*1997年04月28日:モラルの低いサービスマン
*1997年04月29日:盗難広告
*1997年04月30日:ハトよ天まで/人間ども集まれ!/上を下へのジレッタ、調査
*1997年05月01日:漫画サンデー/ヒョウタンツギタイムス、調査
*1997年05月02日:パワーショベルの仕事量
*1997年05月03日:「うる星やつら」−未来への遺産
*1997年05月04日:「お気楽ヴェルレク」練習会
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*1997年04月28日:モラルの低いサービスマン


 雨である。まず銀行で U.S.Robotics に XJ3288J-P のアップデートの振り込み。〆切が今月いっぱいである。その足で秋葉、東芝テクノセンターへ。

 ドアを開けた時、例のサービスマンが、カウンターの向うで私の顔を見て、「あ、まだ何もやっていない」と呟いたのだが、それは聞こえなかったフリをして、しばらく待つ。

 一昨日あずけておいたリブを持ってきた彼は、操作しながら、「あれから、色々やってみたんですが..あぁ、まだ症状が出ますね。同じですね..こうなったら、最後の手段という訳ではありませんが、上書きインストールをしてみたいんですが」「どの位かかります?」「2時間位です」。

 つまり、“あれから、色々やってみた”というのは嘘だ、と、白状したも同然である。2日間もあずかっていて、2時間の作業が出来ない訳が無いだろう。(実際、一昨日の様子では、彼の能力では万策尽きた状態で、あずけたところで、上書きインストールしてお茶を濁す位が関の山だろう、と、見限ってはいたのだが、それすらもしていなかったわけだ。手におえない“患者”を押し付けられて、他のサービスマンに助けを求めることもしなかったのだ。最低である。)

 15時位に戻ります、と言い置いて、12時頃にテクセンを出て、まず、雨の中を神保町まで歩き、中野書店で「鉄腕アトム大事典」。次に、地下鉄で現代マンガ図書館へ回って、しばらく手塚治虫関係の調査に追われて放置していた、吾妻ひでお関係の調査をする。いや、実は、ここで閲覧できる限りの初出誌は、閲覧しつくしていたのだが、思うところあって、蔵書リストを再度スキャンしてみたのである。

 思ったとおり、これまでは存在しなかったバックナンバーが、「週刊少年チャンピオン」「月刊少年チャンピオン」「テレビマガジン」「テレビランド」合わせて7冊見つかった。このように、コレクションの欠落は、(遅々たるペースではあるが)少しずつ埋められる方向にあるので、まぁ毎月巡回しても仕方がないが、四半期に一度位は、リストの再調査をするべきなのだ。(言うまでもないことだが、吾妻ひでお(と手塚治虫)の未読初出誌リストは、常時持ち歩いているのである。吾妻ひでおの初出誌で、いまだに発見出来ないのが144冊。(数えかたにもよるが)現在までの全初出誌1776冊中、約8%を、直接検分していないことになる。)

 16時前にテクセンに帰ると、まだジタバタしている。結局18時過ぎまで、あーでもないこーでもない、と、(隣に客を待たせておいて)試していたのだ。こういう作業を、一昨日と昨日に済ませているはずではなかったのかね? しかも結局、治らない。

 とにかく、プレインストールの状態まで戻すなどして調べた結果、リブのWin95(の、恐らくはディスプレイドライバ)と、アクセス7.0の組み合わせが悪いことは、どうやら確定した。これ以上は、テクセンでは調べられない。工場送りにするとのことで、リブを再度あずける。

 リブのハード自体の問題ではないので(書き忘れていたが、例のピンク色チカチカ現象は、またもや症状が消えていたのだ、やれやれ)、あと若干のチェックののちに、連休開け早々に送り返してもらうことにする。

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*1997年04月29日:盗難広告


 「楽器商報」という、楽器業界誌がある。その「業界通信」のページには、「人事」「新会社設立」「事務所移転」「社名変更」「定時総会開催」「催し物」に加えて、「盗難」という欄がある。例えば今月号は2件。いずれもフルート。

☆フルート ゴー・ブラザーズ(製造番号****)。トラディショナルスタイルH管付き、リングキー。頭部管はラファン、管体シルバー、ライザー18K。盗難場所/東京都荒川区荒川*−**−**、被害者自宅前。盗難時間/96年*月*日*時頃。所有者・連絡先(以下略)

☆フルート SANKYO(製造番号*****)。シルバーソニック、カバードホール、ニューEメカ。管体は銀製、キーメカニズムは洋銀製・銀メッキ仕上げ。盗難場所/JR東京駅丸の内北口ホールの電話コーナー。盗難時間/97年*月*日*時頃。所有者・連絡先(以下略)

 無意味な場所に無意味な情報を載せるわけがない。つまり、この雑誌の読者は、この楽器を目にする機会がある、と考えられているのだ。すなわち、盗品故買業者から中古市場へのルートが確立しているのである。(ことの善し悪しを論じているのではなく、単純に感心?しているのだ。)

