2000年11月13日:なぜ、私はテレビ番組を視ないのか。 2000年11月14日:革命騒ぎ(嘘) 2000年11月15日:用語について 2000年11月16日:業界について 2000年11月17日:溶暗について 2000年11月18日:三連荘の手塚調査、第一日 2000年11月19日:三連荘の手塚調査、第二日目次へ戻る 先週へ 次週へ
もちろん、全く視ないわけでは無い。実家に帰省した時には、いくつかの番組を(食事をしながら)視たりするし、時には、面白いと思わないわけでもないのであるが..
つまり、全く、ペースが合わないのである。遅すぎて、ついて行けないのだ。特に、「ゲスト」が出演する系の番組が、最悪である。「凄いですねぇ」「不思議ですねぇ」「面白いですねぇ」「けしからんですねぇ」などと、ゲスト出演者同士、あるいはゲスト出演者とレギュラー出演者が感心しあっているシーンが、無駄なのである。こっちは既に(速やかに)「感心」し終わっているんだから、さっさと話を先に進めてくれってば。(恐らく、これが「ながら族」(死語)の発生の原因だろう。テレビのペースに付き合ってられないから、やむを得ず、本や新聞を読んだり、勉強したりするのである。少なくとも私の場合はそうだ。テレビ番組と差し向かいになっていると、暇で暇で仕方がない。)
まぁ、無理もないことではある。不特定多数を対象としているメディアである以上、もっとも理解のスピードが遅い視聴者でもついてこられるスピードに、調整されているのだろう。
無論、技術革新は、正しい方向に進んでいる。これからのテレビ受像器は、最低でも数十ギガバイト程度のHDを積んで、“リアルタイムに視ている”番組の早送りや巻き戻しが、出来るようになる。(普及時期(数年後)を考えれば、たかが数十ギガのわけが無く、数テラバイト? 過剰品質だな。)VTRを介在させることなく、タイムシフト出来るようになる。
しかし、単なる早送りでも、ダメなのだ。タグつき、インデックスつきの検索が出来なければ、情報収集ツールとしては、効率が悪すぎる。
だから私は、今日も、時間に縛られない(時間を自由に操れる)最高のランダムアクセスツールである「本」を、読んでいるのである。
目次へ戻るM首相が、「IT革命」を、何度も(何度でも)「IC革命」と言い間違える件であるが、ま、私としては、最初は同情的だったのである。歳を取ってから、新しい(横文字の)略語を憶えるのは、大変である。(若くたって、結構、大変だ。)ましてや、政権の目玉政策..ということは、つまり、(そんなものを、官僚組織が「政治家」に考えさせるわけが無いので)官僚のお仕着せなのであり、自分が自発的に考えた物ではないのだから、ますますもって、不利である。「IT」という言葉を憶えなければならないM首相こそ、いい迷惑であることよなぁ..、と。
しかしようやく、真相に気が付いた。彼は、略語が紛らわしいので言い間違えているわけでは、無いのである。まがりなりにも(全くもって、“まがりなりにも”)首相にまでなった人である。略語を略語のまま憶えようとするのではなく、日本語に立ち返って、その「意味」で憶えようとしたはずである。それなら、間違えるはずが無いからだ。
つまり、M首相は、「情報技術」と「集積回路」の違いが、認識出来ないのであった。(いずれも工学系の四文字熟語なのだから、無理も無い。)
聖レイの「セクシャル女学生」と「蜜壷あそび」が届いた。これで22冊。あと5冊である。
目次へ戻る(「略語」では無いが「専門用語」つながりで)16年前の思い出話。
法事があり、一族の数十名が中華料理屋で会食をしていたのである。なんのはずみだか忘れたが、「発泡ポリスチレン」の話題になったのである。
その場にいた、ただふたりの化学者(亡父と叔父)を除いて、誰もその物質を知らなかった。ふたりは困惑した。「どうしてみんな知らないんだ。どこにでも有る、ありふれた素材なのに..」「知らないってば、そんな化学物質は」「そうかなぁ..」、と、本気で悩みつつ、ぼやきついでに、「発泡スチロールとも言うんだが..」
一同、ダァ、である。「普通の言葉で喋らんかいっ!!」
さらにまた呆れ返ったことに、このふたりの専門家は、「発泡スチロール」という言葉なら、知らない日本人など1%もいない、という事実を初めて知って、仰天していたのである。
「専門バカ」という表題をつけて片づけてしまうには、惜しい逸話である。熟読玩味していただきたい。
ヤフオクで、今夜(深夜)2時6分締め切りの「ふぁんたすていか」(山田章博)の値動きを、この一週間、ウォッチしていたのだが、一週間前、私が(唾つけとして入札した)1000円に、その約一日後、誰かが1100円と被せてきたっきり、全く動きが無かったのである。そこで、じたばたせずに(そっと)放置しておき、締め切り5分前に、2700円叩きこんで、かっさらう心づもりだったのだが..
廃墟通信の更新が済んだ0時過ぎに、ちょっと様子を見てみたら..みんな同じことを考えていたのか、入札者は10人、4100円まで騰がっていた。こりゃ、落札価格は1万円を確実に越えるわ。あかん、諦め。全く、とんでもない指数曲線である。(オークションカーブとでも、呼ぶことにしましょうか。)
目次へ戻る今夜は、10年くらい昔の思い出話。(今週前半は、マジでイベントが無いのである。[;^J^])
数年前に潰れてしまった、館山寺街道沿いの養老の瀧。(いまだ、マリー・セレステ号状態の廃墟のままであり、その朽ち果てて行く姿が、なんとも美しい..)当時そこに入り浸っていた私は、その夜は、カウンターで飲んでいた。
4人組のグループが、「コ」の字型のカウンターの、反対側に座っていた。明らかに土建業のブルーカラーであり、上から順に、50代、40代、30代、20代、と、各年代、綺麗にそろっている。(部長、課長、係長、ヒラ、といった風情。)その話を聞くともなしに聞いていたのだが..
