*2009年02月09日:「王道」について
*2009年02月10日:「独断流「読書」必勝法」
*2009年02月11日:「最後のウィネベーゴ」
*2009年02月12日:「銭ゲバ」とくれば..
*2009年02月13日:手塚治虫@BS
*2009年02月14日:春ですか? [;^.^]
*2009年02月15日:夏ですか? [;^.^]
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*2009年02月09日:「王道」について


 もうかなり以前のことになるが、とある読書系のブログ日記に書かれていた「これぞ本格ミステリの王道!」という表現に噛みついて、こんなコメントをつけた人がいた。「辞書を引いてごらん。そんな恥ずかしい言葉遣い、出来なくなるからさ」..友達いねーよな、こいつ。[^.^](そのブログのヌシの人はオトナであり、「そうですね」、と軽く受け流して収めたのは流石であった。)

 無論、私も「王道」の本来の意味が異なることは知っていたが、「しかし今は普通はそういう意味では使わねーし」、と思いながらも、一応「大辞泉」を引いてみたら..

おう‐どう【王道】ワウダウ
〔1〕儒教で理想とした、有徳の君主が仁義に基づいて国を治める政道。⇔覇道(はどう)。
〔2〕安易な方法。近道。「学問に―無し」

 ..これしか載っていない。いや確かにこれで正しいのだか、しかし..と、「広辞苑」をはじめ、手近にある辞書を片端から引いてみたが、やはり(煩わしいのでこれ以上の引用はしないが)基本的に、このふたつの意味しか載っていない。これはなんとしたことだ。こんにち、「王道」という言葉が使われる場合、ほぼ100%、「正統派」という意味ではないだろうか。「有徳の君主が仁義に基づいて国を治める政道」や「(王者だけに許される)安易な近道」という意味で「王道」という言葉が使われる場合が、あるであろうか。(「学問に王道無し」を別にすれば。)

 もちろん、辞書は、その言葉の本来の意味を記載し、伝え続けてゆくべきである。しかしそれに加えて、ある時点から広く使われ認められるようになった(新たな)意味も記載すべきではないだろうか。「正統派」を意味する「王道」など、昨日今日の話ではない、遥か以前から使われているのではないだろうか。

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*2009年02月10日:「独断流「読書」必勝法」


 これは、一昨年に出た本だが、「独断流「読書」必勝法」(清水義範、西原理恵子、講談社)を一読。実に面白い。「ロビンソン・クルーソー」は「豊か」だからこそ、子ども(少年)の心を捉えるのだという指摘は、まさに我が意を得たりである。無人島に漂着して、まず、難破船から必要物資を搬出するのだが、その品々のバラエティと量たるや尋常ではなく、清水義範の言葉を借りれば、まさに「雑貨店を開ける」レベルなのである。

 そしてまた、清水の文章に添えられた(というか二人三脚状態の)西原理恵子の漫画ももちろん面白いのだが、最も秀逸なのが、このロビンソンクルーソーの章の漫画。少し長めに引用するが、絵が無いと、西原の怒りの突っ込みが伝わりにくいかなぁ..[;^J^]

「私は子供のころから、このロビンソンクルーソーと十五少年漂流記が大っきらい」

「二間に台所だけの家。私の勉強机は通路にあって、フスマをへだててねたきりじいちゃん。私はこのローカのすみの全く日のあたらない「私の部屋」がお気に入り」

「ロビンソンは必ず助かる。何でも上手に作って、何でも手に入って、すべてがうまくゆく。家、イカダ、ペット。正直でシンセツなどれい商人。十五少年はキソクを守って漂流。勉強の時間なんかあったりして」

「ちっとも遭難してないじゃん。ピクニックかよこれは」

「ねたきりじいちゃん。仕事と子育てとカイゴで再婚大ハズレのふらふら母ちゃん。バクチばっかして帰ってこないとーちゃん。ぼろぼろの汚い家。お兄ちゃんはいつだって怒ってばっかで家にいない」

「うちの方がまるっきし遭難してるっつうの。」

(中略)

「中学生の時「蠅の王」を読んで、やっと人間らしい遭難漂流記が読めたと、せーさんなラストにほっとする。そうだよ、人って貧すれば鈍するだよ、世界のお約束だよ。読書ばんざい」

 ..[;^J^][;^J^][;^J^]

 最終章「特別講座「王道ミステリーの楽しみ」」(そらきた、「王道」! [;^.^][;^.^][;^.^])でも、西原の心地よいキレっぷりを堪能できる。「子供のころからミステリーが大嫌い」だという西原は、

「またどの探偵も学校で一番勉強のできる、へりくつ言いのガキそっくりで、活字のくせにこんなに腹立つなんてっ」

 ..いや、こればっかりは、全く同感であります [;^.^][;^.^][;^.^]。とにかく、最終章で関係者全員を集めて、「皆さん。真犯人はこの中にいます..」とやらかさなければならないという形式からの必然とはいえ、徹底的に推理を隠匿(あるいは小出し)にしやがって、ワトスン役を、嬲る嬲る。人間性に問題がある名探偵の筆頭と言えば、普通はシャーロック・ホームズだろうが、私見では、彼はそれほど酷くはない。ちょ〜ムカツクのは、(日本の探偵小説に限定すると、)「虚無への供物」(中井英夫)の奈々村久生と、二階堂黎人の一群の作品に登場する二階堂蘭子である。どちらも女性であるという点で、このような表明をするのはジェンダー的にリスキーであることは百も承知だが..[;^.^]

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*2009年02月11日:「最後のウィネベーゴ」


 うららかな休日。ここんとこ、土日祝日(の午前中から昼過ぎ)は、ほとんど快晴な様な気がする。おかげで、今日も湯風景しおりに行くハメになってしまった。[;^J^]

