その客は、講演会の講師だった。彼の指示で、気が進まなかったがやむを得ず高速に乗ったミッドナイト。命がなくなるような、嫌な予感がしたのだ。
ミサイル！ 日米合同演習で使用されている中距離弾道ミサイルが誤射され、街中に落下し、爆発した！ 高速道路は崩れ、ミッドナイトと客は、車ごと生き埋めになった！
どうして、この事態を予想できたのか？ ミッドナイトの“虫の報せ”だという答えを聞いた客は、予知能力を持つエスパーだ！と断ずる。学会に発表するのだ！ 彼の能力を解明・移植して、防衛に役立てるのだ！
但し、この窮状から脱出できればの話である。気温がぐんぐん上がる！ 彼らが埋められている瓦礫の山全体が、炎に包まれているのだ！ いつもミッドナイトをピンチから救ってくれた、車のコンピューターが、反応しない。壊れたのか？ このまま、焼け死ぬのか？！
（つづく）
「ミッドナイト ４」（秋田文庫）
倉田わたるのミクロコスモスへの扉
Last Updated: Aug 18 1996
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