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*1997年04月30日:ハトよ天まで/人間ども集まれ!/上を下へのジレッタ、調査


 実家前のバス停を7時33分に発つバスに乗り、相鉄線→東横線→地下鉄と乗り継いで、国会図書館へ。

 「ハトよ天まで」チェック終了。これでサンケイ新聞に連載された作品は終り、あとは同紙では、細々としたルポ、エッセイ、一コマ漫画などを残すのみ。昨年9月21日から7ヶ月以上かかった同紙の調査も、これでひと区切りである。やれやれ。

 漫画サンデー誌の連載、「人間ども集まれ!」「上を下へのジレッタ」のチェック完。欠号が多くて苦労した。さらに、この際だからと、同誌に掲載された読み切り短編群もチェックしてみると、従来資料の初出年月日情報の誤植が見つかったりする(「月に吠える女たち」)。吾妻ひでお著作リストも同じことなのだが、結局、初出誌まで溯らないと、本当のところは判らないのである。(実は、初出誌が確実な資料かというと、これでもまだ全幅の信頼はおけない(例えば、初出誌が複数バージョン存在する)場合があるのだが。)

 今回、照合用の全集本を、浜松から何冊か持ち帰り忘れていたので、これは国会図書館内で借り出してすませようと思ったら..話にならん。マンガ単行本がろくに収蔵されていないことは、前から判ってはいたが、それにしても、手塚治虫漫画全集が“ほとんど”蔵書されていないのである。(全然無いならともかく、スカスカの歯抜けで、ところどころあるものだから、かえって情けない。)まぁこれは、国会図書館というよりは、納本を怠った講談社の責任だが。(まさか、これだけの冊数が、納本後に図書館内で盗み出されたとも思えないし。)

 赤旗にジャブ(←下調査のこと)。手塚治虫の同紙への掲載は、ほとんど全て「赤旗日曜版」へのものなのだが、困ったことに、赤旗の1967年以前の縮刷合本には、赤旗日曜版が含まれていないのである。おかげで、「羽と星くず」「タツマキ号航海記」などの初出の状態をチェックできない。これもまた、国会図書館の責任ではなく、日本共産党の責任である。

 現代マンガ図書館では、吾妻関係の初出誌と「まんだらけ」のリスト、計2冊のみ閲覧して、帰宅。

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*1997年05月01日:漫画サンデー/ヒョウタンツギタイムス、調査


 今日も国会図書館へ。

 サンケイ新聞掲載のルポ記事と、漫画サンデー掲載の読み切り短編群をチェック。漫画サンデーについては、一応、作業完だが、同誌に掲載されたはずの「万博ハプニングガイド」が、見つからない。(従来の初出資料に記載されていた初出号に掲載されていない。)よくあることである。要は資料の誤植なのだが、“どの文字が”誤植なのかの判断/推理が難しい。年号や掲載誌をミスられていた場合、事実上、捜索不能の事態に陥る可能性が高い。

 赤旗日曜版の調査を続けるが、これがかなり、切り抜きの被害にあっている。全集未収録の一コマ漫画などが、結構掲載されているはずなのだが..この他、小学生朝日新聞など、新聞系をチェック。

 確か国会図書館では、プレイコミックがごっそり欠落していたはずだが..と、確認のために出納させてみたら..これは酷い。70/03/14 の次が、半年飛んで 70/08/08、その次が、なんと10年飛んで 80/08/28 である。さすがに我が目を疑った。これで、「人間昆虫記」(70/05/29 - 71/02/13)の調査は出来ないことが、確定した。(70年代初頭のプレイコミックは、現代マンガ図書館でも、欠落の大穴があいている。)

 ヒョウタンツギタイムス(手塚治虫ファンクラブ京都・会誌)を、第16号までチェック。(既刊32号中、第1号は蔵書が無く、第29号以降はチェック済み。)これは、珍しい作品を(データ付きで)多数復刻している、貴重なソースなのである。今日は、これを全数確認する予定だったが、(予定を変えて)漫画サンデーのチェックに時間をかけたために、読み切れなかった。残りは、今月中旬の上京時に。

 渋谷のまんだらけに寄る。(中野店には、年に数回行くのだが、渋谷店は今日が初めて。)収穫は「るんるんカンパニー」(とり・みき)の第6巻のみ。カッパコミクス版「鉄腕アトム」の、あまり状態の良くないもの(表紙の隅などが損傷している)が、600円乃至800円で売られている。美本コレクターでなければ、これで十分だ。荷物にもなるので今日は手を出さなかったが、集め直そうかな..(小学生時分には、全て所有していたはずなのに、実家にはもはや、破片も残っていない。分別の無い少年時代に、バラバラに分解しつくしてしまったのである。)

