*2009年10月19日:iPhone の持病?
*2009年10月20日:10000:30
*2009年10月21日:「洋梨形の男」
*2009年10月22日:「宇宙年代記全集」
*2009年10月23日:「もっと、Windows7 を、
*2009年10月24日:ベルギー幻想美術館/大乱歩展
*2009年10月25日:古代ローマ帝国の遺産
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*2009年10月19日:iPhone の持病?


 とある方のMixi日記で、「覚醒する?Club iPhone 3GS:「エラー23」はiPhone死亡のサイン?本体交換レポート」なる情報(へのリンク)を取得。まぁ、ハードは壊れるものだからな..バックアップは(例によって)こまめに取っているのだが、これだけでは実は片手落ちで、交換処理中にそのバックアップを一時的にリストアして使うためのサブ機が必要なんだよな。(それこそ、中古の傷物でも全然構わないので。)そのうちなんとかしておこう。

 以前も書いたGPSの不正確さのほかに、iPhone でいまいち気に入らない点として、FLASH に対応していないことが挙げられる。(このために、まともに表示されないWebページは、少なからず存在する。)これは技術的な問題ではなく、政治的な問題(アップルの政策)らしいのだが..まぁ、求めすぎという気もしなくはない。(それは、ネットブックの範疇だろう、というわけで。)

 ここ最近インストールしたアプリを、備忘のために記しておく。

* Photogene(350円)
写真加工用。リサイズは別アプリで出来るのだが、切り出し(トリミング)と回転が必要になることもあるので、これをチョイス&インストールした。汎用のフォトレタッチソフトであり、フィルタ(シャープネス、鉛筆画化、いくつかのエフェクト)、色の調整(レベル、露出、コントラスト、彩度、色温度、RGBの割合)、記号やフレームの付加など、(PCで動く本格的なものとは比較できないにせよ)ひととおりのことはできる。

ただし、フェイクレトロ写真を作る用途には、CameraKit の方が向いている。CameraKit は「写真の劣化」効果にフォーカスしてチューニングされているのに加えて、パラメータの選択肢が極めて少なく、調整するというよりはプリセットから選ぶという感覚なので、お手軽なのである。Photogene は汎用フォトレタッチソフトなので、調整できるパラメータがやたらと多く、写真の褪色を演出するためにはどこをどう弄ればいいのか、見当がつかないのである。[;^J^]

 なお、私がもっとも愛用しているアプリのひとつ「Star Walk」が最近アップデートされ、「Picture of the day」として、時々美麗な天体写真をプッシュ送信してくれるようになり、とても嬉しい [^J^]。このような写真は、それこそ、ネットから無数にダウンロードできるのだが、このように、ポツリ、ポツリ、と送り届けられる方が遥かに喜びを感じるのは、興味深いことである。

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*2009年10月20日:10000:30


 私は直感的に、人類の歴史は、ざっくり、あと1万年だと思っている。理由の説明などできない。あくまでも直感である。「随分長く見積もっているんだな」、「そんなに早く滅亡してしまいますか? [/_;]」、両方の反応が予想されるが、今夜のところは、この仮定で話を進めさせていただく。(ついでに言うと、「歴史が終わるまで1万年」と言っているのであって、「人類という種が滅亡するまで1万年」と言っているのでは、ない。人類が滅亡するのは、歴史を失ってから、さらに遥かに未来のことになるであろう。)

 さて、私の余命は、ざっと30年。人類(の歴史)の余命に対して、1万年:30年。0.3% ..なんとも小さな数字であることよ..と感慨にふけりかけたところで、実はそうでもないことに気がついた。

 手元に30cmの物差しがあれば、ちょっと手にとってみて欲しい。30cmの全長に対する1mmの目盛り幅。それが、約0.3%である。

 随分、大きな数字(比率)ではないか。

 1万年に対する30年の「割合」は、はっきりと「目に見える」ほどのものなのである。人類の余命が30cmの物差しだとして、私の残りの一生で、この長さのうちの1mmを遣い潰してしまうのである。これは、えらいことですよ..(人類の余命のうち、かなりの部分の「責任」を負っていることになるのだから..[;^.^])

 (蛇足ながら、10000:30 は、黄金時代の名作SF「300:1(One in Three Hundred)」(J.T. Mcintosh、1954)と、期せずして(ほぼ)同じ比率になっていることにいま気が付いたが、これは全くの偶然である。)

