2003年03月24日:りそな、トラブル 2003年03月25日:光秀をめぐる追憶 2003年03月26日:牧野さんからのメール 2003年03月27日:「四季」を称える 2003年03月28日:「自意識過剰」を戒める 2003年03月29日:電話連絡考 2003年03月30日:「弟切草」「彼岸花」「寄生木」目次へ戻る 先週へ 次週へ
午前半休。街中まで出て、りそな銀行(旧大和銀行+旧あさひ銀行)の浜松中央支店のATMで、口座間のキャッシュ移し替え作業。通帳が一杯になったので、窓口で再発行。
午後から出社。夕刻帰宅。夕刊の社会面を見て、唖然。今朝の7時から、りそな銀行のATMが約900個所(約3000台)稼働していなかったんだってさ [;^J^]。ダウンしていたのは旧あさひ銀行系らしく、浜松中央支店は旧大和銀行だったから無事だったということか..ったく、しっかりしてくれよ。
「千と千尋の神隠し」、アカデミー賞受賞。
天本英世、逝去。
目次へ戻る体調不良で休む。やはり今年の第一四半期は、圧倒的に休暇が少なすぎた。無理がきく年齢ではないというに。
本を読む元気も無いので、昔読んだ本の想い出話でお茶を濁す。「国盗り物語」(司馬遼太郎)である。30年も前に読んだのだが、いくつかの節は、今でも鮮明に憶えている。(私にとっては、「信長」と「光秀」の原イメージは、この時期の前後にNHKの大河ドラマで放映された「国盗り物語」の、高橋英樹(信長)と近藤正臣(光秀)なのだ。刷り込まれてしまっているのである。「NHKの(想い出の・往年の名作の)大河ドラマ」という文脈では、「国盗り物語」はあまり取りあげられることがないのが、残念である。)
司馬遼太郎は、本能寺の変の遠因として、光秀と信長の心理の綾を描いてゆくのだが、光秀が信長に仕えるようになったごく初期の段階で、光秀が信長に、とある報告をする場面が面白い。
信長は光秀の(他国を偵察してきた)報告を、仏頂面をして聞くだけ聞いて、だまって下がらせる。光秀は、せっかくの報告をちゃんと聞いているのか、なんなんだこの男は..と、内心不満である。しかし実は信長は、報告を聞いているあいだ中、光秀の優秀さに舌を巻いていたのである。(そのことを素直に表明したり、誉めたりしない信長のキャラクターが、次第に軋轢を生み..という流れなのだが..)
では、信長を感心させた光秀の「報告」とは、どのようなものであったのか。彼は報告を、「前編と後編」に分けたのである。まず前半では、ありのままの事実を「水のように味も素っ気もなく、そのまま、精確に」述べた。そして後半で、その事実に対する自らの分析・見解を(詳細に)述べたのである。
私はこれに感心した。そして今でも「報告書」を書くときには、この作法を意識している。別に特殊な方式でもなんでもない、当たり前のテクニックではあるのだが、(良くできた)小説の中で、とびっきり魅力的に描かれている登場人物たちに「実演」されると、かくも心に染み、残るのである。
今どきはやらない言い方だとは思うが、これが「小説の効用」というものであろう。そして当然、「逆のケース」もあるはずだ。心に残すべきでは“ない”ものに、憑かれてしまうという..現実と虚構の区別がつかない者たちが引き起こしてきた(そしてこれからも引き起こして行くであろう)数多くの事件..結局は、小説(に限らず「書物」)を読む者の、「知的基礎体力」の問題だと思うのだが..
目次へ戻る1週間くらい前から来はじめているのかなぁ。今では大体1日数本は来るようになっているメールなのだが..Subject: は一定しないが、本文はいつも同じ。
このあいだ、会社説明会にお伺いした牧野弘幸と申します。 人事採用担当者の天野さんはお見えになりますでしょうか。 このあいだ、会社説明会にお伺いした牧野弘幸と申します。 あれから1週間の日時が流れましたが、筆記試験の結果と面接の日時について届いてなく、 どうなっているのか(以降、文字化け・中断)
もちろん、ウィルスである。NAVでスキャンしたら、「W32.Yaha.F@mm」とかいう奴で、「発生率:まれ」だってさ。「まれ」にしてはしつこいんだけど(不満 [;^.^])..ま、取りあげる値打ちも無い(文字どおり「取るに足りない」)ウィルスなんだが、この(ダミーの)「本文」の、みょ〜な「情けなさ」が、実は結構気に入っているのであった [;^J^]。変種の送付、希望。[;^.^]
目次へ戻る以前も取りあげた「新版 貧困旅行記」(つげ義春、新潮文庫)だが、この中で心に残っているのが、ヴィバルディの「四季」である。いくつかの章において、つげ義春はウォークマン(普通名詞)でこの曲のカセットを聞きながら、徒歩旅行をしているのである。そして(例によって記憶だけで書くが)「何度聞いても飽きがこない、旅に向いている音楽だと思う」、と述べている。
確かにそうなんだよなぁ..歩きながら聞いたことは無いが、確かにほんとに何度聞いても「飽きがこない」のである。一日中だって聞いていられる。何日でも。こういう音楽は、やはり珍しいと思う。
「四季」といえば「春」..というつなぎは強引すぎるが、まさに時は春。桜の季節である。桜もまた、本当に飽きのこない花である。眺めているだけで、幸せになれる..(無論、それ故の魔性もあるわけだ。「桜の森の満開の下」(坂口安吾)を引くまでもあるまい。)春のうちは無理だが、初夏にはいくらか暇になる(はず)。つげ義春に倣って、「四季」を聞きながら近場の徒歩旅行でもしてみようかな..鄙びた宿を訪ねながら..