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*1997年05月02日:パワーショベルの仕事量


 実家付近の道路工事を、横目で見物しつつ散歩をする。

 いつも思うことだが、パワーショベルは大した仕事をしていないように見える。もちろん、人間には絶対に出来ないような(あるいは、同等の仕事をしようとすれば、10人以上かかりそうな)仕事をしていることも、ある。特に、大型のパワーショベルが、そうだ。しかし、ごく小型のパワーショベルの場合、人間1〜2人+(せいぜい)ベルトコンベヤー位の作業しか、していないことが多い。小さなシャベルで、それほど多くもない土塊、あるいは突き崩したアスファルトの破片を持ち上げて、2トン積み位の小さなダンプに、ゆっくりと載せる..私は学生時代に、植木屋でガテン系のアルバイトをしたこともあるので、確信を持って言えるのだが、あの作業は、学生ふたりで十分である。

 しかもパワーショベルには運転手が必要なのだ。つまり、小型パワーショベルのリース料と運転手の人件費の合計が、学生アルバイトふたり分の人件費よりも、廉いということになる。いかに人件費が高いか。そしてそもそも、こういう3K職場に(人件費の廉い)人が来ないか、の証左である。

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*1997年05月03日:「うる星やつら」−未来への遺産


 妹夫婦が、甥と姪を連れて来宅。

 8歳の姪が、「うる星やつら」第1巻を食い入るように読んでいる。私も学生時代に貪り読んだことであるよなぁ..と、ほのぼの見ていて気が付いた。奥付けを見ると、これの初版は1980年。彼女が生まれる10年前ではないか。

 私は1958年生まれだから..1966年時分に、1948年に出版された漫画を読んでいる状況か..「のらくろ」か..

 かくして、文化は継承されるのだ。彼女は、8歳の時分に目を輝かせて読んだ「うる星やつら」のことを、決して忘れないだろう。そして彼女が子どもを産むのは、恐らく2020年頃。2030年には、彼女は子どもに、懐かしい「うる星やつら」を与えることだろう..

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*1997年05月04日:「お気楽ヴェルレク」練習会


 今日は、下北沢で、「お気楽ヴェルレク(ヴェルディ作曲レクイエム)」の練習会。

 まず秋葉原に出て、ラホールで「カツのせ辛口カレー」。ここで食事をするのは初めてだが、なかなか美味い。モジュラーケーブルを買って(秋葉まで出て、買い物はこれだけ [;^J^])、ご無沙汰していた中野のまんだらけへ。

 ここでは例によって、特に収穫は無かったが、秋葉から中野への途上の某古書店で、「中世の秋」(ホイジンガ、中公文庫)「虚無の孔」(M・K・ジョーゼフ、早川書房、海外SFノヴェルズ)、「平行植物」(レオ・レオーニ、工作舎)をゲット。この非常に小さな店では、昔は早川の銀背を百円均一で売っていたのだが、5百円均一に値上がりしていた。廉かった頃に買い漁った奴のせいだ。(←おまえだ。)それはともかく、幻想・SF・ミステリ・異端系統に、極度に偏った品揃え。店が狭くて蔵書が少ないのも、逆に、サーベイに手間取らないという意味で、ポイント高い。純度が高く、無駄 [;^J^] な本が少ないからこそである。

 さて、時間だ。下北沢へ。改めて(今ごろ)気がついたのだが、下北沢って「演劇の町」として売り出しているのだね。「スズナリ」には、学生時代に1〜2回、行ったことがあり、そこでは学生劇団ならではの、青臭くてひとりよがりな芝居を見せられたものだが..駅前のビルの垂れ幕を見ると、少なくとも4つの劇場があるようだ。なにしろすぐそこが新宿だ。町としてのアイデンティティを保つためには、こういう“商品”が必要なのだろう。

 吹奏楽系のオフと相乗りである。(正確には、同じ会場で、先に吹奏楽系のオフ、そのあとに「お気楽ヴェルレク」オフ。)そのおかげで、金管系の居残り組みが多数参加し、この大編成のレクイエムの演奏に華を添えた。私はと言えば、相も変わらず“大音量で歌おうとすると”喉に引っかかり、すぐにゲホゲホしてしまう。これは実は、ボイトレを始める前よりも、顕著な傾向である。ボイトレでは、「声量を出すことは意識せずに、息を十分に、自然に送り出すこと」を、習い続けている。だから、こういう無理な“大声”を、小手先ならぬ“喉先”では出せなくなっているのだろう。(昔は、いい加減に、喉で大声を出すことが出来たのだと、推測する。)つまり、ここまで来たら、あとはまともな発声を身につけるしかないのだ。ルビコンだな〜。

 帰路、電車の中で、ちょっとケバいお姉さんが「アルジャーノンに花束を」を読んでいた。

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*解説


MASK 倉田わたるのミクロコスモスへの扉
Last Updated: May 7 1997 
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