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*2009年10月21日:「洋梨形の男」


 「洋梨形の男」(George R.R. Martin、河出書房新社、奇想コレクション)を一読。(このシリーズの新刊は、久しぶりではないかなぁ。)「モンキー療法」−他人には見えない猿が肩車して、食事を横取りするという恐怖のダイエット療法。次第に痩せ細ってゆくのだが、自分と猿の合計体重は変わらないところが怖い。「子供たちの肖像」−私の好きなタイプの絵画怪談。主人公(作家)の作り出した作中人物(自己の投影)が、次々に絵画作品として送り届けられて来て、深夜、絵画から抜け出して主人公と対話をする。「終業時間」−それを持っていると、自分が所有する車の名前(ファルコン、ラビットなど)に変身してしまうという、魔法のメダル。軽いワンアイデアのショートショートだが、読ませる。「洋梨形の男」−不気味な隣人(ストーカー)。この普遍的な恐怖が作品の本質であり、オチ(結末)はどうでも良い。「思い出のメロディー」−タイプとしては、死者の魂が訪れる、極めてオーソドックスな怪談。ただしこの死者、疫病神と言われるほど、イヤな女であった。「成立しないヴァリエーション」−チェス小説に時間改変を絡める。

 南田洋子、逝去。合掌..

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*2009年10月22日:「宇宙年代記全集」


 これもまた随分以前に買った本だが、光瀬龍の「宇宙年代記全集」(「宇宙救助隊2180年 宇宙年代記全集 1」「辺境5320年 宇宙年代記全集 2」(ハルキ文庫))を、ざっと拾い読みした。多くは初出誌(SFマガジン)で読んでいるはずだが、記憶にないものも結構あった。未読だったのか、読んだが忘れてしまっていたのかは不明。なにしろ、何十年も昔のことなのだ。

 傑作ぞろい、と言いたいところだが、さすがに「時の流れ」には抗し得ずに古びてしまった作品もある。それは仕方がないことだし、むしろこれらの作品群のテーマには相応しいと言えないこともないような [;^J^] ..なかでは、「シティ〇年」「パイロット・ファーム2180年」「カナン5100年」が素晴らしく、「晴の海1979年」「墓碑銘2007年」「氷霧2015年」「幹線水路2061年」「流砂2210年」「落陽2217年」「流星2505年」「連邦3812年」「辺境5320年」あたりも、まだまだ現役で通用する。

 「辺境5320年」を読み返して、アレッ?と思ったというか、やや複雑な感慨が残った。これは、クラークの「都市と星」と同様の、(辺境の)都市の全住民を「データ化」する話なのだが、最後にその真相に気がついた(その都市の住民ではない)主人公が、衝動的に、それらのデータカードと再生用の電子頭脳を破壊してしまうのである。これはいかんでしょう。無意味な大量殺戮ではないか [;_ _]。「知」のSFであるクラーク作品に対する、「情」のSFと言うべきか..(というまとめは、解りやすすぎる図式化と言うべきか..)

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*2009年10月23日:「もっと、Windows7 を、


 生かせるPCを買おう!」、という(ハードメーカーの)CM。立場は理解できますが [;^J^]、現有のPCでは、ろくに生かせないということですか。そうですか。[;^.^]凸

 それにしても、ひでぇ名称だよなぁ..[;^J^]。まぁ、Windows95、Windows98、WindowsXP よりもヒドイかと問い詰められると、それはなんとも答えられませんが、私なんか、この名称だけで買う気が失せるなぁ..(Vista は、名称だけはマトモだった。)まぁ、しばらくは、様子見だ。(今のハードでまともなパフォーマンスが出るのかどうか、見極めなくちゃならないし。[;^J^])

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*2009年10月24日:ベルギー幻想美術館/大乱歩展


 7:07のバス。7:44のひかり。9:30に渋谷 Bunkamura に着いたが、もちろん早過ぎる [;^J^]。10:00にザ・ミュージアムの「ベルギー幻想美術館」開場。姫路市立美術館の所蔵作品による展覧会で、ロップス、アンソール、マグリット、デルヴォーがメイン。もう少しバリエーションが欲しい気もするが、なかなか悪くないですよ。お薦め。

 神保町に移動し、コミック高岡で数冊購入。ランチョンでランチを食べてから、(気の毒なので名前は伏せるが)グラビアアイドル・Uの写真集を1冊、売りに歩くが..売れない [;^J^]。この写真集、数年前に若気の至りで購入したものの、もう不要なのであるが、ヤフオクで買い手が付かず、浜松の自宅の近くのブックオフでも引き取ってもらえなかったのである。神保町にはこの類の写真集の専門店は山ほどあるし、なんとでもなるだろうと思っていたのだが..専門店は目が肥えておりまして [;^J^]、売れない(商品価値の無い)写真集を買うほど甘くはないのでありました [;_ _][;^.^]。まぁ、完全に過去の人だからなぁ..しかし、困ったな。たかが写真集1冊とはいえ、不要な本を置いておく余裕は(自宅の書架には)無いのである。といって、ゴミとして捨てるのも忍びないし [_ _] ..せめて浜松に持ち帰って、資源回収に出すとするか..