目次へ戻るネット(等)でさまざまな発言をしている人は、しばしば身に憶えがあるのではないかと思うが..自分に当てこすっているのではないか、と思われる文章を(どこぞのニュースグループやBBSで)見かけることがある。その場合、どうすればいいか。
もちろん、「無視」である。これ以外の対処はあり得ない。ナーバス気味の人は、ついつい、「もしかして、私のことですか!?」、と、突っ込みがちなのであるが..自分の名前が明記されていなかった以上、突っ込んだ時点で、自動的に「負け」である。「ちがうよ〜〜」、で、チョン。
それにそもそも、本当にあなたのことなど、当てこすっていなかったかも知れないのである。(確率的には、その可能性の方が高いであろう。)その場合、突っ込んだあなたは、単に「迷惑なやつ〜」でしかない。
自意識過剰にならないこと。仮に本当にあなたのことを当てこすっていたとしても、あなたの名前を出さずに(出せずに)あなたを揶揄している人など、そもそも論敵たり得ないのである。自分を同じ水準まで落とす必要は、全くないのである。
目次へ戻る今日は、勤務先の「緊急時対応訓練(だったっけ?)」の日である。とはいえ土曜日(休日)であり、休日出勤しろ、という話ではない。
「緊急時の連絡」の演習なのである。午前10時きっかりに大地震が起きたという想定で、各部署の緊急連絡網に従って、部下から上司へと自分(及び家族)の状況を電話連絡してゆき、最終的に本部で全社員(と、その家族)の安否確認ができることをゴールとする。
結構なことである。システム(この場合は、「緊急連絡網」と、その「運用規則」)は、動かさないと錆びてしまう。バグ出しにもなる..
..しかしもちろん正解は、「本当に大地震が発生したあかつきには、阪神大震災等の例を引くまでもなく、「輻輳」で電話などつながらない」、である。[;^J^]
目次へ戻る今日は、浜松交響楽団の演奏会がある日である..が、ちーと仕事が混んでいて休日出勤するべきであるので、パス..でもって、体調グロッキー気味で、休日出勤もパスしたのであった。何やってんだか [;_ _]。(グロッキーというか、腹を完全に壊してしまって、怖くて車を運転できないのである。実際、10分と間をおかずに、トイレがよいの日ではあった..)
こういう状態だと、本を読む以外、やることがない。数日前からとりかかっていた、長阪秀佳の三部作?の3冊目を読み終えたので、まとめて感想を書いておく。実はこの作家の作品を読んだことが無かったのであるが、さる人から、角川ホラー文庫に収録されている「弟切草」「彼岸花」「寄生木」を推薦されて、例によって買い置き(積読)していたのであった。
「弟切草」−ゲームバージョンを知らないのだが、まぁ問題なかろう。悪くはないが、早晩、内容を忘れてしまいそうではある。舞台設定(間取り図とか)がゲーム的に凝っているわりには、さほどストーリーにからんでこない。「二重人格」「憑依」「出生の秘密」パターンで、これらに留まらぬ何かがあるかというと、疑問。最後は「愛」で打ち勝つし。要求水準が高すぎるか。文章がヘタなのにも閉口したが。
「彼岸花」−「弟切草」よりは相当良く、再読に耐える。本物の怪異現象と科学トリック(というかギミック)の両者が完備している。文体のチャチさには..慣れた [;^J^]。京都、美少女三人旅。
「寄生木」−これもまた、トラベルミステリー。ベルギー系の幻想絵画群が引用されているのが嬉しかったが、本編にさほど絡んでくるわけではなく、ちょっとした味付けに留まっているのが惜しい。まぁ、マグリットにせよ、アンソールにせよ、ロップスにせよ、デルヴォーにせよ、ファン・アイクにせよ、真摯な謎解きを始めたら、いずれも優に長編一冊は持つ素材だからねぇ。それと、「作者参加型」は、もう古いんじゃないかなぁ。
..というわけで、時間と金を節約したい人は、「彼岸花」だけ読むのが、吉。
目次へ戻る 先週へ 次週へLast Updated: Apr 2 2003
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