遠い、遠い昔に打ち捨てられた、地下の廃墟が動きだす。上空遥か彼方から接近してきた物体に反応して、自動防衛システムが目覚めたのだ。そのシステムの動きを見守る者も、命令を下す者も誰もいないまま、特段の割り込みが無い限りは攻撃、と、プログラムされた、そのプログラム通りに、無数の報復攻撃ミサイルが、物体の飛来元へと発射された。
この星は、月。やって来たのは、人類初の月着陸ロケット。一千箇の超原子爆弾で瞬時に焼き尽くされたのは、地球。
さすがにこのショートショートは、古くなった。太古の自動装置が、地球(あるいは太陽系)を壊滅させるという派手な結末は、作者の別の有名な短篇(そちらを未読かも知れないので、作品名は伏せる)と同様だが、短すぎて「こく」が無いのだ。
Last Updated: May 23 1996
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