三つ目がとおる:猪鹿中学

 手におえない写楽は教師たちに見放されて、4回目の転校。今度の学校は猪鹿中学である。

 ここは「金狼会」が締めていた。これは元々は、出杉という学生が提唱して設立した、弱体化しつつあるスポーツ各部を立て直そうという、健全な発想の学生自治会だったのだが、今やスポーツ軍国主義を振りかざす、先生たちも全く手が出せない校内暴力団と化していた。

 スポーツとは無縁な、無邪気で軟弱な写楽は、当然のごとくリンチに会い、屋上から吊るされるが、リンチの仕上げとばかりにぶっかけられたラーメンの油で、バンソウコウが剥がれる。

 彼は屋上で奇怪な機械を作ると、ヤキを入れに来た金狼会の雑魚どもを、この機械であべこべに屋上から吊るしてしまい、校庭で彼と対峙する出杉に向かって、屋上から、

「出杉ーっ いずれおまえの番だ!!」

(まるで、学園暴力漫画のごとき、引きまくりのエンディングである。[;^J^] 後編の「長耳族」を読まない限り、ほぼ意味不明であろう。)


(文中、引用は、少年マガジン 76年6月27日号より)


MASK 倉田わたるのミクロコスモスへの扉
Last Updated: Aug 13 1996 
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