 甲羅干しをしつつ読了したのは、「最後のウィネベーゴ」(Connie Willis、河出書房新社、奇想コレクション)−これでようやく、この叢書の積読が片づいたわけだが [;^J^]、4編からなる、日本独自編集の短編集。「女王様でも」−女性の生理を取り扱っているんだが、残念ながら、どこが面白いんだかさっぱりわからん。別に私が男性だからというわけではないと思うのだが..「タイムアウト」−コメディタッチの時間旅行ものだが、これも、ややこしいばかりでいまいち面白くない。「スパイス・ポグロム」−宇宙ステーションを舞台とするスクリューボール・コメディ。これはなかなか面白い。人口過密な宇宙ステーションの名前が「ソニー」であるように、徹底的に日本趣味(というより、「ハイテクジャパン趣味」)を取り入れており、そのせいかどうか、ほとんど長屋ものの落語のような風情すらある。そして、巻末を飾る「最後のウィネベーゴ」が、評判に違わぬ傑作であった。最初のうち、自動連写カメラの話の何が面白いのかと思って読み進めていたのだが、これが、「カメラでは本当の表情を撮れない」というテーゼと結びついて、見事な結末へとつながっている。犬、RV、それぞれが失われ行く存在として絶妙に響き合い、絡み合っている。

 先日録画したとあるバラエティ番組を何の気無しに見返していたら、「鍋の焦げ付きを取るには、林檎の皮を15分間煮れば良い」という情報が紹介されていた。見落としていたなぁ..かなり以前に、ビタクラフトの小鍋に直径2センチほどの焦げ付きを作ってしまい、これがクレンザーなどを使っても、どうしても落ちないままに諦めていたのだが..(金属タワシでゴシゴシやれば落ちるかも知れないが、傷をつけたくはありませんので..)なんと、林檎1個分の皮を15分間煮たら、ほんとに焦げが落ちてしまった [^.^]。ひとつ、賢くなりました。[^.^]V

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*2009年02月12日:「銭ゲバ」とくれば..


 見てはいないのだが、日本テレビ系で実写ドラマ「銭ゲバ」、放映中である。風太郎役は松山ケンイチ。原作は傑作であることは承知の上で、しかしながら好きな作品とはいえないので、今後とも、このドラマを見るつもりはないのだが..しかし、「アシュラ」なら大好きだぞ [^.^]。「アシュラ」、実写でやんないかな。月9あたりで [^.^]。イケメン俳優どもを、あの世界に放り込んだれ。[^.^]

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*2009年02月13日:手塚治虫@BS


 BS20周年企画とかで、手塚治虫生誕80年との合わせ技で、秋までかけて、手塚治虫の特番が続くようである。既に録画したのは、「手塚治虫のすべて」(これは、過去の特番「手塚治虫・創作の秘密」「わたしの自叙伝」「わが青春のトキワ荘」「いのち 〜わが父 手塚治虫〜」「ラストメッセージ 手塚治虫」を連結したもの)、「手塚治虫 現代への問いかけ 1〜4」「手塚治虫・漫画・音楽・そして人生」である。先刻承知の内容(あるいは映像)も多いのだが、新発見もある。このように固めてもらえると、効率が良くて助かる。

 4月からは、BS2(BS1だったかな?)で「週刊手塚治虫」が始まる。4/18からは、江戸東京博物館で「手塚治虫展」。いずれも、楽しみである。

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*2009年02月14日:春ですか? [;^.^]


 午前中曇り気味だったので起動が遅れたが、昼前には晴れたので、湯風景しおりへ。11:50頃着。もうなんちゅうか、ほとんど暑い。風も涼しくない。野天風呂やサウナで熱量を蓄えては、ベンチに横になって冷まし乾かす、という繰り返しをしてきたのだが、もはや湯に入ったり湯気を浴びたりする必要がない。風をどれだけ浴びても、寒くならない。(とはいえ、15時を過ぎると、話はまた別だが。)

 夕方、富塚町のブックオフへ。今後読み返す可能性がほとんどない文庫本とコミック(主として中村うさぎ関係)を20冊弱売るが、もちろん、書棚のスペースをこの程度空けても、焼け石に水にすら、ならない。

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*2009年02月15日:夏ですか? [;^.^]


 今日も快晴。もはや真夏日。湯風景しおりへ。普段、よほど寒くない限りは、下はスウェット、上はTシャツの上にスウェット、という薄着でこのスーパー銭湯に通っているのだが、今日はうっかり、上のスウェットを着るのを忘れて来てしまった [;^J^]。Tシャツ1枚だよ、真夏の格好だよ、これ以上薄着は出来ないんだよ、今はまだ2月中旬なんだよ、これから半年(以上)、どうすりゃいいんだよぅ。[;^.^][;^.^][;^.^]

 14:40まで、日光浴しつつ読書。帰路、(今日は湯風景しおりで食事しなかったため)小腹が空いたので、中途半端な時刻ではあるが15時前に、「お好み焼き本舗」という大阪系の店に入り、デラックスモダンを注文する。前回、この店でお好み焼きを食べた時には、まぁこんなものかなぁ、大阪風は、いまいち好みに合わないのかなぁ、と思ったのだが、このデラックスモダンは、びっくりするほど美味かった [^J^]。15:40帰宅。

 金曜日頃から目が痒い気がするが..私は、花粉症にはなりたくない。花粉症患者ではありたくない。だから、これは花粉ではないはずだ。これは花粉症ではないはずだ..(← 一点の隙もないロジックだと思いますが、どこか穴はあるでしょうか? [;_ _][;_ _][;_ _][;^.^])

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*解説


MASK 倉田わたるのミクロコスモスへの扉
Last Updated: Feb 18 2009
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