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目覚まし時計のベルで起こされ、眠い目をこすって起きあがり、棚の上の目覚まし時計を止める..という夢を、3:00から5:30まで2時間半にわたり、繰り返し繰り返し観続けた..(目覚まし時計のセット時刻は、6:00である。[;_ _])この無間地獄..いったい、なんの罰ゲームなんだよ! [/_;][/_;][/_;](ちなみに私は、「無間地獄」を「夢幻地獄」と変換しがちで、これはこれで悪くないな、と、いつも夢見ているのであった。[;^.^])
目次へ戻る年に数回、某所の暗証番号を変更し、特定のメンバーにそれを伝えるという役回りである。
もちろん、その暗証番号の決め方が問題。当然、「推測不可能な、無意味な数列」が望ましい。乱数表を使えばいいのだろう..が、ついつい、「自分にとってだけ意味がある、他人には意味を見いだせない数列」を考えてしまう。「自分がすぐに思い出せるように」である。「自分ひとりだけは楽をしよう」というわけである。性根が腐っているのである [;^.^]。むろん、シロウトじゃあるまいし、「電話番号」「生年月日」「住所」などは使わない。「世界中で、自分ひとりにだけ意味のある、とある記念日(邪推は無用 [;^.^])」を逆にしたりシャッフルしたりする。たとえばね。
これが、意外な落とし穴。そうやって入念に作られた「暗証番号」の「由来」を知っている私と、結果として作られた「暗証番号」を「伝えられただけ」のメンバーとでは、後者の方が、「思い出すのが早い」のである。恐らく、意味も由来も何も知らず、ただ数列だけを与えられたものだから、それを「丸暗記」するしかなく、だから、なんの「邪念」もなく、するすると出てくるのである。
ところが私は、この「暗証番号」の「作り方」を「知っている」ものだから、ついつい「起源」に立ち返って「構成」し始めてしまい、つまり「考えて」しまい、だから無駄に時間がかかり、遅い、というわけなのであった..いやもう、ほんとにまったく、廃墟通信には、わかりやすくてためになる教訓がいっぱい! 読まなきゃ損するよ![^.^]
目次へ戻る業務中、フェルトペンが必要になったので、部署の文房具棚の筆記用具の引き出しを開けて、その中からフェルトペンらしきものを取り出し、キャップを外してみたら..
..これが実は、筆ペン。しかも壊れており、接合部からインク(というか墨というか)がドボドボドボドボ..[;^.^] とっさに手でガードしたので、他の筆記用具には被害が及ばなかったからよかったようなものの、指は真っ黒。接合部からのインク(墨)の流出は止まらず、これはもう捨てるしかないのだが、このままゴミ箱にポイするわけにもいかず(既にとっさに拾ってこの筆ペンをくるんだ反古紙も真っ黒)、洗面所にもちこんで、この筆ペンのボディから、残存するインク(墨)を残らず絞り出すことにしたのだが..
..これが、流しても流しても洗っても洗っても、止まらない [;_ _]。黒い液体が、いつまでもいつまでも流出し続けるのである。この筆ペンの内部空間は異次元にでもつながってるのか? [/_;] ..と、思わず恐い考えになってしまったのは嘘だが [;^.^]、とにかく、このクソ忙しいのに、無駄な時間を取られてしまった次第であった..[;_ _](結局、完全に絞りきることはできなかったので、ほどほどのところで紙で何重にもくるんで、ゴミ箱にポイ。)
..今夜の廃墟通信は、読まなくても別に損はしない [:^J^] ..そりゃ、あたりはずれはあるさ。ありますとも![;^.^](← 軽くメタ。)
目次へ戻るもう何年も前に、SFマガジンの連載エッセイで香山リカが書いていたことであるが..イベント(あるいはパーティ)などで有名人と「同じ空間」にいると、(当時、社会問題化していた)ニートが、「自分の状況に気づかずにいられる」..(「ニートに対して差別的」などの無駄な突っ込みは、スルーさせていただきます。[_ _])つまり、彼ら(有名人、あるいは大人物)と同格になったように錯覚できてしまう。たとえ自分と境遇が、天と地ほどに違っていても..
その感覚(彼らと同格!)は、その場限りでは、確かに間違いではない。実際、わけへだてなく「ファン」と接し、タメで話してくれる「有名人」も多いだろう。ツーショット写真でも撮ってもらえたら、さらなり..
香山リカがこのエッセイを書いた頃には存在していなかった(と思う)ツイッターにも、同じ特性がある。説明(例示)するまでもないと思うので詳述は略すが、RTされたり返信されたりしたら、さらなり..。
つかのまの、実質を伴わない、儚い幸福、高揚感..それを否定することは(たとえば)「酒」を否定することと、ほとんど等しい。私は否定したくない。
..でも、パーティが終わったら?