 14時少し前に、神奈川近代文学館(みなとみらい線の、元町・中華街駅から徒歩数分、港の見える丘公園内)に着く。「大乱歩展」関連行事の紀田順一郎の講演(「江戸川乱歩と少年探偵の夢」)を聴講するためである。さすがに人を得た講演で、大変面白かった。以下、備忘のために(講演の後半の)メモの内容を転記しておくが、断片的な箇条書きであることをお断りしておく。(書くのが追いつかなくってさ。[;^J^])

・変身願望
 (倉田の連想:手塚治虫への影響は?
  小林少年が仏像に変装するシーンと、鉄腕アトムのロボット爆弾の巻(1956〜57)の関係は?)

・「面白くて、タメになる」が、講談社の社是。

・乱歩は、非体制的(反体制的ではない)→ 「持ち」が良い。

・乱歩による本格ミステリの定義。

  探偵小説とは、
  主として犯罪に関する難解な秘密の
  論理的に、徐々に解かれて行く
  経路の面白さを主眼とする文学である。
  (「徐々に」がポイント。実作者ならではの、行き届いた定義。)

・乱歩は、ミステリを、

  発端の意外性
  中盤のサスペンス
  結末の意外性

 と定義している(特徴づけている)が、乱歩の実作は、実際には、

  発端の怪奇性
  中盤の異常性
  結末の異様性

・「怪談入門」は、重要なエッセイ

・乱歩は、以上のような独自な個性を前提として、
 探偵小説「固有の意味と価値」を発見した、
 創始者であり、源泉的な存在である。

・乱歩のコード

 「二銭銅貨」などの初期短編(コード化)

  ↓

 「一寸法師」などの通俗長編(コードの変質(Global な流通過程))

  ↓

 休筆(脱コード化)

  ↓

 (「再コード化」と「別コード化」に分岐)

 【再コード化】自己確認「貼混年譜」
        海外ミステリ研究
         定義の実証
         「類別トリック集成」
        戦後は、
         ミステリ研究
         啓蒙

 【別コード化】自己発見(好人症)
        戦時体制への順応
         国策本の執筆
         町内会参加
        戦後は、
         文壇志向
         新人発掘/文学賞設定

「再コード化」と「別コード化」の両者が相俟って、市場形成と、声価安定。

 講演は15:50まで。17時の閉館まで(やや急ぎ足で)展示を見てから、早めに横浜の実家へ。

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*2009年10月25日:古代ローマ帝国の遺産


 実家前のバス停から7:56のバスで発ち、9:30、上野の国立西洋美術館。「古代ローマ帝国の遺産」である。アウグストゥス治下の「黄金時代」の遺産群の展示であるが..これは見応え、ありますよ。美術品の数々や(今回の目玉である)「黄金の腕輪の家」の「モザイクの噴水」(及びこれを含む庭園のVRによる復元)も素晴らしいものであるが、しかし私が最も感銘を受けたのは、「水道の弁」である。こんにち、われわれが使っているものと、全然変わらん [;X.X]..いや、もちろん、そんなこと(古代ローマの技術力)は以前から知っておりましたが..しかし改めて実物を見ますとね..これに接続されるパイプは「規格化」されていたというし..2000年前の工業技術(及び「システム」)の凄みに圧倒されました。[_ _]

 11時過ぎに退去。渋谷タワレコに寄ってから、江戸川台の麺珍亭で油そば。(これがほんとに、美味いんだ。[^.^])現代マンガ図書館に(あらかじめここに蔵書されていないことを確認済みの)古雑誌を3冊寄付。

 引き続き、秋葉原。久しぶりにブックオフ秋葉原店を冷やかしていて..ふと思い出して、リュックからUの写真集を取り出して買取カウンターに持っていったら、50円で売れました [;^J^]。良かったよかった [^.^]。いつか誰かに買ってもらえるといいな。

 少々早いが、15:03のひかりで浜松へ。17:10に帰宅。

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*解説


MASK 倉田わたるのミクロコスモスへの扉
Last Updated: Oct 28 2009
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