一番若い、20代のお兄さんが、「自分は、昔、山口組にいたんですけど..」(ここで軽くずっこけかかったが、失礼なので、持ちこたえた。[;^J^])「あそこは凄く礼儀が厳しくて、半年間は名前で呼んでもらえないんです..」
いや、その先の話の内容は、全然憶えていないんだが、「昔、山口組にいた」という「告白」に全く動じていない50代、40代、30代のおじさんたちこそ、印象的であった。言われてみれば、彼らも「昔、山口組にいた」としても、全く違和感の無い風貌と雰囲気の持ち主なのである。[;^J^]
なによりも、その「自然さ」に感じ入った。彼らにとって、「山口組」というのは、特別な組織(存在)では無いのである。そしてまたそのお兄さんが、山口組でどういう仕事をしていたのかは知らないが、(まぁ、年格好とヤサ男風の雰囲気からして、“パシリ”どまりだったことは確実であるが、)そこからなんなく(?)足を洗って、堅気の仕事をしているのである。
ヤクザ業界に対する見方が、少し変化した夜ではあった。
目次へ戻る音楽における「フェイドアウト」という手法の発明者はビートルズで、その最初の適用例が「ヘイ・ジュード」である、と、聞いた憶えがあるが、これは正しい知識かな?(ちなみに、大辞泉で引くと、「フェード‐アウト【fade-out】/映画・演劇・テレビなどで、一つの場面が少しずつ暗くなって最後に消えること。溶暗。」としか出てこない。視覚効果(映像効果)としての解説であって、音楽にまで目配りされていない。)
確かに、大発明であったとは思うのだ。伝統音楽(クラシック音楽)には、これに相当する技法が無い。(物理的に困難なことではあった。)ハイドンの「告別交響曲」のように、楽器(と奏者)を徐々に減らしていく例はあるが、同じ旋律を何度も繰り返しつつ、それが次第に消えていく、という例は、無いと思う。
しかし、あまりにも乱用されすぎているのではないか。フェイドアウトする必然性が感じられない曲でも、バンバン、フェイドアウトしている。
要するに、エンディングを考えるのが、面倒なだけなのではあるまいか。
目次へ戻る来週月曜日は有休取得済み。土日月と、3日間ぶち抜きの手塚治虫調査である。
まずは、いつもの7:14のひかりで、国会図書館へ。今日の調査項目(約30件)は、ほぼ全て、既にリストに含まれているデータの確認である..と書くと、「煮詰まっているな」、と思われるだろうが、例えば、本日明らかになったデータには、
神戸夏期大学講師紹介(談話)::1:神戸新聞:81/06/25
というものが含まれている。これは、神戸のNさんから送られてきた資料のうち、「確か、6月だったと思います」と、掲載年月日が曖昧だったもの。
Nさんから送られてきた、“「“手塚治虫漫画全集”解説総目録」に含まれていない新聞記事など”のリストは、100件を越えており、そのほとんどは、まだ私のリストに反映されていないのだが、かなり多数の資料が、初出誌及び初出年月日が曖昧または不明なのである。
実に、ファイトが湧くではないか。[^J^]
神保町をさーっと通り過ぎて、お茶の水駅前のディスクユニオン(クラシックでは無い方)に、久々に寄ってみた。
ここ、プログレ売場は隔離されていたんだったっけ? [;^J^] これは便利 [;^.^]。とはいえ、中古がほとんどなく新品ばかりで、たいして廉くはなかったので、1枚も買わずに横浜の実家へ。
目次へ戻る実家の前のバス停から8:54のバスで中山駅へ。今日は、Tさん宅で調査である。
Tさんコレクションの調査は、本当に大詰め。数回前から切り抜きの類のサルベージにかかっていたが、今日は、それ以外にも、これまでの調査の網の目からもれていた件(及び、確実に閲覧しているが、紙物の記録が残っていない件)を、丹念に(というより“愚直に”)つぶして行く。
従来のデータの誤りを、数点発見。また、取り扱いに迷ったのが、
新人類フウムーン::263:少年:57/01 付録,57/02 付録,57/03 付録,57/04 付録
これは、「来るべき世界」の圧縮版であり、従って、従来のどのリストにも掲載されていない。
確かに、独立した作品では無いのであるが..(「リボンの騎士」「バンパイヤ」など、多くの例がある)単純な「総集編」ではないということと、手塚治虫自身の手によって、圧縮処理がなされていること。及び、たまたまこれらの初出誌を入手した人が、「これは一体、なんなんだ? 「来るべき世界」にそっくりだが、タイトルは違うし..もしや新発見の作品か!?」、などと迷ったりぬか喜び [;^.^] したりすることを防ぐ必要があることを鑑みて、“(「来るべき世界」のアブリッジ版)”という注釈付きで、掲載することにした。
16:30に調査を切り上げ、中山駅まで送っていただき、バスで実家に戻る。
大森望の日記を読んでいたら、11月1日の項に、古典的な諺の誤用が。
ここで甘やかすと彼の将来にとってよくない。昔の人は言いました。「情けは人のためならず」
(わざとひねって誤用している、という文脈では無いと思うんだがな。)私は、この類の(些細な)誤りを意地悪くつつく、ということはしない主義なのだが(ほんとだよ)、彼はプロの文筆業者なのである。叩くべきだろう。情け無用。「情けは人のためならず」じゃ。(← だから違うってば。[;^.^])
(「文筆業者」を「分泌業者」と変換するのは、感心しないな。)
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