目次へ戻る夜、寒い。今週末は上京するというのに、冬に逆戻りかよ。まいったなぁ..
目次へ戻る..あらら、さほど寒くない。念のため、コートとベストは持って行くけれど。6:05に自宅を発ち、7:00、浜松駅北口ロータリー発の高速バス、渋谷新宿ライナー浜松2号。なんと定刻ピッタリ、10:54に渋谷マークシティ着である。(電車ならともかく、高速バスで定刻どおりというのは、どういう魔法を使っているのか、いつもいつも不思議で仕方がない。)銀座線で上野へ直行。桜は満開ではないが、さすがにたいした人混みである。12:20、東京国立博物館。「開山・栄西禅師 800年遠忌 特別展「栄西と建仁寺」」である。
まずは、「退耕行勇坐像」(画像検索結果)..検索結果の中から、それらしいものを捜して下さい(投げやりな [;^J^])。海北友松の「花鳥図」は、画像検索結果を絞りきれなかった。このタイトルでは仕方がないか。でも同様に「よくある」タイトルの、海北友松の「雲龍図」(画像検索結果)は、しっかり拾えて、ひと安心 [^.^]。もちろん、どのパーツも素晴らしいのだが、個人的に気になったのは右前足の「爪」である。決して大きくはないのだが、そのなんというか「妖怪じみた」描法(なんじゃそりゃ [;^J^])に、凄みがある。これは、ある意味、曾我蕭白の「雲龍図」(画像検索結果)の、「超絶的な恐怖の爪」の対極とも言える。
以下、画像を検索できなかった(あるいは絞りきれなかった)シリーズ [;_ _]。「十一面観音菩薩坐像」。「十六羅漢図」の、奇怪な相貌(お見せしたいなぁ [;^J^])。海北友松の「山水図襖」には、初期の、まだ未完成というか個性が出来上がっていないみたいなキャプションがつけられているが、間違いなく、何かが形をとりつつある..海北友松の「人物花鳥押絵貼屏風」。曾我蕭白の「山水図」は、もちろん悪くないのだが、いつも思うのだが、彼の晩年の山水図は、少し建物の直線が強すぎるのではないだろうか。
伊藤若冲の「雪梅雄鶏図」(画像検索結果)を見よ! この、なんという赤のハイライト! 白隠の「百寿福禄図」(画像検索結果)の、このフォント遊び [;^.^] は、どこかで観てる..江戸東京博物館だったかしら? 「涅槃図」は、カラフルで、見たことのない図像。そして展覧会の〆はもちろん、俵屋宗達の「風神雷神図屏風」(画像検索結果)である。論評不要..というか、声も出ない..これはいったい、なんなんだ..
14:20に退出。徒歩数分間で [;^J^] 東京文化会館。15:00から、「東京春祭ワーグナー・シリーズ vol.5『ニーベルングの指環』序夜《ラインの黄金》(演奏会形式)」である。
NHK交響楽団とヤノフスキ。別になんの心配もしていなかったが、事実、安心して聴いていられた。ヴァーグナーの音がしていたと思う。演奏会形式ということで、演出は必要最小限。基本的にはバックスクリーンに「風景」を映すだけ。それも(ニーベルンハイムに下りていくときなどを別にすれば)動きはほぼない、「ライン川水中」「ヴァルハラ山頂」など、僅か数種類の「イメージ写真(イメージビデオではなく)」。この控えめさは、邪魔にならなくてよい。唯一に近いギミックと言えば、エルダがバンダで(すなわち、2Fの客席に現れて)歌ったことぐらいか。
オーケストラの最後列、金管群のうしろに横一列に18人並んでいるのは何かと思ったら、ニーベルンハイムの小人たち(鉄床)であった [;^J^]。そりゃ確かにコンサート会場では、こういう配置になるわなぁ..まるでベルレク(ベルリオーズの「レクイエム」)のティンパニみたいである [;^.^]。彼らの出番は、第三場(ニーベルンハイム)の最初と最後だけである。[;^J^]
歌手陣は、総じてバランスが良かったと思う。逆に言うと、飛び抜けて印象的な(あるいは問題があった)人もいない。強いていえば、ヴォータンがやや弱く思えたが..しかし難しいところだ。「ラインの黄金」は登場人物が多いので、ひとりだけ飛び抜けている人がいると、崩れてしまうのだ。
十分、合格ラインをクリアしている演奏会だったと思う。私は満足した [^J^]。まぁ、「ヴァルハラ入場」直前のドンナーの鎚音がしょぼかったのだけは、ネガティブポイントだが [;^J^] ..鉄床を普通に叩けばこういう音になる(こういう音にしかならない)のは承知しているが、ここはPAを使ってでもいいから、強烈な一撃が欲しかった。
