広告(コメント)::1:毎日新聞:77/12/09

 ..も見つけたので、これもリストに追記。

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*解説


MASK 倉田わたるのミクロコスモスへの扉
Last Updated: Sep 30 2004 
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