2001年11月19日:トリフィドの日 2001年11月20日:タコかイカか 2001年11月21日:深海のユートピア 2001年11月22日:時計と携帯 2001年11月23日:ザザシティ、グランドオープン 2001年11月24日:時代舎で5冊 2001年11月25日:「架空地名大事典」目次へ戻る 先週へ 次週へ
私は昨夜は、具合が悪くて寝ていたのである。
繰り返すが、私は昨夜は、具合が悪くて寝ていたのである..(もう少し正確に言うと、七転八倒していたのであって、流星のことなど思い出しもしなかったのだ。)
..別に..
..別にあなたがたに、今すぐ失明しろとは言わない。そこまでは求めない。
ただ、広く浅くで構わないから、全員、少しずつ(少しだけ)不幸になって欲しいのだ。
..私の魂を、救うために..
目次へ戻る会社の後輩社員に、質問されたのである。「『海底二万リーグ』に登場するのは、大ダコだったか大イカだったか?」
数十年前に読んだ本だとはいえ、即答できない筈はなかったのだが..できなかった。何故か、「タコ」の印象と「イカ」の印象と、両方があるのである。
これほどの基本図書の(基本設定ではないにせよ)重要なディテールが思い出せないというのは、屈辱的な事態である。帰宅してから早速調べた..といっても、原作小説(の翻訳本)は実家においてきたままだし、(1954年の有名な映画の)ビデオはそもそも買っていない。そこで、参考図書で調査した。「世界のSF文学・総解説」(自由国民社)と、「超SF映画」(中子真治、奇想天外社)である。
解決した。原作小説で登場したのは「大ダコ」。映画版で登場したのは「大イカ」。つまり私は、両方の記憶をごっちゃにしていたのであった。
ついでに書いておくと、「世界のSF文学・総解説」は、いわゆる「粗筋集」であるが、この本はこういう使い方をするのが、一番便利で正しい。「粗筋」だけ読んでも実際の読書体験の代替にはならない。何か調べ物をしたいのだが現物が手元に無い、または現物が大部過ぎて調査ポイントに辿り着くのが容易では無い..そういう時に使うべき本なのである。(「粗筋集」の通読をもって、手っ取り早い「読書体験」の代わりにしようと考える人がしばしばいるので、念を押しておく。)
目次へ戻る昨日のつづき。「海底二万リーグ」(30年に読んだ角川文庫版)は実家に置いてきたままで手元に無いのであるが、記憶が鮮明に甦ってきた。
全編の半分以上は、貝類の分類記述に費やされていたような気がするが [;^J^] 当時の私が驚嘆し、今も想い出しつつ驚嘆するのは、ノーチラス号の素晴らしさである。特に、それが「図書室」と「美術室」と「博物館」を備え付けているときては!(3室には分かれていなかったかも知れないが、機能的には、この3施設が存在する。)しかもその利用者は、自分一人(ネモ船長)だけなのである。まさに(ある種の)オタクの理想郷ではあるまいか。
少年・倉田わたるは、何度も何度も(自分なりの)ノーチラス号の図面を書き、お気に入りの画集の頁を捲りながら、どんな本を、どんな絵画を、どんな化石や恐竜の骨格標本を積み込もうか、と夢想したものである..
目次へ戻るとっくの昔に気がついていてしかるべきだったことに今ごろ気がついたので、まぁ遅すぎるとはいえ、心覚えに書いておこう。
「ジュラシックパーク III」には、(ティラノサウルスよりも強いという設定の、ワニづらの)スピノサウルスが、携帯電話(衛星電話)を“人間ごと”飲み込んでしまい、スピノサウルスの行く先々で、携帯の着メロが鳴っている、という、不気味な設定があった。どこかで聞いたような話だ..と、最初から気になっていたのだが..
..なんのことはない、「ピーターパン」だ。
時計を飲み込んだ、ネバーネバーランドのワニだったのである。
目次へ戻る浜松市の繁華街の中央に“グランドオープン”したザザシティを、ざっと視察する。ザザシティは2棟からなり、うち1棟は既にオープンしていて、その中のバージンシネマなどを利用している。もう1棟がようやく完成したのだ。この2棟は空中回廊で結ばれており、さらに「松菱デパート」とも回廊で結ばれて三翼を成すはずだったのだが..直前になって松菱デパートが倒産してしまったのは、先週お伝えしたとおり。出鼻をくじかれるとは、まさにこのことである。
最上階に、ちょっと不思議な(ガラス張りの)オブジェ状空間があり、完成前から気になっていたのだが..子どもエリアでしたか。つまり遊園地。大勢の子どもたちが走り回っている。
さすがの私も、人目が気になる [;^J^]。遊びたいんだけどなぁ..[;^J^]
目次へ戻る久々に時代舎に寄り、5冊買う。さほど大きい古本屋では無いが、なかなか蔵書のバランスが良く、目配りも良い。やはり週に一度くらいは通わないといかんなぁ。確かにインターネットは便利だが、地元の店も大事にしないと。
CSK、アスキーの株を手放すとのこと。見限ったということなのかな。
目次へ戻る一昨日からかかっていた、「世界文学にみる 架空地名大事典」(Alberto Manguel、Gianni Guadalupi、高橋康也監訳、講談社)の通読終了。昔から手元に置いてある本だが、もちろん通読はしていなかった。積読していたわけでもない。本来、拾い読みするべき本だからである..が、せっかくだから、端から端まで読んでみたというわけ。
地誌、あるいは旅行案内の体裁を取っており、いわゆる粗筋紹介とは切り口が異なる点に存在意義があり、これが便利でもあり不便でもあると言える。つまり、その地名(都市名、地方名、国家名など)に言及している作品の「粗筋」は、書かれていないか、またはごく軽く触れられているのみ。逆に、普通の「粗筋集」(自由国民社の「総解説」シリーズなど)には絶対に書かれないような、詳細な地誌的記載がある。
通読して初めて気がついた。ベルリオーズが創造(想像)した「ユーフォニア」の項がある。これには驚いた。
「ユーフォニア」は、ベルリオーズの著作「オーケストラ夜話」(未読 − 多分、未訳)の巻末を飾る「未来小説」であり、「ベルリオーズとその時代」(Wolfgang Domling、池上純一訳、西村書店)に紹介されていた梗概を通じてしか知らないのだが..Wolfgang Domling の言葉を借りれば、「純粋に音楽的なユートピアであると同時に、作者のサディスティックな幻想の暴露証言でもあり」、「全体の崇高な目標のために、ひとりひとりの人間を冷酷に縛りつける鉄の規律の信奉者であることを明らかにし」、「(作者の)力への陶酔ぶりは、まさに底なしの感があり」、「(クライマックスの大虐殺シーンの)「ネクロフィル的攻撃」の地獄図絵に比べれば、リヒャルト・ヴァーグナーのユダヤ攻撃も、たわいない冗談としか思えないほどである」、というこの小説。是非とも読んでみたいんだけどなぁ..
目次へ戻る 先週へ 次週へLast Updated: Nov 29 2001
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