17:35、退出。横浜・鶴ヶ峰駅前のサイゼリヤで外食し、20:05頃、実家。
..この日記を書いてる今ごろになって気が付いたのだが、今日の二品(展覧会とコンサート)は「雷神」つながりなのであった。(わからない人は、スルーしてください。[;^J^])
目次へ戻る実家前のバス停から8:41のバスで発ち、10:10、サントリー美術館。「のぞいてびっくり江戸絵画−科学の眼、視覚のふしぎ−」である。
うーん、これはちょっと(私には)外れだったかな..あくまでも「私には」、であるので、誤解無きよう。つまり、新発見がほとんどなかったのである。今日は前期展示であり、後期展示ではほぼ総替えされるようであるが、作品リストを見ても、あまり食指がわかないなぁ..このあたりの作品をあまり知らない方には、面白い展覧会だろうとは思う。
気になった作品としては、(ほとんど画像を検索できていないが、)春木南溟の「虫合戦図」、山田訥斎の「蚤図」(画像検索結果)(でかっ [;^.^])、「ヨンストン動物図譜」の「犀図」(画像検索結果)..ほぼ怪獣 [;^.^] だが、有名な「デューラーの犀」と、よく似ている。典拠が同じなのかな? そして、河村若芝の「石灯籠図」。
11:30、退出。ミッドタウン内の「酢重ダイニング六角」で昼食。春のおばんざいセット。
13:05、三菱一号館美術館。「ザ・ビューティフル 英国の唯美主義 1860-1900」である。
この展覧会は、あたり [^.^]。「唯美主義」とは、「美のための美」。美術には「意味」も「物語」も不要、ただ美しくさえあればよい..このテーゼ(あるいはスローガン)は「音楽」に近いと思うのだが、そういう指摘は図録を含めて展覧会のどこにもないようである。唯美主義運動を象徴するのが、向日葵、百合、孔雀、とのこと..なるほど、たしかにこれらのアイテムがやたらと目に付く。[;^J^]
ジョージ・フレデリック・ワッツの「孔雀の羽を手にする習作」(画像検索結果)の、けだるいエロティシズム..結構、やばいよ、これ [;^.^]。フレデリック・レイトンの「パヴォニア」(画像検索結果)の、黒! 孔雀の羽をバックに、黒い瞳で振り返る黒髪の女! アルバート・ムーアの「黄色いマーガレット」(画像検索結果)の、夢幻的な色彩..
ジョージ・フレデリック・ワッツの「愛と死」(画像検索結果)、アルバート・ムーアの「花」(画像検索結果)、フレデリック・レイトンの「母と子(さくらんぼ)」(画像検索結果)..いずれも、素晴らしい。画像を検索できなかったが、チャールズ・リケッツの「オイディプスとスフィンクス」。シメオン・ソロモンの「パリサイ人の家にいるマグダラのマリア」は、瞳が凄い。
唯美主義運動の諷刺画(「パンチ」誌などに掲載された戯画)がいくつか展示されているのだが、これが面白い。「知的な快楽主義者」(ジョージ・デュ・モーリエ)の解説(キャプション)を引用すると、「唯美主義に夢中の美術愛好家ディ・トムキンズ君は芸術的な壁紙、染付、日本の扇子、中世の嗅ぎ煙草入れ、お気に入りの18世紀の雑誌に囲まれてご満悦、新聞など読んだこともなければ世の中の出来事にもまったく興味がもてない、と自慢げにのたまう」..こんにちの、オタクへの諷刺目線とまったく一緒。[;^J^]
驚いたのは、ジョージ・フレデリック・ワッツの「内奥の世界の住人」(画像検索結果)が来ていたこと! まさか、この作品を観られる日が来るとは!! そして、この美しい展覧会を〆るのが、アルバート・ムーアの「真夏」(画像検索結果)! この、驚くべきオレンジ色! 眠る女の美しさ..思わず(さすがに声は出さずに)笑ってしまった。(私には、深く感動すると、笑うクセがあるのである。)
15:30頃に退出。16:03、東京発のひかり。17:32、浜松着。浜松駅前のビックカメラのPC売り場をちょっと見てから、18:35、帰宅。
目次へ戻る 先週へ 次週へLast Updated: Apr 10 2014
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